孫﨑、佐藤連覇ならず 各種目不振に終わる

自転車

 ゴールデンウィークにはロード班とトラック班に分かれて合宿を行った早大自転車部。合宿を終え、2日間にわたる東日本学生選手権トラックに12名が出場した。孫﨑大樹(スポ2=京都・北桑田)はスクラッチ、佐藤啓斗(スポ2=青森・八戸工)はケイリンでそれぞれ前回大会覇者として臨んだが、1日目の予選は危なげなく通過したものの2名とも連覇はかなわなかった。またポイントレース決勝に出場した中川拳(スポ1=北海道・帯広三条)は決勝のレベルの高さを痛感するレースとなった。

 男子スクラッチ決勝には伊藤和輝(スポ4=東京・昭和第一学園)、中井琢(スポ3=宮城・仙台二)、孫﨑、納家一樹(スポ1=東京・八王子桑志)の4名が出場した。フライングスタートの1周を走行中「いけるんじゃないか」とぺダリングに好感触を得た孫﨑は1周目からアタック。それに反応した青野将大(法大)、野本空(明大)の3名の逃げが決まる。周回を重ねるごとにメイン集団と逃げの距離は縮まっていき中盤には完全に合体、孫﨑含む3名の1ラップ走行が認められた。しかしレースも終盤に差し掛かったところで大規模な落車が発生。傾斜のきついコーナーからの落車で早大も中井、孫﨑がジャージーが破れるほどの擦過傷を負った。これにより中井、孫﨑はDNFとなり濃厚かと思われた孫﨑の連覇はついえた。

孫﨑のアタックに青野と野本が反応した

 男子ケイリンに出場した佐藤は同種目の前回大会覇者であり、全日本大学対抗選手権でも2位の実力者。1日目の予選では2組目に登場し、4組行われた予選の中でも1位タイムとして最も速い11分23秒を出す。しかし2日目に行われた準決勝で振るわず惨敗、決勝進出を逃した。予選2組目では下した照井拓成(日大)、富武大(明大)が決勝に進出し、佐藤の実力に鑑みると屈辱的な結果となった。佐藤は「とてもひどいレースでした」とその一言に尽きるかのように、多くを語らなかった。

7~12位決定戦では意地の1着を見せた佐藤

 ポイントレース決勝にはルーキー中川拳(スポ1=北海道・帯広三条)が登場。「レースがうまくない」と自らを評する中川は、レース運びの上手な選手の後を追うという孫﨑のアドバイスを基に、原井博斗(中大)をマークするよう意識した。しかし、ポイント周回突入時は良い位置につけていたが周回中に後退という展開が続く。迎えた11回目のポイント周回。4位通過で1ポイント獲得したが、周回突入時には1位通過も狙える位置にいただけに惜しい取りこぼしであった。中川は総合15位でレースを終えた。

原井の後ろにつく中川

 孫﨑、佐藤の優勝のほかにスプリントで後藤悠(スポ3=岩手・紫波総合)が2位、チームスプリントでも3位だった前回大会。表彰台に上ることもなく良い結果を挙げることはできなかったが「勝つことが難しいのが自転車競技で、だからこそ奥が深い」と岩田宗也(スポ3=広島城北)は言う。落車による2名の深手が一日も早く治癒することを願うとともに、今回のアクシデントも厄落としだったと後には振り返るような、そんな勇姿に期待したい。

(記事、写真 曽祢真衣)

結果

▽OPEN200メートルタイムトライアル

手嶋将大 7位 11秒104

▽男子スプリント予選

田中克尚 12位 11秒072 予選敗退

森浩輔 18位 11秒492 予選敗退

後藤悠 DNS 予選敗退

▽女子スプリント予選

中嶋綺砂 5位 13秒953 予選敗退

池田ゆめこ 6位 14秒535 予選敗退

▽男子ケイリン予選

2組 佐藤啓斗 1位 11分23秒 準決勝進出

▽男子ケイリン準決勝

2組 佐藤啓斗 5位 準決勝敗退

▽男子ケイリン7~12位決定戦

佐藤啓斗 1位 11分35秒 7位決定

▽男子ポイントレース予選

1組 中川拳 10位 決勝進出

2組 塩田航平 11位 予選敗退

▽男子ポイントレース決勝

中川拳 15位

▽男子スクラッチ予選

1組 納家一樹 3位 決勝進出 中井琢 4位 決勝進出

2組 孫﨑大樹 6位 決勝進出 伊藤和輝 8位 決勝進出

▽男子スクラッチ決勝

伊藤和輝 6位 納家一樹 13位 中井琢 DNF 孫﨑大樹 DNF

▽女子インディビジュアル・パーシュート予選

中嶋綺砂 4位 4分17秒591 予選敗退

▽OPEN1キロメートルタイムトライアル

森浩輔 DNS

▽男子4キロメートルチーム・パーシュート予選

塩田航平 孫﨑大樹 田中克尚 中川拳 6位 4分38秒251 予選敗退

▽男子チーム・スプリント予選

手嶋将大 中井琢 佐藤啓斗 6位 1分06秒800 予選敗退

▽女子チーム・スプリント予選

中嶋綺砂 池田ゆめこ 3位 57秒173 予選敗退

▽男子1キロメートルタイムトライアル

手嶋将大 9位 1分09秒373

▽女子500メートルタイムトライアル

池田ゆめこ 10位 45秒180

コメント

孫﨑大樹(スポ2=京都・北桑田)

――きょうのスクラッチは前年と違い早大から4名が出走しましたが、その点はいかがですか

今回は別にチームプレイとかは気にせず各個人でそれぞれの走りをしました。

――どのようなレースプランで走りましたか

いつも自分は前半から攻める走りをするので、きょうはわざと中盤以降にみんなが「(孫﨑は)動かないんだ」と考えたときに動こうかなと思ったんですけど、最初のローリング区間中になんかきょういけるなと思ったんで1周目からいくことに変更したんです。

――ワンラップ走行となってからはどのように走ることを考えていましたか

ラップしてからは3人逃げていたので、そのまま留まるのではなくて。3位以上は確定ですけど3人での争いもあるので、できればラップした勢いでそのまま飛び出そうかなとも思ったんですけど、集団もけん制が入っていて。抜け出すのは怪しいと思ったのでとりあえず集団で待機することにしました。

――大きな落車がありましたが、落車を含めスクラッチを振り返っていかがですか

1周目からアタック掛けて逃げを作ってラップすることもできて、3位以上を確定させるまではすごく積極的で良いレースだったんですけど、その後集団に追い付いてからちょっと周りをちゃんと見ていないというか、消極的になってしまって集団の後ろに下がってしまいました。その結果落車を起こす原因にもなってしまいました。最後までちゃんと積極的に走っていかないと勝てないし、こういうことにもなるので次からは気を抜かずに、積極的に最後まで走りきりたいなと思いました。

――来週の修善寺オープンロードに向けて意気込みを教えてください

オープンロード、すごく前から狙っています。一応RCSでもあるので優勝してまた総合ランキングでも良い位置にいけるように頑張ります。

中川拳(スポ1=北海道・帯広三条)

――きょうのポイントレース決勝はいかがでしたか

力不足です。力不足と経験不足です。レースのうまさがないというか作戦が下手くそです。

――11回目のポイント周回では4着でしたが振り返っていかがですか

僕は北海道出身で高校の時からことしの冬まではずっと3月くらいまで室内でしか練習できていなくて、毎年シーズン初めはあまり調子が良くなかったりスプリントとか決定力に欠けていたりします。ことしも例にもれなくスプリント力がなくて。ベースはだいぶ冬の間に作れているんですけど、その上のダッシュだったりスプリントだったりの決定力的なものがなくもがけていないので、そういうところを今後シーズンの大きい大会に向けてどんどんそういう力を付けていって仕上げていきたいですね。

――レース中、バンクの上の方で後ろを振り返っていましたがどのような意図でしょうか

それは、レースがうまくないのできのうの夜孫﨑さんに相談して速い人というよりはレースのうまい人の後ろについていってポイントを取るという作戦で、中大の原井博斗さんについていこうという作戦で原井博斗さんを基本的にマークして、ついていけるか意識しながら走っていました。それでちょっとちらちらしていました。

――来週の修善寺オープンロードに向けて一言お願いします

インカレ(全日本大学対抗選手権)のコースなのでインカレにつなげられるように頑張りたいです。