【特別インタビュー後編】池田、自己新連発の昨季を振り返る ことしはチームスプリント表彰台を!

自転車

 昨季、200メートルフライングラップ、500メートルTT共に2秒も自己新記録を更新した選手がいる。池田ゆめこ(スポ3=北海道・札幌旭丘)だ。
 池田は大学自転車競技界の数少ない女子選手の一人。2016年全日本大学対抗選手権(インカレ)では、出場者のうち女子選手は1割にも満たなかった。五輪で女子競技が開始されたのも男子に遅れること実に88年、ロサンゼルス五輪のことだ。しかし、東京五輪に向け2015年にトラック女子が日本スポーツ振興センターの『ジュニア・ターゲットスポーツ』の1つに選出。それを受け、2016年国民体育大会でも新たに3種目が女子競技に加わった。
 いままさに盛り上がろうという女子自転車競技界で、ひたむきに努力を続ける池田に話を聞いた。

※この取材は2月19日に行われたものです。

「まだ全然及んでいない」

早慶戦エリミネイションレースでは20人の男子選手と走り11位だった

――ロードレース、クリテリウムよりトラック種目に絞った1年間でしたか

池田 はい。2年生からトラック種目に絞っています。クリテリウムはスプリントもあるので積極的に参加して、レース慣れをするために出場していました。

――1年時はどちらかに絞るということはなかったのですか

池田 なかったです。もともと中長距離が専門種目で、トラック種目でもポイントレースなどに出ていましたが、なかなか完走に至ることもできなくて1年生の頃は結構伸び悩んでいました。2年生になってからはだんだん集団の中で走れるようになってきたと思います。12月くらいからはポイントレースでも上位争いに絡むことができたので、徐々に力は付いていっているのかなと思います。

――力が付いた理由として、何かトレーニングを変えたりしたのですか

池田 ウエイトトレーニングを増やし、冬場にランニングしたことで基本的な体力が付きました。自転車だけでは付けられないような体力を強化したことで、ベースができてきたことが大きかったと思います。ことしから新しく岡島コーチ(伸平、昭48卒=熊本・済々黌)が入って新体制になったので、練習も心拍数、ワット数を基準にしたものを取り入れています。この月までにと期限を決めて、ワットバイクを使って1本1本全力を出し切り、自分の最大値を上げていく練習を取り入れました。

――今の具体的な目標数値を教えてください

池田 今は5秒で900ワットです。20分も前回より10パーセント上げられるようにすることです。ワット数を上げることで速いレース展開に慣れるようになったり、部の練習でもハイペースにもついていけるようになるので、ワットは良い指標になっています。

――1年時はワットはそれほど意識していなかったのですか

池田 そうですね、あまり意識していませんでした。意識するようになってから質の高い練習ができるようになっているなと思います。

――昨シーズンは毎レース自己記録を更新していました

池田 500メートルTTはことしに入って2秒近く早くなっていて(42秒390)。でも39秒台を出すことがことしの目標だったので、まだ全然及んでいません。ことしは新しく女子選手が入って来るので、その子とチームスプリントを走ることになります。今シーズンは39秒台を出し、しっかりダッシュ力をつけていい走りをしたいと思っています。

――今シーズン力を入れていく種目は何でしょうか

池田 500メートルTTとチームスプリントですね。個人では500メートルTTとスプリントを主に、ことしも短距離に絞っていきたいと思っています。チームスプリントはインカレで表彰台を狙います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 曽祢真衣)

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