総合10位と悔しい結果に

自転車

 3日間のトラック競技を終えた全日本大学対抗選手権(インカレ)は最終日、ロード競技が行われた。トラックで振るわなかった男子陣は複数名が上位に入り、少しでも総合順位を引き上げたいところだったが、入賞争いに絡んだ佐々木勇輔(スポ3=埼玉・早大本庄)の11位がチーム最高位に。昨年度を下回る総合10位で今大会を終えることとなった。一方、女子ロードレースでは合田祐美子(スポ3=岡山・朝日塾)が2位に入る快走を披露。優勝は逃したものの、インカレでは自身初となる表彰台に上った。

フィニッシュ後、天を仰ぐ佐々木

 激しいアップダウンを含む1周14kmコースを12周と、厳しい設定の中で行われた男子ロード。終盤の上位争いへ向けて人数を残したいワセダだったが、パンクや落車などで選手が脱落していく。8周回目の時点で残ったのは、佐々木、大中巧基(スポ4=京都・北桑田)の2名という苦しい展開。それでも、2周目から先頭で逃げる徳田優(鹿屋体大)を追うべくメイン集団が活性化すると、力のある佐々木は冷静に動いた。10周回目、「ほぼ思っていたタイミングだった」(佐々木)と、有力選手が含まれる約15名の第2追走集団に乗る。「集団にいるので精一杯でした」という大中は後方グループへ。佐々木の入った集団はこの1周で1分30秒、先頭との差を詰める。しかし、上位を狙う選手同士でけん制が入り協調体制が取れず、徳田優との距離が中々縮まらない。ラスト周回に入ると、後方集団から強烈な追い上げを見せた石橋学(鹿屋体大)らのグループに吸収され先行を許し、結果11位でフィニッシュした。

優勝を逃し、顔をゆがめる合田

 翻って、男子と同コースを6周回、計84kmで争われた女子ロードレース。ルーキー中嶋綺砂(スポ1=三重・暁)は1周目で遅れを取ってしまうが、合田は冷静に集団内でレースを進める。時折上りで先頭に上がる動きを見せながら、最終周回へ。「上りでしか上野さん(みなみ、鹿屋体大)に勝てないと思って結構行っていました」と合田。同種目3連覇中の王者・上野を引き離すべく、2本目の坂で積極的にペースアップを図る。しかし集団の人数は減っていったが、肝心の上野、日体大のエース小島蓉子は離れない。すると、上りが終わった箇所で上野がアタック。「それをやられないようにとは思っていたんですけど、ダメでした」(合田)。パワーのある上野の走りに迫る術がなかった。最後はゴール前の上りで小島を突き放し、2位でゴールした。6月の全日本学生個人女子ロードでは、頂上ゴール付近で上野を振り切り優勝。「頂点を狙っていたので悔しい」(合田)と語ったが、昨年度のインカレロード5位からの成長を十二分に感じさせた。

 年々総合順位を下げているワセダ。今大会、ルーキーの活躍はあったが、トラック団体種目、ロードのチーム力など課題は多く残った。大会後始動する新チームはまず個々の競技力を上げ、課題を克服し再びインカレでワセダの存在感を示したいところだ。

(記事 植田涼介 写真 北田ゆず、植田涼介)

結果

▽男子ロードレース
佐々木 11位
大中 39位
三浦主将、足立、有我、谷口、関、伊藤 DNF

▽女子ロードレース
合田 2位
中嶋 DNF

▼男子大学対抗総合 早大 10位
▼女子大学対抗総合 早大 3位

コメント

大中巧基(スポ4=京都・北桑田)

――きょうはエンジでの最後のレースでした

一応完走はできましたけど、もっと上を狙いたかったので残念ですね。まあでもゴールはできたのでそれだけは満足です。

――レースプランなどはありましたか

序盤の逃げがそんなに決まると思わなかったので、吸収されてから逃げを形成して上位を狙いたかったのですが、あまりうまいこといかなかったですね。ちょっと予想外でした。

――逃げが決まるとは思わなかった

思わなかったですね。140kmくらい逃げたので。

――調子はいかがでしたか

調子は良かったです。ばっちり調整もしてきて、練習もしてきたので良かったです。

――集団のコントロール

ずっと鹿屋がしていました。逃げを決まらせるためにずっとペースを下げたりしていたので、鹿屋の作戦勝ちですかね。

――ずっと集団内にいました

集団が追いつくまでは集団内にいようと思っていたんですけど、追いつかなかったので、追走に乗るっていう力もなかったので集団にいるので精一杯でした。

――4年間を振り返っていかがでしたか

4年間で結局、1回だけ完走できなかったんですね。4回中3回完走して。1年生のときの一番成績が良かったのでダメですね。

――後輩に向けて

今回完走者がワセダは少ないので、でも力はあるのでもっとレースに慣れるように努力してほしいなと思いますね。

佐々木勇輔(教3=埼玉・早大本庄)

――順位は11位でした

優勝を狙っていたのですが、11位が実力通りだと思います。僕はパワーメーターを使って練習をしているのですが、最後の練習でインカレで優勝する能力まで届いていないことはわかっていました。走ってみて実際その通りの順位でしたね。入賞はしたかったのですが…。

――最初に2選手飛び出したときは追わなかったのですか

インカレで160キロを逃げ切った例なんてここ最近なかったので、捕まるだろうと思っていました。日大が逃げに入っていなかったので、どの学校も日大が追うだろうと思っていたはずです。

――最終的に先頭を追ったタイミングは思っていた通りのタイミングでしたか

ほぼ思っていたタイミングですね。ただ、思っていた以上に前との差が開いていました。

――一度、9分程度の差がつきましたが、焦りなどはありませんでしたか

このコースは足がなくなれば一気に差が詰まるので、無理ではないなと思っていました。

――ワセダの人数が少なくなっていたことも影響しましたか

僕が引くこともできないですし、前を追うならアタックで追走集団をつくって追うしかないと思いました。集団を僕の足を使って追うという選択肢はなかったです。

――牽制し合った部分もありましたか

追走集団では、前二人に追いつくことと個人の順位を狙うのとやっぱり両方があります。なので、全員がうまく協力できるかというとそれはなくて、時々牽制して集団が止まります。そういう時間が長いと前との差がつまらないんです。きょうはそんなにバリバリ牽制していたわけではないのですが、結局あと2分足りなかったのは牽制した分でしょうね。

――坂のきついコースでしたが、実際走ってみていかがでしたか

これでも大分(坂が不得手なのは)改善したと思います。今回、他の選手と比べて坂が弱かった、苦しかったとは思いませんでした。最後の追走集団の中でも、いつもならそういう勝負所で坂が来るときついなという感じだったのですが、きょうはそうでもなかったですね。

――今後順位を上げていくためには

僕自身の能力もまだまだ上げなければいけないのですが、それ以上にチーム力ですね。チームとしての動きができていませんでした。結局、僕と大中さんが個人の順位を重視して走るしかできない状態です。今後大中さんが抜けてしまうとますます、優勝が全く狙えないわけではないのですが、チームとして動いて積極的に勝ちにいくというよりは、周りの動きに身を任せて運が良かったら勝つというような消極的なレースしかできなくなります。ロードレースで積極的に勝ちにいくには、一人ひとりのレベルをもっと上げていかなければならないと思います。来年はロード班を僕が引っ張っていくことになると思うので、周りに練習しろと言うよりは僕自身の課題としてチーム力を上げることを意識していきたいです。

――欧州遠征に向けて

僕は、ことしは登りを頑張って練習したのですが、本来スピードマンなので、オランダ・ベルギーのコース自体はきっとそこそこの適性があるんじゃないかと思っています。レベルはとても高いと思いますし、どれくらい走れるのか未知数ですけど、どうなったとしても一つでも多くのことを吸収してきて、それで自分自身はもちろん、チームに持って帰って、経験を生かせれば、チームに還元できればと思います。

合田祐美子(スポ3=岡山・朝日塾)

――ゴールした瞬間は

やっと終わったっていうかんじです。若干悔しかったっていうのはあるんですけど、やりきった感はあります。

――序盤は常に集団内でした

最初は様子見で集団の中にいました。その後、3周過ぎて、4周目から出たりしていました。でも基本5周目までは自分のペースで走れたかなと思います。

――日体大、鹿屋体大が前方で

残っていたメンバーが黄と青だったので(笑)。そこら辺はチーム内で考えているのかなというのはあったんですけど、私は1人なので気楽に走っていました。

――徐々に人数が減っていきましたが、ペースアップした場面はありましたか

意外と3周目とかも残って、ラストの周も7名残っていました。たまに1個目の上りで鹿屋の人とかがペースを上げたりするんですけど、みんなちぎれず付いていっていて。私は上りでしか上野さんに勝てないと思って結構行っていました。ラストの周の最後の上りも一応行ったんですけど、ちぎる脚はなくて行かれてしまったというかんじでした。

――7名がしぼられていったのはどのあたりでしたか

上りで私が行って何人かちぎれたらしいんですけど、上り終わって上野さんが行きました。そこからはもう1人で行ってしまって、私と小島さん2人でした。

――上野選手の仕掛けについて

それをやられないようにとは思っていたんですけど、ダメでしたね。追いつこうとはしても、やっぱり脚が違うので。

――小島選手とは先頭交代をしながら

一応交代はしていたんですけど、後ろにつくと楽なんですけど、前に出ると脚にきてしまって。

――小島選手を突き放したのは

本当に最後の直線ですね。500メートルくらい前でした。脚は残っていなかったです。最後の周の激坂のところでもつってしまってギアを踏むたびに両足ピキってきていたので、声援だけを頼りにゴールしました。

――2位という結果についてはいかがですか

一応頂点を目指していたので悔しいですけど、結果は昨年と比べても成長しているのでそこは嬉しいのは嬉しいですね。

――コースに関しては

きついですけど、自分にとっては嫌なコースではなかったです。