【特集】早慶応援企画責任者対談『慶應倒し意気あげて、おお打てよ砕け早稲田を倒せ』前編

応援

 東京六大学野球秋季リーグ戦応援も残すは早慶戦のみとなった。野球応援の季節が終わりに近づく中、早慶両校の応援企画責任者が一堂に集結。早稲田大学応援部・木部昌平応援企画責任者(教4=埼玉・昌平)、富山智恵理応援企画責任者(政経4=埼玉・早大本庄)、横田奈々応援企画責任者(教4=東京・明治)と慶應義塾大学應援指導部の乃坂龍誠応援企画責任者(4年)、Kさんの5名に普段の交流、そして明日から開幕する早慶戦に懸ける思いを語っていただいた。

※この取材は10月31日に行われたものです。

早慶の交流

対談を楽しむ5人

――自己紹介をお願いします

木部 早稲田大学応援部リーダー4年で応援企画責任者と稲穂祭実行委員長を務めております、教育学部4年の木部昌平です。よろしくお願いします。

富山 早稲田大学政治経済学部4年、早稲田大学応援部吹奏楽団で今年度応援企画責任者を務めております、富山智恵理と申します。よろしくお願いします。

横田 早稲田大学応援部4年で今年度チアリーダーズの応援企画責任者の横田奈々です。よろしくお願いします。

乃坂 慶應義塾大学法学部政治学科4年で應援指導部の応援企画責任者を務めております、乃坂龍誠と申します。よろしくお願いします。

Kさん 慶應義塾大学法学部政治学科で今年度チアリーディング部の応援企画責任者を務めております、Kです。よろしくお願いします。

――早慶で対談する機会はあまりないと思うのですが、今の率直なお気持ちは

横田 対談はあまりないですけど、友達なので(笑)。かしこまって話すことはあまりないかなと思います。

――活動中、あるいは活動外でも交流はありますか

木部 慶應と明治の試合を僕ら3人(木部、富山、横田)で神宮に見に行ったこともあって、試合終わったあとにしゃべったりします。早慶戦前はデモスト(デモンストレーション)でも会ったりしていますし、部活動じゃない時にも会ったりしていますね。

この秋を振り返って

新応援曲『暁』の魅力について語る早稲田の応援企画責任者の3人

――ここまで秋季リーグ戦応援を振り返っていかがですか

木部 開幕戦は2連勝できましたが、明治戦で大敗してしまって。ですが、そのあとの東大と立教相手に4連勝できて試合的にもいい展開ですし、応援も仕上がってきたかなと思います。早慶戦は優勝決定戦ではありませんが、慶應を倒すしかないなと思っているので、2連勝して慶應の優勝を阻止したいです。

富山 早稲田はここまで2回戦で決着をつけてきていて、慶應は3回戦までもつれ込んでいるので、早慶戦でどちらに傾くかはすごく気になっています。早稲田の粘り強さを早慶戦でしっかり見せていきたいです。

横田 試合展開的に応援によっては勝敗を分けかねない場面の多い秋季リーグ戦だったと思います。早慶戦も気が抜けない戦いになると思うので、応援に対しては入念な準備を重ねて、胸を張って神宮(明治神宮野球場)で応援を披露したいと思います。

Kさん さっき(富山が)言ってくれましたが、慶應は全て3回戦までもつれていますが、今まで3回戦で勝ち点を落としていなくて、野球部としても應援指導部としても粘り強く勝ち点をつないできました。最後の慶早戦で勝ち点を取れれば完全優勝なので、優勝と2連勝を目指して勝ち切って優勝したいです。

乃坂 ここまで厳しい展開が多かったのですが、野球部も應援指導部も一体になって乗り越えてきたので、それを早稲田さんにもぶつけていきたいです。

富山・横田 (爪を立てて威嚇するポーズを見せる)

一同 (笑)。

――応援企画責任者としてどのようなことに取り組まれてきましたか

乃坂 主に2つあります。1つ目は、主に野球応援に関係することなのですが、コロナの社会状況が少しずつ回復してきたことで、去年や一昨年とはまた違った応援の形態を考えないといけなくなったことです。その中で最大の応援席をつくる、制約はまだありますが、最大限何ができるかを模索し続けた1年でした。2つ目は、どの応援にも関係することなのですが、慶應は今年のいろいろな新しい取り組みをしてきて、ケイスポさんにも取材していただいてきました。伝統は大切にしつつも、殻を破って新しい何かを生み出す取り組みを全体に波及させていくことも頑張ってきました。

Kさん 特に下級生の活躍が光る年だったと思います。今までは上級生主体だったのですが、この1年は下の学年からパワーをもらったり、企画が挙がったりして、応援席でも下級生が引っ張ってくれている場面が多かったので、今年の応援で良かったところだと思います。

木部 慶應の下級生の話と対比する感じになってしまいますが、早稲田は4年生が多くて4年生が頑張ってきたかなと思います。チア(チアリーダーズ)やバンド(吹奏楽団)も4年生が声を出してすごく引っ張ってくれていて。下級生ももちろん頑張っているのですが、特に野球応援では4年生が引っ張ってくれていたと思います。その中でも特に応援企画責任者が引っ張っていたかなと思います。

一同 (笑)。

富山・横田 自分で言っちゃう(笑)。

横田 下級生が頑張って4年生は受け身な姿勢でいるのが例年の構図だったのですが、そうではなくて4年生も頑張る雰囲気はあったと思います。下級生の頑張りありきですが、4年生もかなり爪痕は残したと思います。

一同 おー。すごい。

木部 新しい曲を4年生が作りましたね。コールも使い方を変えたり、守備回で文字切りを多めに入れたりしたのは4年生が雰囲気を作ってきたと思います。

――通常リーグ戦での内野応援復活、早慶戦での内外応援復活と徐々に以前の応援形態が復活してきていますが、どのように感じていますか

木部 運営側からすると結構大変なのが正直なところで。3年生はわれわれはまだ1年生で何が起こっているかも分からない状況だったので、3年後に再びやるのは大変だと感じています。

Kさん 上手くいくことを祈っています。3年ぶりなので楽しみですが、円滑に回るように準備を入念にしないといけないと思います。

木部 下級生は(以前の応援形態を)知らないので、少しでも知っている僕らが(応援を)つくっていかないと思います。難しいですね。

乃坂 応援面で言うと、いくら戻ったとはいってもコロナ前と同じことをしていたら、「この3年間何をやっていたんだ」という話になるので、下級生には「現状維持は怠惰だ」と言っています。やるからにはただの3年ぶりのものをやるのではなくて、前よりもいいものをやらないと意味がないと思っているので、そのような意味での責任感は感じています。早稲田にも慶應にも共通することだと思います。

――早稲田もコロナ以前より良い応援を目指していきたいですか

富山 そうですね、(早慶戦での)内外応援が決まっている状況の中で最大限選手のためになる応援をどうつくっていけばいいのか、3年前のも参考にしつつ今年は今年のやり方を現在進行形で模索しています。

――今日(10月31日)の早稲田でのデモンストレーションはいかがでしたか

乃坂 早稲田がすごく好きなので、来られて(校舎が)きれいで楽しかったです。

一同 (笑)。

横田 ありがとう! ありがとう!

Kさん ほんとにきれいだよね。

富山 早稲田(のデモンストレーション)はたくさん人が来てくれるので、やっている側としてはね(うれしいです)。

Kさん 後ろ坂になってるのよくない?

乃坂 あと後ろの大隈講堂(大隈記念講堂)も。

一同 (笑)。

木部 確かに。

Kさん 立地が、環境がすごくいいですね。

木部 いっぱい人が来てくれたので良かったです。慶應も応援指揮ができたのも良かったです。あとは稲穂祭実行委員長として稲穂祭の宣伝をたくさんしたので、(稲穂祭に)たくさん人が来てくれたらいいなと思います。

Kさん あと早稲田のチア曲(バンド演奏曲『Troublemaker』)すごかった。

木部 確かにすごかったね。

Kさん ほんとにすごかった。

横田 ありがとう! 慶應が沸いてるなって思ってニヤニヤしてた(笑)。

乃坂 「やば!」って言ってて(笑)。

横田 めっちゃ盛り上げてくれた(笑)。

――11月3日の日吉でのデモンストレーションはどのようなものにしていきたいですか

Kさん 早稲田くらい人が来てくれるように告知を頑張っていきたいです。

乃坂 人生最後のデモンストレーションだと思うので、見に来てくださった方全員に喜んでいただいて、早慶戦に行きたいと思っていただけるようなものを早稲田と一緒につくっていきたいです。

富山 私、練習があって日吉行けなくて…

Kさん そっかぁ…

富山 頑張ってきてほしいなと思います。

Kさん お疲れ様です。

富山 ありがとう! お先に(笑)。

横田 春に日吉でデモストをやらせていただいた時に人があまりにも多くてびっくりしました。早稲田は一カ所でしかやらないのですが、慶應は三田と日吉で大きく分かれているのにすごくたくさんの人がいたので、アウェー感を出さないように、あたかもここがホームみたいな感じで早稲田が盛り上げていきたいです。

木部 春の日吉は授業があって行けなかったので、最後の日吉は大暴れして終わりたいと思います。

一同 おー。(拍手)

横田 言っちゃったね、言っちゃった(笑)。

――富山さんは、最後のデモンストレーションを終えて感想はいかがですか

富山 デモストは六大学(東京六大学)でやっているのですが、初めて参加したデモストが慶應とのデモストだったので、目の前にたくさんのお客さんが来てくれたのが純粋にうれしかったです。あとは早慶戦の日程が早稲田祭とかぶっているのですが、今日のデモストを見て1人でも多くの人が早慶戦に行こうと思ってくれたらうれしいです。

――秋季リーグ戦応援の話に戻ります。早稲田はこの秋から新応援曲『暁』が登場しましたが、応援に与えている影響は大きいですか

富山・横田 影響は大きいと思っています(笑)。

富山 吹奏楽団としては、指揮の吉田多映子(教4=大阪・早稲田摂陵)が作曲してくれたのですが、吹奏楽団内で『暁』のサインが出ると「よっしゃ! 吹いてやるぞ」みたいな気持ちになるので、部内が一つにまとまれるという意味でもいい曲だと思います。

木部 良かった。

横田 チアも同じような感じで、『暁』のサインが入ると「きたきたきた!」みたいな感じになりますし、それは木部のサインの塩梅がうまいというのはありますね。

乃坂・Kさん おぉーー!!

横田 (曲を)入れなさ過ぎても浸透しないと思うので。でも入れ過ぎてもプレミア感が出ないので、そこの塩梅は彼(木部)の裁量ですね。うまくやってくれています。

木部 ノリで出していますね(笑)。そもそも新しい曲なので、インパクトがあって雰囲気を変えられる力があると思います。曲も長めなので、ずっと盛り上がれますね。慶應の『朱雀』もそのような感じですね。球場もすごくいい感じの雰囲気になっていると思うので、良かったです。

Kさん 三田のデモ(デモスト)でも使ったよね。

木部 使った使った。

Kさん 三田のデモで流れててめちゃくちゃテンション上がりました。

横田 うそ!?

木部 良かった。

Kさん あの曲かっこいい。

横田 よし。

富山 吉田が喜ぶよ。

木部 吉田に言っとかないとね。

後編は慶應スポーツ新聞会ホームページでご覧ください!

(取材・編集 早稲田スポーツ新聞会 横山勝興、慶應スポーツ新聞会 長沢美伸)

対談終了後、集合写真に納まる5人

◆木部昌平(きべ・しょうへい)

埼玉・昌平高出身。早稲田大学教育学部4年。早稲田大学応援部所属。役職は応援企画責任者兼稲穂祭実行委員長。好きなワセメシは「武蔵野アブラ学会」の油そばだそうです!

◆富山智恵理(とみやま・ちえり)

埼玉・早大本庄高出身。早稲田大学政治経済学部4年。早稲田大学応援部所属。役職は応援企画責任者。好きなワセメシは「図星」の油そばだそうです!

◆横田奈々(よこた・なな)

東京・明治高出身。早稲田大学教育学部4年。早稲田大学応援部所属。役職は応援企画責任者。好きなワセメシは「金城庵」で、つい最近カツ丼を食べて早慶戦への願掛けをしてきたそうです!

◆乃坂龍誠(のさか・りゅうせい)

慶應義塾大学法学部政治学科4年。慶應義塾大学應援指導部所属。役職は応援企画責任者。好きな日吉キャンパス近くのグルメは「王将」のお好み焼きだそうです!

◆K

慶應義塾大学法学部政治学科4年。慶應義塾大学應援指導部所属。役職は応援企画責任者。好きな日吉キャンパス近くのグルメは「ひようら」(日吉商店街)の「ド・マーレ湘南」のパスタだそうです!