5月6日、7日の2日間で、第62回東日本学生選手権トラック自転車競技大会が長野県松本市美鈴湖自転車競技場で行われた。早大勢は、大仲が自身の大会記録を更新し表彰台に、大蔵と石田は各種目で優勝を飾るなどで男女ともに好成績を残した。
初日に行われた男子4キロメートルインディヴィジュアルパシュートに、大仲が出場。昨年に続き優勝を目指す大仲は最初から攻めた走りを見せ、4分31秒台の大会新記録で優勝とはいかなかったものの見事に3位で表彰台へと上った。女子の3キロインディヴィジュアルパシュートには、石田唯(スポ3=京都・北桑田)と大蔵こころ(スポ2=愛媛・松山学院)が出場。 2人とも積極的な走りを見せ、「風を味方にできた」と語る石田が優勝、大蔵が2位と、去年に引き続き2人で表彰台を飾る結果となった。
自身の大会記録を更新した大仲
2日目に行われた女子スクラッチ決勝には大蔵と石田が出場。人数が少ない中で2人とも積極的な走りを見せ、早めに逃げた石田と大蔵。他の選手と大差をつけ迎えたラスト1周では大蔵と石田がスプリント勝負。結果、大蔵が勝負を制し1着でフィニッシュ。石田は2位に入り、2日続けて好成績を残した。一方、男子スクラッチには、この種目を得意とする中野大詞(スポ3=岩手・紫波総合)が出場。2日目に行われた決勝では、序盤は様子をうかがっていたが中盤になると2人の選手が飛び出し後方集団と距離をとる。その後はまた一列に。ラスト3周で順天堂の鈴木が飛び出しそのままフィニッシュ。最後のスプリントで表彰台を争うも中野は惜しくも4位でレースを終えた。中野は「いつものゴールスプリント勝負ではなく、逃げで優勝を目指したが、それがうまくはまらなかった」と語り、今大会で得た収穫をもとに次回へと活かす。
スプリントに挑む大蔵(写真左)と石田(右)
今大会は大仲が大会新記録を残し表彰台に、大蔵と石田が2日続けて表彰台に上がるなど好成績を残した。その中でもそれぞれが改善点を見いだし、もっとできたなどと悔しい気持ちをもっていた。各々が次回大会に向けて優勝や一桁順位などの目標を語り、今回得た収穫や課題をもとに目標へと向かう。
(記事 長野雪華、写真 早稲田大学自転車部ご提供)
結果
▽男子4キロメートルインディヴィデュアルパーシュート 大仲 3位 4分31秒503 大会新 ▽男子1キロメートルタイムトライアル 諸隈健太郎(スポ4=高知工) DNF▽女子インディヴィデュアルパーシュート 石田 1位 3分49秒754 大会新 大蔵 2位 3分58秒462 ▽女子スクラッチ 大蔵 1位 8分02秒 石田 2位▽男子スクラッチ 中野 4位
コメント
石田唯(スポ3=京都・北桑田)
――今大会の位置づけは
すごく久しぶりのトラックの大会だったので、自分がどれだけ走れるかわからなかったのですが、あまり重要視していた大会ではなくて、直前までしっかり合宿で追い込んだ後のレースだったので、今の自分の力を試すためのレースでした。
――結果が出たレースでしたが当日のコンディションはいかがでしたか
1日目の朝に試走で少し走った感じでは合宿の疲れとかで足が重いなって感じてたんですけど、風も良い感じに吹いてて、それも味方にできたのかなと思います。
――今日のレースと昨日のレースはどのような感じでしたか
昨日のレースはタイムレースなので自分との戦いという感じで、3キロの計測も久しぶりだったので、できるだけ設定タイムで走りきれるように意識して最後まで走りました。自己ベストではなかったのですが、公式大会で出した記録の中では1番良いタイムだったので少し自信になりました。今日のレースは雨の中のレースだったのですが、人数も少ないので自分から積極的に走って勝ちたいと思ってたんですけど、後輩のこころちゃんに負けてしまったので悔しい気持ちです。
――3週間後に控える全日本クリテリウムへの意気込みをお願いします
まだ学連で1位になったことがないので、今調子は良い感じに上がっているので、ここで優勝できるようにしっかり練習をつんでいきたいと思います。
大蔵こころ(スポ2=愛媛・松山学院)
――今大会の目標をお願いします
3キロメートルインディヴィジュアルパシュートで自己ベストを出し、スクラッチとの2冠、2連覇を達成することでした。
――スクラッチで見事優勝されましたが、今日のレースプランはどのようなものでしたか
最初に考えていた戦略は途中自分から逃げる予定でしたが、先輩が早くに逃げたので、レース中にゴールまでの戦略を全て立直し、1人で追いついて先輩と2人でローテを回し、最後はまくってゴールするプランでした。
――今大会で得た収穫や課題はありましたか
3キロメートルインディビジュアルパシュートで自分の能力が去年より下がっていることがわかったので、自足をつくることが課題だとわかりました。
――次回大会への意気込みをお願いします
次回は全日本学生選手権クリテリウムになるので、2月に行われた明治神宮クリテで負けた悔しさをぶつけたいと思います。
大仲凛功(スポ2=愛媛・松山学院)
――今大会の目標は
東日本トラックは、前年大会優勝していたので、まずは優勝すること、それと松本美鈴湖バンクで自己ベスト更新をすることを目標に走りました。
――見事大会記録を出されましたが、当日のコンディションはいかがでしたか
天気もあまり良くなく、身体もあまりコンディションとしては良いとは言えなかったので、その状態で大会記録を更新できたというのは良かったのかなという感想です。
――最初から攻めた走りを見せていたと思うのですが、レースプランは
レースプランとしてはタイム更新ということなので、いつものタイムよりも早めなタイムを刻まないといけないと思ったので0.1秒とか0.2秒とか細かい数字なのですが、そういうのを細かく重ねてなるべく維持しようというので考えていました。
―― 昨日のレースを振り返って収穫はありましたか
今回は大会記録は更新したのですが3位でちょっと悔いが残るかなという感じで、やっぱり課題点としてはスタートの失敗をなくすこととか残り1秒、体力面のところとかを補う必要があるのかなと思います。
――次回大会に向けて一言お願いします
積極的な走りを心がけると同時に着に絡む、優勝を目指してがんばりたいと思います。
中野大詞(スポ3=岩手・紫波総合)
――今大会の目標は
去年、同じ種目で2位だったので、優勝することが目標でした。
―― コンディションは
コンディションは直近で合宿とかもしていて、調子は良かったです。
――今日のレースを振り返って、得た収穫や課題はありますか
僕はこの種目が1番得意で、最後のゴールスプリントで勝つというのがいつもの勝ちパターンなのですが、今回はこのパターンではなくて、逃げで勝負を決めようと思っていたんですけど、その作戦がなかなかうまくはまらなくて、勝ちきれなかったということがあったので、終盤で抜け出すタイミングであったりとか、どのタイミングで仕掛けていくかということを今回のレースで、少しはわかったかなというふうに思います。
―― 次回の大会に向けて一言お願いします
次回は今週の全日本選手権なのですが、自分より格上の選手とレースができるので、やはりそのなかでも一桁の順位を狙っていけるように頑張っていきたいと思います。