主力不在で、最下位に終わる

馬術

 大学対抗によるトーナメント形式で行われた第83回関東学生争覇戦(争覇戦)。早大はⅠ部(7大学)に属している。各大学からそれぞれ6選手が出場し、その勝ち点の合計で勝敗が決定。初日の1回戦では明大と対戦した。主力が欠場していた早大は3選手が失権するなど、勝ち点を1つも取れずに完敗。2日目に行われた東農大との7位決定戦も1-5で敗れ、今後に向けて大きな課題を残す結果となった。

馬の扱いに苦戦する後藤

 畠山聖(スポ3=茨城・常総学院)と五十嵐裕哉(創理3=新潟南)という2人のエースが別の大会に出場するということで、「次の早大を担うようなメンバーを主体に」(長谷部悦郎主将、法4=埼玉・城西大川越)臨んだ今大会。その結果、試合経験の少ない選手たちの実力不足が露呈してしまう。初戦は強豪である明大との対戦となった。最初に出走したのは大澤佳純(教2=神奈川・桐蔭学園)。早大に勢いを与える走りを見せたい大澤であったが、思うように馬を操ることができない。結局3反抗による失権という悔しい結果となった。その他にも相磯真来(創理3=東京・早実)と後藤寛佳(政経2=東京・早実)が失権。失権せずに最後まで走行し終えた選手たちも総減点やタイムで相手を下回り、勝ち点を獲得することはできなかった。

 翌日に行われた7位決定戦も「なかなかうまく修正しきれない部分もありました」(長谷部主将)と十分な準備をすることができないまま、臨むこととなってしまう。1回戦で失権となった3選手に加えて、栗栖美和(人3=福岡・小倉)と工藤千明(人1=東京・三鷹)もそれぞれ失権となり、完走したのはまさかの長谷部主将のみ。期待された下級生たちがその力をうまく発揮することはできなかった。この結果を受けて長谷部主将は「人の技術を見直していかなければいけない」と感じている。

唯一2試合とも完走した長谷部主将

 今大会で選手層の底上げが急務であることが浮き彫りとなった早大。いますぐに大きな戦力アップをすることは難しいであろう。しかし、「長いスパンで見て修正していったり、改善していきたい」(長谷部主将)と言うように、長期的な視野を持った選手育成を図ることができれば、必ずや新戦力が台頭してくるはずだ。

(記事、写真 井上雄太)

コメント

長谷部悦郎主将(法4=埼玉・城西大川越)

――1回戦の明大戦について。6名中3名が失権するなど、0-6で敗戦するという厳しい結果となりましたが

畠山聖(スポ3=茨城・常総学院)と五十嵐裕哉(先理3=新潟南)という2人のエースが別の試合があって出場していない中で、次の早大を担うようなメンバーを主体に、という形で臨んだ試合であったので、もちろん実力不足だというのは最初から分かっていたことですけど、その中で自分たちの馬で満足に帰ってこられないというのはかなり課題が残ってしまったのかなと思っています。ただ普段試合に出ていない選手を試合に使ったということで、その中から色々と学んでもらえればいいのかなと思います。

――きょうに向けて、何か修正しようと話し合ったことはありますか

きのうの試合があまりにも散々なものだったので、なかなかうまく修正しきれない部分もありましたし、普段は畠山と五十嵐が馬を調整している部分があるので、その二人がいないとなると、人の問題だけではなくて、馬にも負担がかかってしまうので、なかなか思うようには修正がいかなかったのかなとは思います。

――きょうの7位決定戦について。5選手が失権し、1-5という結果になりましたが

きょうは特に相手の馬でも(最後まで)帰ってこられていないというのがあって、きのう失権したのは自分たちの馬のせいという部分もあったのですが、今回の場合は相手選手は(最後まで)帰ってきているということが多かったので、やはりそこは人の技術を見直していかなければいけないのかなというのは感じましたし、それをやはり個人が感じていってくれればいいのかなと思います。

――長谷部主将個人としては、チームで唯一2試合とも最後まで走り切ったものの、勝ち点にはつなげられないという結果でしたが

どうしてもリーダーを外して臨んでいる試合なので、勝つのはかなり難しい状況だろうなというのは初めから予想していたのですが、自分だけがなんとか一矢報いるというか互角以上の試合ができればいいかなと気持ちの上では臨んでいたのですが、きのうの場合ですと自分の番がくる前に全員が負けていたので、その中で勝つというよりも相手の馬、初めて乗る馬でいいリズムであったり、いいイメージをつかんで、きれいな走行ができればいいかなと勝ちよりも内容を重視して臨もうかなと思っていきました。きょうは相手が先に1落下していたということもあったので、なんとか減点0で帰って、勝ち点をワセダに入れたいなと思って臨んだのですが、最初から相手から聞いて馬の特徴を把握はしていたのですが、ちょっと油断してしまってというか、そこのケアがなあなあになってしまって、反抗を1回取られてしまったのですが、そういう部分は甘さが出てしまったのかなと思います。2走行ともにわりといいイメージで走行できたかなという部分は満足はしているところではありますけど、最終的には結果がすべてなので、その部分で勝ち点を入れられなかったというのは悔しく思っています。

――今後のチームとしての底上げに向けてどのように対策をしていくか

自分自身あと2ヶ月ちょっとで引退という部分もあって、自分の代わりに試合に出てくるメンバーもいるわけで、そういった選手の入れ替えがスムーズにいけばいいかなと思います。もちろんいまのレギュラー陣にも足りない部分がたくさんあって、そこの修正が第一なのですが、その次の世代、さらにその次の世代という長いスパンで見て修正していったり、改善していきたいなというふうには思っていますね。