関東学生三大大会の一つである今大会。2日間に渡り調教審査、耐久審査、余力審査を行い、3種目の合計減点で順位を争う。個人の部では五十嵐裕哉(創理3=新潟南)が4位入賞を果たした。また、チームの上位3名の合計減点数で順位を決定する団体の部でワセダは4位に入る。苦戦を強いられた前日、前々日の関東学生賞典障害飛越競技大会および関東学生賞典馬場馬術競技大会からは各々持ち直したものの、個人、団体共にあと一歩表彰台に届かなかった。
ワセダからは4選手が出場した総合馬術競技。初日は調教審査が行われた。鬼門となる馬場馬術でそれぞれ順位が伸びない中、五十嵐と稲隆のペアが6位に食い込む。だが、「出遅れたのは反省点」(五十嵐)と決して満足のいく内容ではなかった。最終日に向け、ここでの減点を抑えていれば3位以内も手が届いたため悔しさをにじませた。
課題の馬場で出遅れた大澤と稲玄
迎えた最終日は午前に耐久審査、休憩をはさみ午後に余力審査が行われる。耐久審査では6分を越えてゴールすると1秒毎に0.4のタイム減点がつき、多くの選手がこれにより減点を重ねた。その中で五十嵐と稲隆、畠山聖(スポ3=茨城・常総学院)とアイシングラーがタイム減点、障害減点ともに0という素晴らしい走りを見せる。総減点0で耐久審査を終えたのは出場全32名中7名のみであった。最後の種目は馬の疲労がピークに達している中での余力審査。五十嵐はタイム減点1と6番障害の落下のみで総減点を5に抑える。3種目の合計減点は57.4で4位に入賞した。畠山は1反抗および9番障害を落とした事に加え、タイムで大きく減点され順位を落としてしまう。その結果、総合12位で競技を終えた。長谷部悦郎主将(法4=埼玉・城西大川越)と稲帥は17位、大澤佳純(教2=神奈川・桐蔭学園)と稲玄は19位と伸び悩んだ。
耐久審査では完璧な演技を見せた五十嵐と稲隆
関東学生大会全体を振り返り、長谷部主将は「精神的な弱さというのが出てしまった」と語った。4位入賞とはいえ、3位の日大が上位3名の合計減点190.3であるのに対して、ワセダは281.9。約90も差がつき、大きく水をあけられてしまった。今後はいかに一人一人がこの点差を埋めてゆけるかが、今回ワセダを上回ったチームとの勝負の鍵となる。
(記事 松岡文、写真 井上雄太)
コメント
長谷部悦郎主将(法4=埼玉・城西大川越)
――関東学生全体をチームとして振り返ってみて
自分もそうですけど、精神的な弱さというのが出てしまったというのがありますね。総合に関して、調教審査は今大会までに上手く馬と折り合いをつけてやっていきたいと言われていた中で、あまりパーセンテージが上がりませんでしたがもともと調教審査が得意な馬ではないので、あまり良い点数を取ろうというつもりではなかったので、その中でなんとか馬と折り合いをつけられれば良いかなと。もう少しアベレージが伸びるかなと思ったんですけど、まあ最低限はできたのかなというふうに思っています。
――耐久審査、余力審査はいかかでしたか
耐久審査のほうは馬が本当に頑張ってくれて、反抗が1回ありましたけどある程度は良いイメージで回ってこれたのかなというふうに思っています。余力審査のほうは、耐久審査の後で時間があまり空いていなかったというのもあって、馬がかりかりしていた部分もありますし、人がもうちょっと柔らかく優しく乗ってあげれば、もう少し落下も少なくて良かったのかなと思います。
――今後に向けてどのような点を強化していきたいですか
個人的には落とせない大事な大会ということもあって妙な固さが出てしまったのかなと思いますし、経験不足であったり、力不足、また精神的な部分での弱さが露呈してしまったというのがありますので、夏の間であったり、秋までにそういった部分をチームとして、また個人としても改善していければいいのかなと思います。
五十嵐裕哉(創理3=新潟南)
――3、4日目の総合馬術を振り返って、個人の結果としてはいかがですか
初日の馬場馬術で失敗してしまい6位と出遅れました。馬場を頑張りたかったところで出遅れたのは反省点かなと思います。そこは全学までに修正していければいいのかなと思います。きょうの野外は(減点)0で帰って来れたので良かったのですが、余力はやはり初日の障害でも使っていたので相当馬が疲れていて、しんどそうだったので1落してしまいました。けれどそれはしょうがないかなと思うので、初日の馬場をもう少し頑張りたかったなという感じです。
――総合でのチームとしての順位についてはいかがですか
もう少し僕も上に行けたし、野外でみんな少しずつ二頭失敗したので、その細かいミスをなくしていければまだ1個2個上がれると思います。小さいミスをなくし丁寧にやって、全日本学生でも3位、4位くらいに入ることができればと思います。
――総合でのご自身の反省点はありますか
初日の調教審査ですね。個人優勝狙える馬なので。
――関東学生全体を振り返っていかがですか
初日の障害で今回ワセダはリズムに乗れなかったので、馬場も自分を含め全然駄目でした。最後の総合はみんな頑張りましたけれど。全日本学生は総合しか団体をおそらく組めないですが、障害をもう少し頑張っていこうという感じですね。
――今後の目標はありますか
全日本学生に向けてみんなで頑張って練習していきたいなと思います。