長野・飯山市から舞台を移し、静岡・日本サイクルスポーツセンター(日本CSC)にて全日本学生RCS第2戦が行われた。今回のレースはアップダウンの激しい5キロメートルのコースを20周回するもので、全出場者約170名中、完走はわずか32名という数字が物語るように非常に過酷なレースとなった。早大からは7名が出場したものの他大学の選手と同様に次々とリタイア。ただ一人、金子智哉(商4=神奈川・相模原)が完走を果たし12位に入った。
よく晴れた空の下クラス1、クラス2が合同でスタート。序盤はメイン集団から積極的に飛び出す選手はおらず落ち着いたペースでレースが進んでいく。しかし短いながらも高低差に富む難コースと、時間と共に強くなる日差しによって選手たちの体力はどんどんと奪われる。早大勢もメイン集団の中に位置取りレースを展開していたが、ペースに付いていくことができず続々と脱落してしまう。8周目には昨年の同レースで早大の選手として唯一完走していた孫﨑大樹(スポ2=京都・北桑田)が、先週の試合で負ったケガの影響もあり無念のタイムアウト。この時点でレースに残っているのは金子、納家一樹(スポ1=東京・八王子桑志)、塩田航平(スポ3=埼玉・栄北)の3名のみとなる。
168名が出場した。右から2人目は納家
後半になると実業団選手を中心とする6名の先頭集団が形成され、その後ろをメイン集団が追走する形になる。金子は疲れを見せずメイン集団前方をキープ。一方で塩田と納家は、次第にペースを上げていく集団に懸命に食らいついていたものの、徐々に引き離されていき15周目には完全に集団から脱落してしまう。早大の意地は金子一人に託されることとなった。
終盤に入りメイン集団はさらにスピードアップ。先頭集団との時間差はみるみる縮まり、先頭集団からこぼれた選手を一人、二人と飲み込んでいく。その中でも金子は振り落とされることなく、好位置を保ち周囲の出方をうかがう。そして迎えた最終ラップ。選手たちは一斉にスプリントを掛け金子もしっかりと反応。最後まで集団の中で競り合いゴールになだれ込んだが、あと一こぎが足りず惜しくも入賞には届かなかった。
久しぶりのレースとなった金子
完走者1名という結果は満足のいくものではないが、「思った以上に走れた」(納家)、「きょねんと同じくらいの力はまだあると分かった」(塩田)とおのおの収穫はあったようだ。また、日本CSCは今夏のインカレ(全日本大学対抗選手権)でも使用されることになっており、金子が「イメージをつかめた」と話すように今回のレースを走ったことはインカレに向けても良い経験となったはずだ。それぞれが今回のレースで浮き彫りになった課題に取り組み、夏にこの地で悔しい思いを晴らしてほしい。
(記事 大庭開、写真 橋本望)
結果
▽男子オープンロードレース100キロメートル(クラス1+2)
金子智哉 12位
納家一樹 DNF
塩田航平 DNF
孫﨑大樹 DNF
岩田宗也 DNF
田中英祐 DNF
中川拳 DNF
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コメント
金子智哉(商4=神奈川・相模原)
――きょうのレースを振り返っていかがですか
終始シマノさんたち(シマノレーシング)がレースをコントロールしている感じで僕はそれに必死に食らいついていくという感じでしたね。自分で何か動かすということはできなかったです。
――どのようなレースプランで臨みましたか
きょうはレースも久しぶりで練習もあまりできていなくて不安だったので、とりあえず付いていっていけそうだったら決まりそうな逃げで付いていって、という感じです。
――何かチーム内の連携はありましたか
いや、特に打ち合わせはしていなくてレース中もほとんど僕以外は後ろの方で走っていたり、連携という感じではなく淡々と一人で頑張っていました。
――きょうのコースとの相性はいかがでしたか
登り自体は得意なんですけど登りの手前の下りコーナーが苦手で、そこでだいぶ脚を使ってしまっていてそこが今課題だと思っています。そこを克服できたら脚もためられるようになると思いますし、インカレ(全日本大学対抗選手権)はそこが課題かなと思っています。
――インカレへのイメージはつかめたということでしょうか
そうですね。インカレをイメージして走るようにしていました。
――次の全日本学生選手権チームTTに向けて意気込みを教えてください
チームTTはツールド北海道も決まってくるので。力はそれぞれ持っているメンバーなので上位目指して頑張ります。
塩田航平(スポ3=埼玉・栄北)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
このコースはとても辛いので、厳しいレースでした。
――コースが辛いというのは、アップダウンが激しいということですか
そうです。
――このようなコースで練習することはあまりないのですか
ここまで上りと下りしかないコースはあまりないです。
――きょうの目標は何でしたか
完走を目標にしていました。
――あと少しのところでDNFになってしまいましたが、その点はいかがですか
落とされた時点でもう脚が限界だったので、力不足だと思います。
――収穫はありましたか
きょねんもだいたい同じところで降ろされたので、きょねんと同じくらいの力はまだあるのだなと思いました。
――課題はありますか
インカレがこのコースなので、85キロメートルで降りてしまっては全く役に立たないなと思います。
――次の大会に向けて意気込みをお願いします。
次の大会は学連のではないんですけど、群馬CSCという苦手じゃないコースなので勝ちたいと思います。
納家一樹(スポ1=東京・八王子桑志)
――きょうのレースを振り返っていかがですか
自分はクラス3からこの前昇格したばかりで自分の脚でどれくらい通用するかわからなかったので、とりあえずきょうはこけずに完走することを目標にしていました。完走はできなかったですが思ったよりも走れて良かったです。
――どういったレースプランを立てていましたか
レースプランは特に考えずにとにかく完走だけを目標にしていました。
――アップダウンの激しいコースでしたがいかがでしたか
自分は東京都の出身なのですが、東京都のレースは基本的にここでやっていたので自分にとっては慣れたコースで下りなどうまく走れたと思います。
――納家選手は下りが得意だとお聞きしました
すごく得意なわけではないですが、平均と比べれば速い方だと思います。
――これから強化していきたいと思っていることはありますか
集団からちぎれてしまうともう駄目だと思ってしまう部分があるので、フィジカルはもちろんですがメンタルも鍛えていきたいと思っています。
――最後に次戦への意気込みをお願いします
完走できるように頑張ります。