大蔵、大仲の2名が表彰台入りを果たす!

自転車

第64回全日本学生選手権トラック自転車競技大会 7月6日、7日 TIPSTAR DOME CHIBA

 7月6日、7日、TIPSTAR DOME CHIBAにて、第64回全日本学生選手権トラック自転車競技大会が開催された。この大会はトラック競技における学生日本一を決める大会で、早大からは大仲凜功(スポ3=愛媛・松山学院)、美甘星次郎(スポ4=鳥取・倉吉総合産業)、山里一心(スポ2=東京学芸大附属)、大蔵こころ(スポ3=愛媛・松山学院)の4名が出場。大蔵がポイントレースで3位、大仲が4㎞インディヴィジュアル・パシュート(IP)で2位に入るなど二名が表彰台に上った。

表彰式で笑顔を見せる大蔵(写真右)

 初日、早大で最初に出番が回ってきたのは大蔵。女子ポイントレースに臨んだ。スタート直後、大蔵は集団上位につけると、10周目を4位で通過し1ポイントを獲得。20周目ではポイントを取れなかったが、「他の選手たちが牽制していたので、行ってみようと思った」と、大蔵がここから積極的な走りを見せる。23周目付近で集団から飛び出すと、優勝した水谷(日体大)、2位の渡部(明大)らも加わり7人の逃げが形成される。水谷と渡部が先行する中、39周過ぎで集団に追いつき20ポイントを追加。さらに40周目を先頭で通過して一気にポイントを26まで伸ばし、3位に浮上した。50周目にも2ポイントを取り、迎えたラスト10周。同志社大の選手が残り3周でアタックを仕掛けるも、最終周で追いついて4位でフィニッシュ。合計30ポイントで3位に入った。

男子4㎞IPでスタートを切る大仲

 続いて男子4㎞IP、女子3㎞IPが行われ、男子で大仲、女子で大蔵が出場した。高校時代から長く経験のある種目であり、優勝を狙っていた大仲。最終組で、伊藤(中大)と出走した。序盤からハイペースを刻み、それまでのトップタイムを更新する勢いを見せる。しかし、伊藤が大仲を大幅に上回るスピードで走り、学生記録に迫る4分20秒960を叩き出す。最後まで懸命に漕いだ大仲だったが伊藤には及ばず、4分29秒726で2位となった。大蔵も女子の最終組で登場。ポイントレースでも戦った渡部(明大)走ることとなったが、残り3周手前で渡部に追い越されてしまう。大蔵は3分58秒435の4位となり、惜しくも2種目での表彰台とはならなかった。

 2日目には男子スクラッチ、男子ポイントレースの決勝と男子マディソンが行われた。スクラッチに出場した美甘だったが、表彰台を独占した明大勢の後塵を拝し上位に食い込むことはできず。13位に終わり、5位に入った昨年に続く入賞とはならなかった。男子ポイントレースには山里一心が出場。レース序盤は集団後方での苦しいレースとなり、なかなかポイント争いに絡めない。しかし、60周過ぎに集団を飛び出して3ポイントを獲得するが、その後はポイントを伸ばせず。15位に終わった。

スクラッチに臨む美甘

 早大勢最後のレースとなった男子マディソン決勝には大仲と山里が出場。「結果を追求するのはチームの関係上厳しかった」と大仲が語る通り、難しい戦いが予想されたこの種目。序盤から上位チームに引き離される展開が続き、50周目でマイナス1ラップとなってしまう。そしてラスト2周を切ったところで大仲と山里が絡む落車が発生。何とか7位で走り切ったものの、悔しさの残るレースとなった。

マディソンで走者交代を行う大仲(写真右)と山里

 大仲と大蔵が表彰台に上るなど好成績もあった一方、思うような結果を残せなかった種目もあった今大会。6月にロードレースを転戦し、コンディションが万全でない選手も多かった。それでも大仲は「やるべき課題が明確になった」と次を見据える。今大会で得た収穫と課題を手に、約1か月半後に迫る全日本学生対抗選手権(インカレ)での躍進に期待だ。

(記事 植村皓大 写真 神田夏希、木山侑星、石澤直幸、髙田凛太郎、長野雪華)

試合結果

▽女子ポイントレース決勝

大蔵こころ 3位

▽男子インディヴィジュアル・パシュート4㎞

大仲凜功 2位

▽女子インディヴィジュアル・パシュート3㎞

大蔵こころ 4位

▽男子スクラッチ予選

美甘星次郎 5位 決勝進出

▽男子ポイントレース予選

山里一心 9位 決勝進出

▽男子マディソン予選

大仲凜功、山里一心 4位 決勝進出

▽男子スクラッチ決勝

美甘星次郎 13位

▽男子ポイントレース決勝

山里一心 15位

▽男子マディソン決勝

大仲凜功、山里一心 7位

試合後コメント

大蔵こころ(スポ3=愛媛・松山学院)

――今日のレースの目標を教えてください

 今日のレースは2種目出る予定だったので、両種目で表彰台に上がることを目標に頑張りました。

――今日のコンディションはいかがでしたか

 2週間前に全日本学生選手権ロードがありましたが、そこから少し体調を崩していて、なんとかポイントポイントで練習してコンディションを合わせた形だったので、あまりいいとは言えない感じでした。

――ポイントレースでは3位に入りました。レース全体振り返っていかがですか

 最初のポイント周回で、自分が他の選手たちよりも走れないかもしれないことを感じました。その中で他の選手たちが牽制していたので、行ってみようと思い、挑戦する気持ちで自分から仕掛けました。苦しい展開にはなりましたが、かえって3位には入ることができました。

――40周目に先頭でポイントを取りましたが、意識していたことはありましたか 

 あの場面は集団に追いつかずに後ろの4人だけでポイントを取り合って、そこで1位を取って、ポイント差を詰めることもできましたが、追いついてしまいました。1位だった日体大の選手も前の集団のペース落としていたので、作戦で負けたなと思います。

――IPは4位でした。レースを振り返っていかがですか

 IPは最近、東日本学生トラックなどで走っていましたが、そこからは2秒ほどタイムを更新できました。インカレではIPを走るか分かりませんが、またタイムを上げられたらいいと思います。

――最後に今後に向けた目標をお願いします

 5月の休養期間を経て、今再スタートしたところなので、インカレに向けてレベルを上げて、集中して練習していきたいと思います。

大仲凜功(スポ3 =愛媛・松山学院)

――今大会の目標を教えてください

 個人追抜(IP)はずっと高校生からやってきているので、優勝、または自己ベストを出そうと思って走りました。また、いつもと違う戦略で走ることを心がけ、それらを貫けるように頑張って走りました。

――コンディションはいかがでしたか

 コンディションは悪くないと思っていましたが、思っていたより良くなかったです。ロードでのレースが続いていて、トラックでもがくことができていなかった分、後半で耐えられなかったかなと思います。

――IPでは2位に入りました。レースを振り返っていかがですか

 自分の中ではもっと良いタイムが出ると思っていましたし、順位も1位が取れず、タイムも大分離されたことが悔しいです。しかし課題が見つかり自分がすべきことが明確に分かったので、その点は良かったと思います。

――マディソンのゲームプランなどあればお聞かせください

 順位が良ければそれに越したことは無いですが、結果を追求するのはチームの関係上厳しく、綺麗に、落車無く帰ろうという話でした。それでも落車をしてしまいましたし、綺麗にやることもできなかったので、やはりマディソンは付け焼き刃でできる競技では無いな。というのが正直あります。

――今大会の収穫などあれば教えてください

 トラックに乗れていなかったのが結構大きかったので、インカレまでにロードも乗りつつ、沢山トラックに乗って、いつもより速いスピードをより維持できるように頑張りたいと思いました。次は自己ベストで優勝したいと思っています。

――最後に、インカレに向けて一言お願いします

 勝ちます!