インカレに向け、経験を積む

自転車

 2日間にわたってトラックとロード共に行われた今大会。中嶋綺砂(スポ4=三重・暁)は1日目のトラック、池田ゆめこ(スポ2=北海道・札幌旭丘)は2日共に出場し、夏に行われる全日本大学対抗選手権(インカレ)に向けて士気を高めた。

 屋内で行われた1日目のトラック競技。池田が、200メートルフライングタイムトライアル、インディヴィジュアル・パーシュート、500メートルタイムトライアルの3種目で立て続けに昨年より記録を伸ばし、その成長ぶりをうかがわせた。この日最後の種目となったポイントレースは、トラック10周ごとのポイント周回で、定められたラインを通過する順位によってポイントが加算され、その合計で最終順位が決まる。1回目のポイント周回後、それまで縦に伸びていた集団が二分し、池田は後方の集団に吸収されてしまった。前方の中嶋は2回目のポイント周回で日体大の古山稀絵との逃げが決まり、一騎打ちになる。時折先頭を入れ替わりながら並走したものの最後はあと一歩追い付けず、2位でラインを越えた。一方の池田は大きく遅れをとってしまい、昨年と同じ無念のDNF。中嶋もその後はポイント周回で前に出られず、この競技の最終結果は6位となった。

古山と逃げる中嶋

 晴天の下行われた2日目のロードは、急こう配が続く1周5キロメートルの難コースを8周するという厳しいレース。池田は1周目、先頭集団のすぐ後ろに位置づけ、好調な滑り出しを切る。ところが、「2周目からは脚がいっぱいいっぱいになってしまった」(池田)と悔しげに振り返ったように、3周目に突入するときには他の選手から大きく引き離されてしまった。なんとかペダルをこぎ続けたものの、4周目の突入地点を先頭から7分弱遅れて通過。その後DNFとなり、目標としていた完走とはならなかった。

スタート・フィニッシュ地点手前の坂を登る池田

 「インカレが同じ会場なので、インカレで出る種目で特に良いタイムを出そうというのが目標だった」と中嶋が語ったように、この大会は、8月に行われるインカレと同じ会場で開催された。学生日本一を決める大一番に向け、良い経験を積むことができたことだろう。インカレで納得のいく走りを披露するため、今回の収穫を生かしていきたいところだ。

(記事 橋本望、写真 大庭開 曽祢真衣)

結果

▽200メートルフライングタイムトライアル

中嶋綺砂 12位 14秒079

池田ゆめこ 13位 14秒888

▽500メートルタイムトライアル

中嶋綺砂 11位 41秒505

池田ゆめこ 13位 43秒421

▽3キロメートルインディビジュアル・パーシュート

中嶋綺砂 11位 4分17秒128

池田ゆめこ 14位 4分37秒052

▽ポイントレース

中嶋綺砂 6位

池田ゆめこ DNF

▽個人ロードレース

中嶋綺砂 DNS

池田ゆめこ DNF

コメント

※1日目終了後

中嶋綺砂(スポ4=三重・暁)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

普段は女子の個人種目は2種目だけで少ないんですけど、きょうはオムニアムということで短距離から長距離までいろいろな種目がありました。その中ですべてに全力を出していくというのが大変でした。

――この大会の目標は何ですか

インカレが同じ会場なので、インカレで出る種目で特に良いタイムを出そうというのが目標でした。

――インカレではどの種目に出られるのですか

200メートルフライングタイムトライアル、つまりスプリントと、3キロメートルインディヴィジュアルパーシュートです。

――きょうその種目はうまくいきましたか

あまりうまくいきませんでした。でも、最後にやったポイントレースが思っていたよりうまくいって、それが良かったなと思います。

――ポイントレースでは作戦は立てていたのですか

特に立ててはいませんでした。鹿屋体大や日体大の選手が4人ずつくらいいたので、一人でも逃げたら周りがスピードを抑えて逃げが決まってしまうんだろうなと思っていました。なので、二つの大学のどちらかが逃げたら付いていこうかなというのはうっすらと考えていました。

――普段の練習についてお伺いします。男子の選手と練習することも多いと思うのですが、その中で刺激になることはありますか

根本的なスピードが違うので、自分の出せないトップスピードで先頭交代に入れなくても、集団に付いていくことで、自分の出せないトップスピードで走ることができます。

――今強化していることは何ですか

3キロメートル(インディヴィジュアルパーシュート)とスプリントを中心にやっています。あとはチームスプリントも少し力を入れています。

池田ゆめこ(スポ2=北海道・札幌旭丘)

きょうの試合を振り返っていかがですか

まず500メートルタイムトライアルは自己ベストを更新することができたので、課題はクリアすることができたかなと思います。これからもっとタイムを縮めていきたいと思います。ポイントレースに関しては自分だけ完走できなかったので、もっと持久力を高める練習をしていきたいと思いました。

きょねんの同じ大会と比べると全体的にタイムがよくなっていますが、このことに関してはいかがですか

冬場はウエイトを中心にトレーニングしてきて、その成果が出てきたかなと思います。

普段は男子選手と練習しているそうですが、男子選手から刺激を受けることはありますか

女子は普段、男子の短距離班といっしょにスピードが早いペース走などのメニューを練習しているのですが、自分一人では出せない力を出すことができるのでとても刺激をもらっています。

今、強化しようと取り組んでいるポイントはありますか

今は最大スピードがまだ他の選手に比べると遥かに低いので、最大スピードを高めてそこからまたスピードを維持できるような筋持久力を付けていきたいと思っています。

あしたのロードでの目標を教えてください

きょねんはスタートすらできなかったので女子選手と走ってみてどんな感じなのかはまだ分からないですが、自分のベストを出して集団の中で完走することを目標に頑張ります。



※2日目終了後

池田ゆめこ(スポ2=北海道・札幌旭丘)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

1周目は、他の選手がどれくらいのペースで走るのかを見ようと思って慎重にいきました。2周目からは脚がいっぱいいっぱいになってしまって、肺も辛かったので、とにかくもう力不足でした。

――きょうの目標は何でしたか

きょうは本当は完走を目指していたんですけど、独走力が足りなくて目標を達成することができませんでした。

――きょうはアップダウンが激しいコースでしたが、その点はいかがでしたか

スタートしてすぐに下りからの上りがあって、インターバルがあるコースでした。練習すればするほど差が出るコースなので、インターバルを中心とした練習をしていかなければいけないなと思いました。

――大会は二日間に渡りましたが、疲労はありませんでしたか

若干あったんですけど、でも落ち着いてスタートできたので、あまり疲労は意識せずに走れたと思います。

――この大会で収穫はありましたか

冬場一度怪我をして1ヶ月くらい乗れない時期もあったんですけど、ウエイトトレーニングとか体幹トレーニングとかをして、今回安定した走りができたと思います。課題も見つかったので、これからまた頑張っていきたいです。

――次の大会は何ですか

7月の全日本学生選手権トラックです。

――その大会に向けて意気込みをお願いします

ことしは短距離に集中しようと思っているので、200メートルタイムトライアル、500メートルタイムトライアルとチームスプリントで、しっかりとパワーアップした姿を見せられるよう、力を付けていきたいと思います。