クラス3で田中が優勝!クラス2への昇格が決定

自転車

 全日本学生RCS(RCS)第12戦埼玉クリテリウム行田第3ラウンドが行われた。快晴日数全国1位を誇る埼玉・行田市はこの日も快晴。澄み渡る空の下、田中英祐(人1=宮城・東北学院)がクラス3Aで優勝を果たし、クラス2への昇格を決める。クラス2Bには岩田宗也(スポ2=広島城北)が、クラス1には伊藤和輝(スポ3=東京・昭和第一学園)、塩田航平(スポ2=埼玉・栄北)、孫﨑大樹(スポ1=京都・北桑田)の3名が出場したが、各選手は本来の力を発揮できず表彰台を逃した。

 レース序盤は集団中程に位置していた田中。強風の影響で集団のスピードがなかなか上がっていかない。しかし中盤、集団のペースにのまれることなく積極的なアタックで集団から飛び出した。逃げ集団を形成するとそのままラスト1周回へ突入する。足きりを免れた5名によるスプリント勝負を制したのは田中。ガッツポーズをするでもなく静かにフィニッシュラインを越えた。念願のクラス2への昇格を叶えた瞬間だった。

強気なレース運びを見せた田中

 RCSシリーズ年間ランキング(ランキング)2位の孫﨑、4位の伊藤、塩田の3名が出場したクラス1。強風の吹くレース、ワセダ勢はタイミングをうかがいながら集団の中で逃げの機会を狙う。行田ラウンドも3回目を迎えコースには慣れてきていたものの、勝負はそう簡単に運ぶものではなかった。参加人数のそれほど多くなかった今回のレース。集団が広がってしまい、風の影響を受けずに走ることは困難だった。孫﨑は果敢にアタックを仕掛けるが、小林和希(明大)にマークされ体力を消もうしてしまう。さらに他校の落車もあり、ゴールスプリントで出遅れてしまった。塩田6着、伊藤7着、孫﨑14着という結果になり、RCS第11戦から順位を上げたのは塩田のみ。孫﨑は4着の野本空(明大)にランキングでの逆転を許し3位となってしまった。

ゴールスプリントは混戦となった

 田中の昇格により次戦からはワセダ全員がクラス2以上に出場する。自転車競技未経験の田中がワセダの門を叩いてからはや10ヶ月が経った。「ようやく優勝することができてすごく嬉しい」と晴れ晴れとした表情の田中。その一方で「(クラス2では)今の自分のスプリント力だと絶対勝てない」と気を引き締めた。次戦のRCSはシリーズ最後の長野小針地区周回コースでのレースとなる。慣れを生かしてクラス2、クラス1共に表彰台に上るエンジの姿を期待したい。

(記事 曽祢真衣、写真 久野映)

田中

結果

▽クラス1

塩田 6位、伊藤 7位、孫﨑 14位

▽クラス2B

岩田 11位

▽クラス3A

田中 1位

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コメント

伊藤和輝(スポ3=東京・昭和第一学園)

――本日の目標は

今自分はRSC年間シリーズランキングで4位にいるのですが、3位まで20ポイント差があるのですが5、6位には2ポイントしか差がなくて。きょうは出来るだけその差を広げられるように、あわよくば3位に詰めて、年間ランキング3位になれたらいいなと思っていました。3位以内には入りたかったのですが、メンバーから見て厳しいかなというのが正直なところでした。

――本日のレースプランは

きょうは風が強かったのでなるべく集団内にいようとは思っていたのですが、どの逃げが決まるかは分からないので、決まりそうな逃げにはなるべく反応しようと思っていて、練習という意味でもそういうレースをしようと思っていました。

――ワセダ勢での連携などは

きょうは特にありませんでした。

――風の強い日でしたが、レースに影響は

3、40人いるレースでもないので風が強いとみんなばらけて広がってしまいますね。集団の中にいれば風の影響を受けることは少ないのですが、人数が少ないのと道幅が広いのとで、広がってしまいあまり休めなくなってしまいます。風があった方が良いというタイプの人もいるのですが、自分はない方がやりやすいですね。

――きょうで今季の行田でのレースは3度目ですが、前の2回の教訓は生かすことができましたか

きょねんも1度ここで走っていて、今季の前の1、2回は(行田において)雨上がりなど特殊な天候が多くて、この行田で風が強いことの方がむしろ普通の行田に戻ったという感じでしたね。このコース自体にはもう慣れてきましたね。

――今後の目標は

今回1位の選手が年間ランキング5位か6位くらいの選手で(4位だった自分と)ここで一気に点差が広げられてしまったので、現実は甘くないと痛感しました。しかし(最後の)神宮(全日本学生RCS最終戦・第10回明治神宮外苑大学クリテリウム)ではポイントが2倍になるので、そこでしっかり挽回して目標の年間ランキング3位に入れるように頑張っていきたいです。

田中英祐(人1=宮城・東北学院)

――クラス3で今まで戦ってきていかがでしたか

自分は4月から自転車競技の未経験者としてやってきて、先輩たちのアドバイスと練習とがあってようやく優勝することができて、すごく嬉しいです。

――優勝おめでとうございます。きょうのレースはいかがでしたか

風が強く集団も向かい風だと全然速度が出なかったので、自分はもうがんがんアタックして逃げ集団を作るように走りました。結果的には最後5人だけ残って、自分の展開に持ち込めたかなと思います。

――想定したレースを走ることができたということでしょうか

はい。そうですね

――次戦からはクラス2での出場となりますがどのように戦っていきますか

そうですね、今の自分のスプリント力だと絶対勝てないレベルのレースなので、練習あるのみでスプリント力を強化して、半年とか長いスパンで勝てるように頑張っていきたいと思います。

――では、この一年を振り返っていかがでしたか

先輩たちと同級生と本当に皆さんに応援して頂いて支えて頂いて、自転車をなんとか続けてくることができました。きょう優勝してすごく嬉しくて、これからも頑張っていきたいなと思いました。

孫﨑大樹(スポ1=京都・北桑田)

――きょうは強風の中でのレースとなりましたね

風がきついので、タイミング良く飛び出せば逃げも決まる可能性があるので、それも少し狙いながら前半はいつもみたいに積極的にいくのではなくて、集団待機っていうプランでいきました。

――レース半ば、飛び出す場面も見られました

半ば、集団が前に8人、後ろに残りって分かれた場面もあったので、もしかしたら前が逃げ切ってしまう可能性も充分あるし、そういうのがあったら前にいないと勝負にならないので、と思って前に前にっていう感じでいきました。

――後半はいかがでしたか

ラスト2周のホームストレートでタイミング良く抜けられたんで、ラスト2周ってこともあるし、けん制が入れば十分逃げ切ることも可能だと思ったので、ずっと攻めていたんですけど、やっぱりそこは小林和希さん(明大)がしっかりとチェックしてきて捕まってしまいました。そこで結構脚使っちゃって最後はやばかったんですけど、ラスト1周でまた小林さんの後ろを位置取りしてゴールスプリントに挑んだんですけど、ちょっと左の方で落車があって、影響はほぼなかったんですけど少し出遅れちゃって、最後はどうしようもなかったです。

――きょうのレースへの自身の評価としては芳しくないということですね

そうですね、全然自分は最近まったく歯が立っていないんで、もう少しスピード面で強化していかないとこういうレースは勝てないなと思いました。

――このコースは苦手なのですか

苦手意識はないですけど、得意ではないですね。自分はもっと起伏のあるロードレースの方が走れるかなって改めて思いました。

――スプリント力の強化も現在されているのですか

とりあえず、今は距離を乗っていて、下地作りというか、基礎体力というか、しっかり作っていっているので、春先に合わせてそういう短い距離のインターバルとかをやって強度を上げていく、あくまで自分は夏のインカレ(全日本大学対抗選手権)に向けて取り組んでいるので。でも、それでも負けるのは悔しいので勝ちたいですね。

――RCS年間ランキングの方はいかがでしょうか

今回、(首位の小林和希に)また差を付けられてしまったので、優勝は厳しい状況になってきていますが、一応最後は3位まで表彰台があるので、最低でも2位はちゃんと死守して離されて終わるのではなくて、詰めて終われたらなと思います。

――次回で行田は最後となります

神宮(全日本学生RCS最終戦、第10回明治神宮外苑大学クリテリウム)はポイントが2倍なので、その前に景気付けでまた行田で表彰台に上がるくらいの順位でちゃんと終わらせて、最終戦優勝で締められたら一番良いかたちかなと思うので、次の行田も表彰台に上がれるようにしっかり頑張っていきたいと思います。