全員が好成績を収める

馬術

 馬場馬術競技(馬場)、クロスカントリー競技(クロスカントリー)、障害飛越競技(障害)の3種目の総合点を競う今大会に早大からは3人の選手が出場。中でも五十嵐裕哉主将(創理4=新潟南)は大会連覇をかけて臨むもあと一歩のところで優勝を逃してしまった。しかし畠山聖(スポ4=茨城・常総学院)が4位に、佐々紫苑(スポ1=神奈川・日女大付)が6位にともに入賞。次の関東学生選手権(関カレ)に向け弾みをつけた。

 ペアを組んでいる稲隆の調子も含め1日目から快調な滑り出しだった。苦手とする馬場で想像よりも良い点数を叩き出し、トップに立つ。そのまま2日目のクロスカントリーでは危なげなく全ての障害をクリア。タイムも早すぎるくらいのペースで余裕を持って走行を終えた。だが2位についていた大森康平(明大)も負けじと完璧な走りを見せる。点差を開く隙を与えず、最終日を0.7点という僅差で迎えることに。ミスを避けようと丁寧に障害を飛ぼうとする気持ちがペースを遅めることになってしまう。規定タイムである69秒を僅かに超え、タイム減点1となり大森に逆転を許す結果となった。

結果に悔しさが残る五十嵐と稲隆

 きょねんは五十嵐に次いで2位に輝いた佐々が早大馬術部に入部。1日目の馬場では落ち着いた様子で演技を終え、3位につく。クロスカントリーでも障害を次々とクリアしていき順位をキープ。しかし上位の点差は僅かであり1つのミスが勝負を左右するという厳しい状況に。「自分の体が硬くなっていたのかなと思います」(佐々)と話すように思うように自分の力を発揮できず、5番障害でまさかの反抗。その減点が響き総合順位を6位と落とし、2年連続の表彰台とはならなかった。一方の畠山は馬場では9位と出遅れるも、クロスカントリーは勢いのある走りでミスなく障害を越える。迎えた最終日、厳しい状況の中でも焦ることなく減点0という満足の走行を披露。しかし結果は4位に留まり惜しくもメダルには届かなかった。

納得の走りをした畠山とアイシングラー

 出場した3名全員が上位入賞を果たした今大会。結果としては上々だと言えるだろう。ただ個人の課題も明らかになった。関カレまでにどこまで修正できるかが勝負のカギになるはずだ。悲願の表彰台へ――。勝負はすでに始まっている。

(記事 藤巻晴帆、写真 八木瑛莉佳、藤巻晴帆)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません。

コメント

五十嵐裕哉主将(創理4=新潟南)

――馬場馬術競技を振り返っていかがでしたか

苦手な馬場馬術で自分がどこまで頑張れるかなというところだったので、そこで思ったよりも点がついてトップになれたのはすごく大きかったです。

――クロスカントリー競技を振り返っていかがでしたか

タイムがきついという話だったのでいつもよりペースを上げていったら、ちょっと早すぎたのですが余裕を持って人馬ともにいけたかなと思います。

――障害飛越競技を振り返っていかがでしたか

本当に人間のミスなので馬には申し訳ないなと思います。途中で時間を見たらまだ余裕があったのでそこで人間が丁寧に丁寧にと思いすぎてしまって時間がかかってしまいました。

――全体を通して馬の調子はいかがでしたか

馬の調子はすごく良かったと思います。最終日まで元気に終われたので、この調子で関東全学とも頑張りたいと思います。

――次回への向けての目標は

この年は団体でなるべくできるだけ高い表彰台に登りたいなと思います。

畠山聖(スポ4=茨城・常総学院)

――まず初日の馬場馬術はいかがだったでしょうか

この馬は上位の選手と(点)差が開いてしまうのはわかっていたんですけど、この馬にしてはまあまあだったんじゃないでしょうか。

――次のクロスカントリーはいかがでしょうか

逆にこの馬が得意なので特に心配もなく、予定通りでした。

――最後にきょうの障害馬術についてはいかがでしょうか

(減点)ゼロで帰ってこられたので成績的には良かったです。

――3日間の馬の調子はどうでしたか

良かったです。頑張ってくれました。

――次の大会に向けて

次は全日本の予選である関東学生なんですけど、予選は大体突破できるので、心配はないです。本気を出しすぎて失敗するよりかはいつもの力を出してしっかり全日本の枠をとれるようにしたいです。

――ことしはラストイヤーとなりますが目標をお願いします

学生戦は個人よりも団体を重んじる試合なので、その学生戦ではワセダの団体成績がきょねんより上がるよう頑張りたいと思います。個人では学生戦だけではなく他の試合も出るので、良い成績が出せるよう頑張っていきたいです。

佐々紫苑(スポ1=神奈川・日女大付)

――3日間の大会を振り返っていかがですか

初日は1カ所ミスをしてしまったところ以外は良かったです。2日目もいままでで一番良い走行ができましたが、きょうは自分の中で緊張していたこともあってかちかちになって、いつも通りの走行ができなかったのでとても悔しいです。

――緊張の原因は何だったのでしょうか

全員(失点が)僅差で一つでも落としたらという状況であったので、逆に落とさなければ十分上に行ける可能性もあったことが一つです。またきょねんは初めて出場して2位だったので、ことしはそれよりもっと上に行きたかったです。そのことがあって、自分の中で変にプレッシャーをかけすぎてしまったのかなと思っています。

――障害にて1反抗もありましたが

本当に自分何やっているんだろうと思いました。最初から物見をしてしまっていて、もっと前に出してスムーズに脚を使っていけばよかったのですが、自分の体が硬くなっていたのかなと思います。もっとスムーズに、馬がどきどきしなくて済むようにやれば良かったと後悔しています。

――大学生活には慣れましたか

少しまだ慣れていません。気合を入れて毎日1限から授業を入れてしまっていて、とても後悔しています。最初は部に入る予定ではなかったのですが途中で入らせていただいたので、秋学期からは授業を午後からにしてちゃんと毎日部活に行けるようにしたいと思います。

――部には慣れましたか

1限から授業があるので同じ馬を担当している先輩が早くいらっしゃる時にしかまだ来られないので、まだなかなか同期や先輩の顔と名前を一致させることができなくて少し困ってます。

――ワセダを進学先に選んだ理由を教えて下さい

ずっと憧れていたということと、憧れていたコーチの佐藤さんが同じワセダのスポーツ科学部であったので同じところに入りたいと思いました。

――練習には慣れましたか

まだ先輩に障害をレッスンしていただいたのが1、2回なのですが、まだあまり自信がないのでこれから頑張ろうと思います。

――今季の目標をお願いします

階級は瑞龍とのコンビでは少しずつ良くなってきていると思うので、馬場をもっとやり終わった後に良くできたという感覚をつかめるようにしたいです。また余力がいつもだめなので、余力をもっと気合いを入れてやっていこうと思います。