全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ(RCS)第12戦が行なわれ、クラス1には前回優勝した大中巧基(スポ3=京都・北桑田)らが出場。今回を含め残り2戦となり、RCSランキング総合2位につける大中は1位の西沢倭義(明大)よりも先着したいところだったが、結果は6位。優勝した西沢とのポイント差は広がり、2年連続でのロードレースチャンピオンへの道は険しくなった。
西沢を差し切れなかった佐々木勇
3kmの周回コースを10周するクラス1は強風が吹き荒れ、低い気温の中で始まった。「今回は人数が多いので、大逃げする人はいないだろうと。なので、スプリント勝負で行こうと思っていました」と語る大中だが、実力者が集うクラス1らしくスタート直後からレースは速いペースで繰り広げられる。大中は先頭集団につけるも、ポイントが獲得できる3着にはなかなか入れない。西沢や山本隼(中大)が着実に点数を積み重ねていくが、大中の初ポイントは5周目。2着での取得だった。続く6周目も2着で通過しこのまま勢いに乗っていきたいところだったが、7周目以後はポイントを取れず最後は5着でフィニッシュ。また、ランキングで3位につける佐々木勇輔(教2=埼玉・早大本庄)は「今回は大中さんをアシストしようと思っていました」と振り返り、西沢を意識したレース運びを展開。しかし、「あまり練習ができておらず、脚がついていかなかった」(佐々木)ともらし、スプリントで西沢に食らいつくがレース前の青写真通りには行かなかった。8周目から金井誠人(明大)が大きく飛び出しそのまま1着でレースを終えるも、優勝したのは初めからポイントを積み重ねた西沢だった。
追走する大中(左)と佐々木勇
西沢が優勝する一方で大中は6位に終わり、これで2人の差は58Pに開いた。最終戦の第13戦はポイントが今までの2倍になり、優勝者には60Pが与えられる。大中が2年連続の王者になるためには大中が優勝、西沢が上位進出を逃すことが求められた。しかし、最終戦には全日本大学対抗選手権(インカレ)で圧倒的な力を見せつけられた鹿屋体育大をはじめとする、全国のトップレーサーが集結する。状況はかなり厳しいが、「(高校の同級生だけあって)西沢には絶対負けられない」(大中)と闘志を表すディフェンディング・チャンピオンの意地を神宮の地で見せつけて欲しい。
(記事 青木泰達、写真 目良夕貴、植田涼介)
★関がクラス2へ昇格
見事クラス2昇格を果たした関
クラス3Aに出場した関啓介(スポ1=香川・高松)が、着実にポイントを加算し2位入賞。出場者の上位5%に与えられるクラス2への昇格権を手にした。4周回目から実力者である岡泰誠(筑波大)に独走を許したが、関は1人粘り強く追走。差を縮めることは出来なかったが、力強い走りで2位通過を繰り返し後続を引き離した。「また次の冬まで乗り込んで1年後にはクラス2で優勝できるように頑張ります」(関)と、前を向き続ける新星の活躍に今後も期待が持てる。
結果
▽クラス1
大中 6位、佐々木勇 12位、有我 DNF
▽クラス2
谷口 12位、足立 14位
▽クラス3
関 2位
▽全日本学生RCS総合ランキング
大中 2位、佐々木勇 3位
コメント
大中巧基(スポ3=京都・北桑田)
――今日はどのように行こうと
人数が多かったですし、風が強く気温も低かったので逃げたりする選手はいないだろうと思っていました。なのでスプリントでポイントをとろうと考えていました。
――周りについて行こうと
はい。とりかくスプリント勝負に懸けていました。
――それは実践できましたか
スプリントは必ず絡むように努力したのですが、最後は結構負けてしまいましたね。トップで帰ってこようと思っていたのですが…。
――4着で帰ってくるシーンが多かったです
そうですね。ポイントを取れそうで取れないかんじでした。
――集団のペースはどうだったのでしょう
かなり速かったです。人数が多いとやはりスピードが上がりますね。
――最終的には6位という結果でしたが
そうですね、明治の西沢(倭義)の順位が低ければ6位でも良かったんですけど、彼に優勝されてしまったのでかなりもったいなかったです。前回、前々回と勝てていたのに、今回で戻されてしまいました。神宮に向けてかなりピンチですね。
――練習は積めていたのでしょうか
練習はかなり少なかったです。週に一回ぐらいしか外で練習できなくて、ローラーも週に二、三回ぐらいでしたね。
――強風が吹き荒れていましたがその影響はありましたか
いや、あんまりないですね。風は苦手ではないのですが、気温が低くて足がやられてしまいました。それでも温存して走るようにしたので、風の影響はあまりなかったですね。
――西沢さんとのポイント差が58Pとなってしまいましたが
もう最終戦で自分が優勝するしかないですね(笑)。最後は必ず逆転を狙いたいです。3週間ありますし、テストも終わるので。就活も控えめにして練習を積んでいきたいです。
――最終戦となる神宮については
強いチームが出てきますが、とにかく優勝を狙います。2位じゃダメというのは厳しいですが(笑)。西沢は良き仲間、良きライバルでもあるので、それだけに絶対負けたくないです。
佐々木勇輔(教2=埼玉・早大本庄)
――きょうの試合を振り返って
大中さんが西沢さんとの点差を縮めるために動いたつもりでした。西沢さんがスプリントするところで西沢さんより前にゴールして点を奪うというのを狙ったんですけど、2回とも上手くいかず西沢さんの後ろでポイントを通過してしまって、あまり役に立てなかったなと思います。
――7周目では2位通過でした
西沢さんより前で通過して西沢さんの点数を減らしたかったのですが、2位で通過しても意味がなかったです。
――9周目でも西沢選手に負けて悔しそうでしたね
あそこは10回目を捨てるつもりでいったので、それで差せなかったので悔しかったです。
――課題は
あまり練習ができていなかったことですね。動き自体はそんなに悪くはなかったんですけど、やっぱり脚がついてこなかったです。授業も終わりますし、神宮まで3週間あるのでしっかりインターバルを強化して臨みたいです。
――調子は
練習ができていなかったので、調子は悪かったです。作戦が間違っていたというより脚がついてきませんでした。
――神宮での意気込みを
大中さんが(トップと)58点差なので、大中さんが1位で相手が10位より下というのが優勝の条件なので、何としてもそれに貢献できるように、かなり難しいと思いますが、作戦を2人で考えてやっていきたいと思います。考えて必要な力を3週間でつけられるように頑張ります!
関啓介(スポ1=香川・高松)
――クラス2昇格おめでとうございます
ありがとうございます
――今の気持ち
大学から競技を始めて、最初は勝つというより経験を積むって感じだったんですけど、冬になって上がれて良かったです。
――レース展開
1位になった方が結構速くて、その人について行ったという感じなんですけど、結局その人からも離されて、その後はずっと同じペースで一人走っていた感じです。自分から仕掛けたというのはなかったです。
――3周目で3人になりました
自分がとばしたイメージはなくて、周りの人たちが後ろに下がっていって3人になりました。
――先頭が出たとき
着いていけませんでした。強かったですね。
――単独2位走行での心境
後ろに追いつかれないか心配だったんですけど、そこは大丈夫でした。最後前に追いつけたらかっこよかったですね(笑)。
――今後の意気込み
クラス2に上がれたので、また次の冬まで乗り込んで1年後にはクラス2で優勝できるように頑張ります。