【特別インタビュー前編】金子シエルヴォ奈良へ 社会人レーサーで日本一を!

自転車

 この春、早大自転車部から社会人レーサーへとまた一人羽ばたいていく。金子智哉(商4=神奈川・相模原)のシエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム(シエルヴォ奈良)への所属が決定した。3月18日、Jプロツアー開幕戦・宇都宮クリテリウムで正式デビューを果たした。エースと目されながら無念のリタイアを余儀なくされた全日本大学対抗選手権(インカレ)からはや半年。あの日の悔しさが金子に自転車競技とは何かを気付かせた。新たな目標へ、いまペダルを踏み出す。

※この取材は3月12日に行われたものです。

「やっぱり自転車が好き」

インカレで落車に巻き込まれバイク交換をする金子

――どのような経緯で所属が決まったのですか

金子 シエルヴォにワセダの先輩の大中さん(巧基、平26スポ卒=京都・北桑田)がいて、大中さんから昨年の4月あたりから学生が終わるまでの間シエルヴォで走ってみないかと言われて、トレイニーとして活動することになりました。先日、社会人になってからも走ることが決まりました。

――大中選手は金子選手にとって大きな存在ですか

金子 大中さんは僕が1年生の時の4年生の先輩でした。僕が初心者で何も分からないときとかも教えてくださった先輩で、尊敬しています。

――社会人でも競技を継続することは加入当初は予想していなかったのですか

金子 いや、研修生になるとそのままシエルヴォに加入することが多いので、そうなるかなとは思っていました。ただ、自分自身その時は社会人になってからは仕事だけをやるつもりで、自転車をやるつもりはありませんでした。でも、インカレが終わってから考えが変わって。大学4年間自転車漬けの生活を過ごしてきて、自転車にすごく愛着が沸いていることに引退してから気付きました。やっぱり自転車好きだな、これからもずっと続けたいと思ったことと、インカレが不完全燃焼過ぎて。完全に悔いが晴れることはないと思うんですけど、これから例えば全日本選手権ロードなどに出場してそこでいい結果を残せたら、少しでも悔いが晴らせるかなと思って続けることにしました。

――稲輪館を退寮してからはどのように練習していますか

金子 実家の近くで練習するので環境も全く変わってしまって、最初の方はあまりいい練習ができませんでした。やっぱり寮は練習仲間が常にいるじゃないですか。「行こう」って言ったらすぐに行けるあの環境って、今思うと強くなるために必要なものだったんだということに気付きました。

――シエルヴォ奈良は地域密着型チームと聞きましたが、どのようなチームですか

金子 選手はみんな住んでいる所はばらばらで、社会人として働いています。試合の時にみんなで集まります。宇都宮ブリッツェンや那須ブラーゼンのように地域の名前をもらったチームは多いですね。地域の方から応援をいただきながら走らせてもらっています。

――インカレの悔しさを晴らすためにどのような意気込みでいますか

金子 社会人レーサーなのでやはり仕事を第一にやっていかなければいけませんが、その中で練習もしなければなりません。社会人レーサーで目標としている中村竜太郎さん(イナーメ信濃山形)や高岡亮寛さん(Roppongi Express)のように、うまく空いた時間を利用し効率的に練習して、自転車一本でやっているプロの人たちに勝てたら、すごく気持ちいいだろうなと思って今頑張っています。

――今後の具体的な目標を教えてください

金子 目標は高くということで、全日本優勝を狙います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 曽祢真衣)

シエルヴォ奈良のジャージーを着て池田ゆめこ(スポ2=北海道・札幌旭丘)と並ぶ金子(左)

★【後編】は池田ゆめこ選手のインタビューを掲載します