雪が降り積り、全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ(RCS)第1戦が中止になってから約1カ月、RSC第2戦が行われた。メインレースであるクラス1+2にワセダからは7名が出場。昨年誰一人とも完走できなかったこのレースで、大中巧基(スポ4=京都・北桑田)が唯一完走を果たした。
総勢167名がエントリーした今大会。1周5kmのコースを20周回、100kmという長丁場に加え、アップダウンに富んだコースは選手たちを苦しめていく。レースは序盤から代わる代わる逃げを形成し、メイン集団と差をつけ始める。ワセダ勢はメイン集団でレースを進めていたが、ペースについていくことができず遅れ始め、次々とタイムアウト。後半まで残ったのは大中と佐々木勇輔(教3=埼玉・早大本庄)のみとなる。
広瀬と先頭を追う大中(右)
先頭との差は変わらず、このまま勝負が決まってしまうのか――。そう思われた矢先、メイン集団から飛び出し逃げを追いかける選手が出始める。残り7周、そこで「追いかけないと勝ち目がない」と感じた大中は、広瀬樹(中大)と共に追走。しかし、広瀬のペースアップについて行くことができず、単独走に。一旦は追いついたものの、ちぎれてしまい再びメイン集団に吸収される。「追いかけるのに力を使い果たしてしまった」(大中)と語ったように、最後は力尽き39位でレースを終えた。
残り2周でタイムアウトとなった佐々木
今回は奮わなかったワセダ勢。だが、東日本学生選手権トラックで負傷した佐々木が戻ってきたことは朗報と言えるだろう。2週間後には全日本学生選手権チーム・ロードタイムトライアルや全日本学生個人ロードタイムトライアルが控えている。それまでにそれぞれが課題に励み次戦に備えてほしい。ワセダの地力はこんなものではない、そう思わせるレースを期待したい。
(記事、写真 目良夕貴)
★伊藤がクラス3で優勝!
優勝を決め、天高く指さした伊藤
クラス3に出場した伊藤和輝(スポ1=東京・昭和一学園)が圧巻のレース運びを見せた。「アップが上手くできていなかった」と語ったが、序盤から先頭で試合を進める。残り2周、井手口将太(日大)との逃げを形成すると、「逃げるタイミングさえ間違えなければと勝てる」と残り1周で優勝を確信。伊藤は井手口を突き放しトップでフィニッシュラインに飛び込み、天を指さし喜びを爆発させた。発展途上のルーキーが次はどんなレースを魅せてくれるのか――。これからが楽しみでならない。
結果
▽男子ロードレース
クラス1+2 大中 39位、三浦、足立、有我、佐々木、谷口、関 DNF
クラス3 伊藤 優勝、手嶋 26位
▽女子ロードレース
合田 5位
コメント
大中巧基(スポ4=京都・北桑田)
――今日のレースを振り返って
きつかったです。入賞できるかなと思っていたんですけど、逃げてる集団を追いかけるのに力を使い果たしてしまって、追いついた瞬間にちぎれてしまいました。
――それは中大と追いかけていたときですか
そうなんですけど、あの人すごい速くて、結局一人で追いかけるかたちになってしまって。追い付いたら達成感というか(笑)。
――プランはありましたか
ずっと集団でゆっくり力をためて残り三周からかなと思っていました。そこまでためようと思ってたんですけど、前の逃げてる人たちが速かったので追いかけないと勝ち目がないなと思って。追いかけたのはよかったんですけど、力足らず、という感じです。
――このコースの印象はいかがですか
そんなに不得意なコースじゃないんですけど、練習不足というのもありました。
――ペースは
いつもだと最初が速くてだんだん遅くなっていくんですけど、最初から一定な感じで中盤にスピードが上がったのであまりないパターンでした。でもペースがしんどかったとかいうことは特にないです。
――次に向けて一言お願いします
次はチームTTなので、皆で協力してできるだけ速いタイムが出せるよう頑張ります。
佐々木勇輔(教3=埼玉・早大本庄)
――今日のレースを振り返って
怪我していて、自転車に乗れたのがおとといだったので、それを考えるとそんなに悪くかったかなと思います。あとちょっとだったので完走はしたかったですけど。
――怪我のほうは大丈夫ですか
まあ…見た目よりはって感じなんですけど(笑)、救急車で運ばれた割には大したことなったかなと思います。60km以上出ての落車なのに骨折もなく自転車に1週間しないで乗れたということは、不幸中の幸いって感じなんですけど。まあ、さすがにちょっと能力が落ちてるかなという感じです。
――練習したのはおとといからですか
おとといだけですね。レース前は(自転車に)乗らないので。
――プランなどはありましたか
能力が落ちているので、勝負どころまで集団に残って勝負するのが難しいと思っていました。本当は逃げたかったんですけど、その余裕もなかったです。なるべく集団に長く残るということしか考えられなかったですね。
――ペースは
最初からかなり早かったと思いますね。40キロくらいまでは人数が減って落ち着くまでは、すごい速かったです。けどその後は一旦数が減ると集団も落ち着いて遅くなりました。でまた、残り30kmくらいからペースが上がってきてそこで離れてしまいました。
――次戦に向けて一言お願いします
次のレースはチームロードと個人TTなんですけど、個人TTのほうは得意の平坦というのもあるので、優勝するつもりで走ります。その先は学生選手権ロードなんですけど、それも平坦の道できょねんも上位に入れているので、ことしは優勝するつもりで走ります。平坦なレースが続くので、これからは得意な試合という感じなので、積極的に走ろうと思います。
伊藤和輝(スポ1=東京・昭和一学園)
――クラス3優勝おめでとうございます。感想をお聞かせください
率直に東日本トラックでいい結果が出なかったので優勝できてよかったです。
――きょうのレースを振り返っていかがでしたか
準備の段階で時間がなくて、アップが上手くできていなかったので、前半は結構つらい場面もあったのですが、後半になって調子が上がってきて、いい展開でレースが運べたと思います。
――レースプランはありましたか
特になかったです。
――落車の影響は
落車は運良く自分と違う方向で起きたので、巻き込まれることなく走りとおすことができました。
――日大との逃げの場面ですが、いつ突き放しましたか
残り3周の…いや、ちょっと覚えてないです(笑)。集団が下りだと縦一列に広がるのでその中で抜け出してしまったみたいな感じだったので、抜け出そうと思っていったわけではなくて…自然と二人になっていました。
――優勝を確信したのはいつですか
残り1周のとき、上りで相手が辛そうにしてたのを見て、ちょっとペースを上げたら離れたので、あとは逃げるタイミングさえ間違えなければと勝てると思いました。
――このコースの印象は
このコースはジュニアの時にチャレンジザロードというレースで、12周回で行われた時も10位に入れたので、このコースは好印象なコースです。
――次に向けて一言お願いします
次の大会が学生TTなので、そこでもまた10位以内に入れるよう頑張りたいと思います。