最終回に登場するのは、永田新代表委員主将(教4=静岡・掛川西)と宮下陽三代表委員主務(社4=長野・屋代)。応援部全体に責任を持つ代表委員のお2人。 代表委員としての覚悟に迫った。
※この取材は2月11日に行われたものです。
代表委員就任に至るまで
代表委員について説明する宮下
――他己紹介をお願いします
永田 宮下は一見陽気に見えますが、実はずっと応援部のことを考えていて。そういう面で主務になってくれて良かったですし、安心して応援部を任せられますね。宮下は3年生時代から副務という役職についていて、本人も仕事が多くて大変だったと思いますが、外部に対する応援部のあるべき姿を行動で示してくれていました。後期の応援企画補佐でも、宮下はリーダーシップを発揮してくれていたので、頼れる主務だなと思います。
宮下 永田は、下級生時代から代全体を引っ張ってきて、今も代表委員主将として応援部の先頭で応援部全体を引っ張っています。下級生時代から引っ張ってきたということもあって、人としてもリーダーとしても引っ張る能力があってかつ、応援部のことを常に考えてくれています。誰よりも部員一人一人のことを考えていて、人情が厚い人物です。同期や下級生が辞めたいと思っていた時には、永田は本当に辞めたいと思っている人としっかり向き合って最後の最後まで話して、どんなことがあってもその人と向き合っていて、本当に情に厚いなと感じます。
――代表委員と執行委員の違いについて説明してください
宮下 代表委員は部全体の責任を負っている、部全体を代表する人物であるところが執行委員との大きな違いだと思います。代表委員として全ての部門の責任を負っているので、吹奏楽団やチア(チアリーダーズ)にも責任を負っていますし、代表委員としてリスクマネジメントもしていく必要があります。もう一つ上げられるのが、他の人よりも、自分の行動や発言一つ一つが早稲田大学応援部としての意見としてとらえられるという点です。部を代表して自分の行動が応援部全体のものとして見られています。だからこそ日々の発言や行動に気を付けなければと思っています。
永田 宮下が言ってくれたことが全てで、応援部全体に責任を負っています。
――2人がこの役職を希望した理由をお聞かせください
宮下 自分は外部の人と関わるのが好きでして、副務時代もそういった経験をさせていただきました。自分を通して、応援部全体の信頼が上がることでしたり、応援部が盛り上がるといったことができるのが楽しいなと思っています。さらに言うと、主務は部の顔として外部の方と関わることで、応援部を盛り上げたいと思っていて、自分が信頼されることで応援部の信頼を上げて、自分が仲良くすることで応援部を支援していただくことにつなげたいです。自分を通じて、何かをつなげたいというのが主務を志望した理由です。
永田 応援部の下級生や先輩、同期ももちろん大好きですが、OBやOGの方との交流が好きで、早稲田がすごく好きでそういうものを代表する早稲田大学応援部の部員の代表になれるのは僕にとってものすごく幸せだなと思って、志望しました。
――昨年度の活動を振り返っていかがでしたか
永田 僕らが入部した時期というのは、まさにコロナが始まってすぐの時期でしたが、1個上の代がコロナ前の時期の応援部を知っていて、先輩方はコロナ前の応援部を取り戻そうという思いを持って活動されているのを感じていました。合宿の復活や六大学の内野席応援など、華やかな応援部が復活した年であることを踏まえて、僕たちが完成に近づけていかなければと感じました。
宮下 昨年は諸々復活して応援部の楽しさが増した年だと思っていて、本当の応援部というものが見えてきた年でしたね。自分が見てきた応援部はほんの一部だったなと気づかされた一年でした。応援部はいろいろな活躍の場があるし、もっと楽しいし、影響力がある団体だということに気付いた一年でした。それと同時に、復活ということで、全くノウハウがない中で文化を復活させたりして、かなり大変だった一年でした。
――昨年度の個人の活動としては振り返ってみていかがでしたか
宮下 自分はやっぱり連盟が好きなのですが、振り返ってみますと、デモンストレーションを復活させたいと思っていて、2月、3月ごろに先輩と話して、それをやっていこうという話になったのですが、大学と交渉をして、デモンストレーションを復活させたのが印象的なのと、「六旗の下に」というイベントの司会を務めたのがすごく楽しかったです。
永田 僕は失敗と成長の一年だったかなと思っています。僕は器用な人間ではないと思っていて、総務補佐という大役を任せていただいた時も、できると思っていたのですが、自分の行動は完璧とは程遠いものでした。下級生に、部員にどう接するというところで前期では多く失敗しました。後期の応援企画補佐時代に自分なりに応援を楽しもうと活動をしましたが、失敗もしてきたので、この役職でそれらを生かしていきたいです。
――春を前にどんなことに取り組んでいますか
永田 主将というのは具体的な仕事というより、堂々としているとか、アフターケアなどがあります。僕個人としては、たくさんの部門の活動について部門ごとに「こうしたほうがもっといいんじゃない?」とリーダー同期としっかり話して、主将として応援部全体を良くしていこうと活動しています。
宮下 自分は今年の目標の一つに応援部を1年間成り立たせるという目標があります。いろいろな出来事があると思いますが、そういったものにしっかりと向き合って、リスクを極力減らそうと考えています。永田が全部門の良いところを引き出そうと考えているところで、自分は全部門を見ながら不安なところを見極めて部門ごとに調整する役割に取り組んでいます。
応援部全体を引っ張る存在として
今年度の目標を語る永田
――今年新たに取り組んでいきたいことはありますか
永田 応援部の顔を広げていきたいですね。僕が応援部の顔なので、体育各部はもちろん、一般の早大生、OBOGの方々、その他の応援部を応援してくださる方々、まだ応援していない方々にもどんどん会って、どんどん話して、応援部がいい部活、すごい組織で、応援したくなって神宮に来てもらえるように、僕が足を動かして話して、応援部を広げていきたいです。あと僕の主将という大きな肩書きは、応援部内だけではなくて応援部外にも通じるものだと思っています。僕が行くということは、応援部の最高戦力を投入するということになると思います。その肩書きを生かして他の部活の練習試合を見に行ったら、その部活は「応援部が来てくれた」と思って頑張ってくれるはずです。他の人でもできることはあると思いますが、僕にしかできないこと、僕だけしか持っていない影響力があるので、試合だけじゃなく練習の時から応援したいと思います。
宮下 第一の目標は「応援部を団結させる」ことだと言ったと思いますが、その上で自分も同じように外部とつながることで、体育各部をつなげたいと思っています。いろいろな本を読んでいる中で、昔の早稲田は一つにつながっていたことを知るんですが、今はコロナもあって体育各部がそれぞれになっていて、話したことのない人がたくさんいます。でもそれはもったいない、早稲田らしくないと思っているので、応援部を中心として昔の早稲田を取り戻したいです。
――今年度の目標を漢字一文字で表してください
永田 『導』ですね。応援部を導くという意味でもそうですし、応援部をまとめあげて早稲田文化を導く姿が応援部の一番いい姿だと思うので、完成させたいと思います。
宮下 『野』ですね。自分はいろんなパンフレットの部員紹介のところに『在野精神』と書いているんですけども、『在野精神』という早稲田らしさがすごく好きで、リーダーは早稲田らしさを体現する人物がいいなと個人的に思っています。主務はリスクマネジメントをしている以上つまらない人間になってしまいがちだとは思いますが、そうはなりたくないと思っていて。今後その『在野精神』を体現していきたいと思います。
――目指していきたい役職像はありますか
永田 理想像というのはなくて、リーグ戦優勝などの目標に向かってやるべきことをやっていくことが一番いい形だと信じています。
宮下 自分は役職に捉われたくないなと思っています。役職に捉われずに応援部のリーダーとして『在野精神』を体現する人物でいたいですね。
――リーダーとして追い求めていきたいことはありますか
宮下 やはり一つのことに対して熱くならなければダメだと思っています。事務作業をしているとマネジャーのように感じてしまう時もありますが、「マネジャーじゃないな」と思って。自分の主たるものはリーダーなので、リーダーとして応援に熱くなることが必要だと思います。
永田 僕は爆発力が結構大事だと思っています。「僕がこうしたから応援席の雰囲気が変わった、流れが変わった」と言われる爆発力を持ったリーダーでありたいですね。
――一応援部員として最後の年になりますが、意気込みをお願いします
永田 精一杯頑張ります。
宮下 リーダーとして応援部を謳歌(おうか)したいですね。
――最後に読者へのメッセージをお願いします
永田 この記事を読んだ皆さんは必ず神宮球場(明治神宮野球場)に来てくださると思っています。
宮下 『在野精神』身につけましょう!
――ありがとうございました!
(取材・編集 横山勝興、橋本聖)
◆永田新(ながた・しん)(※写真右)
静岡・掛川西高出身。教育学部4年。役職は代表委員主将。
◆宮下陽三(みやした・ようぞう)
長野・屋代高出身。社会科学部4年。役職は代表委員主務 兼 連盟常任委員。