【応援】4年間の努力を「輝」に ”応吹サウンド”で七色に彩った定期演奏会

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第62回定期演奏会 練馬区文化センター大ホール 12月15日

 今年も定期演奏会の季節がやってきた。『輝』を目標とし、総勢84人でこの1年間を駆け抜けてきた。その集大成となるこのステージは「七色」に「輝」くステージとなった。 

 第1部のシンフォニックステージは『スター・パズル・マーチ』から始まる。この曲は題名の通り、「星」にちなんだ数々の名曲のメロディーがパズルのように織り込まれている。華やかなファンファーレで定期演奏会の始まりを飾った。続いて披露されたのは8月に行われた令和7年度東京都大学吹奏楽コンクールで自由曲として演奏した『ボレアス〜北風の神の神話〜』。30年ぶりの金賞獲得という大躍進に導いたこの曲をコンクールメンバーで披露し、荒々しく力強い北風の神のイメージをダイナミックに表現しつつ、中間部では深みや流動性を表現した。

第1部の様子、『The Sun Will Rise Again〜陽はまた昇る〜』

 シンフォニックステージ3曲目に披露されたのは『The Sun Will Rise Again〜陽はまた昇る〜』。この曲は全体を通して穏やかな曲調で打楽器によるキラキラとした音色が散りばめられており、観客に安らぎを与えるような演奏だった。そして、第1部クライマックスに演奏されたのは『三つのジャポニスム』。『Ⅰ.鶴が舞う』、『Ⅱ.雪の川』、『Ⅲ.祭り』の3つの曲から構成されたこの曲を見事に演奏した。壮大でダイナミックな演奏の中で、『Ⅰ.鶴が舞う』では壮大でダイナミックな世界を表現しつつ、羽音の表現など技量も光った。『Ⅱ.雪の川』では静寂に包まれた過酷な冬を、『Ⅲ.祭り』では日本の伝統的な祭の情景を演出した。そして最後に『早稲田大学校歌』を演奏し、第1部を終えた。

第2部の様子、『にじいろ』

第2部の様子、『Moonlight Serenade』

第2部の様子、「ジャパニーズ・グラフィティXIV」

第2部の様子、「ディズニー・アット・ザ・ムービー」

第2部の様子、『Camarada』

 第2部はポップスステージ。吹奏楽団は綾香の『にじいろ』の演奏と共にパートごとに登場した。

そして第2部最初に披露された「ジャパニーズ・グラフィティXIV」ではアイドルグループ嵐の名曲をメドレーで披露。ソロでの演奏に加え、『Happiness』・『Love so sweet』では5人のダンサーの踊りも光った。続いて披露された『Moonlight Serenade』は柔らかくゆったりとしたテンポの中で夜の静けさの中の情熱を表現しきった。また、『ディズニー・アット・ザ・ムービー』ではディズニーの名曲たちをメドレーで届けた。曲調に合わせた多様なアクションにも目が離せないパフォーマンスであった。第2部最後に披露したのは令和7年度吹奏楽団のテーマ曲である「Camadara」。導入部は木管楽器の落ち着いた演奏で始まるが、サンバのリズムが印象的な1曲である。合唱パートでは観客も一緒に盛り上がり、第2部を終えた。

責任者挨拶の様子

 第3部の前には責任者挨拶として比嘉凪沙吹奏楽団責任者兼大吹連理事兼指揮(法4=神奈川相模原中教校)が挨拶に立った。「音楽の力で多くの方々にエールをお届けできたことは応援部吹奏楽団である私たちにとっての最大の誉だと思います」とこの1年間の活動を振り返った。

 第3部はドリルステージ。『ムーラン・ルージュ・オープナー』では静寂で始まったステージが一転。ここで登場したカラーガードやチアリーダーズ4年生の華やかなパフォーマンスで熱く勢いのあるステージを届けた。続いて披露されたのはバッテリーステージ『Night Shift』。バッテリーとはマーチング時に動きながら演奏する打楽器セクションのことである。普段はリズムを支えることが多いが、躍動感あふれるステージで魅了した。

第3部の様子、『ムーラン・ルージュ・オープナー』

第3部の様子、『ムーラン・ルージュ・オープナー』

バッテリーステージ『Night Shift』

カラーガードステージ『戦場のメリークリスマス』

 カラーガードステージでは『戦場のメリークリスマス』が披露された。坂本龍一の名曲と共に美しく華やかなパフォーマンスをカラーガードの動きで作り出した。

第3部の様子、「グレイテスト・ショーマン」

第3部の様子、「グレイテスト・ショーマン」

 盛りだくさんのステージに観客からはアンコールが。アンコールでは、『Over the Rainbow』を披露。冒頭部を4年生のみで演奏すると、その後の曲中では学年ごとの紹介や演奏会部門の紹介が行われた。『Over the Rainbow』の演奏が終わると、『ファンファーレ稲穂』が響き渡る。豊島の学注「吹奏楽団とは4年間一緒に頑張ってきた」「私の同期の吹奏楽団の最後の晴れ舞台である」という学注から「応援曲ステージ/応援曲ドリル」に入り、『暁』、『大進撃』『ダイナマイトマーチ』、『We Winner Waseda』、『スパークリングマーチ』、『雷轟』、『F1〜コンバットマーチ』、『紺碧の空』を演奏した。

アンコールの様子

最高の形で締め括った

  1人1人が輝きを放った定期演奏会。音楽で吹奏楽団全員がひとつになり、そして音楽で会場をひとつにした。その裏には長期期間に渡る準備があったことだろう。躍進を遂げたこの1年を経て、吹奏楽団はどのような2026年にしていくのだろうか。

(記事 土橋俊介、写真 大竹瞭、森若葉)