男女ともに表彰台・入賞を勝ち取る

自転車

 7月1日、2日の2日間で、静岡県伊豆市のベロドロームにて第63回全日本学生選手権トラックが行われた。今大会には去年出場していなかった選手なども含めて多くの早大選手が出場。去年と比較して多くの選手が入賞や表彰台に登るなど好成績を収めた。

 初日には男子スクラッチ予選、男子マディソン予選、女子3キロインディヴジュアルパシュート決勝、女子ポイントレース決勝などが行われた。
男子スクラッチ予選には美甘星次郎(スポ3=鳥取・倉吉総合産)、中野大詞(スポ3=岩手・紫波総合)、川村峻輝(スポ4=京都・北桑田)が出場。
※スクラッチとは…15~20名前後の人数で行われ、スタートは1周のローリング後のフライングスタートで競技が開始される競技。ケイリンと同様ゴール着順のみで順位が決定されるがケイリンよりも距離が圧倒的に長いということが違いである。

決勝に駒を進められるのは各グループの7位まで。川村は予選1組に出場し18位、中野は予選2組に出場し、8位と惜しくも決勝進出を逃す。予選3組に出場した中野は3位で決勝に進出。スクラッチで決勝進出を逃した中野だったが、この後の男子マディソン予選に大仲凛功(スポ2=愛媛・松山学院)と出場し見事決勝に進出した。

※マディソンとは… 2人でチームを組んでポイントを獲得していくポイントレース。どちらかがレースに参加していれば良いのでどちらかはその間に体力を温存する。交代する際には相手の体に触る。

 男子4キロインディヴィジュアル・パシュートに早大からは大仲凛功(スポ2=愛媛・松山学院)、神村泰輝(スポ2=東京・豊多摩)が出場。神村は7位、大仲は4分27秒325の好タイムで去年の自身の記録を約2秒も上回る好タイムで2位でフィニッシュ。「練習の段階からタイムには気をつけて走っていた」と練習の成果が出て表彰台へと上った。

男子4キロIPに挑む大仲

 男子スプリント予選に諸隈健太郎(スポ4=高知工)が出場。決勝に進出するも敗退してしまう。しかし2日目に行われた5~8位決定戦で5位となる。女子の部では女子ポイントレース決勝と女子3キロインディビジュアル・パシュート決勝に大蔵こころ(スポ2=愛媛・松山学院)と石田唯(スポ3=京都・北桑田)が出場しそれぞれの部門で大蔵と石田が優勝を飾った。大蔵は「自分の弱みも強みも理解して冷静にレースに挑めた」としており2位に10点の大差をつけ去年のポイントレースでの結果を大きく上回ることとなった。石田も5月6月のこれまでの大会で優勝を飾ってきた勢いで今大会でも3キロインディビジュアルパシュートで優勝を勝ち取った。

 2日目には朝から美甘が出場する男子スクラッチ決勝が行われた。レースの途中で1人が抜け出す展開になるも、美甘は2位を争うために常に前方で競り、最後のスプリント勝負で見事に5位につけ、入賞した。午後には男子マディソン決勝と女子マディソン決勝が行われた。男子マディソンには前日に決勝に進んだ神村と大仲が出場し9位へとつけた。女子マディソンでは石田唯と大蔵が出場し、75ポイントを獲得し2人の連携を見せる圧巻の走りを見せ2位に大差をつけ優勝を飾った。

 

マディソンに挑む大蔵

 去年の厳しい結果と比較して今年は優勝や表彰台、入賞など好成績を残した。しかし、まだ選手たちは満足していない。大仲はインカレでは優勝と自己記録更新を、大蔵も優勝を目標に掲げるなど更なる成長へと意欲を見せる。

(記事 長野雪華 写真 早稲田大学自転車部ご提供)

結果

▽男子スプリント予選 諸隈 7位 ▽男子スプリント1/4決勝2組 諸隈 2位  ▽男子スプリント5~8位決定戦 諸隈 5位  ▽男子4キロIP 大仲 2位 4分27秒325 神村 7位 4分32秒959 ▽男子スクラッチ予選 川村 18位 中野 8位 美甘 3位 ▽男子スクラッチ決勝 美甘 5位 ▽男子マディソン決勝 中野・大仲 9位 ▽女子3キロIP 石田 1位 3分45秒666 大蔵 2位 3分48秒485 ▽女子ポイントレース決勝 大蔵 1位 石田 3位  ▽女子マディソン 大蔵・石田 1位

コメント

石田唯(スポ3=京都・北桑田)

――今大会の位置づけを教えてください

最近はロードに特化したトレーニングばかりしていたので、トラックでどこまで走れるか分かりませんでした。しかし、最近レースでの自分の走りや調子から、トラックでも優勝を狙えると思っていたので、自信を持って臨みました。特に得意の3キロでは必ず勝ちたいと思っていました。

――今大会での成長した部分または見つけた課題はありますか

今大会を通して、持久力の向上を実感することができました。3キロで自己ベストを出すことができ、少し自信になりました。 課題は、スプリント力です。ポイントレースで全く歯が立たず悔しかったです。

――マディソンについて、スプリントポイントの獲得の周回ではこのときにどちらの選手が走るなどはもともと決まっているのですか、それともその場の流れなのですか

こころちゃん(大蔵)のほうがスプリント力があるので、スプリント周回でこころちゃんに交代できるようにタイミングを計算していました。想像以上にうまくいき、理想のレース展開に持ち込むことができました。

――マディソンで優勝、インディヴジュアルパシュートで優勝、ポイントレースで3位と絶好調ですが、インカレでの目標は

今シーズンは学生選手権4冠、全日本選手権タイムトライアルでの優勝と、ここまで調子良く走ることができているので、この調子を落とさないように、さらにもう1段階レベルアップできるように頑張ります。インカレと海外でのロードレースの日程が被っており、どちらに出場するか決定していませんが、どちらに出場するにせよ、最高のコンディションで自信を持ってレースに臨めるように準備するつもりです。

大蔵こころ(スポ2=愛媛・松山学院)

――優勝したポイントレースではどのようなレースプランでしたか、またおおよそプラン通りに行きましたか

ポイントレースでは自分の強みを活かし、各ポイントしっかりとっていくことができ、プラン通りに進めることが走ることができました。

――去年の大会と比較して今回大会で成長したなと感じた部分または改善するべきだなと思った部分はありますか

去年の大会では、ポイントでも3キロでも納得のいく走りができておらず、自分の弱みも強みも理解して冷静にレースに挑めたことが成長したところだと思います。改善するべきところは、独走力にかけるところがあるのでそこをこれから頑張って伸ばしていきたいです。

――次回大会であるインカレでの目標をお願いします

インカレではオムニアムとロードで優勝することです!