突き抜けるような青空のもと、ことしも行田でロードレースが繰り広げられた。この日行われたのは、東京六大学対抗ロード大会(六大学ロード)、そして全日本学生ロードレース・カップ・シリーズ(RCS)第9戦。六大学ロードでは、佐々木勇輔主将(教3=埼玉・早大本庄)が見事1位。チームも健闘し、ワセダは総合2位という成績をおさめた。同じく佐々木主将はRCSクラス1にも出場。終始安定したペースで好走し、4位でレースを終えた。
六大学ロードは、決められた周回での順位によるポイントの合計で勝利を競うポイント方式。きょねんは、総合ポイント獲得ならず、4位で大会を終えたワセダ。佐々木主将率いる5名で参戦。「チーム対抗ならば先手を取ったほうが圧倒的に有利」(佐々木主将)と、佐々木主将は一回目のポイント周回を1位で通過する。その後も着実にポイントを重ね、エースとしての貫録を見せる。ポイントが大きい最終着順こそ2位となったものの、合計で22ポイントを獲得し、1位に輝いた。また、伊藤和輝(スポ1=東京・昭和一学園)も、8ポイントを獲得し、8位。佐々木主将のアシストの役割も果たしチームに貢献した。この結果、ワセダは法政に続く第2位で大会を締めくくった。
アシストを務めた谷口(前)と足立
引き続いて、第9戦に突入したRCSが行われた。クラス1に臨んだのは、ワセダからは唯一の出場となる佐々木主将。複数選手のいる明大、中大などは、代わる代わるアタックをかけ、めまぐるしく首位交代がなされる。スピードレースとなったが、なかなか集団がばらけない。いよいよ最終周回に入り、いつ誰が仕掛けるのか、注目が集まる。最終コーナー、ついに佐々木主将は動きを見せる。「曲がった瞬間にかけるか、後ろに合わせるか少し迷った」と語る佐々木主将。素晴らしいスプリントをかけ先頭でコーナーをまわるも、最終的には3人に抜かされ結果は4位。しかし、チームで戦ってくる大学が数多くひしめくなかでの好レースだった。
集団内でレースを進める佐々木主将
クラス1では優勝こそかなわなかったものの、狙いどおりのレースを展開できた佐々木主将。チームとして、それぞれの課題も見つかった。2月に行われるRCS最終戦まで、あと3戦。さらなるレベルアップに期待したい。
(記事 吉原もとこ、写真 植田涼介、高柳龍太郎)
結果
▼六大学対抗ロードレース大会
早大2位
佐々木主将 優勝、伊藤 8位、谷口、足立 完走、関 DNF
▼全日本学生RCS第8戦
▽クラス1 佐々木主将 4位
▽クラス2A 足立 5位、関 18位
▽クラス2B 谷口 2位、手嶋 23位
▽クラス3B 金子 26位
▽女子 合田 優勝、中嶋 3位
▼全日本学生RCS総合成績
佐々木主将 2位
コメント
佐々木勇輔主将(教3=埼玉・早大本庄)
――六大学対抗ロードは総合2位でした
メンバーと始めの目標からいったら良かったと思います。レース内容も良かったです。僕は学校対抗に関しては2位でそれなりに満足しています。
――最初のポイント周回を取りに行ったのはチームオーダーですか
走る前から決めていたわけではないのですが、チームで戦うクリテリウムは、先手をとったほうが圧倒的に有利なので取りに行きました。逃げてポイントを取るのは脚を使うのですが、そうしてでも5点を取りたかったという感じです。
――点を取るのは佐々木主将を伊藤選手と決めていたのですか
そうですね、それはチームで決めていました。学校対抗のルールが1位~8位に入らないと点数にならないので、5人全員が均等に取ってもあまり意味がなくて、2人か3人を上位に送ることが重要なんですけど。上位に入れる可能性がある選手は僕と伊藤だと思うので残りの選手には主に伊藤のアシストをしてもらうかたちにしました。僕が自分でなんとか点を取りに行って、伊藤をうまく支えて点を取れればと思っていたのですが、結果的には伊藤も助けてもらったというよりは伊藤自身の力で取ったという感じになりましたけど、チームオーダーとして、二人が点をとるというかたちでした。
――クラス1のレースはいかがでしたか
六大学対抗のほうはいままでうちのロード班で走ったレースの中でも、チームでうまく走れたという感じだったのでとても楽だったんですよね。こんなに楽で良いのかっていうくらい楽に走れたレースの後にRCSは一人での出場だったので、いつも通りと言えばほぼいつも通りなんですけど、苦しかったですね。明治4人、中央4人そこが代わる代わるアタックかけてくるので全部自分でチェック入って最後も自分で行って、というかたちなので本当にチームで走れるのは楽だったんだなと2つ走ってよくわかりましたね。
――最後のスプリントについて
このコースは長いのですが、あまり後ろから入ると間に合わないんですね。理想は2、3番手で曲がることでした。最後のコーナーは先頭で曲がってしまって。ロングスプリントで曲がった瞬間にかけて後ろを離しにかかるか、流して後ろが来たのに合わせていくかで少し迷ったんですけど、結局、曲がった瞬間にかけるかたちにしました。かかりは悪くなかったので一旦後ろを離せたんですけど、いま言ったとおり長いので最後垂れてしまいました。3人ぐらいに抜かれましたね。
――きょうはコンディションも良かったと思います
そうですね。きょうは暖かくて風もなくてスピードレースでしたね。アベレージがすごく高かったんじゃないかなと思います。
――ペース的にはいかがでしたか
スピードは出ていましたけど、風があったとかそういうわけではなかったのできつくはなかったです。下手な走り方をしなければ脚を使わないですむっていう感じのレースでした。
――次のレースに向けて
TRSは出ないので、また行田で行われるRCSになると思います。今回もなんとか金井(誠人、明大)には勝つことができました。前回終わった時点でランキングポイントが32点差だったので、あと28点とかだと思うんですよ。それを神宮までにもっと詰めていければと思います。できれば神宮までに逆転して神宮でリーダージャージを着て走りたいんですけど、それができるかどうかはわからないですね。せめて神宮で現実的に逆転可能な範囲、点差までに詰めて、それで最後神宮で勝ってリーダーで終わりたいですね。
足立一真(文3=東京・早稲田)
――昨年と比べコースコンディションは良かったと思います
自分は風が強いコースが苦手なので、ことし風が弱かったというのは本当に自分向きに働いて、それが良い結果につながったのかなと思います。
――東京六大学対抗ロードを振り返って
上位に入れるのは佐々木くんと伊藤くんなので他の3人は2人のために走ろうと話していました。途中法大2人、明大2人、ワセダ2人の逃げに乗れて、それは良かったんですけど、途中集団から降りてきてしまうという場面がありました。そこは自分の力が足りなくて、ワセダにとって不利な展開に持っていってしまったんじゃないかと思っています。
――マークしていた大学は
明大と法大は強いので、その2つの大学が大人数乗る逃げが行ったら自分も追おうとは決めていました。
――続いてRCS第9戦についてお聞きします。日大の選手が長く逃げていましたがどんな心境でしたか
勝つには追うしかなかったんですけど、途中から2位狙いに切り替えていました。少しでも脚を使わないように、良いポジションに入れるように心掛けていました。
――逃げが決まった場面を振り返って
逃げたのが佐々木眞也選手(日大)で強いというのは事前に分かっていたんですけど、逃げる勇気が自分にはなくて反応はできませんでしたし、しませんでした。
――最後のスプリントの場面、ポジション取りなどはいかがでしたか
最終コーナーで日大の逃げている選手を除く後ろの集団の2番手で最終コーナーをクリアして絶好のポジションにいたんですけど、自分のスプリント力のなさを露呈してしまい2人に差され、結果5位となってしまいました。表彰台を逃す結果となりそれはすごく後悔しています。
――次戦へ向けて
さっきも言った通り去年よりクリテリウムが走れているというのはことし1年間通して分かってきたので、表彰台そして優勝を目指して頑張りたいと思います。
谷口雄太郎(スポ3=東京・昭和一学園)
――東京六大学ロードを振り返って
完走できてよかったです。
――チームの作戦はなにかあったのか
自分は、伊藤に得点をとらせる、というサポートだったんですけれど、なにも貢献できなかったですね。
――RCSクラス2における2位という結果については
最後、展開的には、自分のいい状態だったのですが、先に関西大学の選手にいかれてしまったので、それに届かなかったのは悔しいです。僕の走り方としては、どうしても最後のゴールスプリントに持っていきたかったので、前の方で休もう休もうという走りをしていました。
――ほかのチームについて
日大は選手も多くて、チームプレイをしてくると思ったのですが、案外、大学の走りをしていなかったので、その分ではまだ楽だったなと思います。
――今大会での収穫や課題は
2位は悔しいですね。
――次戦に向けて
でるかどうかは分からないのですが、次出たときは、優勝したいと思います。
伊藤和輝(スポ1=東京・昭和一学園)
――きょうのレースを振り返って
前半は佐々木さんをエースに置いてレース展開をしていこうというプランだったのですが、そこで佐々木さんのアシストとして2、3周回逃げることができたのが良かったと思います。
――前半の逃げはレースプランとしてあったのか
そうですね。具体的にあった訳ではないんですけど、そういう動きができればいいと思っていました。
――脚に余裕があったのか
1、2周目に集団の後ろにいて、コーナーの立ち上がりでさんざんもがかされたのが良いアップになりました。もがいている途中はそんなにキツくなかったのでいけるなと思いました。
――8位という結果について
(コンディションを)調整してこのレースに持ってきた訳では無いんですが、今のコンディションにしてはまずまずの順位かなと思います。
――今回得た収穫は
日頃、ロードレースやポイントレースなどに出場する機会が少なくスプリントをする事がほとんどないのですが、今回はスプリントをする回数が多かったので良い練習になりました。