早大、六大学2位へと飛躍

自転車

 稲刈りも終わりのどかな景色の広がる田園地帯を舞台に、東京六大学対抗ロード(六大学ロード)、全日本学生RCS第11戦(RCS)が日を同じくして開催された。RCSに先立って行われた六大学ロードには5人の選手が出場。伊藤和輝(スポ3=東京・昭和一学園)が個人2位になり、早大の大学対抗順位もきょねんの5位から2位へと大きな飛躍を遂げる。RCSではクラス1に登場した孫﨑大樹(スポ1=京都・北桑田)が5位。RCS年間ランキングで現在2位につける孫﨑にとっては、惜しい結果となった。

六大学ロードは30分+3周回のポイントレース方式で行われた。完走周回数と2周回毎の中間スプリント、最終スプリントの順位による得点を基に順位が決定する。孫﨑をアシストとしてエース・伊藤がポイント周回の2周に1回点を取りにいくという作戦で臨んだ早大。競技中5回あったスプリントのうち伊藤は狙い通り3回のポイント獲得を果たし、うち2回はトップ通過、さらに最終ゴールでも2位と大量得点に成功する。伊藤がポイントを狙わない中間スプリントでは金子智哉(商3=神奈川・相模原)が脇を固め、塩田航平(スポ2=埼玉・栄北)も好機を見つけて点を狙った。概ねプラン通りのレース運びができた早大だったが、ポイント獲得に失敗したスプリントもあり、優勝の法大まであと一歩というところだけに悔しさも残る。とはいえ、きょねんの六大学ロード5位という結果を鑑みると内容、結果共に大きく向上していることは明白だ。

六大学ロードでは作戦通りにレースを運ぶことができた

続いて行われたRCS。今季のRCS年間ランキング2位につけている孫﨑は、暫定1位の小林和希(明大)と28ポイント差で、今大会で逆転するには優勝は絶対条件だ。レースは日大が集団で積極的にコントロールし、中盤まで孫﨑は集団中程に位置していることが多かった。しかし小林と協調して日大を制すると、終盤は思い通りの展開に持ち込む。最終コーナーでは4位と良い位置につけていた孫﨑。しかしスプリント力で小林に勝ることはできず、目標としていた優勝には届かず5位でのフィニッシュとなった。

ゴールスプリントでまくることができず、5位に終わった孫﨑

RCSも残すところあと4戦。RCS年間ランキング優勝を狙う孫﨑は「あとはいかに小林さんに点を詰められるか、逆転できるかという話なので、失うものはない」と意気込む。六大学対抗ロードではチームとしては飛躍の2位となったが、金子、塩田はポイントを上げたものの自身のレースについては厳しく評価した。コースによって得手不得手は分かれるが、残り4戦、選手おのおのが来シーズンに向け経験を積み、レースの勘を研ぎ澄ますことが求められる。勝ち切る技術を身につけた、一人一人の飛躍の走りに期待したい。

(記事 曽祢真衣、写真 寒竹さつき、菖蒲貴司)

チームを代表し表彰台に登る伊藤

結果

▼東京六大学対抗ロード

伊藤 2位、塩田 5位、金子 8位、孫﨑 10位 中井 DNF

早大 2位

▼全日本学生RCS第11戦

▽クラス1 孫﨑 5位、金子 11位、塩田 13位、伊藤 DNF

▽クラス2A 手嶋 15位

▽クラス3A 田中 13位

コメント

伊藤和輝(スポ3=東京・昭和一学園)

――きょうのポイントレースを振り返っていかがですか

チーム内で事前にミーティングを行って作戦会議をしていて、全て作戦通りにいったかというとそれは上手くいかなかったところもあったんですけど、概ね基本的に作戦通りに走れたので結果としては良かったと思います。

――チームでの作戦というのはどのようなものだったのでしょうか

塩田(航平、スポ2=埼玉・栄北)が基本的に単独行動、単独行動というか行けるときに行くというスタイルで様子を見ながらで、自分と孫﨑(大樹、スポ1=京都・北桑田)は2周に1回ポイント周回をしっかり孫﨑をアシストとして、自分がエースで取りにいくという展開でした。2周に1回なのでその間の回に金子(智哉、商3=神奈川・相模原)が点を取りにいくという作戦でした。

――チームの2位という結果についてはどうお考えですか

走っている段階では意外と1位もあるんじゃないかと思って終わった直後もそう思ってたんですけど、やはりしっかり結果を見直すとしっかりポイントの取れていない部分があって、結果的に2位になってしまって。でもきょねんの5位という結果に比べれば大きく飛躍したと思います。

――クラス1でのレースを振り返っていかがですか

やはり平日の練習量が少なくて筋力、パワー自体はそれほど練習しなくても週に1回してれば落ちないんですけど、やはり肺活量とか持久力の面ではしっかり毎日自転車に乗っていないと落ちてしまう部分があって。午前のポイントレース方式の六大学対抗ロードで体力を使い切ってしまって持久力がなくなってしまって、クラス1のレースはレースとは呼べないくらいひどい結果でした。

――次の全日本学生RCS第10戦に向けてどのように練習していきますか

次からコースが変わって、場所は行田なんですけど、コーナーが自分の得意なパターンなので。でもレースはレースなのでしっかりと気を引き締めていきたいです。オフシーズンなのでここでケガをしてしまうと来年のシーズンにも響いてしまうので、しっかりケガしないようにレースの経験を積んでいくといった感じで、そんなに意識せず練習の一環かなと思って頑張ります。

金子智哉(商3=神奈川・相模原)

――東京六大学対抗ロード(六大学ロード)を振り返って

僕は、六大学ロードは伊藤(和輝、スポ3=東京・昭和一学園)がスプリントしない周に裏の方で抜け出して点を取るという予定でした。1回3人で抜け出して良い動きがあったんですけど、そのなかで3着になってしまってあまり点とれなくて少し残念でした。

――具体的な連携は

連携は、正直僕はアシストはできなかったんですけど、僕と孫﨑(大樹、スポ1=京都・北桑田)がアシストをして塩田(航平、スポ2=埼玉・栄北)は単独でスプリントして僕は伊藤が行かないときに点を取りにいくという感じでやっていました。

――2レースをこなされましたが、体力面などで午後のレースに支障などありましたか

僕はいつも午前中にレースがあって、からの午後のレースとかの方が調子が良いときが多いです。アップみたいな感じになるので、僕は特に問題はないです。

――全日本学生RCS第9戦(RCS)のレース内容としてはいかがでしたか

レース自体はスプリント勝負だとあまり勝ち目がなく、逃げが決まらないと勝てないので理想な逃げに持っていくという予定でした。1回3人の良い逃げがあったんですけど、捕まってしまって残念でした。

――見えた課題は

コーナリングがもう少しうまくないとアシストも出来ないので、コーナリングはもう少し必要だなと思いました。

――11位という順位はどう捉えていますか

全然良くないです。

――次節への意気込みをお願いします

次は、12月の行田は出なくて1月のどれかに出ると思うんですけど、そのときはしっかりと逃げを決めて優勝したいです。

塩田航平(スポ2=埼玉・栄北)

――東京六大学対抗ロード(六大学ロード)の振り返り

30分プラス3周ということで結構短いかと思っていたのですが、走っていたらあと2周でした。そこからもがいて最後は5位ということで、結果については中間スプリントでもう少し絡めたら良かったのかなということと、それか最後の周回で法大の選手を巻けたらよかったかなと思っているので満足はしていないです。

――チームとしてどんな戦略を立てていましたか

伊藤さん(和輝、スポ3=東京・昭和一学園)が孫﨑(大樹、スポ1=京都・北桑田)のアシストを受けて走る、ぼくは1人で稼げるところで稼ぐという作戦でした。

――続いて全日本学生RCS第9戦(RCS)のほうの振り返りをお願いします

途中までは良かったと思うのですが、ラスト2周でタイミングが悪く後ろのほうに残ってしまったので、もうここから足の残り具合からも前に出られなくなってしまって、最後は失速してしまいました。ダメでしたね。

――レースプランはありましたか

六大の後だったので、特になかったですね。最後にもがくことができればくらいのものです。

――全日本学生RCS第10戦に向けて

前のシーズンにクラス1に上がって、このシーズンで3位以内に入らないと降格してしまうので、死ぬ気で3位以内を狙っていきたいです。

孫崎大樹(スポ1=京都・北桑田)

――きょうの東京六大学対抗ロードを振り返っていかがですか

きょうはもともと作戦で自分が伊藤さん(和輝、スポ3=東京・昭和一学園)をアシストして優勝させるという仕事があったんですけど、良い感じにちゃんと二人で近くにいて走れたし、それなりに仕事はできたんですけど、やはり最後のゴール前のスプリントの時に発車するする速度が若干遅くて、何台か他の選手にまくられて2着が多かったんで、動きとしては良かったので最後の詰めをしっかりやって伊藤さんを優勝に導くことができなかったです。1点差の2位だったのでまたそういう機会があれば確実に一着にあげられるよう、良い経験、練習ではないですけど、良い練習になりました。

――クラス1のレースを振り返っていかがですか

いま自分はRCSのシーズンランキングで2位につけていて、きょう優勝したメイジの小林和希さんと28ポイント差で、きょう自分が優勝して小林さんが1ポイントとか2ポイントしか取れなかった場合逆転という展開だったので、とりあえず自分は優勝を目指してたんですけど。日大の人数が多くレースコントロールしていて積極的に動いていたので、そこは小林さんと協調してしっかりとつぶしに行って自分たちの展開に持ち込めたのは良かったです。最後ゴール前も負けずに位置取り4番手でラストコーナー曲がってすごく良い展開だったんですけど、自分のスプリント力不足がちょっとあって小林さんはすごくスプリントが得意なので圧倒的に強くてそのまま1着取られてしまって。自分ももう少し粘って表彰台に上がれることが理想なんですけど、少し届かなくて5位に終わってしまいました。でもまだ4戦ありますし、クリテリウムは調子悪かったんですけど、きょうの走りもすごく良くて、どんどん良い感じになってきているので、最後は得点が2倍ですしまだ逆転の可能性が十分あるので最後まで諦めずに年間シーズンランキング王者を狙って頑張りたいと思います。

――次はRCS第10戦が控えていますがそれに向けて何をしていきますか

本当に優勝するしかないので、あとはいかに小林さんに点を詰められるか、逆転できるかという話なので、失うものはないのでどんどん攻めて優勝目指して積極的に攻めていこうと思います。