各クラスで結果残し、インカレへ向け一直線

自転車

 先週の湾岸クリテリウム(全日本学生RCS第5戦)に続き、2日間にわたって白馬の地で開催された全日本学生RCS第6戦。今大会で用いられたコースは1周1.6kmと短めだがコーナーが多いため高難度であり、照り付ける日差しと相まってライダーたちを苦しめた。初日はポイント形式、2日目はロードレース形式で行われ、どちらも参加者の約半数がリタイアする過酷なレースだったがワセダ勢はその中でも力強い走りを見せる。池田ゆめこ(スポ1=北海道・札幌旭丘)が総合3位、孫﨑大樹(スポ1=京都・北桑田)が2日目のクラス1で3位に輝き表彰台に上ったほか、金子智哉(商3=神奈川・相模原)や岩田宗也(スポ2=広島城北)も入賞を果たすなど上々の結果で大会を終えた。

 初日、クラス2Aのカテゴリで出走した岩田。強豪校の選手で形成された小規模な上位集団に終始先行され、後続集団にいた岩田はポイント争いに絡むことができない。しかし、無理に前を追うようなことはせず冷静に試合を運ぶ。迎えた最終周。「(ゴールスプリントを)仕掛けるタイミングが遅すぎてしまって最後届かなかった」と振り返ったものの、競った集団の中では2番目にゴールし堂々の7位入賞となった。クラス1のレースでは、金子が2回目のポイント周回で幸先良くポイントを稼ぐとその後はメイン集団の中で脚を貯める。ラップを重ねるごとに脱落者が増えていく中、塩田航平(スポ2=埼玉・栄北)と孫﨑もレース半ばで無念にも切られてしまった。ワセダ勢で唯一残った金子は、終盤にまたしてもポイントを奪うなど孤軍奮闘。10人程度の規模で臨んだゴールスプリントでも5着に食い込み、最終順位6位で入賞を果たした。

初の表彰台で笑顔を見せる池田

 2日目は各クラスごとに決められた時間+3周で着順を争う。女子の池田は初日同様、ひたむきな走りを見せた。スタートからずっと、全員でローテーションを回す協調関係を築いていたが、規定時間の20分を過ぎると駒大と学習院大の選手がペースアップする。池田も踏み、前の二人に追いつくことこそできなかったものの、後続を大きく引き離して3着でフィニッシュ。総合順位でも3位という好成績を残した。クラス1では、孫﨑と金子が見事な連携でレースを作る。序盤はアタックに反応せずメイン集団で様子をうかがうワセダ勢。しかし、30分を過ぎた頃、金子が法大の選手と逃げる。ほどなくして吸収されたが、集団に負荷をかけることに成功した。その後は、前半同様逃げを追わずにスタミナを温存する三名。勝負が動き出したのは規定時間の60分が終わり、残り3周となったときだった。先頭集団が吸収され1つのかたまりとなった状態から順大の選手が飛び出し均衡を破る。それを金子が「アタックした方が孫﨑と塩田も楽になる」と追走。すぐにメイン集団に追いつかれたが、「おかげで動かなくて済んだのですごく休めた」と脚を残した孫﨑は3位でゴール。チームとして表彰台を勝ち取った。

高い技術とチームの力を生かし好成績を収めた孫﨑

 それぞれの部門で岩田と池田が初入賞を果たした今大会。クラス1でも数の利を生かしたレース運びで孫﨑が3位に入るなど、成長を実感する2日間となった。「チームという力を使いながらも個人でそれぞれ狙っていけるレースができている」(孫﨑)。8月の末には大学自転車競技の天王山・全日本大学対抗選手権(インカレ)が待っている。チーム単位で競うインカレでどこまでワセダの絆が通用するのか。いま、勝負の夏が始まる。

(記事、写真 佐藤諒)

結果

1日目

▼男子

クラス1 金子 6位、塩田 孫﨑 DNF

クラス2A 岩田 7位

クラス2B 井上 DNF

クラス2D 田中 10位

▼女子

池田 3位

2日目

▼男子

クラス1 孫﨑 3位、塩田10位、金子13位

クラス2B 井上 岩田 DNF

クラス3A 田中 12位

▼女子

池田 3位

総合成績

▼女子

池田 3位

※総合成績は入賞者のみ掲載

コメント

金子智哉(商3=神奈川・相模原)

――2日間を振り返って

1日目は表彰台を狙っていたので悔しいですがポイントを積極的に取れることができてまあ良かったです。2日目はチームとしての走りができていない部分があって反省しています。

――具体的に、できなかったチームの走りとはどのようなものですか

1回荒井佑太くん(法大)と小玉凌(中京大)が逃げてそれを孫﨑が追ったときに何故か自分までついていってしまって。そこで踏まずに後ろを止めていたらよかったんですけど失敗しました。

――きょうときのうのレースで結果に差がありましたがその要因は

単純にポイントレースの方が得意っていうのがあるんですけど、きょうは最後スプリントの前に水野恭兵さん(山梨学院大OB)と接触してふらついて前を塞がれてスプリントに参加できなくてそれが大きいかなと思います。

――きょう、レースの終盤でアタックをかけましたがその意図は

逃げ切れるとは思っていなかったですけどそこでアタックした方が孫﨑とか塩田も楽になると思っていきました。

岩田宗也(スポ2=広島城北)

――2日間を通して何か感想などありますか

久々のクリテリウムレースだったのでどうかなと思ったんですけど、初日は良い感じに走れて初めてクラス2で入賞したので結果としては良かったと思います。

――入賞することができた要因は

最近地元の広島でバンクレーンとかでインターバル練習をやっていたのでそれでスピードがついてきたのと、5人の逃げ集団ができてしまってポイントは取れなかったんですけど展開をちゃんと読んで最後落ち着いてポイントを取れたことが入賞につながったと思います。

――ゴールスプリントを振り返って

ラストスプリントはトップで通過したかったんですけど仕掛けるタイミングが遅すぎてしまって最後届かなかったです。でもまあ、ちゃんとスプリントできたのでそこは良かったかなと思います。

――コースはいかがでしたか

コースはとにかく狭くて位置取りをちゃんとしておかないとそのまま集団から離されてしまうので前の方でレースをしないと(いけない)。後ろの方で走ってしまったのが2日目は結果が出なかった原因かなと思います。前の方で走ると良い結果が出るような良いコースだと思います。

――インカレへ向けて

インカレは多分ロードレースに出ると思うんですけど僕はロードレースはそこまで得意ではないので金子さんや孫崎や塩田をしっかりサポートできるような走りができたらいいなと思います。

孫﨑大樹(スポ1=京都・北桑田)

――きのうは残念な結果に終わりましたが、きょうは3位という好成績を残しました

きのう走れたらきょうシリーズ戦のリーダーだったんですけど、きのうはきついレースだったしすごく調子が悪かったです。シリーズ戦のチャンピョンを狙うんだったら年間を通してもう少しちゃんと走らないといけないしその辺をしっかり調整していけたらなと思います。

――きのうときょうで結果に差が出たと思うのですがその要因は

きょうはロードレースということできのうほど前半からずっと強度の高いレースではなくて休むところで休んで力を入れるところは力を入れるという感じで誤魔化しが効いたので、その辺は自分の技術が生かせたなと思います。そこが(きのうのレースとの)大きな違いです。

――きょうのレースのゴールスプリントを振り返って

ラスト3周目あたりから何人かの前で逃げる動きを自分がチェックに入れてずっと前に位置取れたのは、チームメイトと連携することなく1人でそれをできたので良かったです。ラストゴール前、優勝した小林和希選手(明大)の動きにもしっかり反応して集団から飛び抜けて無難に3着に入ることができました。しかし、最後のスプリント力が明らかに劣っていてついていくことしかできずに3位だったのでつぎはちゃんと最後まくって優勝できるように練習していきたいと思います。

――終盤金子選手が逃げましたがその影響はありましたか

あれのおかげで動かなくて済んだのですごく休めたし、ずっと僕と金子さんが交互にいくようなかたちで動けたので、お台場に続きあまり自分たちでは話し合ってはいないですけど、チームという力を使いながらも個人でそれぞれ狙っていけるレースができているので、非常に良い感じだと思います。

――コースについてはいかがですか

僕はきょうはコーナーでも全然怖いと思うことなく攻めることができたのですが、やはりコーナーが多くて立ち上がりがきつく、位置取りを失敗するとすごい疲れるので難しい、良いコースでした。

――急きょ時間が60分に変更されましたが

良い判断だと思います。この暑さで75分も、しかも給水もなかったし、この後も合宿にいくのであまり無理ができないのでどうしようかと思ったんですけど、短縮になったし補給もできるようになったので学連の方々には感謝したいです。

――そのことでレースプランに変更はありましたか

いえ、ないですね。元から積極的に動いてゴール前しっかりと休んでスプリントにつないで総合上位に入れたらという考えだったのでそれに関しては変わらないです。

池田ゆめこ(スポ1=北海道・札幌旭丘)

――表彰台に初めて登りましたが

今季初めての表彰台で嬉しかったんですけど、最後のスプリント勝負には加われなかったので、もっとスプリント力を磨きたいなと思いました。

――レースで意識したことは

できるだけローテーションに加わって先頭集団の中で走り切ることを意識しました。

――つらい場面はありましたか

2日目は引いている時間が長かったのですが、もっとさらに練習してタイムトライアルのような走りを心掛けていかないといけないなと思いました。

――最後にインカレへ向けて意気込み

今回は鹿屋体大や日体大の選手が来ていなかったので、そのようなトップレベルの選手たちの中で競い合えるだけの力をつけていきたいと思います。