東京六大学野球リーグ戦 10月19日 明治神宮野球場
この1年間の成果を見せるべく迎えた今カード。特に優勝へ後がなくなった状況で迎えた2回戦では、どんな状況でも選手の背中を押すというまさに応援部らしい姿を見ることができた。そんな明大2回戦の様子をお届けする。

校歌指揮を行う豊島悠代表委員主将兼連盟常任員(教4=神奈川・桐蔭学園)
先攻・三塁側の早大は2回。1死から前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)が二塁打でチャンスメイク。すると、応援席からすぐに『F1〜コンバットマーチ』が響く。この『F1〜コンバットマーチ』を入れるタイミングは今季特に重要視してきたものである。2死一、三塁となると応援の勢いは加速。立大3回戦以来の先制を目指すも、ここは吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)が遊直に倒れ、攻撃終了となった。

2回のチャンスの場面でのリーダー部員たち
さらに4回表。『F6〜SUNRISE』、『暴れん坊早稲田』、『スパークリングマーチ』、『Viva Waseda』などで応援席の熱が高まるのと共に無死一、二塁という状況に。前田健副将が打席に立つと共に再び『コンバットマーチ』が球場を包み込む。やや早大に流れが傾いてきた中であったが、前田健副将は三ゴロ、田村はファウルフライに倒れる。さらにこのフライの間に本塁突入を企図した小澤周平主将(スポ4=群馬・健大高崎)だったが、相手の好守備に阻まれ、併殺プレーとなってしまった。これがこの試合のターニングポイントとなったプレーだった。

4回のチャンスの場面で『コンバットマーチ』の突きを披露するリーダー部員たち
試合は5回の裏。守る早大は二塁に走者を置くと、明大・木本圭一(4年)に左中間を割る痛打を浴び先制点を献上。ゼロ行進の試合であったため痛い失点となった。それでも応援席では学年関係なく応援部員が声を出し続けていた。コールのサインが出ていない間でも声を途切らせることなく声援が飛んでいた。

5回裏のチアリーダーズ演技に登場した応援部4年生たち
6回表には2死から小澤主将が出塁するとすぐに『スパークリングマーチ』から『F1〜コンバットマーチ』に移る。この後、チャンスをさらに拡大するも、後続が凡退し無得点に終わった。

観客に向かってコールを行う吹奏楽団
1点ビハインドの最終回。応援席は回曲の『紺碧の空』を繰り返していく中で一体感が増していく。明大の守護神・大川慈英(4年)が前田健副将から放った打球は綺麗なアーチを描くも逆風もあり失速。フェンス手前での右フライとなった。9回2死で打席が回ってきた6番・田村康介(商4=東京・早大学院)は三振に倒れ、試合終了。この敗北により、明大に勝ち点が渡り、賜杯も明大に渡ることとなった。

最終回に決死の表情で太鼓を叩き続けた鼓手たち

9回2アウト時の応援の様子
完封負けを喫したうえに、優勝の瞬間を目の前で見ることとなった早大。4連覇を目指す中で、今季はチャンスを逃さない応援を模索し続け、応援での新たな取り組みも見られた。東京六大学野球リーグの50回目の優勝は下級生に託されることとなったが、残る慶大とのカードに全力をそそぐ。令和7年度執行委員にとって最後となる華の早慶戦では応援部にも注目だ。
(記事・写真 土橋俊介)
豊島悠代表委員主将兼連盟常任委員(教4=神奈川・桐蔭学園)
ーー今日の試合を振り返っていかがですか
チャンスはあって、もう一歩がやはり課題でしたね。難しいですね。応援企画責任者もしっかり自分たちの芯を貫いてただけにですね。悔しいですね。
ーー今季の応援の変更点などについて今どう思われますか
そこは挑戦し続けるという点で本当に良かったと思っています。同じ応援をし続けるということは自分としてはつまらないし、それでいいのかと思うので、新たなものを入れるというのは良かったかなと思います。
ーー下級生に関してこの1年を振り返っていかがですか
あまり普段言わないですが、自分をきっちり支えてくれたということは感じていて。本当に感謝していますし、来年は頑張って欲しいなと思います。
ーー早慶戦への意気込みをお願いします
慶應に負けるのはやはり嫌で。去年の秋も最後慶應に負けているので、そこは負けられないです。