【連載】インカレ直前特集 『頂へ』 第2回 後藤悠×中井琢×安倍大成

自転車

 第2回は後藤悠主将(スポ4=岩手・紫波総合)、7月の全日本学生選手権でタンデムスプリント優勝を決めた中井琢(スポ4=宮城・仙台二)、安倍大成(スポ1=岩手・柴波総合)の3人だ。トラック班を引っ張ってきた2人とルーキー安倍に今季の振り返りと合わせて意気込みを語っていただいた。

※この取材は8月10日に行われたものです。

「本当についていなかった」(後藤)

後藤

――今シーズンを振り返っていかがですか

後藤ことしは本当についてないことが多かったので、特にこれといった印象に残った大会などはなかったです。怪我や落車が重なっていましたので。ただ怪我が多かったわりには、練習はつめたと思っています。 

――最近の怪我の状態は

後藤最近は怪我も治って練習に取り組むことができていますが、調子がなかなか上がってきていないです。 

後藤ことしはかなりチームスプリントにも力を入れているので、40秒までのワットを高めていくことで調子も上がってくるのではないかと思います。 

中井 そうですね。1月に腰を痛めてから思い通りに1、2ヶ月練習できなくて春シーズンは出遅れましたが、5、6月で少しずつ調子を上げていって今にいたるというかんじですね。

安倍 高校から上がってきて大学の生活というのに春のあたりは慣れることができなくて4月から6月あたりあまり調子を上げることができませんでした。でも7月あたりから慣れてきて調子を上げることもできたのかなと思います。

――全日本学生選手権で優勝したタンデムスプリントはどのくらいの頻度で練習していますか

中井優勝して以降は先週行われた合宿で何度かやった程度で特別強化はしていないです。個々人で練習しています。 

――前回のインタビューでタンデムでは戦略の幅を広げるとおっしゃっていましたが戦略は増えましたか

中井練習で増やすというよりもお互いがより長いしあい展開になっても持つような練習を個人でやって、それを実際タンデムに乗って合わせるという感じです。 

――最近のチームの雰囲気はいかがですか

後藤そうですね。先月あたりにインカレ(全日本大学対抗選手権大会)の出場メンバーを4年生を通して全体に発表したのでそれぞれがインカレで優勝するための練習をするためにモチベーションは高くなっているかなと思います。部としては最近は個人練習の方を個人での活動が主体となってきているので部としてはではなく個人、個人が目標に向けて頑張っているという感じですね。 

――主将として意識していることはありますか

後藤大体の選手は自分で自己管理できているので特に意識している点はないです。 

――トラック合宿の感触はいかがでしたか

後藤自分が出場する種目では目標タイムを設定して走っていたのですがそれを達成することもできていなかったので仕上がりとしてはあまりよくはないかなと思います。 

中井 チームスプリントに関しては設定タイムは達成できませんでしたがそれぞれ合宿の最終日に行ったということもありますしインカレまでなんだかんだ他の選手があわせてくれると思うので、最終的にはうまくいくのかなと思います。いまは決めたことをしっかりやるという感じです。

安倍そうですね。合宿は主に個人練習だったので自分の弱点というか、自分でメニューを組んで追い込むことができたのではないかと思います。合宿で追い込むことができて、もうインカレまでの時間がないのでやることはやったのであとは調整していくだけかなと思います。 

競技力の向上に興味がある

安倍

――後藤選手は同期、後輩からみてどのような主将ですか

安倍自分は高校から後藤さんを知っているので、高校に在学していた頃の先輩方からも後藤さんは体格が良くて怒らせるとすごい怖い人だいうことを聞いていました。でも、実際はすごく優しくて誰よりも周りに気を配って見習うべき模範となる先輩です。 

中井自分自身主務をやっていてお互いインカレに向けてことしは色々と新体制になったり、大変だったと思うんですけど、しっかりコミュニケーションをとりながらやってきました。でも主将としてというよりは1同期としてみている方が強いですね。 

――ことしは新入生も多く入ってきましたが、どのような印象を持っていますか

後藤ことしの1年生はすごく仲が良いなと思います。でもモチベーションに差がある部分もあって、そういった部分も同期で積極的に話し合って、全員が強くなっていければなと思います。 

――安倍選手は授業の方には慣れましたか

安倍そうですね。内容は取る授業にもよりますが難しいものは難しくて実習など運動するものは割と自分も動けるのでそこらへんはうまくできますね。あとは時間割の組み方で練習の時間なども効率的に取れるようになったのでそこらへんをまだ残り3年半あるのでこれからもっとうまい時間割の組み方をしていけるかなと思います。 

――授業に関しては先輩などからアドバイスをもらったりすることはあるのですか

安倍 そうですね。試験などはこういう感じのテストがあるからここら辺だけやっておけばいいよなどアドバイスは受けます。ただ、大体は出席していれば大丈夫な試験内容だったしますのであまり苦労はしないですね。

――好きになった授業はありますか

安倍 自分は競技力の向上に興味があってここにきたのでトレーニング関連の授業に関してはよく話を聞いていました。

――早稲田を選んだ理由はなんですか

安倍小学生の頃から早稲田に入りたくて箱根駅伝をみてかっこいいなと思って自転車関係ないですけどそれから大学行くなら早稲田かなと思ってでも中学校ぐらいで一旦諦めたのですが高校で自転車で早稲田に行った人が何人かいたのでこれはいけると思ってそれから頑張りました。

――後藤選手、中井選手は卒論のテーマは決まっていますか

後藤そうですね。自分は卒論で高齢者への運動実施と栄養乖離の効果について毎週火曜日に高齢者の方と運動教室をやって毎朝、マスリン酸などの栄養素を摂取してもらってその効果を見るという研究をしています。いまはまだ実験の介入段階でデータが全て揃っていないのでどうなるか分かりませんが毎週データをインプットしたりまとめたりするのは大変な時期ですね。卒業単位は大丈夫ですが、卒論が唯一不安ですね。 

中井計画を立ててじわじわと進めているんですけど授業は今期月曜日しか行ってないですし主に院試に向けた勉強をしています。 

――主に何を研究しているのですか

中井いまは体幹筋、あとは椎間板に関する研究を行っています。 

――オフの日は何をしていますか

後藤自分は最近オフの日は寝てることが多くて寝てるだけではもったいないので最近は映画をみたりだとかあとはマッサージをしてもらいにいったりはしますね。 

――好きな映画はありますか

後藤 最近パイレーツオブカリビアンをすごく楽しみにしてて字幕と吹き替えどちらもみました。。

中井勉強をやらなくてはならないので、勉強しては寝て、勉強しては寝てを繰り返しています。自堕落な生活を送っています。 

安倍オフの日は特にやることがないのでユーチューブをみてヒカキンで楽しんでいます。彼の商品紹介や人に勇気を与える動画をみてモチベーションを高めています。彼の動画を見るとほっこりします。(笑) 

「決めたことをやるだけ」(中井)

中井

――インカレではどの種目に出場しますか

後藤自分はスプリントとチームスプリントだけですね。多分両方の種目とも4年連続出場させてもらっているのであまり緊張感もなく出場できそうです。 

中井自分はチームスプリント、タンデムスプリント、1キロの3種目に出場します。タンデムに関しては3年目ですし、そこはいままでどおりやって、チームスプリントは昨年走りましたが、ことしは初めての3走ですので、なかなか緊張感を持っています。1キロは自分を出し切るだけなので、やることをやるだけです。 

安倍自分はタンデムスプリントと一応ケイリンに出場予定ですが、タンデムスプリントに関しては個人戦でも勝っていますのでそこは自信を持って勝負に臨めると思いますし、ケイリンでもそこまで周りと力の差はないと思うので自分の走りやすい展開に持ち込んでいければいいところまでいけると思うので、自信を持って臨みたいです。 

――具体的な目標はありますか

後藤自分はどちらも優勝するつもりで練習に励んでいます。やはり大学に入学してからインカレで勝つということができていないので、あと少しという部分でいつも終わっているのでそれが目標です。 

中井チームスプリントは優勝を目指していて、タンデムは個人戦とインカレで2冠をしたいです。1キロは4秒台を目標としています。 

安倍最近は調子も上がってきているので、タンデムではもちろん優勝を、ケイリンでは優勝を狙っていきたいなと思います。 

――後藤選手、中井選手は最後のインカレとなります

後藤4年間早かったと思いますね。大学1年生の時取材をしていただいてその時は特にインカレってどういうものか全くわかっていなかったですが、あっという間に4回目のチャレンジになってしまってやっぱり最後なのでいい結果で終わりたいなと思います。 

中井 そうですね。まだ1大会っていうあまり意気込みすぎないような気持ちで捉えるようにしていますけど最後なんだなってしみじみするところはありますね。同時に個人戦でタンデムで勝ってしまったので少なからずプレッシャーは感じています。

――安倍選手は初めてのインカレとなります

安倍そうですね。初めてだから緊張するとかあまりないです。高校からも全国レベルの大会を経験してきているのでメンタル面も弱くはないですし、周りに飲み込まれず自分自分に打ち勝っていければなと思います。 

――他の大学で注目選手はいますか

後藤自分は今日本大学の酒井選手が大学の短距離スプリントで1番強いかなと思っていて去年も2位ですし、国体でも確か2位で、個人戦でも勝っているので1番波に乗っている、見習うべきことが多い選手だと思っていて注目はしています。 

中井そうですね。選手というよりはチームスプリントに関してはことし全日本でも優勝した明治大学は脅威かなと思っています。3人ともそれぞれの番手にあった足を持っていますしあの牙城を崩すには我々もしっかりあわせていかなければいけないなと思います。 

安倍 自分は特にないですかね。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

後藤 さっきまで言っていたように最後のインカレなので、優勝目指してやるべきことを残りの期間1つ1つこなしていくだけかなと思います。

中井決めたことをやるだけです。 

安倍インカレは規模の大きい大会で、インカレで勝つことができたら今後の自分の人生のあり方も変わってくると思うので人生をかけて戦いたいと思います。 

――ありがとうございました!

(取材・編集 喜柳純平)

色紙にインカレへの意気込みを書いていただきました!

◆後藤悠(ごとう・ゆう)(※写真右)

1995(平7)年4月8日生まれ。171センチ。O型。岩手・紫波総合高出身。スポーツ科学部4年。今シーズンは怪我に苦しめられた後藤選手。言葉の1言、1言からインカレへの強い思いが伝わってきました。最後のインカレで最高の結果が出せることを期待しましょう!

◆中井琢(なかい・たく)(※写真中央)

1995(平7)年10月10日生まれ。175センチ。宮城・仙台二高出身。スポーツ科学部4年。丁寧に質問に答えていただいた中井選手。トラック合宿を終え、良い練習がつめたようです。インカレでは全日本学生選手権に続く優勝にも期待がかかります

◆安倍大成(あんばい・たいせい)(※写真左)

1998(平10)年10月30日。169センチ。岩手・紫波総合高出身。スポーツ科学部1年。最近はまっていることはヒカキンの動画を見ること。彼の人に勇気を与える動画を楽しみにしているそうです。インカレでは安倍選手の人に勇気を与える走りを見せてほしいですね!