【応援】チャンス逃さず!心を一つにして死闘を制す/法大2回戦

応援

東京六大学野球秋季リーグ戦 10月5日 明治神宮野球場

 法大との1回戦を1点差で落とした早大は勝ち点のためにここから2連勝を目指す形に。優勝のために絶対落とすことのできないこの一戦は、まさかの得点の取り合いとなった。掴み切れない試合の流れの中でも、応援席では最後まで全身全霊の応援が行われた。その様子をお届けする。

 初回の攻撃にて、はじめに披露された学生注目(学注)では豊島悠代表委員主将兼連盟常任委員(教4=神奈川・桐蔭学園)が「昨日は惜しいところで負けてしまった。1点1点の得点が非常に大事になる。皆様一人一人の声が大事になる」と、観客席に呼びかけた。立ち上がりから勢いに乗りたい早大だったが、結果的には3人で攻撃を終えた。さらにその裏の守備回、藤森康淳(法大3年)と片山悠真(法大3年)に適時打を浴び、1回戦に続いてこの日も先制点を献上してしまった。応援席では『健児コール』、さらに「心を一つに」「気持ちで勝つぞ」などの文言を入れた『シェイクコール』で髙橋煌稀(スポ2=宮城・仙台育英)にエールを送るも、幸先の良い出だしとはならず。

初回に学注を行う豊島

 2点ビハインドのままで迎えた4回表。豊島によるセンター指揮の下、回曲の応援歌『早稲田健児』を披露すると、すぐに応援曲に入るのではなく、『かっせ寺尾』、『ソラ寺尾』を挟んでから応援に入った。豊島によると、これは応援にメリハリを持たせるために行っているとのこと。そして、5番の前田健伸副将(商4=大阪桐蔭)が二塁打を放つと、『暴れん坊早稲田』から応援曲の披露を開始する。田村康介(商4=東京・早大学院)が内野安打で続くと、石郷岡大成(社4=東京・早実)の内野ゴロ間に1点を返す。さらに吉田瑞樹副将(スポ4=埼玉・浦和学院)に二塁打が飛び出し同点に。この日初めての大チャンスを早大が見事にものにし、応援席では『紺碧の空』に加えて、『We Winner Waseda』が披露された。

早大打線の勢いはまだまだ止まらず。尾瀬雄大(ス4=東京・帝京)、渋谷泰生(スポ4=静岡)にもタイムリーが生まれ、この回に一挙5得点。試合を早大ペースにした。

 

2点差を追いつくためにエールを送る早大応援部

反撃の狼煙(のろし)となる1点目を喜ぶ応援部

『紺碧の空』を歌う応援部(2点目)

勝ち越しに向けて全力でエールを送るリーダー部員たち

『紺碧の空』のテクを振る豊島

得点に笑顔を見せる吹奏楽団(5点目)

 試合は5回。先頭の寺尾拳聖(人3=長野・佐久長聖)が出塁すると、『Fanfare冠』、『Stand up and Go Fight!!(ミニゴー)』、『F4〜大進撃』、『スパークリングマーチ』と応援を披露していく。すると無死満塁という大チャンスが到来。応援席はすぐさま『コンバットマーチ』で盛り上がる中で、石郷岡が初球に犠牲フライを放ち1点を追加。『紺碧の空』に加えて『得点校歌』が斉唱された。さらに押し出し四球と走者全員が生還する適時三塁打でこの回も5点を追加した。

 バンド演奏曲『希望の轍』を披露後、『GWコール』、『シェイクコール』などで応援席を盛り上げる。守備回でも必死の応援を続ける応援席だったが、ここで井上和輝(法大1年)に3点本塁打を打たれ、5点差で前半を終えた。

 

 

『得点校歌』を歌う様子(6点目)

さらなる追加点に向けて『コンバットマーチ』を行うリーダー部員たち

『New WASEDAコール』を行う吹奏楽団

得点を喜ぶ吹奏楽団(10点目)

バンド演奏曲『希望の轍』でスタンツパフォーマンスを行うチアリーダーズ

同じくチアリーダーズ

この日は3パート全ての4年生がパフォーマンスに参加した

同じく応援部4年部員

 

6回の攻撃は無得点で終えた早大。その裏の守備回では2番手の宮城誇南(スポ3=埼玉・浦和学院)が法大打線の圧に飲み込まれる。連続四球と失策、暴投で1点を失うと片山(法大3年)に適時二塁打を浴び1点差に。応援席では『ダイナマイトマーチ』や『ファイトコール』などで必死の応援も、法大に傾いた流れを止めることをできず。代わった安田虎汰郎(スポ2=東京・日大三)も初球を痛打され1点を失い、一時は8点あったリードが0となった。

 試合は8回表。何としてでも勝ち越し点の欲しい早大は「もう一度ギア上げていくぞ」という豊島による学注を皮切りに勢いをつけていく。3つの四球で満塁のチャンスを作ると、代打の岡西佑弥(スポ3=智弁和歌山)が勝ち越しとなる2点適時打を打ち、応援席は歓喜の渦に包まれた。『紺碧の空』の後には豊島が学注を行い、「最後の声を振り絞ってくれ」と観客に呼びかけた。すると、打線は止まらず7番の石郷岡が公式戦初となる3点本塁打を放ち一挙5得点。この日一番の歓喜のまま『紺碧の空』が歌われた。

 

『ダイナマイトマーチ』を行うにあたって学注を行う豊島

 

2度目の勝ち越しに向けて『コンバットマーチ』の突きを見せるリーダー部員たち

同じくリーダー部員たち

勝ち越し点を喜ぶリーダー部員たち(12点目)

『紺碧の空』のテクを振る豊島と後方で拍手を行うリーダー3年部員

『紺碧の空』を歌う応援部(15点目)

 そして、8・9回を田和廉(教4=東京・早実)がテンポ良く抑え、試合を締めた。両軍2桁得点となったこの試合は、9イニングで3時間半超えとまさに死闘だった。多くの観客が詰めかけた両大学の応援席による応援合戦も最後まで白熱したものだった。特に代表委員主将の豊島は全ての回で当番として指揮台に立ち、早大応援席を率いて見せた。勝ち点の行方は3回戦に決まることになるが、プライドをかけた根気比べとなりそうだ。

(記事・写真 土橋俊介)

豊島悠代表委員主将兼連盟常任委員(教4=神奈川・桐蔭学園)

ーー1回戦の敗戦後にどのようなことを話し合ったのですか

 基本なんですけどチャンス時にしっかりとコンバットを入れるところを昨日はちょっとできていなくて。そこの部分から基本に忠実にするということ、そしてメリハリをつけるというところを確認しました。具体的には拍手だけとかでその回の応援を始めて、少し情勢が進んだら盛り上げるみたいな感じで今日はやったのですが、そこが上手くはまって点に繋がったかなと思います。引き続きやっていこうかなと思います。

ーー通常とは異なり初回から9回まで担当された理由は何ですか

 ここで勝たなければ優勝が大きく遠のいてしまうというところで、自分で勝たせるということでやりました。

ーー3回戦への意気込みを教えてください

 明日も勝ちます!