塩田、待ちに待ったクラス1昇格!

自転車

 12月から行われていた行田での連戦も今回がラスト。ワセダからは今回が行田での初レースとなった伊藤和輝主将(スポ2=東京・昭和一学園)を筆頭に総勢7名が挑んだ。クラス2Aでは今シーズン3回参加している金子智哉(スポ2=神奈川・相模原)が見せ場をつくるが勝ちにはつながらなかった。一方のクラス2Bでは塩田航平(スポ1=埼玉・栄北)が最後のスプリント勝負を制し、見事クラス1への切符を手に入れた。

 クラス2Aには伊藤、金子、八田衛(スポ1=鳥取=倉吉東)の3人がエントリー。「同じくチームメートですが、走る以上同じチームメートでも敵であるという認識で走っていました」(伊藤)と振り返るように、個々の動きを重視したワセダは、レース直後から金子が一気に逃げを図る。過去2回の反省から「最後のスプリントに持ち込むよりは逃げで最後まで行きたかった」という金子だが、残り3周のところでメイン集団に捕まってしまう。初参戦の伊藤はセオリー通り前で脚を貯めつつ様子をうかがい、残り2周のあたりで順大の逃げに反応。そのままゴールスプリントまで行きたいところだったが「(スプリントを)かけた場所から想像以上にゴールラインまで遠かった」と言う通り、最後は失速してしまい12位でフィニッシュ。一度は捕まった金子も残り1周のホームストレートで先頭に立ったが、懸念していたスプリント勝負に破れ5位に終わった。

コーナーを曲がる金子

 クラス2Bは塩田を含む4人が出場。「難易度が低すぎて逃げの難易度がむちゃくちゃ高いというコース」(塩田)と評するように、集団全体にそういった意識もあってかレースは中盤まで集団が一かたまりで展開する。ワセダが大きく動いたのは残り3周。バックストレートで日大が2人出ようとしたのを受け岩田宗也(スポ1=広島城北)が追う。そのまま残り1周のジャンを迎えたが、逃げに厳しいコースの影響で捕まってしまった。一方の塩田は最終コーナー前で足立一真(文4=東京・早稲田)の後ろにつき、ゴール前までライン取りのアシストを受ける。「ある程度足立さんの後ろで位置取りできたので心理的に余裕があり、前に2人行ってしまっても余裕をもって反応できました」(塩田)と振り返るように、慌てることなくスプリントのタイミングを見極めた塩田は僅差のスプリント勝負をものにし、1位でゴールラインを越えた。

スプリントを制し雄たけびを上げる塩田

 「神宮クリテリウム(全日本学生RCS最終戦・第9回明治神宮外苑クリテリウム)前までに1人でもクラス1を走る選手がいる、という理想のかたちがあった」(伊藤)と話していたように、最高のかたちでの昇格となった塩田。また、3度目の正直とはならなかった金子だったが、先日行われた高石杯第49回関東地域道路競走大会では2位に入り、着実に成績を上げている。シーズンを締めくくる神宮クリテリウムへ向けて視界は良好だ。

(記事 高柳龍太郎、写真 副島美沙子)

結果

▽クラス2A

金子 5位、八田 7位、伊藤主将 12位、

▽クラス2B

塩田 1位、岩田 11位、手嶋 14位、足立 16位

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コメント

伊藤和輝主将(スポ2=東京・昭和一学園)

――きょうは今季初の行田クリテリウムに出場となりましたが

実は、東京六大学対抗ロードを除いた行田でのレースが初めてで、1年生の頃も出たことが無かったので初レースでした。

――初めて走ってみていかがでしたか

自分はコーナーが割と得意な方なので、コーナーの部分で後ろの人と差をつけ、そこで脚を稼いでいました。

――エントリーを見ても、今回こそはクラス1に昇格したいという気持ちが伺えましたが

そうですね。神宮クリテリウム(全日本学生RCS最終戦・第9回明治神宮外苑クリテリウム)前までに1人でもクラス1を走る選手がいる、という理想のかたちがあったので、それに向けて押したわけではないんですが、こういうかたちになったと思います。

――クラス2Aに出た3人で役割分担はしていたのですか

いえ、全く決めてなかったです。個人的には、同じチームメートですが、走る以上同じチームメートでも敵であるという認識で走っていました。

――途中で金子選手が下がったところで伊藤選手が前で展開していきましたが、どのようなイメージでレースしていたのでしょうか

試走しなかったので1周目に一番後ろで様子を見て、そこから前に出るために脚を使っていたので、中盤3、4周目で少し脚を休めようということで、クリテリウムは後ろにいるよりも前にいる方が断然楽なので、先頭に出てコーナーで脚を稼ぎ、逃げを潰しつつ休んでいました。

――短い距離のレースでゴールスプリントが予想されましたが、その点はいかがでしたか

やはり初参戦だったので、(スプリントを)かけた場所から想像以上にゴールラインまで遠かったということですね(笑)。それが結果に結びついていると思います。

――では調子が悪いというよりも、コース慣れの問題ということでしょうか

コースのせいにしてはいけないんですが、コースの経験値が低かった分、比較的自信にはなったかなと思います。

――次回はシーズン最終戦の神宮クリテリウムとなりますが気持ちはいかがでしょうか

きょねん雪で中止になってしまってコース自体走ったことがないですし、他校も遠いところからいらっしゃるので、レベルの高いレースが見込めると思います。そこへ向けて合宿もこれから1週間ありますし、調整をしてしっかり臨んでいきたいと思います。

――合宿で特に重点的に意識していくことはありますか

やはり乗り込みを重視ということで、やはり3月になってしまうとシーズンまで1カ月になってしまって、あまりしっかりと乗り込めないということがあるので、2月の終わりぎりぎりのラインで乗り込み合宿ができると思います。

金子智哉(商2=神奈川・相模原)

――本日のレースを振り返って、感想をお願いします

スプリント力がないので最後のスプリント勝負には持ち込みたくないというのがあっていつも逃げを狙っていて、きょうも2回ぐらい決まりそうかなというのがあったんですけど、結局全部つぶされてしまってそのまま最後のスプリント勝負になってしまいました。

――昇格を逃すというかたちになりましたが、心境はいかがですか

先に塩田(航平、スポ1=埼玉・栄北)に上がられちゃったので悔しいですね。

――前半、前でレースを進めていましたがどのように展開していこうと考えていましたか

できればずっと単独で逃げたかったんですけど、順大の伊藤(宏人)とかも来て二人になって、二人でも最後のスプリントに持ち込むよりは逃げで最後まで行きたかったというのがありました。

――いままでの行田でのレースよりも周回数が少ないということは意識されましたか

短い分、普段だったら残り5周とかで逃げるところをきょうは残り4周で逃げるとか、早めに仕掛けないといけないなと思っていました。

――早大の2Aに出場された3人でレース前に何か決めていた役割はありましたか

何も決めていなかったです。いつもそうですね。3人のうち誰かが逃げようとしていたら自分は待機していましたけど、あとは臨機応変にやっていました。

――逃げがなかなか決まらない中で、後半はどのようにレースを進めていこうと考えていましたか

本当にスプリントになったらダメだなと思って、最後まで逃げることしか考えていなかったです。残り1周でもアタックをしたんですけど付いて来られてしまって、かなり無駄足でした。あれをするくらいだったら、スプリントに割り切った方が良かったと思うのでそこが反省です。

――スプリント勝負ではどのように走ろうと考えていましたか

このコースは最後の直線が長いので早駆けしてはいけないというのを前回の2回で学んだので、とりあえず最後まで我慢しながらいったんですけどダメでしたね。

――きょうのレースで見えた課題をどのように今後の試合に生かしていきたいですか

きょうはやみくもに逃げようとしすぎたというのがあります。逃げはタイミングとか全部ちゃんと合わないと決まらないのですが、スプリントも最近は割とついてきていけないこともないかなと思うので、そういう感じになったらスプリントに割り切ってもいいかなという感じです。

――次の神宮クリテリウムは今シーズン最終戦となりますが、どのような意気込みで臨まれますか

神宮はメディアの露出も割と多いので、自分の順位というよりはとにかくワセダが勝てるように、良い順位にいけるようにやっていきたいです。個人としてはクラス1に昇格したいです。

塩田航平(スポ1=埼玉・栄北)

――クラス1昇格おめでとうございます。今回は勝てる手応えがあったのでしょうか

クラス2Bの方が選手的には勝ちやすいかなと思ったので、ちょっといけるかもしれないと思っていました。

――クラス2Bに出た4人で事前に話し合いはしていたのですか

いえ、特に作戦は決めていないですね。

――個人として今回のレースはどのように走ろうと考えていたのですか

やっぱり距離が短いので、強烈な逃げが行ってしまうと詰める間も無く行かれてしまうかなと思っていたのですが、走ってみるとここのコースは逃げにくいですね。

――レース終盤で岩田宗也選手(スポ1=広島城北)が動いたシーンがありましたが

日大が1人行ってもう1人行きかけたときに、岩田の方を向いて「日大が2人行ったから行かれる」と言ったんです。そうしたら岩田が分かってくれて行ったので、結構行けるかと思ったんですが…。残り3周で行って途中まで7秒と聞いたので行けると思い、また手嶋(将大、スポ2=千葉・国分)さんが集団を止めて行った逃げを潰してくれていたのでいけるかと思ったのですが、このコースはなかなか厳しかったみたいです。

――このコースは走っていてどのように感じるのですか

走りやすいんですが、コース幅が広いのでどこからでも前に上がれてしまうんですよね。なので逃げができても、いつでもブリッジかけられるような状態なので難易度が低すぎて逃げの難易度がむちゃくちゃ高いというコースですね。

――最後にスプリントに絡んで優勝しましたが、はじめから最後のスプリント狙いだったのですか

元々どんな展開になってもスプリントしようと思っていたので、最終コーナー前のストレートで前に足立さん(一真、文4=東京・早稲田)がいて、その後ろにつけたと伝えて、ある程度足立さんの後ろで位置取りできたので心理的に余裕があり、前に2人行ってしまっても余裕をもって反応できました。

――クラス1に上がった率直な感想はいかがですか

ちょうどいいタイミングで上がれてうれしいですね(笑)。

――次回はシーズン最終戦の神宮クリテリウムとなりますがいかがでしょうか

神宮クリテリウムは、やはり神宮なので気合いは入りますよね。その分他のチームも、鹿屋体育大なども来るのですが、条件はみんな3人で同じなのでチャンスがあれば前に出たいですね。