ベスト尽くすも強豪のカベ厚く トラック競技6位に

自転車

 ついに全日本大学対抗選手権(インカレ)が開催。全国各地からサイクルメッカとして親しまれる伊豆に強豪たちが集結した。4日間にわたるインカレはうち3日間でトラック競技、最終日にロードレースの学生日本一、大学日本一を決する。新記録樹立の相次いだ伊豆ベロドローム。大学の垣根を超え、一瞬に懸ける選手たちの熱い戦いに会場全体が沸いた。ワセダはトラック競技を終え大学対抗6位でインカレを折り返した。

(記事 曽祢真衣)

★孫崎、ポイントレースで表彰台

表彰台に上る孫崎

 ポイントレース決勝には孫崎大樹(スポ2=京都・北桑田)が出場した。「後半を狙って仕掛けようと思っていた」と序盤から攻める展開を今回は封印。しかし前半から力のある選手による逃げが発生、孫崎も加わり1ラップに成功した。後半でのポイント獲得を狙う孫崎は、中盤に脚を休める選択をする。しかし新井佑太(法大)や曽我部厚誠(京産大)は中盤も積極的に動き、さらにもう1ラップ。後半、孫崎は狙ったポイント周回で確実に得点し「行くと決めた時に行って1ラップも決められたのでその点はすごく良かった」と振り返る。しかし優勝するには中盤もレースを動かしつづけることが不可欠。孫崎は新井や曽我部を挙げ「そのメンバーと一緒に逃げて戦えるようにしていかないといけない」と気を引き締めた。孫崎はワセダとして今大会初めて表彰台に上った。

(記事 曽祢真衣、写真 大庭開)

★チーム・スプリント、大会新で5位入賞

前から中井、後藤、手嶋

 男子チーム・スプリントには手嶋将大(スポ4=千葉・国分)、後藤悠(スポ3=岩手・紫波総合)、中井琢(スポ3=宮城・仙台二)が早大を背負い出場。予選では上位4チームが学連新記録、上位6チームが大会新記録を出しハイレベルな戦いとなった。「入りの半周を少し丁寧に行き過ぎて失敗してしまった」(中井)と反省点もあり、47秒132で目標としていた46秒には届かなかった。しかし大会新記録での5位入賞は順位以上の価値がある。それでも「やはり手嶋さんを表彰台に上げたいという思いが強くあったので、この結果は正直悔しい」(中井)と唇をかんだ。また手嶋も「3位になってらいねん再来年には1位を目指すくらいには持っていきたかった」と語り、後輩、先輩が互いを思い走ったチーム・スプリントだった。高速化が止まらない大学スプリント界の波に乗り遅れることなく、今後も新記録を出していきたい。

(記事、写真 曽祢真衣)

★タンデムスプリント、納得のレース展開で5位に

フィニッシュラインを越える森・中井

 タンデム・スプリントには、森浩輔主将(スポ4=神奈川・横浜)・中井ペアが出走した。森が今大会で引退するということで、「これでもう最後」(森)と特別な思いを胸に望んだ二人は、予選を6位で通過する。しかし、1/4決勝で今大会覇者となる法大のペアに敗れ、順大ペアとの5-8位決定戦へ。常に先行し余裕を持って順大を下すと、駒を進めた5-6位決定戦で待っていたのは中大ペア。予選5位と、実力は拮抗(きっこう)していた中大ペアに対し、森・中井ペアは後掛けを選択。最後のコーナーでまくりを掛け、ホームストレートで伸びてゴールする直前で見事に差し切った。「自分たちのやりたかったことができた」と、会心のレース運びに思わず右拳を突き上げた森。レース後、「(中井と)ペアを組めて良かった」とはにかんだ。

(記事 佐藤諒、写真 大庭開)

★後藤、優勝逃しスプリント6位

フィニッシュライン直前、ハンドルを投げる後藤

 男子スプリントには、後藤が出場した。タイムトライアル形式の予選で、後藤は自己ベストを更新する好タイムを叩き出し、全体2位で1/4決勝に進出。しかし、1/4決勝では「練習したことを試そうと思うあまり(レースで)後手後手に回ってしまいました」と思うようなレースを展開することができず。5-8位決定戦へ回り、橋本瑠偉(明大)、野上竜也、堀航輝(ともに鹿屋体大)の強豪三名と5位の座を争うことに。後藤は序盤、後方に待機していたが、1周目のホームストレートに差し掛かる時点で選手間をするりと抜けて、インコースの先頭に陣取ることに成功する。しかし、その直後に橋本が飛び出し、反応が遅れた後藤は追いすがるも最後まで追い付くことはできなかった。それでも鹿屋体大の二名に前を譲ることなく、2着でフィニッシュ。悔しい6位に終わったものの、地力を見せたレースとなった。

(記事 佐藤諒、写真 大庭開)

★ケイリン佐藤、伊豆ベロドロームに苦戦

7-12位決定戦、1着でゴールする佐藤

 ケイリンには、2年生の佐藤啓斗(スポ2=青森・八戸工)が挑んだ。昨年同大会で2位入賞を果たしているだけに、ことしも表彰台が期待された。だが、「ベロドロームという環境にどうしても苦手意識がある」と傾斜の高いバンクに苦しみ、自分本来の走りをすることができなかった。予選を2位で突破するも、続く1/2決勝では宮本隼輔(中大)、坂井洋(日大)、森本尊也(明大)などの有名選手と同じ組で走り、周りのレベルの高さも相まって5位に沈んでしまう。それでも、7-12位決定戦では、「スパートを決めて一気にいった」と強気に仕掛けて大外からまくり、最後のコーナーで差し切って1着でゴール。最後の最後で底力を見せつけた。しかし、7位という結果は、昨年度表彰台に上った佐藤にとって不本意というほかない。「まったく実力として通用していなかったということを痛感した」。悔しげな表情でレースを振り返る2年生は、「自分からどんどん仕掛けていける実力をつけないと」と課題を口にし、雪辱を誓った。

(記事 佐藤諒、写真 進藤翔太)

★チーム・パーシュート、早大記録更新で8位入賞

前から中川、孫崎、塩田、伊藤

 伊藤和輝(スポ4=東京・昭和第一学園)、塩田航平(スポ3=埼玉・栄北)、孫崎、中川拳(スポ1=北海道・帯広三条)の出場した男子チーム・パーシュートは8位入賞。4分22秒471で早大記録を更新したが、目標の4分20秒を切ることはできなかった。合宿の行われていた長野・美鈴湖自転車競技場とは傾斜角度も大きく異なり、会場に対応しきれなかったこともタイムに影響した。先頭交代をしていく中でラップタイムが一定にならず、孫崎は想定より速いタイムで引く周もあり「ペースを乱してしまった」と振り返った。一方伊藤は「調整がうまくいっていなかった」と想定ラップタイムを刻めない周があったことに悔しさをにじませた。反省点はあるが早大記録更新でチーム・パーシュートは一歩前進。立ちはだかる他大のカベは厚いが、少しずつその差を縮めていきたい。

(記事、写真 曽祢真衣)

結果

▽男子スプリント

後藤悠 6位 10秒443(予選タイム)

田中克尚 11位 10秒947

▽女子スプリント

中嶋綺砂 7位 13秒696(予選タイム)

池田ゆめこ 9位 14秒281

▽タンデム・スプリント

森浩輔・中井琢 5位 14秒48

▽ケイリン

佐藤啓斗 7位

▽男子4キロメートルインディビジュアル・パーシュート

伊藤和輝 13位 4分48秒878

▽女子3キロメートルインディビジュアル・パーシュート

中嶋綺砂 8位 4分13秒439

▽男子1キロメートルタイムトライアル

手嶋将大 11位 1分05秒917

佐藤啓斗 15位 1分06秒877

▽女子500メートルタイムトライアル

池田ゆめこ 9位 42秒390

▽男子ポイントレース

孫崎大樹 3位 41ポイント

▽女子ポイントレース

中嶋綺砂 DNF

池田ゆめこ DNF

▽スクラッチ

伊藤和輝 7位

▽男子チーム・スプリント

早大(手嶋将大・後藤悠・中井琢) 5位 47秒132

▽女子チーム・スプリント

早大(中嶋綺砂・池田ゆめこ) 4位 40秒960

▽男子チーム・パーシュート

早大(伊藤和輝・塩田航平・孫崎大樹・中川拳) 8位 4分22秒471

コメント

森浩輔主将(スポ4=神奈川・横浜)

――今大会はインカレということで、レースに臨む上でいつもと気持ちは違ったと思います。いかがでしょうか

やっぱり特別な意味のある大会で、自分自身自転車競技はこの大会を区切りにしていたので、これでもう最後か、という思いで走っていました。その分、緊張も大きかったんですけど、でもやはり特別な意味がありました。

――チームとしてはどのようなかたちで今大会に臨みましたか

チームとしてはインカレの会場に2日前から入って最後の調整をして、みんなでモチベーション高くインカレに向かっていけたと思います。

――今大会を通して、森選手の中で最も印象に残った試合は何ですか

最後のレースで、最後のホームストレートで差すっていう自分たちのやりたかったこと、繰り返し練習でもやってきたことが出たので、それは本当によかったと思います。

――その1つ前、5―8位決定戦で順大と対戦しましたが振り返ってみていかがでしょうか

1/4決勝で法政とやったときに、差し切る作戦でいったんですけど、それがうまくいかなくて、自信もなくなっていたので、そこは戦法を切り替えてインで粘る戦法に変えました。相手も自分たちよりも持ちタイムが良くなかったので、そこでうまく走れたと思います。

――順大戦を経て、中大戦で自信を持って走れるようになったのですね

中大戦は1つ警告をもらっていたっていうのもあって、丁寧にきれいに走って全力を出し切ろうって話していたので、それで結果がついてきてよかったと思います。

――差し切った直後に、思わず右手を突き上げていました

3位以内っていう目標は達成できなかったですけど、最後の最後に自分たちのやりたかったことができて良かったです。

――試合が終わった後、中井選手とどのような会話を交わしたのでしょうか

率直にありがとうございましたって(笑)。 本当に、ペアを組めて良かったなと思います。2年間ありがとうございましたってことですね。

――トラック部門は本日で終了ですが、主将の目線から見て、この3日間いかがでしたか

昨年、トラック種目で24点取って、ことしは22点ということで、そこを伸ばせなかったのは満足のいく結果ではなかったです。それでも孫崎がポイントレースで3位だったり、佐藤も最後7―12位決定戦で差してくれたりして、みんなしっかりと力を出せたので、また来年以降に課題を見つけてという大会でした。

――これで主将は引退となります

主将がどうだったかっていうのはこのインタビューで表せられないくらい大きなものだったんですけど、1つだけ言えるのは、頼りない主将だったと思うんですけど、それでもみんな最後までついてきてくれました。自分に対して不満のある選手もいたと思うんですけど、最後はついてきてもらえてので、そこに関しては感謝していますし、何より柳監督、塩原コーチと鈴木監督と、いろいろな支えがあってこの1年間やり遂げられたと思います。

――部活も引退です

これからいろいろ感じると思うんですけど、まだ実感がなくて、この早大に入って1つ打ち込めるものがあってよかったと思いますし、目標は達成できなかったですけど、自分たちの力を出し切ったので、よかったです。

――今後は自転車からも離れるということですが

高校時代から7年間続けてきて、やってよかったなっていうことが多いです。ワセダだけじゃなくて、全国に友達ができたので、自転車競技を通じてつながった人脈はよかったですし、うれしい思いも悔しい気持ちも味あわせてもらったので、よかったです。

――これからミーティングをされると思うのですが、あすレースを控えるロード班の面々にはどのようなことをお話しするのでしょうか

トラック班が完璧な流れでロードにつなげられなかったんですけど、それぞれが出し切って終わりたいっていうのと、目標としては昨年の得点を超えたいっていうのはあるので、そこはロード班にお願いするかたちになりますが、サポートもトラック班でやりたいと思います。

伊藤和輝(スポ4=東京・昭和第一学園)

――個人追い抜きについてはいかがでしたか

個人的にインカレの1日目の最初の種目で、インカレの調子を決めるというか、そこでインカレのペースが決まるなという感じだったので、うまく良いタイムを出したいところだったのですが、やはり現実はそううまくはいかなくて。調整がうまくいっていなかったのと練習不足が大きな原因で、48秒の12位で終わってしまいました。

――スクラッチについてはいかがでしたか

スクラッチはことしからの新種目で、ことし優勝すれば初優勝だったので、表彰台を狙えればいいなと思っていました。でも実際はポイントレースとスクラッチレースに強い人が分散したのがあって予選自体は簡単に上がれたのですが、やはり決勝のメンバーがすごく熱くて、強くて。どうなるかなと思っていたのですが、序盤で1人ラップが決まってしまって。あと、自分の勘違いで周回数を多く重ねている人が5人くらいいると思っていました。それもあって残り7周の時点でラップをするしかないと考えて一か八か自分も前の集団に行ったのですが、失敗に終わってしまいました。最後だったので逃がしてもらえなくて、それが仇となって、最後集団の中で1着を取れば3位表彰台だったのですが、追いつくまでのアタック、脚がなくて。最後のスプリントなんとか前に出たのですが、7位という結果に終わってしまいました。自分の判断ミスがあったものの、自分が予想していた展開で思い通りになったのでレースの内容としてはよかったのですが、脚がなかったために思うようなレースができなかったということが原因かなと思いました。

――チーム・パーシュートの方はいかがでしたか

各学年1人ずつ入っていて、きょねんから3人持ち上がりでやっていて、団体追い抜きのチームとしては2年くらいやっていたので、ここで成果を出したいなと思っていました。しかし、自分の調整がやはりうまくいっていなくて、ラップタイムを落としてチームに迷惑をかけてしまいました。目標としては20秒を切れば手堅く入賞できるラインだと予想していて、実際結果的にも20秒きれば6位に入れるというポイントだったので、予想は合っていたのですが・・・直前合宿でも、20秒をきれるんじゃないというラインまで練習できていて、かなり狙えるのではと思っていたのですが、合宿は松本でやっていたので、環境がかなり違っていて、ここに対応しきれなかったというのもありました。

――六大学でもチーム・パーシュートに出場されていましたが、六大学と比べてどうでしたか

自分のパフォーマンス的にはあまり変わっていないのですが、タイム的には6秒近く向上して、一昨年ここで出したワセダ記録も更新することができました。チームでも出走前に最低でもワセダ記録は更新しようということで走ったので、小さい目標ではありますが目標を1つクリアできて、六大学よりは結果がよかったので、よかったです。

――あしたのロードはどういった走りをしたいですか

鹿屋体育大、日大、あとことしは明大も強いので、おそらくその3大学の動きからレースが展開されると思います。140kmオーバーのロードレースなので、前半から逃げは起きるのですが、そこでエースの選手たちが逃げを追ってしまうと脚を使ってしまうので、そこで自分たちアシストが逃げに入ることでエースが集団を引っ張らなくていいという仕事をしっかりできたらいいなと思います。ですが、ここのコースがアップダウンしかないコースで得意ではなくて。やはり最後のインカレなので完走できたらいいなとは思っているのですが、さっきも言ったように難しいコースなので、しっかり仕事をしつつ完走できるのが一番いいのですが、どちらか1つに絞って、完走かチームのために仕事をすることを目標にしています。

手嶋将大(スポ4=千葉・国分)

――1キロメートルタイムトライアルを振り返っていかがでしたか

チーム・スプリントの疲れが残りつつ、1キロメートルタイムトライアルというかたちでしたが、気持ちは(1キロメートルタイムトライアルに)持っていってスタートしました。ですが、技術的な部分と後半に疲れが出るという力不足があって、目標としていた4秒が出せなかったです。正直自分自身満足しない結果というかたちで最後の試合を終えてしまいました。

――六大学対抗競技大会のタイムより上がっていましたが、インカレまでの20日間で詰められたということでしょうか

ここ1カ月で(1分)4秒を出すくらいまでには練習してきて自分自身出せると思っていました。一応成長はしてきてたんですけど、1キロに照準を合わせきれずに走ってしまったので出し切れませんでした。成長はしたんですけど目標に達しなかったので、詰めが甘かったなと思います。

――練習通りにはいなかったということでしょうか

練習では上がっていましたし調整がちゃんとできれば一発で(1分)4秒が出ていたと思うので、他の選手と比べると、他の選手が1キロを3回走って毎回(1分)4秒で走るところを僕はそのうちの1回しか走れないという実力なので、実力の差があったなと思います。

――チーム・スプリントは大会新記録での5位入賞となりました

全日本学生選手権トラックで周りのチームの走りを見て、ある程度46秒台で来るというのは分かっていたので、それに合わせて46秒台を目標にしていました。自分たちはもうちょっとの部分が上げられませんでした。最低限はクリアできたと思うんですけど、僕も最後でしたし3位になってらいねん再来年には1位を目指すくらいには持っていきたかったと思います。そこそこ仕上げて走れたのですが、3位までには入りたかったですね。

――ミスなく走れたということでしょうか

ミスはありませんでしたが全体的に周ごとに0.1秒ずつ上げられたら3、4位には入れたので惜しかったのですが、流れはほぼ理想通り走れました。みんなもすごく気持ちが這入っていましたしそこは良かったので、あと一押しの部分で負けてしまったかなと思います。

――チーム・スプリントは後輩に託すという気持ちでしょうか

ことしは短距離陣として全体的にパワーアップしているので今後また1年、2年経るごとに強くなってもらえればと思います。

――直前に3人で何か話しましたか

直前は、ベストを尽くそうと。おのおのが仕事をして、自分のリズムで集中しベストを尽くそうと臨みました。最後気合いを入れていったので連携も取れていましたし、そこまでの気持ちの準備は良かったと思います。

――今後の出場予定を教えてください

早慶戦には出ると思います。

中嶋綺砂(スポ4=三重・暁)

――今回のインカレを振り返っていかがですか

自分の中では不完全燃焼な試合となってしまいました。

――具体的にはどういった点でしょうか

自分を信じきれなかったというか、スプリントでもそうでしたし、ポイントでは完走できませんでしたし、いろいろ足りないものがあったなという感じです。

――今後の出場予定はありますか

国体があります。国体が大学生最後のレースになります。

――今回のインカレが一区切りだったかと思いますが、競技生活を振り返っていかがでしたか

自分みたいな選手でも周りのみなさんが暖かく見守ってくださって、すごく感謝の気持ちでいっぱいです。

――後輩のみなさんに伝えたいことはありますか

すごく実力もついてきていい雰囲気になっていると思うので、今後も頑張ってくださいと伝えたいです。

後藤悠(スポ3=岩手・紫波総合)

――スプリントで6位という結果でした。率直な感想を教えてください

優勝を狙っていたのですごく悔しいです。

――予選は全体2位のタイムでした

そうですね。思ったよりもタイムが出たなと思います。自己ベストでもあったので、それは良かったですね。

――今月初めの六大学対抗競技大会では、持久力や加速力を課題に挙げていました。その点に関して、きょうのレースではいかがでしたか

練習したことを試そうと思っていたんですけど、試そうと思うあまり(レースで)後手後手に回ってしまいました。それが原因で、(きのう行われた)1/4決勝では負けてしまいました。自信のなさも出てしまったかなと思います。

――1/4決勝では、レース展開で後手に回ってしまったことが敗因だったのでしょうか

そうですね。

――きょうの5―8位決定戦は実力者がそろうメンバーでした。その中でどういう走りをしていこうと思っていましたか

とりあえず、自分の実力を出すことができればいいかなと思っていました。みんな実力はほとんど同じくらいなので、レース展開によって大きく結果は変わってくると思っていましたし、まずは全力でいくことだけを考えていました。

――レース展開として、全体的に仕掛けが早かった印象です

そうですね。明大の橋本さんが早めに仕掛けてきたので。あんなペースでいくと思わなかったので、自分も少し遅れてしまいましたね。そこで無駄な脚を使ってしまいました。

――今大会での自分に点数をつけるとしたら何点になりますか

30点くらいですかね。残りの70点は、自信のなさ、自分のメンタルの弱さが40点くらいで、技術面が15点くらい、もう15点が体力のなさだったと思います。

――技術面とはどういった部分なのでしょうか

競り合いやライン取りといった、対戦での駆け引きが自分は下手だと思いますね。スプリントで優勝した法大の宮本さんとかは、スプリンターレーンの幅をうまく使ってライン取りをしていて、すごく上手さがあると思います。そういった部分が、自分には足りていないかなと思っています。

――次の大会は岩手での国体になるのでしょうか

いや、9月の頭に愛媛で都道府県大会があります。それが終わって、10月に国体です。どちらもスプリントで出場する予定です。

――それまでにどういった部分を強化していきたいですか

パワーのなさですね。筋力という意味ではパワーはあると思うんですけど、そのパワーを一瞬で出す能力だったり、自転車に伝える能力だったりを強化していきたいと思います。

――次の大会での目標を教えてください

もちろん、全部優勝です。

中井琢(スポ3=宮城・仙台二)

――今大会ではチーム・スプリントとタンデム・スプリントに出場されましたが、それぞれ振り返っていかがですか

チーム・スプリントは1、2ヶ月ほど前に出場が決まってそこから練習を積んできましたが、まだ技術不足というところが露呈したかなと思います。入りの半周を少し丁寧に行き過ぎて失敗してしまって、それに対して返しは上位4校とそれほど遜色がないタイムで入ることができたので、その点は良かったです。ただ、やはり手嶋さんを表彰台に上げたいという思いが強くあったので、この結果は正直悔しいです。タンデムに関しては、予選をまず振り返ると、入りの50メートルは他の大学と比べると1番良かったのですが、第2コーナーでミスしてしまってそこをリカバリーできないまま予選順位が6位になってしまったのでそこは残念です。1/4決勝は優勝した法大と当たったので厳しかったかなと思います。5―6位決定戦では予選の反省を生かして戦うことができたので良かったかなと思います。

――課題も残った今大会でしたが、その中で何か得られたものはあるでしょうか

タンデムに関しては森さんとのペアが今回で解消になってしまうので次というのはないですが、チーム・スプリントに関しては来年もありますし、後藤とも来年は表彰台を目指そうと話しているので、お互いが個々の力を伸ばしていきたいなと思います。

――森選手とタンデムで組むのは最後となりましたが、どういった思いでしたか

やはり森さんを最後に表彰台に上げて笑顔で終わりたかったです。

――ここまでのワセダの結果についてはどう受け止めていますか

短距離勢は個々の力がそれぞれベースアップできていたのですが、それに対して他大もやはり伸びてきていますし、思った通りの結果ではなかったですね。

――最後に今後に向けての意気込みをお願いします

来年のインカレに向けてしっかりと具体的な目標を立てて、強化できていきたいと思います。

佐藤啓斗(スポ2=青森・八戸工)

――学生大会では最大級の規模を誇る今大会ですが、どのような気持ちで臨みましたか

昨年度のインカレでは2位に入賞したということで、今回も表彰台を目指して臨んだのですが、あまり調子の出なかったレースでした。

――調子の上がらなかった原因は

一番はベロドロームという環境にどうしてもまだ苦手意識があったことです。走りの面で恐怖感があって、自分の走りをうまくできていなかったと思います。

――ベロドロームの傾斜などがあまり得意ではないということですね

はい。

――印象に残っている試合はありますか

今回の準決勝ですが、昨年と比べて非常にレベルの高いレースで、私自身、ほとんど何もさせてもらえないレースでした。その結果、いくら対戦ができたとしても実力がなければ通用しないということが学ぶことができたと思います。

――最後の7~12位決定戦では維持を見せましたね

三浦という人を警戒しいたのですが、その選手があまり有利でない展開だと見込んだので、スパートを決めて一気にいったところうまくいきました。このような展開を今後もやっていきたいと思います。

――今回のインカレで得たものは

苦手な環境というのもありますが、一番はまったく実力として通用していなかったということを痛感したと思います。やはり実力がなければ自分からレースを展開していくは難しいので。らいねんは自分からどんどん仕掛けていける実力をつけないと勝つことはできないと思いました。

――具体的にどういったところを強化していきたいですか

最初の位置取りもそうですが、展開の位置を決めるのは重要なので、その位置取りに関する研究や作戦なども考えていく必要があると思いました。

――これで4年生の方も引退されます

4年生の方々にはいつもお世話になりましたが、今回は結果の面であんまり恩を返すことができませんでした。なので、来年結果を出して、少しでも恩を返せればと思います。

孫崎大樹(スポ2=京都・北桑田)

――ポイントレースでは3位入賞でした。おめでとうございます。振り返っていかがですか

距離が長いので前半に前に行く選手は後半たれるので、後半を狙って仕掛けようと思っていました。ですが、有力選手がいい逃げを作っていたのでそこを逃してしまったら後半追い上げても届かないと判断して、すぐに自分も逃げに乗りました。その前半の逃げが終わっても100周回残っていて。もう少し残り周回数が減っているかなと思ったんですけどかなり残っていてかなりきついと思いました。なので中盤は休むことに専念して逃げにも無理に入らずに、逃げられても我慢して後半巻き返そうと思っていました。いつもの自分はそこで逃げに載ってしまうのでしっかりと我慢して、その結果ほとんど後半はポイント争いに絡めたし、1ラップも取れたので。中盤5、6位まで順位が下がっていましたが後半の巻き返しで3位まで上がれたのでその点は良かったです。ただやはり優勝した荒井さん(佑太、法大)や京産大の曽我部は前半から後半までしっかり動いていて僕が中盤休んでいる間にもポイントを稼いでいたのでその差がそのまま出ました。少し自分もそのメンバーと一緒に逃げて戦えるようにしていかないといけないと思いました。

――狙ったポイントを獲得することはできたということですね

そうですね。狙ったポイント周回ではポイントを取れていますし、行くと決めた時に行って1ラップも決められたのでその点はすごく良かったと思います。

――チーム・パーシュートはいかがでしたか

自分はすごく調子が良くてスタートして1周目も設定タイムより速く入ってしまって。その後は他の3人がすごくいいペースで走ってくれましたが、作戦通り僕が2回目に引く時は1周半から2周引けるようにという話で、その1周半の時は自分もいいペースで回せていましたがその後他のメンバーが疲れてきたところで僕が2周引いた時に一気にラップタイムを上げ過ぎてしまいました。ラップの落差をつけてしまったので自分がペースを乱してしまったところがあるんですが、それでも他の3人が、そこで崩れてしまったら4分30秒以上かかったと思うんですが、そこをしっかりと我慢して後半に繋げてくれました。その結果狙っていた20秒切りはできませんでしたがワセダの大学記録を打ち立てかつ入賞にも繋がったのかなと思うので他の3人に感謝しています。完ぺきではないにせよいい粘りのレースができたと思います。

――回している時は後ろとの距離は分かるものですか

それはほかの出ていない選手が声を掛けてくれたりしてくれたので最後3人になった時もちゃんと聞こえていたし、サポートのおかげでもあります。