全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ(RCS)の第11戦が、前回の第10戦と同コースで行われた。クラス1には、大中巧基(スポ3=京都・北桑田)、有我行人(スポ2=早稲田渋谷シンガポール校)、佐々木勇輔(教2=埼玉・早大本庄)の3名が出場。前回大会2位と好調の大中が、2位以下を大きく引き離し優勝を果たした。
最終回、大中をけん引する佐々木勇(右)
3kmのコースを10周回し、毎周回フィニッシュラインを通過した際に与えられる中間スプリントポイント(1着5P、2着3P、3着2P)と、得点が3倍となる最終スプリントポイントの合計で争われる今大会。166PでRCS総合ランキングの2位につける大中が、218Pで首位に立つ西沢倭義(明大)との差を詰めることが出来るかが焦点となる。有力選手が集まるクラス1は11名でスタート。大中、佐々木勇が序盤から積極に動き、1周回目を2、3位通過と上々の滑り出しを見せる。その後、佐々木勇は集団後方に下がったが、大中は「(スプリントでは)勝てるイメージがあった」と語ったように毎周回スプリント勝負に絡むと着実にポイントを加算。西沢や高士拓也(中大)ら強豪から大きくリードを奪う。
そして迎えた最終周回。ポイント数が3倍となるため、おのずと先頭集団がけん制に入る。ペースが落ちたこともあり、集団から数秒遅れをとっていた佐々木勇が集団に復帰。この動きが最終局面でキーとなった。佐々木勇はラスト1キロ地点から集団先頭に上がり、2番手につける大中をけん引。ホームストレートに入り満を持してスプリントを開始した大中は先頭を譲ることなくフィニッシュラインを切った。「アシストのおかげで最後も取れました」(大中)。鮮やかなチームプレーも決まり、大差での優勝を果たした。
最終周回のスプリントで先着した大中
「第1戦以来ずっと優勝出来なくて順位も停滞していたので、やっと優勝できてうれしいです」と喜びを語った大中。次戦も同コースで行われるため、上位入賞への期待は大きい。ランキング首位の西沢が今大会で2位に入ったため差は縮まらなかったが、チャンスはまだある。「優勝するのは絶対なんですけど、明大とどれだけ差を広げられるか努力しないといけない」(大中)。難しい戦いとなるが、調子を維持しベストな走りを見せて欲しい。
(記事 植田涼介、写真 北田ゆず、目良夕貴)
結果
▽クラス1
大中 優勝、佐々木勇 7位、有我 9位
▽クラス2
谷口 5位、足立 DNF
▽全日本学生RCS総合ランキング
大中 2位、佐々木勇 3位
コメント
大中巧基(スポ3=京都・北桑田)
――優勝おめでとうございます。いまのお気持ちは
第1戦以来ずっと優勝出来なくて順位も停滞していたので、やっと優勝できて嬉しいです。
――レースを振り返って
展開的に逃げが決まる感じがなかったしすごく気温も寒かったので、今回はスプリント重視でいこうかなと思っていました。
――きょうは毎回スプリントが決まっていましたが、始めから調子が良い感覚はありましたか
そうですね。そんなにすごく練習したわけではないんですけど、他の大学がちゃんと乗れてなかったんじゃないですかね。西沢くんは風邪を引いていたみたいで、あまりキレはなかったですね。
――西沢選手より前を走ることを意識
そうですね。でも今回は優勝を狙っていたので作戦通りいけました。
――最初から前に出ようと決めていましたか
今回はほとんどの得点を取ろうと思っていました。前回のレースでスプリントのかけ方に少し癖があったので、それを大体こうすれば勝てるというイメージがありました。その通りにやったら思った通りに伸びてスプリントが出来て決まりました。
――4周目で飛び出した時は逃げ切ろうと考えていましたか
逃げ切ろうとは考えていなかったですね。その周のポイントを取ったらまた戻るっていうのを繰り返していました。
――最後まで余裕があるようにも見えましたが
最後の方は少し苦しかったんですけど、良いタイミングで勇輔が集団に戻ってきて最後引いてくれたので、アシストのおかげで最後も取れました。得点をもう少し計算して走れていたら、他選手に15点取らせることが出来たんですけど、結局明大が2位になってしまったんで、間に誰かを入れないと差が縮まらないので、もう少し計算して走らないといけないと思ったのが今回の反省点です。
――次戦への意気込みを
次でもう少し縮めないと最後の神宮で逆転が厳しくなるので、優勝するのは絶対なんですけど、明大とどれだけ差を広げられるか努力しないといけないですね。頑張ります!
有我行人(スポ2=早稲田渋谷シンガポール校)
――きょうのレースはいかがでしたか
クラス1の速度についていけなかったのでちょっと悔しいです。
――前回とはメンバーも少し変わったようですが、それは速度に影響しましたか
いえ、僕は特に違いはわからなかったです。
――コースは前回と同じでした
一度走ったことがあった分、今回はその経験を生かして多少は上手く走れたかなと。
――難しい部分はありましたか
スタートから2つ曲がった直線の道がでこぼこしていて、あとは向かい風で少し大変でした。
――作戦はありましたか
大中さんがポイントリーダーに一番近いのでなるべくサポートできたら良かったのですが…。途中良い感じに大中さんと逃げられたのですが、大中さんを引っ張ることができずずっと引っ張られっぱなしでした。もうちょっと強くなれればと思います。
――それは5周目辺りのシーン
そうですね。僕は適当に走っていたつもりがなぜかちょっと抜けていて。そのまま維持していたら大中さんが来てくれて。引っ張れたら良かったのですが、その後力尽きて3周くらいでちぎれてしまい、ラスト1人になってしまいました。
――次回も同じコースです
前回は完走できなくて、今回は完走できたので、次回は集団の中で完走できれば良いなと思います。
佐々木勇輔(教2=埼玉・早大本庄)
――きょうはどのようにいこうと
前回までに西沢さんとポイントが結構離れてしまったので、余裕があれば、大中さんのアシストをしようと。
――最後前に出たのは、大中さんのアシストのためか
先頭集団がけん制していて追いつけたので、ラスト1キロで大中さんを引いてそのまま前に出ました。
――風の影響はあったか
いや、特にはないです。ゴール地点と反対側は向かい風でしたが、ゴール地点のところは追い風だったので、大丈夫でした。