全日本大学対抗選手権(インカレ)の前哨戦である全日本学生選手権トラックがことしも2日間に渡って開催された。初日、ポイントレースでは三浦康嵩主将(スポ4=青森・八戸工)が3位。2日目の4kmインディヴィジュアル・パーシュートで伊藤和輝(スポ1=東京・昭和一学園)が優勝するなど、インカレに向けて幸先の良いスタートを切った。
先頭を引く三浦主将
初日に行われたポイントレース決勝。トラック1周250mを160周し40kmを走る。10周回ごとに設けられたポイント周回でのスプリント勝負が見ものだ。三浦主将が動いたのは6回目。スプリント勝負に競り勝つと2着に入りポイントを奪う。その後、中盤に3人の逃げを形成。三浦主将の理想のかたち、逃げて点数を取りに行く走りを体現する。着実にポイントを重ねていき、終わってみれば15ポイントを獲得。2年の後半から苦しんでいた男が見事3位入賞を果たし、表彰台に上った。
初優勝をした伊藤
4kmインディヴィジュアル・パーシュート予選で学連新記録を樹立した伊藤。「まだ踏める余裕があった」と決勝も記録更新に意欲を出して挑んだ。幸先良いスタートを切り予選より速いペースで1周目を通過する。しかし、中盤に入りアクシデントが発生。動揺を生み、ペースを崩してしまう。記録は狙えない、そう考え伊藤は勝ちに行くことに専念。余力を残した残り1周、ペースアップし2位と約2秒差をつけてゴールラインに飛び込んだ。
今回3種目で表彰台に上がる活躍を見せたワセダ。「優勝した伊藤が入ってきたことによってみんな刺激を受けている」(三浦主将)、そう語るようにチームの士気は上昇中だ。残り2か月、チーム一丸となりインカレに向けさらなるレベルアップを図ってほしい。
(記事 目良夕貴 写真 目良夕貴、植田涼介)
マディソンで交代する大中(左)・谷口組
★逆転許し2位
昨年優勝し、2連覇を懸け挑んだマディソンには大中巧基(スポ4=京都・北桑田)・谷口雄太郎(スポ3=東京・昭和一学園)組が出場した。序盤から積極的にポイントを取りにいくも、マークが厳しく思うようなレース展開にならない。最終周回、2位と1点差の首位を守っていたが、逆転を許し2位という結果に終わった。
★合田が表彰台を逃す
全日本学生選手権女子個人ロードレースで優勝し一躍脚光を浴びた合田祐美子(スポ3=岡山・朝日塾)は、3kmインディヴィデュアル・パシュート3・4位決定戦に登場。前日の予選で3位と僅差の4位に入り今レースでの逆転が期待されたが、「脚にきていた」と同日に行われたポイントレースでの疲れが響き表彰台を逃した。
結果
▼男子
▽ポイントレース 三浦主将 3位、大中 有我 DNF
▽1kmタイムトライアル 谷口 9位、手嶋 18位
▽スクラッチ 足立 DNF
▽4kmインディヴィジュアル・パーシュート 伊藤 優勝
▽マディソン 大中・谷口組 2位
▼女子
▽500mタイムトライアル 合田 7位、中嶋 11位
▽ポイントレース 合田 4位
▽3kmインディヴィジュアル・パーシュート 合田 4位、中嶋 5位
コメント
三浦康嵩主将(スポ4=青森・八戸工)
――3位入賞おめでとうございます!
ありがとうございます。
――いまの心境を教えてください
いろんな人にまず、感謝をしたいと思います。今までポイントレースで不調が続いていて、2年生の後半あたりから表彰台を狙いたいという気持ちがずっとありました。ことし4年生で最後の年なのでポイントレースに懸けているのですが、久しぶりに東日本で6位になって、今回は自分の思っている走りもできた中での3位でした。本当はもっと上を目指したいところですけど、僕の中ではこの順位は満足していますね。
――自分の思っている走りというのは
僕はいつも調子がいい時は逃げて点数を取っていきます。きのうのようにラップを何回もして取ったときが自分の中で型にあった走りですね。理想通りできたので良かったです。
――6回目のポイントから動きました
そうですね。最初のペースが速いのは目に見えていました。あそこで脚を使ったら完走もできないと思っていたので、ラップを目指す上で脚を貯めていました。100周目から動こうかなと思っていたのですが、うまくいけたので良かったですね。
――今回のポイントは脚を使わないで走るということですか
はい。前半は絶対に脚を使わないで、後半は逃げでどんどん脚を使っていくというのが自分の中の思い描いていた作戦でした。それができたので良かったです。
――チームの状態はいかがですか
みんなインカレに向けて練習をしてきています。きょう優勝した伊藤が入ってきたことによってみんな刺激を受けていますね。もちろん僕も含めてですけど。その種目に向かってそれぞれが頑張っていくだけですが、チームとしてのインカレでの完成形が見えてきているので、そこをもっと僕がうまく引っ張れたらいいなと思います。
――インカレでの意気込みを教えてください
インカレは地元の開催なので、本当に結果にこだわっていきたいです。ポイントレースに出ると思うので、また表彰台に上がってできればチャンピオンジャージを着たいです。それまでに頑張っていきたいです。
谷口雄太郎(スポ3=東京・昭和一学園)
――1kmタイムトライアルのタイムについて
順位はどうであれ一応自己ベストなので収穫はあったかなと思います。けどやっぱり入賞したかったです。
――走りの感触は
250(mバンク)はいつもやっている400とちょっと違うのでそこで感覚の違いはありました。それで250に合わせた走り方を後輩の伊藤から聞いていたり、先週にここに入って走り方の練習をしていたので無駄なく走ることができたんじゃないかなと思います。円を描くように走るっていうのを意識しました。
――――マディソンは2連覇を狙っていたと思います
悔しいです。昨年は佐々木先輩(龍、平25スポ卒=神奈川・横浜)と三浦さんが出ていて僕らにマークがついていなかったことが大きかったのかなと走っていて思いました。メイジが強いので急にマークが僕らに変わって脚の違いを見せつけられたっていうかんじです。勝ちたかったです。
――序盤はポイント周回に当たっていましたがスプリントのかかりは
最初に先輩と話し合って点は取って行こうという話だったので極力周回が自分のところにきたらかけていこうと思っていました。250はかけにくいのでどうしてもかかりにくかったです。ポイントを意識しすぎて前半脚を使いすぎた部分もありました。
――大中選手と役割分担は
事前に話してはいなかったんですけど、走りながらそれぞれ役割が決まっていきました。僕がかけて、疲れたところを大中さんが埋めるっていうかんじでした。
――交代のところでミスがありました
あそこで交代しておけば最後に良いところで交代できたのかなと思います。僕が遅く入りすぎたので大中先輩には迷惑を掛けてしまったなと思います。
――最後のスプリントの場面はどんな心境でしたか
掲示板が見えるので点数を確認して、ここで行かないと勝てないと思って踏んだんですけど、メイジBチームに合わせるように走られてしまったのでまくりにくかったです。強いですね、メイジ。チーム力がありました。
伊藤和輝(スポ1=東京・昭和一学園)
――優勝おめでとうございます!
ありがとうございます!
――いまの心境を教えてください
率直に嬉しいです。
――予選では学連新記録でした
学連記録は30秒を持っている橋本英也さん(鹿屋体大)だと思っていたのですが、制度がちょっと違うみたいですね。学連の大会でやったものしかダメらしく、これが学連記録になってびっくりしました。
――決勝では予選よりも速いペースで入りました
前日のタイム36秒からまだ踏める余裕があったので前半もう少し稼いでみようと思って突っ込みました。でも、途中で周回数が表示されなかったり、周回数が間違っていたりしたことがありました。それで焦った部分もあって、ペースを崩してしまったので。記録は狙えないと思ったので、勝ちにいくことを選びました。
――中盤落ちた理由ですか
そうですね、がたっと落ちました。
――――4kmを走ったのは何度目ですか
公式戦はこれが2回目ですね。大学入る前、高校生のころインドで行われたアジア選手権で42秒台を出したのが初めての公式戦でした。
――――次の大会は
次は小さい大会が1個か2個かあるはずですけど、大きな目標はインカレです。外でも36秒が出せるくらい頑張って、大会に臨みたいと思います。
――――橋本英也選手も出場されると思います
今回出場されていないので、これで勝った気になっていたら甘い部分があります。インカレでも勝てるように頑張りたいと思います。
合田祐美子(スポ3=岡山・朝日塾)
――ポイントレースを振り返って
日体大と鹿屋体育大の3人が強いのでこのグループについて行くことに必死でそれだけですね。千切れたら追いつくみたいな。それで正直限界なかんじでしたね。
――途中逃げの4名に入れたのは評価できる
結構自分でも行けたかなと思います。
――スプリント周回はさらにきつかった
厳しかったですね。付くだけで精一杯だったので。脚がなかったです。インカレに向けてその辺をやっていきたいです。
――個人追抜きはポイントレースの疲れもありましたか
相当ありました。そんなやわじゃダメだなと思ったんですけど脚にきていて。フラフラで前見えなくて一回スポンジを踏んでしまいました。予選でも相手と僅差だったので狙っていたんですけど、悔しかったですね。
――次のレースまでに伸ばしたいところ
全体的になんですけど、個抜きの独走力、スプリント力を上げたいです。結局ロードでも必要だと思うので、頑張ります。