慶大を圧倒、11連覇

自転車
けん制し合う伊藤(左)と谷口

けん制し合う伊藤(左)と谷口

 寒さが身に染み、秋を感じさせる。ついにことしも伝統の一戦、早慶戦が行われた。全種目で力の差を見せつけた早大は、慶大を圧倒。総合得点69-27、大会11連覇という偉業を果たした。選手は専門外の種目にも出場し、いつもとは違った選手の一面も垣間見えた。

 先輩、後輩。同高対決が実現したエリミネイションレース。早大からは8人が出走、19人で競われた。1周ごとに最下位が脱落していく本レース。1周目で中嶋綺砂(スポ1=三重・暁)が男子と肩を並べ奮闘するも脱落。だがここからは落ち着いた走りで早大がレースをけん引。終始慶大に主導権を握らせず、残り6人、早大自転車部の戦いに。その中で最後に残ったのは共に昭和一学園、先輩・谷口雄太郎(スポ3=東京・昭和一学園)、後輩・伊藤和輝(スポ1=東京・昭和一学園)だった。「伊藤は後半が伸びるので前に行かせたかったんですけど、うまく先行させられてしまいました」という谷口。うまく位置取りができず、同高対決は後輩・伊藤に軍配があがった。

息の合った走行を見せたチームパーシュート

息の合った走行を見せたチームパーシュート

 早慶戦の最終種目は4人で先頭を交代しながら400mのトラックを10周、4kmのタイムを競う、4kmチームパーシュート。序盤は予想外の展開に。3周目を終えた時点で慶大にリードを許してしまう。しかしここで足立一真(文3=東京・早稲田)が見せる。4周目、足立がチームを引っ張ると一気に慶大を追撃。わずか1周で慶大をかわす。中盤では「まだ余裕があった」という伊藤が2周半にわたって先導、流れを作る。最後の2周は積極的に先頭を入れ替え、総力戦に。波乱も見られたチームパーシュートだったが、終わってみれば大勝だった。

 冬に向け、まだまだ戦いは終わらない。まずは六大学定期戦だ。強豪ひしめく六大学。しかしワセダに抜け目はない。勝利の勢いそのままに、総合優勝を勝ち取りたい。新体制を前に有終の美を飾るべく、日々精進するのみだ。

(記事 三上雄大、写真 目良夕貴)

結果

▽オープン・アンノウンディスタンスレース 足立 優勝、谷口 2位、森 4位
▽ケイリン 手嶋 優勝、森 3位、谷口 4位
▽1kmタイムトライアル 伊藤 優勝、手嶋 2位、森 6位
▽エリミネイションレース 伊藤 優勝、谷口 2位、手嶋 3位
▽チームスプリント(森・関・手嶋) 優勝
▽4kmチームパーシュート(足立・有我・谷口・伊藤) 優勝
※上位3名まで掲載

コメント

谷口雄太郎(スポ3=東京・昭和一学園)

――日程的にハードな1日でしたがいかがでしたか

僕の場合、案外時間が空いていたのでそこは大丈夫でした。森(浩輔、スポ1=神奈川・横浜)よりは全然ですね。きょう一番ハードだったと思います。一番頑張ってたと思います。

――11連覇を達成しました

先輩がやってこられた伝統を途切れさせずに、勝てて良かったと思います。

――エリミネイションレースは作戦はありましたか

最後にワセダで上位占めようということを話していました。後ろの人が落ちるルールなので、ケイオーに前に行かせないように走ろうと。作戦としては良かったかなと思います。まあ最後は伊藤に負けてしまったんですけど。

――伊藤選手との同高対決はいかがでしたか

伊藤は後半が伸びるので前に行かせたかったんですけど、うまく先行させられてしまいました。まあ今回は1枚上手だったということですかね。

――団抜きはインカレと違うメンバーでした

そこが問題点だったので、きのう急きょバンク練習にも入りました。言い方は悪いんですけど、ケイオー相手なので、そんなにペースは上げないで僕と伊藤でうまく繋げて、足立と有我(スポ3=早稲田渋谷シンガポール校)に合わせていこうと思っていました。それの結果良いペースで走ることができたので総合的には良かったかなと思います。

――徐々にペースが上がったような気がしました

そうですね。1回一気に上がっちゃったところがあったんですけど、そこを抜いてはいい感じに維持しながらどんどん上げていけました。それがいいタイムにつながったと思います。

伊藤和輝(スポ1=東京・昭和一学園)

――4試合というハードな試合スケジュールでした

オムニアム選手権に出たことがあるんですけど、早慶戦はそれよりもタイムスケジュールがカツカツだったので想像以上にきつかったです。

――体力的にはいかがでしたか

まだまだ余裕があります。

――個人としての出来はどうでしたか

1キロのタイムが1分10秒09だったので、あともう少し、9秒台に入れたらよかったなと思ってます。

――エリミネイションレースでは谷口選手と高校の先輩後輩対決でした

最後このあと団抜きが残っていたので、足を使わないのかなと思っていましたが、勝負してきたので、足を使わない程度に走りました。

――その団抜きでは後半2周半にわたってなぜ先頭を引っ張っていたんですか

まだ余裕があって、万が一散らばる可能性もあるかなと思って、自分のいけるとこまでは引いていこうと思ったからです。

――六大学戦に向けての抱負は

六大学戦はこれよりもはるかにレベルの高いレースが予想されます。今は調子が良いので、この調子を保てるように練習していきたいです。