東京六大学秋季リーグ戦 11月9日 明治神宮球場
※掲載遅れ、申し訳ございません。
遂に華の早慶戦を迎えた。応援部4年生にとってはリーグ戦最後の対戦カードである。優勝に王手を懸けている早大であるが、宿敵・慶大に2連勝し、完全優勝を狙う。栄光の瞬間を目撃するために応援席、さらに第二内野席にも多くの学生・OBが集まった。
12時頃の『陣中見舞い』では、『若き血』の演奏と共に慶應義塾体育会應援指導部4年生が早大応援席にやってきた。直後には球場全体が一体となって歌う『早慶讃歌』が歌われ、そして『慶應チャンスパターンメドレー』が早大応援席で披露された。観客は手拍子で盛り上がり、二度行われた学生注目では『そうだ』『いいえ』で応えた。
『陣中見舞い』が終了し、『早稲田モーション』や『Blue Skyコール』の練習をした後、『校旗入場』、『エール交換』が行われる。先日の稲穂祭でお披露目され、明治神宮野球場では今日が初お目見えとなった『福田旗』が吉田成ノ真旗手(法4=埼玉・早大本庄)によって掲揚された。福田秋秀応援部稲門会名誉会長が大学に寄贈され、大学から応援部に寄贈されたこの校旗は校友への感謝が込められている。エール交換では星野聖敬代表委員主将(政経4=東京・早大学院)を中心として学生・OBが揃った一拍の動作を行いながら校歌を斉唱した。
早大先攻で始まった初回。『紺碧の空』、『F4〜大進撃』の定番のメドレーで盛り上げていく。吉納翼副将(スポ4=愛知・東邦)が相手のエラーで出塁するも得点ならず。続く裏の攻撃。先頭の水鳥遥貴(4年)に二塁打を放たれると、2本の進塁打の間に1点を先制されてしまう。早慶戦は慶大が先手を取る形になった。2回は回曲『Viva Waseda』から始まり、応援曲『F7〜Bloom』、『F6〜SUNRISE』を中心に、3回は回曲『吼えろ早稲田の獅子』、応援曲『魁』、『大進撃』で盛り上げていく。しかし2、3回は互いに無得点で落ち着いた展開となった。
4回表。『吼えろ早稲田の獅子』が流れる中で先頭の吉納が四球で出塁。後続の内野ゴロ2本の間に三塁まで進塁。この試合中初めて『F1〜コンバットマーチ』が演奏される。しかし小澤周平(スポ3=群馬・健大高崎)が二飛に倒れ無得点。4回まで一安打という早大の攻撃内容であった。
わーおくんグッズを見に纏(まと)う園木
4回裏、安打と死球で得点圏に走者を背負うと、本間颯太朗(4年)に適時二塁打を打たれてしまう。ここでは『健児コール』と『頑張れ樹』の文字切りで伊藤樹(スポ3=宮城・仙台育英)にエールを送ると、後続を三振にとる。まず出塁したい早稲田打線であったが、『Blue Sky WASEDA』が流れる中、先頭の梅村大和(教4=東京・早実)が一ゴロに倒れる。続いて2回と同じく『F7〜Bloom』、『F6〜SUNRISE』が披露されるが、石郷岡大成(社3=東京・早実)と伊藤も倒れ、苦しい展開が続く。
重い雰囲気が漂う早大応援席を変えたのは、チア曲『ウィーアー!』であった。早慶戦のために長く作られた指揮台には下級生も上がってパフォーマンスを行った。ダイナミックなスタンツの一挙手一投足には大きな歓声が上がった。チア曲に続いて、早大野手の守備にも大きな歓声が沸いた5回裏。次の攻撃に流れを持ってくるような三者凡退であった。
相手投手の攻略の鍵を見つけたい早大。6回表の応援席は吉田成ノ真旗手(法4=埼玉・早大本庄)のセンター指揮によって『ひかる青雲1、2、4番』が斉唱される。回曲の後は『F6〜SUNRISE』や『大進撃』で不利な状況の打破を狙うが、この回も三者凡退。流れを手繰り寄せたい早大であったが、6回裏も試練が続く。一死無塁という状況で清原正吾(4年)に本塁打を許す。慶大応援席だけでなく内野席も盛り上がる中、早大応援席は『ファイトコール』で対抗。結果的にこの回はこの1失点のみとなった。
0対3で迎えた7回表。植木建開副将兼リーダー主務(人4=愛知・千種)のセンター指揮で『校歌1番』を斉唱、そして『Fanfare稲穂』が演奏された時には既に2アウト。この回も三者凡退に終わってしまう。これ以上の得点を許したくない早大であったが、この裏の回に水鳥に2点本塁打を被弾。応援席ではため息が聞こえてくる状況で『健児コール』、『頑張れ樹』の文字切りで4回と同じようにエールを送る。結果的にはこの回も後続は抑えたが本来の活気は無くなってきていた。
『コンバットマーチ』で突きをする横田
このような状況で必要となるのが応援部の力である。8回表には横田圭祐新人監督兼稲穂祭実行委員長(人4=東京・成蹊)が『提出物を30秒前に出す早大生の粘り強さを見せてくれ』というユーモアを交えた学生注目で応援席の活気を取り戻す。二死という状況で中村敢晴(スポ4=福岡・筑陽学園)が流れを寄せる二塁打を放ち、ここで出たのは『F1〜コンバットマーチ』のサイン。多くの観客がハリセンを叩きながら声援を送るが、届かず。一度も得点時の『紺碧の空』を歌うことができないまま8回裏に突入する。
『絶対勝つぞ/シェイクコール』、『越井コール』を受けてマウンドに立った越井颯一郎(スポ2=千葉・木更津総合)だが、3連打や味方のエラーなどで4点を失ってしまう。9点離された早大であったが応援部は声を出し続ける。星野聖敬代表委員主将(政経4=東京・早大学院)が「人生がつまらない時にすることといえば、ゴルフである」という奇抜な始め方の学生注目を披露。高校時代はゴルフ部の星野が実際にパターでゴルフボールを打ち、カップインを決めると歓声が沸いた。応援席の雰囲気を変える学生注目であった。『紺碧の空1、2番』が流れる中で印出太一主将(スポ4=愛知・中京大中京)が二塁打を放ち、再び『F1〜コンバットマーチ』『New WASEDAコール』が演奏される。二死二塁となり小澤が右安打を放ち、意地の1点を返した。初めての得点時での『紺碧の空』に応援席が湧くが、反撃はここまでであった。早慶戦1回戦は終始苦しい試合となった。
ゴルフボールを持ちながら学注を披露する星野
これまでの他大学との結果は関係なく、両者の意地がぶつかり合う早慶戦。2回戦では歓喜に湧きながら歌われる『紺碧の空』を期待したい。
※コメントは後ほどまとめて掲載いたします
(記事 土橋俊介 写真 橋本聖、長屋咲希、井口瞳、早崎静)