合田、悲願のインカレ初V!男子は振るわず明暗分かれる

自転車

 最終日を迎えた全日本大学対抗選手権(インカレ)。この日はロード競技が行われた。女子は、合田祐美子(スポ4=岡山・朝日塾中教校)が優勝。惜しくも2位となってしまったきょねんの無念を晴らし、2位に2分以上の差をつけた勝利であった。男子ロードには佐々木勇輔主将(教4=埼玉・早大本庄)をはじめ、8名が出場。チームの走りで上位を目指したいワセダだったが、上り坂の多い難コースに苦しめられる。完走者はおらず、悔しい結果となってしまった。

 1周5kmコースを12周する女子ロード。今シーズン、世界大会でも結果を残してきた合田が晴れやかな表情で4年間の幕を閉じた。きょねんは優勝を逃し悔しげな表情を見せた合田。「ことしは積極的に自分から逃げて勝ちたいと思っていた」(合田)と語るように、ゴールスプリントではなく持ち味の持久力を生かす走りを見せた。4周目、上り坂で集団から抜けだすと、追走を許さずそのまま独走態勢に入る。徐々にリードを広げ、終わってみれば2位の樫木祥子(駒大)との差は2分以上。圧巻の強さで、ついにインカレ初優勝を遂げた。ゴール後には中盤でDNF(リタイア)となってしまった後輩の中嶋綺砂(スポ2=三重・暁)が駆け寄り涙を見せて喜ぶ姿も。初出場した1年生では10位に終わったインカレ。毎年着々と順位を上げ、悲願の優勝を手にした合田に惜しみない拍手が贈られた。

最高の笑顔でインカレを締めくくった合田

 男子ロードは同コースを28周回する計140km。激しい上り坂が多く、平坦な道がほとんどないコースにこれまでも多くの選手が苦しめられてきた。チームとしての走りを目標としてきたワセダ。エースの佐々木主将が逃げきり、ルーキー塩田航平(スポ1=埼玉・栄北)は佐々木のアシスト、金子智哉(商2=神奈川・相模原)はメイン集団で待機という作戦で得点を狙った。しかし、5周目途中で井上渓太(創理3=東京・早大学院)と塩田が他大の選手と交錯し、まさかの落車。この影響でワセダの選手は6名となる。後半に入るとワセダからも続々とリタイアする選手が現れ、残すは佐々木と金子のみ。両者の上位進出に期待がかかる。攻めの姿勢を見せ先頭集団でレースを展開していた佐々木だが19周目、表情が一変。昨年優勝者の徳田優(鹿屋体育大)をはじめとする各校のエース集団についていくことができず、もっとも坂のきつい秀峰亭前では蛇行気味に。21周回を走りきることなくDNFとなってしまった。メイン集団で粘りを見せていた金子も3周回を残してDNF。完走者なしという結果で、男子はロード部門でのポイント獲得ならず。総合でも10位と、きょねんから順位を押し上げることはかなわなかった。

最後まで攻め切った佐々木主将

 最後のインカレで最高の笑顔を見せた合田。「勝負に行って負けた結果だから後悔はしていない」と語る佐々木主将。結果は違えど、2人にとって納得のいく内容となったことは確かだ。だが一方で、目標に掲げた『チームで走ること』の達成度を佐々木に尋ねると「70点」と答え、金子も「完走できなかったことがすごく悔しい」と語る。個の力の底上げとチームの走りという課題も見えた今大会。選手たちはそれぞれの目標を胸に、次なるレースに向けて走り出す。

(記事 吉原もとこ、写真 目良夕貴、副島美沙子)

合田 ロード優勝

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結果

▽男子

佐々木主将、足立、井上、金子、岩田、塩田、中井、八田 DNF

▽女子

合田 優勝

中嶋 DNF

総合成績

▽男子

総合 10位

▽女子

ロード 2位

総合 2位

コメント

佐々木勇輔主将(教4=埼玉・早大本庄)

――まず、今回の戦略はどんなものを用意していたのでしょうか

戦略は、前半僕が仕掛けて有力な逃げがあったらそれに乗って、金子は集団待機で僕の逃げが潰れて後半勝負になったときに勝負してもらうという作戦で、常にどちらの展開になっても僕か金子が得点できるようにという作戦を立てました。

――とすると、展開としてはだいぶうまくいったということでしょうか

塩田が落車してしまったりはしましたが、かなり作戦通りでした。

――早い段階で塩田航平(スポ1=埼玉・栄北)選手と井上渓太(創理3=東京・早大学院)選手が抜けてしまったのはやはり痛手だったのでしょうか

そうですね。ただレースのレベルを見ると、あまり変わらなかったかもしれないですね。

――その後法大の選手など3人が飛び出したのを追って行きました

そうですね。ちょっと出遅れて危なかったんですが、順大と東大の浦が来てくれて、3人で明らかに危ない逃げだと分かっていたので意思が合って。ちょうど順大の選手は上れる選手で、僕と浦は平坦が引ける選手だったので、うまくそう回るように順大の選手に上りを引かせて半周くらいで追いつけました。

――あの逃げ集団はもう逃げ切り体制だったのですか

というより、あのメンバーはどう見ても、何もしなくても逃げ切るようなメンバーなので(笑)。それと集団の前でずっと展開したのが鹿屋体育大と法大で、鹿屋体育大は4人で橋本(英也、鹿屋体育大)はすぐ落ちましたが、下りで一気に引いたのでタイム差が開きました。でもどんどん減っていって、結局一緒に合流した浦と順大の選手もそうですし、法大もすぐいなくなってしまったし。追走がけっこうきつかったので浦などがちぎれたんですけど、僕も苦しかったんですけど、なんとついていってという感じですね。

――最後までは粘りきれなかったということでしょうか

そうですね。まあ、追走がきつかったからちぎれたというよりも、集団のメンバーがあまりにも良すぎて、特に徳田兄弟(徳田鍛造、徳田優、ともに鹿屋体育大)と中央の山本隼はレース前から直接勝負したくないと思っていたのですが、その3人が見事に入ってしまって。選手としての全体のレベルを見てもやっぱり上だとは思うんですが、特に上り(のレベル)が上でした。また弱い選手が抜けてしまったので休むポイントが全く無くなってしまったんですね。作戦通りだけれど、勝負できずに負けないようにする作戦なので、作戦通りにいって勝負した結果負けたということです。

――インカレロードではチームとして走ることを目標にしていましたがどの程度達成できたと思いますか

70点なんじゃないですかね、点数をつけるとしたら。やっぱり僕と金子だけじゃしょうがないですね。もちろん、エースである僕と金子が得点できなかったことも足りない部分ではありますし、作戦通りに走ったけれど得点できなかったのはそういうことだと思います。

――自身のシーズンを振り返っていかがでしたか

きょうの走りは特に、いままでみたいに勝負に行かずに負けたのではなくちゃんと勝負に行けたので、後悔はない、やれたんじゃないかなと思いますし、4年間の学生全体を通しても悔いはないです。ただ最後にチームに点を持って帰ってこれなかったのが残念ですね。

――後輩に何か伝えるとしたら

僕はロード選手なのでロードのことを言うと、最近の学生ロードレースはレベルが高くなってきていて、学生の試合だけ走っていてはこういう結果になってしまいます。やはりチームのことが少しおろそかになってしまうということはあると思うんですけれど、海外の試合に出るだとか、エリートの試合に出るという経験を少しでも多くした方がいいと思います。そういう経験ができないなら学生の試合でもいいから少しでもレースを多く走って欲しいと、ずっと言ってきていることですし、いまでも変わりません。少しでもレベルの高いレースを少しでも多く走るということ。 やはり鹿屋体育大の選手は海外のステージレースとかを走ってレベルの高いところを経験して学生の試合に臨んでいる訳ですけれど、そういう立場から見た学生のレースなんて楽勝でしょうし、少しでも多くのレースに出ることの大切さを後輩にわかって欲しいなと思います。

足立一真(文4=東京・早稲田)

――きょうのロードはいかがでしたか

自分自身はもう走り切ることは考えずに、金子の近くにいようと言われていたので、それをしようと思っていました。最初は近くにいたんですけど、やっぱりきつかったので全然前に上がれず、後半は役に立たない状況になってレースを終えてしまいました。

――5月の修善寺カップから3カ月ほど経ちましたが、やはり厳しいコースでしたか

もともとこのコースは好きじゃなくて、修善寺カップの時は5月ということもあって、就活などで練習していなくて、その後3、4カ月で調子を上げてきたつもりだったんですけど、やっぱりそれでも歯が立ちませんでした。

――チームとしての戦略はどんなものを立てていたのですか

前半行ける有力な逃げがあったら主将が行って、後ろでは金子が集団で待機してという感じで、それ自体はあの二人はしっかりやったと思うんですけど、自分を含めた他のサポートがしっかり上手く機能できなかったので、申し訳ないような気持ちです。

――今シーズンここまで積み上げたものを100%発揮できなかったのでしょうか

出せなかったのですけれど、やっぱりそれも自分の実力が足りないからそうなったので、自分の実力不足です。

――今シーズンはなかなか練習の時間も取れず、気持ち的にもコンディション的にも難しいシーズンだったと思いますが、振り返っていかがでしたか

シーズンここまでを振り返って、確かに言い訳なんですが、やはり就活の影響でシーズン初めは練習できなかったのですが、でもインカレに向けて徐々に調子を上げてこれたところは良かったかなと思います。やっばりインカレが一番大事な大会なので、RCSで結果を出しても些末なものですし、ここで結果を出せなかったのが悔しいです。

――自転車の大きな大会に参加するのはこれが最後になるのでしょうか

そうですね。多分学生の大きな大会はこれが最後なので、これ以上大きな大会は走るつもりはありませんし、本当にこれが最後でした。

――4年間を振り返ると様々なことがあったのでは

4年間を通して少しは強くなれたと実感できたところもあったんですけど、自分の中では1年生のときにもっと頑張っておけば良かったかなと思っています。もっと自分を追い込めたんじゃないかという気持ちがあります。過去のことなので振り返っても仕方ないんですが、後輩には同じような思いをして欲しくないので頑張って欲しいです。その時は100%頑張っていると思っても、後から振り返ってもうちょっと頑張れたんじゃないかっていうのが、いまになってありますね。

――後輩に何か送る言葉があればお願いします

1年生には一般から始めている子も多くて、多分僕よりやる気のある子も多いと思うんですけれど、やっぱり途中で自転車が嫌になる時があると思うんです。そういうときでも、後から後悔したくないのなら頑張ってもらいたいと思います。

金子智哉(商2=神奈川・相模原)

――レースを終えての率直なお気持ちは

すごくふがいなくて残念です。

――それは完走できなかったことに関してですか

そうですね。最低でも完走はしたいと思っていましたし、できるだろうと思っていたので、それが最後でできなかったことは悔しいです。

――レース展開なども関係あるのですか

調子がそんなによくなかったのですが、レースの展開は特に速い訳ではなく走りやすい感じだったので、それで完走できなかったのが…。

――ご自身の役割やレースプランはどのようなものだったのですか

塩田(航平)と勇輔さん(佐々木主将)が逃げに乗って前へ行って自分は後ろのメイン集団で抑えるプランです。勇輔さんたちともし合流したら、そこで勇輔さんと僕がアタックをするという予定でした。

――実際の展開としては

実際にはメイン集団を抑えることは途中まではできたのかなと思います。

――インカレは初出場ですが、他の大会と意識に違いはありましたか

他の試合だと、自分の結果だけを考えたりするのですが、インカレはやはりチームの得点を取るために走るので、それは初めての体験でした。

――シーズン前半の修善寺カップ(全日本学生RCS第2戦)からのご自身の変化は

修善寺カップは100kmでぎりぎり完走して、そこから身体的に成長はしているはずで、練習でもそれは感じていたのですが、今回思うように力を出せなかったので残念です。

――今大会で得た収穫や課題は

他大の練習を聞くと強い大学は自分たちよりも距離を乗っていて、ワセダが弱い原因はそこにあるのかなと思ったりもしたので、これから自分がメニューを作ったりもするので、いままでよりもっと春先に距離を伸ばすなどしていきたいと思いました。

――他大のチームと戦ってみて

ワセダは力のある選手が少なくて、鹿屋(鹿屋体育大)のようなチームプレーが実際にはあまりできないですけれど、せっかく人数も多いので全体的にもっと力を底上げして鹿屋体育大みたいなチームプレーができたらいいなと思います。

――では今後に向けての意気込みをお願いします

まだ2年あるので、インカレで上位入賞できるくらいの力をつけるために練習をしていきたいです。

岩田宗也(スポ1=広島城北)

――きょうのレースを振り返って感想をお願いします

大学に入って初めての大学の全国大会だったので、主将(佐々木勇輔、教4=埼玉・早大本庄)には前の方でレースを展開するように言われていました。完走を目標にするのではなくて、とにかく次につなげられるようなレースをするように言われていたので、前の方で走るようにしていました。やはり大学のレースはみんなうまいというかレベルが高いので、自分の力の無さを感じました。先頭の方で走ることはとても技術がいるので、次につなげられるような練習メニューを考えられるかなと思いました。

――今回のレースは全日本学生RCS第2戦と同じコースですが、2度目に走られて、前回と変わった部分はありましたか

前回の修善寺カップではメカトラブルでリタイアしてしまいました。このコースは難易度が高いので、自転車をいたわるようにということと、あとはこのコースは上りだけなのでこのインカレに向けて上りのトレーニングをだいぶしてきたので、前回よりは走れたと思います。

――初めてのインカレを終えて感想をお願いします

本当にレベルが高いというのを感じました。集団の密度もありますし、今回は僕はずっと集団に残るだけという仕事だったのですが、塩田(航平、スポ1=埼玉・栄北)と井上さん(渓太、創理3=東京・早大学院)が落車してしまったので佐々木さんのアシストに回ることになって、まったく仕事ができずに終わってしまって悔しかったです。

――塩田選手と井上選手の落車の影響は大きかったのでしょうか

そうですね。本来は塩田が佐々木さんのアシスト、井上さんが金子さん(智哉、商2=神奈川・相模原)のアシストというかたちでこのチームで走る予定だったのですが、井上さんと塩田が落車してしまいました。あとは集団に残っている僕が佐々木さんのアシストというかたちでそれしかできなかったのですが、僕も力をつけてもっと強くなりたいと思いました。

――レースの手応えはいかがでしたか

完全に鹿屋体育大がレースを動かしているかたちでした。佐々木さんが逃げの集団に入ったのですが逃げの集団もレベルが高すぎて、金子さんがメイン集団に残って足を残すというかたちが成功するかなと思ったのですが、メイン集団も鹿屋体育大に集団コントロールでバラバラにされてしまったので、鹿屋体育大が強すぎるかなという感じですね。

――今季のロード班ではチームで走るという目標を立てていると思いますが、きょうのレースではいかがでしたか

塩田と井上さんが落車してしまったのがかなり大きかったです。チーム同士でコミュニケーションは取れたので良かったと思うのですが、落車という予測できないトラブルがあったので落車していなかったらもう少し面白いレースができたと思います。僕も予想外の展開でした。でも最初の3、4周は対応できたのでもう少しついていければ良かったと思いました。

――練習で意識されていたことはありますか

このコースは短い上りが何度も続くというかたちなので、上りを上る能力を上げるというのと、完走すると距離が140キロになるので、佐々木さんの考えた長い距離を乗れるようなトレーニングを合宿中はしていました。

――今後強化していきたい部分はどのようなところでしょうか

絶対的なスピードを上げたいのと、僕は上りがあまり上れないので、上りを金子(智哉、商2=神奈川・相模原)さんぐらいのレベルに持っていければ、だいぶレースでもアシストとして戦うことができると思います。

――後期のレースでの目標をお願いします

後期は冬にクリテリウムレースが多いので、クリテリウムレースでカテゴリー1に上がって、より上のレベルのレースをたくさん経験できるようにしたいです。

塩田航平(スポ1=埼玉・栄北)

――けがの方は大丈夫でしょうか

骨には問題ないそうなので大丈夫です。

――落車に巻き込まれたときの状況を教えてください

ホームストレートの下りからの右コーナーだったのですが、前の選手がふくらんだのか、落車したのかよく分かりません。ただそれによって隣の選手が思いっきりぶつかって来て、バランスを崩してしまい落車してしまいました。

――きょうのレースを振り返って

僕が落車したのが15キロ過ぎたくらいだったのでなんとも言えませんが、最初の一周目が予想以上に速く、ついて行くのが大変でした。

――チームとしてのレースプランは

佐々木(勇輔主将)さんと僕が序盤前に出て逃げることができれば逃げようという作戦でした。

――自身としての役割は

佐々木さんのアシストです。

――インカレ前に患っていた腰のけがの状態は

このコースはただでさえ腰にくる場所なので、140キロはどちらにしても走れなかったと思います。なので、まずは佐々木さんのアシストをできるだけしようと思っていました。

――きのうはポイントレースなどにも出られましたがけがの影響などはありましたか

さすがに距離が短いので、少しは痛かったですがレースにはそこまで支障は無かったと思います。ポイントレースの結果は腰のけがが要因ではないです。もう少し自分でチャレンジできるようにならなければいけないと思いました。

――レース序盤ではしっかりとアシストされていました

思ったより早いタイムで周回を回っていたので、2周目の時点でかなりきつかったです。鹿屋体育大がとても強かったですね。

――初のインカレでしたが

インターハイ(総体)は企業などの出店もあり、イベント感があったのですが、インカレの雰囲気は全く異なり、学校同士の真剣勝負という感じでとても勉強になりました。

――個人としての収穫は

ポイントレースではやはり少しでも自分から攻めていかないとポイントを取ることができないなと思い知らされました。ロードレースは(落車してしまったので)何とも言えませんが、日頃の善行ですかね(笑)。良いことをしていないと落車してしまいます。

――今後の課題は

腰を完璧に治したいです。また、スピードをつけるのはもちろんですが、修善寺のコースのように上りが多いときついので、長距離ロードの上りでも対応できるようにしていきたいです。

――今後の抱負は

けがの状況にはよりますが、新人戦(全日本学生トラック新人戦・東日本大会)はもちろん、オープンレースに参加する予定です。まずは先頭集団でスプリントできることを目標としていきたいです。

合田祐美子(スポ4=岡山・朝日塾中教校)

――優勝おめでとうございます

ありがとうございます。

――今の気持ちをお聞かせください

ほっとしています。優勝を目指してやってきたので、最後にインカレロードで表彰台の一番上に上がれたのですごく嬉しいです。

――ゴール後は後輩たちが駆け寄って来てくれましたが

自分のことではないのに自分のことのように喜んでくれて、仲間として嬉しかったですね。自分よりも泣いてくれていたので。良い仲間に出会えて幸せです。1年生の時、女子部員が1人から始まって、これだけ女子も増えて。これからもっと盛り上がってくれることを期待しています。

――ずっと優勝したいと言っていたインカレでしたが優勝していかがですか

きょねんの悔しい2位もありますし、ことしは積極的に自分から逃げて勝ちたいと思っていました。予定ではあんなに早くに逃げるつもりはなくて、思っていたレース展開とは少し違いました。それでも自分の力を出しきってゴールすることができたので、良かったという一言です。

――あそこで逃げようと思ったのは

少し上りでペースを上げたときに、集団がついてきていない状態でした。そこで行ったとしても、下りで追いつかれてしまうと思っていたので待つ気ではいました。でも、来る気配がなかったので、もう行っちゃえ!ってなって逃げました(笑)。周回数が結構ありましたが、行けるところまで行きたいなという気持ちでしたね。

――追いつかれてしまうかもしれないということは考えましたか

後半でしたら逃げ切ることができるかなと思っていたのですが、結構前半から行ったので、後ろは集団なのでローテーションもできますし、スピードも落ちないので、不安はありました。ですが自分の力を信じて、後ろとのタイム差をバイクの人が言ってくれるので、そのタイムを縮めないように意識して、ペースで走っていました。

――修善寺カップの時は最後、梶原悠未選手(筑波大付坂戸高)に刺されて2位でしたがそこから戦略を変えるというのは考えていたことですか

集団となるとやはりゴールはスプリントになってしまうので。そこは私の今の弱点なので、勝つとなると逃げないと確実に優勝が狙えないというのがあったので、イメージ的には今回のように逃げて勝つというのがありました。

――結果を出したいと言い続けてきたトラックで結果を出した後のロードでしたが、自身のきもちとしてはいかがでしたか

今までなかなか結果を出すことができなかったポイントレースで、やっと表彰台に上ることができましたし、きのうの3kmインディヴィデュアル・パーシュート(個抜き)では多少心残りがあるのですが、その分ロードで全力を出し切ることができました。インカレの4日間を振り返ると、4年間で一番良い試合でしたし、一番の思い出になりました。やり切ることができました。

――きょねんまではロード4連覇を果たした鹿屋体大の上野みなみ選手(鹿屋体大大学院)など強い選手がいました

きょねんとはまた一味違ったレースで。でも、全日本のレースになるとまた上の選手がいるので、まだまだ高みを目指していきます。

――自身の力を出し切るということを常々言っていますが今回はいかがでしたか

4日間ともというとそうは言いきれませんが、結果論としてみれば、出し切れたというのは今の気持ちとしてはありますね。

――4年間を振り返っていかがですか

振り返るといろいろありますけど(笑)。1年生の時は結果を残すことができず、思い通りに行かなかったですし。そう思うと、ことし波はあっても、自分が満足するレースができたので、少しは成長できたかなと思います。4年間で良い終わり方ができて良かったです。

――最高の笑顔で終われましたか

はい。きょうがあって良かったです。きのうは少しへこんでいていたんですけど。個抜きで負けたのもそうなんですけど、やっぱり個抜きでベストが出せなかったというのがあって。宿舎に帰って落ち込んでいたんですけど、きょうその分も出せたので。今はもう、清々しい気分です。

――最後に後輩に向けて

一緒に練習をしてきて、チームとして出ることができたというのも入ってきてくれたおかげです。来季また女子部員が入ってくれるかはわかりませんが、結果を出せた部分と、悔しい部分もあると思います。その悔しさが結局はバネになると思うので、来年は更に上を目指してほしいなと思います。

――女子総合2位という結果について

狙っていたので、目標を達成できてすごく嬉しいです。「同じく、すごく嬉しいです。泣いてしまいそうです(中嶋)」