雨にも負けず、法大にも負けず。優勝への望みをつなぐ/早法2回戦応援

応援

勝ち点2で並ぶ法大との一戦。負けた方が優勝への可能性が消滅する絶対に落とせないカードである。1回戦に勝利した早大は勝ち点をつかみ取り、優勝戦線に残るべく負けられない一戦に臨んだ。この日は午前中大雨が降っており、かなりコンディションが悪い中での応援となった応援部。どんなに強い雨が降っても、寒い風が吹いても早稲田の勝利を信じ続け、決死に応援を披露する。最終的には雨もやみ、『Blue Sky』の中『紺碧の空』を数え切れないほど響かせ勝利。優勝に望みをつないだ応援となった今試合を振り返っていく。

 試合前、強い雨が神宮に降り注いでおり、多くの人が寒さに震えていた観客席。そんな中、応援部は熱い応援で内野応援席を盛り上げる。当番のリーダー3年生郷田悠生(文3=岐阜・麗澤瑞浪)が「雨にも負けず、寒さにも負けず、法政にも負けないぞ!」と叫び、応援席を鼓舞する。「こんな雨が降っている日こそ『Blue Skyコール』に注目してほしい」と観客に呼びかけ、試合前から熱い応援を見せる。

 3回まで両チームとも無安打の緊迫したゲームとなったが4回から大きく試合は動き出す。3回に井原遥斗学生動員対策責任者兼稲穂祭実行委員長(教4=埼玉・熊谷)が学注(学生注目)で得意のスケッチブックを用いた学注にて、「みどり」を漢字で書くと「碧」とも書けるとアピールする。3回の応援歌であった『永遠なるみどり』にちなみ、「永遠に『紺碧』歌おう!」と学注を披露。この回こそ、点が入ることはなかったが、井原の言葉通り『紺碧の空』が鳴りやまない展開が訪れる。

持ち回である3回にテクを振る井原

 4回。永井武尊リーダー会計責任者兼広報責任者(文4=熊本・済々黌)が学注で「応援はお金と違って減るものではないし、使い切るほどの応援を見せるぞ」と決死の思いを叫ぶ。永井の思いが届いたかのように2死満塁で代打・田村康介(商2=東京・早大学院)が適時二塁打を放つ。この日初めての『紺碧の空』が神宮に響き渡るが勢いは止まらない。先制した勢いをさらに増すべく、リーダー5名が一斉に指揮台に。コンバットマーチの突きを一斉に繰り出す。投手・伊藤樹(スポ2=宮城・仙台育英)にも適時打が生まれ、この回一挙4点。流れを一気に引き寄せる。4回裏、法大打線もチャンスを作り、流れを渡さまいと反撃を見せる。法大側一塁応援席からは法大のチャンステーマである『チャンス法政』が流れる。法大に流れを渡さまいと早大応援席からは『Blue Skyコール』や『健児コール』で先発・伊藤樹にエールを送る。最終的に最少失点で抑え、流れを引き留める。

紺碧の空を披露する応援部

 5回もチャンスを作り『大進撃』『スパークリングマーチ』『コンバットマーチ』が鳴りやまない。得点を重ね相手投手・尾崎完太(4年)をマウンドから引きずり下ろすと、『コンバットマーチ』『雷轟』でさらに勢いを早大にもたらす。6回、7回とさらに追加点を重ね、井原が学注で叫んだ通りの展開となる。

『VIVA』のパネルを掲げるチアリーダーズ

 8回には『Blue Skyコール』が内野応援席に響き渡る。さらに、午前中の大雨がウソであるかのように雲の間から青空がのぞき、陽射しが内野応援席に差し込んだ。まるで、この日注目の応援と郷田が試合前に呼びかけた『Blue Skyコール』に天気までもが応えたかのような応援と勢いであった。

テクを振る宮下陽三代表委員主務兼連盟常任委員(社4=長野・屋代)

 勢いは衰えず、10-1と絶対に負けられない一戦で大勝した早大。序盤の悪天候に加え緊迫した展開でも全く動じず応援を続け、止まらない勢いをもたらした応援部。6回に当番のリーダー3年生郷田は学注にて、法大のチームカラーであるオレンジを食べてしまおうと呼びかけたがその通り、「オレンジ狩り」に成功した。『紺碧の空』を何度も歌うことに成功し、最終的には『Blue Skyコール』が青空に響き渡っていた。試合展開だけでなく天気さえも好転させるような熱い応援を披露した応援部。早慶戦で宿敵を倒し優勝を決め、歓喜の渦を応援席で巻き起こし有終の美を飾りたい。

(記事 橋本聖、写真 植村皓大、西村侑也)

コメント

井原遥斗学生動員対策責任者兼稲穂祭実行委員長(教4=埼玉・熊谷)

―― 本日の応援をふりかえっていかがでしょうか

 後半に行くにつれて勢いが増してきて、また雨の日ではあったのですが多くのお客さんに来ていただいていたので、それだけ応援してくださる人がいるということを実感できました。今日は応援も試合内容もいい日になったと思います。

―― 学注(学生注目)の通り、『紺碧の空』が鳴り止まない展開になりました気持ちはいかがでしょうか

 自分の回では点は取れなかったのですが、起爆剤になったらいいと思っていました。学生注目に特別思い入れはなかったのですが、結果的に歌えて良かったという安堵感が強いです。

―― 本日の応援で意識した点はありますか

 一点一点を積み重ねることも大事なのですが、大量得点をしていくことが大事だと思っていました。法大戦では僅差(きんさ)で勝負が決まることが多いので、圧倒的に勝利して早慶戦に弾みをつけようということで、次の一点を貪欲(どんよく)に狙うことに注力していました。

―― 稲穂祭に向けて意気込みをお願いします

 慶明戦がどうなるか分からないですが、早慶戦が優勝決定戦になれば、前夜祭である稲穂祭も大事になってきます。打倒慶應という僕たちの思いを全早稲田生やOBの皆さんにも感じていただけるようにこの10日間準備していきたいと思います。

―― 早慶戦に向けて意気込みをお願いします

 最終的にどういう結果になるかわからないですが、早稲田の人間である以上慶應は絶対倒さなければいけないと思っています。早慶戦と名のつく以上、必ず2連勝して、早稲田が慶應より上だということを証明して令和5年度を終えたいと思います。早慶戦を観に来られる方も、そうでない方も、早稲田を応援していだだけると嬉しいです。

永井武尊リーダー会計責任者兼広報責任者(文4=熊本・済々黌)

―― 本日の応援をふりかえっていかがでしょうか

 4回まで安打が出ず、天候もよくない中であまり盛り上げることができなかったと思うのですが、それでも一人一人が出来ることを確実にやっていけたというのが大きかったと思います。

―― 学注の通り、持ち回では全力を出し切れたように見えました。持ち回の応援を振り返っていかがでしょうか

 一本安打が出たり、走者が出るということもありましたが、2死になってからでも点を取ってやろうというような気概が観客席全体に伝わっていたのがその後の大量得点につながったと自分は思いました。

―― その際に意識した点はありますか

 常々、下級生にも言っているのですが、一つのプレーに対するリアクションを大きくする。例え2死であっても、走者が一人出たらそこから盛り上げていく。チャンスが来たから盛り上げるのではなく、一つのプレーに対して、より大きなアクションをするというのがビックイニングにつながったのではないかと思います。