稲穂祭・早慶戦直前特集『承け継ぎて輝く』【第二回】江渕太朗代表委員主務×西田健太朗新人監督×小林昭雄リーダー会計責任者×入鹿山航也広報責任者×髙橋幸太リーダー練習責任者

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 第二回に登場するのは、江渕太朗代表委員主務(文4=東京・海城)、西田健太朗新人監督(教4=愛媛・愛光)、小林昭雄リーダー会計責任者(社4=東京・早実)、入鹿山航也広報責任者(国教4=東京・早実)、髙橋幸太リーダー練習責任者(教4=茨城・竜ヶ崎一)の5名。最後の野球応援の季節を迎えた5人に、これまでの4年間を振り返っていただき、最後の稲穂祭、早慶戦に懸ける思いを語っていただいた。

※この取材は10月26日に行われたものです。

4年間の思い出が蘇る

4年間を振り返る5人

――この1年間で印象的だった出来事はありますか

西田 僕が印象的だったのは令和4年の夏季合宿の最後の地獄巡りですね。6時間くらい走ったんですけど、リーダー練習責任者が練習を決めるんですけど、「長くね?」ってめっちゃ思って。だけどしっかり下級生も全員でやり切ってくれたのが一番印象的で。新人、2年生、3年生、4年生が全員で最後まで誰もケガなしにやり切れたのが一番の思い出かなと思います。

小林 自分が印象的だったのは、1月の初めての陸トレですね。その時に主将(齋藤巽代表委員主将、教4=青森)の前に人が来ちゃうかもしれないので、歩行者が来ないかどうか先導をやらせてもらっていて。下級生の勢いやすさまじい覇気を見ながら、「自分たちはこれをやってたんだ」っていうふうに思って。3年間すごく一生懸命やってたし、一生懸命やれている自信もあったんですけど、客観的に見て本当にすごいことをやっているんだなっていうふうに今年度の初めに感じられたのはすごく良かったです。下級生には自分がやっていることを自信に思ってやってほしいなと思いました。

一同 (笑)。

小林 めっちゃ真面目だなぁ。

西田 めっちゃ真面目(笑)。練習の話は髙橋に言ってもらえば良かったなぁ。ミスったなぁ。俺もう一回いい?

小林 いいよもう(笑)。長くなっちゃうからね。

西田 練習は僕たちじゃなくて、髙橋と齋藤が主に決めていて。

髙橋 じゃあいいですか?

西田 もちろん。

髙橋 西田のに付随して、今年の夏合宿の地獄巡り。 一番最後の走る練習は長かったですけど、そこでリーダー新人の2人が意識を失いながらも2、3年生に励まされて頑張ったりとか、最後までやり切ったっていうのが個人的にはすごく印象に残りました。こんな感じで大丈夫ですか?

小林 大丈夫。

入鹿山 聞かなくていいんだよ。

西田 新人の人数がめっちゃ少ないんですけど、その中で頑張ってくれたのはすごいですね。あと髙橋は普段はこんな感じじゃなくて、練習とかでは一切笑わないので。

髙橋 普段は直立不動で止まってるって感じですね。

西田 髙橋はこの部屋(部室)だと明るいんですけど、外出たら暗くなる役職ですね。

入鹿山 部屋でも明るいわけじゃない。

髙橋 俺友達がいないからだよ(笑)。

小林 そういうのも載っちゃうよ(笑)。

西田 入鹿山いこう。

入鹿山 4年になった時の箱根。行ってないけど。

小林 動画撮影ね。

入鹿山 4年になったなぁって実感がだいぶあった。

髙橋 それはそう。

西田 『仰げよ荘厳』ね。

入鹿山 4年になったなぁって思いましたね。それこそこいつ(髙橋)の「真面目にやんなきゃ」みたいなのが、その時一番強かったね。

髙橋 そんなこと言ったっけ?

入鹿山 ステージの右上の方の席でずっと仁王座りしてた。

髙橋 ずっと座ってたやつね。

西田 じゃあ太朗ちゃん(江渕)。

江渕 本当は合宿って言いたいんですけど、合宿は2人から出たので、秋リーグ(東京六大学野球秋季リーグ戦)のこの前の立教1回戦ですね。逆転したのは良かったかなと思っていて。勝ち越されたあと、すぐに追いつけたのも良かったですし、勝ち越された時に応援席が静まらなかったのが、夏合宿とかこの1年を乗り越えてきた成果が出たのかなと思います。

西田 そしたら僕もいいですか。

一同 おう。

西田 通常リーグ戦で入鹿山くんの学注(学生注目)があったんですよ。

髙橋 「RIKKIO」のやつね。

西田 そうそう。「スペル間違ってるだろー!」って言ったあとに「氣合入れていくぞ!」とか何も言わないで「元気良く応援歌」って始めて。入鹿山くんのそういうの結構好きですね。入鹿山くん例えば…

髙橋 くん付けするんだね。

西田 入鹿山は例えば、学注で「ごめんなさーい!」からの「元気良く」って始めて。よく分からないんですけど、それが結構好きで。入鹿山くんの学注が一番ですね。入鹿山くんの学注は春からすごいですね。ハリセンをつなげてでっかいハリセンを作って、それで仰ぐっていう謎学注をしたんですけど。僕それが一番大好きです。

小林 (笑)。

入鹿山 西田の学注で一番面白いのはマジックぽいので、粉と水を混ぜて固まるっていうものが固まらずに全部落ちてきちゃって。それは傑作ですね。

西田 一番怒られたやつ。

江渕 水と粉が落ちないで、「これで流れも落ちない」みたいな学注をしようとしていたら、混ざり切らなくて雪みたいになってドロドロの状態になってて。

西田 イルカ(入鹿山)そういうのやめて。

小林 あれ面白かったね。大失敗だったね。

西田 次行きましょう。

小林 あの時めっちゃ怒られてたよね、お前(笑)。(当時の写真をスマホで見せる)リハーサルもちゃんと何回かしたみたいなんですけど。

江渕 普通に大失敗をしたっていう。

西田 同期から怒られましたね。

髙橋 木部(昌平応援企画責任者兼稲穂祭実行委員長、教4=埼玉・昌平)がめっちゃ怒ってたよね。

小林 怒ってたよ。

西田 次行きましょう。

髙橋 秋で取り返せばいいんよなー。

西田 優しい、髙橋さん(笑)。

――4年間を振り返って思い出に残っていることはありますか

西田 じゃあ僕いいですか?

髙橋 何でもしゃべるやん。

一同 (笑)。

西田 4年生になってから「火曜球場」(火曜に東京六大学野球リーグ戦の試合があり、応援活動を行うこと)があって。その時に2年生でケガ人が出ちゃって、結構厳しい役職のリーダー練習責任者が校旗付きをやるっていう。普段だったら絶対味わえないんですけど、学生注目をチアリーダーズもやっていて、いつもとは違った感じで印象的でしたね。

江渕 4年間で一番?

西田 一番じゃない(笑)。

小林 やっぱ新人の夏合宿じゃない?

西田 そうだね。

髙橋 俺その時いなかったんだよね。

西田 僕たち学年でみんなで写真撮る時に誰かしら絶対いないんですよね。

小林 絶対いない。

西田 4年生の夏合宿も入鹿山欠けてて、新人の夏合宿も髙橋と齋藤がいなくて。そんな感じでいつも10人そろわない。

髙橋 申し訳ないね。

小林 稲穂祭で10人の写真をパンフレットに載せたかったりするんですけど、写真がないから8人とかになっちゃう。

江渕 4年になって1人増えたみたいなね。

一同 (笑)。

江渕 新人の夏合宿は良かったよね。

入鹿山 一番きつかった。4年間で。

髙橋 一番きつかった?

小林 それは違うでしょ。

西田 いや、きつかったよ。

小林 それはあんた違うでしょ。

髙橋 それはあんた違うでしょって(笑)。入鹿山が俺の上におんぶで乗ってて、おんぶの上って割と楽なはずなのに、「髙橋、俺もう無理だよ」って泣き始めたのがね。

入鹿山 こいつ(髙橋)が上裸なんですよ。上半身に服を着てなくて。

髙橋 服を破って「自分は強い」みたいなのをアピールしたあとに、入鹿山がおんぶで上に乗ってて。

入鹿山 持つところがないんですよ。

髙橋 上で入鹿山が泣き始めて、「お前が上で泣いてんじゃねぇ!」って怒ったのはあったよね。

西田 説教みたいになってんじゃん(笑)。

入鹿山 (泣いたのは)俺は覚えてないから。

髙橋 そっかぁ。

西田 入鹿山はすごくて…

入鹿山 俺の話ばっかじゃん。

一同 (笑)。

西田 部屋食(合宿で体調不良者などが部屋で食事をすること)っていうのがあったんですけど、入鹿山は1回も部屋食にならなかったんですよ。ずっと毎日食事に出てきて。小林も僕もだけど。

髙橋 髙橋1回部屋食になったのよ。階段で歩けなくなって。

西田 この4人(江渕、西田、小林、入鹿山)が1回も部屋食にならなくて、体の強いメンバーですね。

小林 合宿って1班から8班くらいまで班があって、新人から4年生まで分けられているんですけど、倒れて弱い姿を見せたくなかったですね。

江渕 夏合宿は新人の時は無我夢中で何も分からずにやっているんですけど、最後の地獄巡りを乗り越えた終わり際に主将の下田さん(隆博氏、令2政経卒=東京・早大学院)が泣いているのが見えて。いつも厳しかった人が頑張りを認めてくれたってところで感動して、「応援部入って良かった」って思いましたね。まとまりましたか?

一同 (笑)。

小林 まとまったまとまった。

西田 髙橋発言した?

入鹿山 ギバちゃんが来たやつは?

一同 (笑)。

西田 担々麵のところでしょ?

髙橋 新人の時に4年生に「お前ら頑張ったな」って言ってもらって担々麵を食わしてもらっていたんですけど、その時に俳優の柳葉敏郎さんが来て。

西田 これ本当なんですよ。

入鹿山 地元だったんだっけ?

西田 等身大のパネルがホテル内にあって。秋田県なんですけど。

――2年生の時にコロナ禍を迎えましたが、振り返っていかがですか

西田 コロナ前を知っているのは僕たちだけなので、2年生の時はそこまで考えていませんでしたが、4年生になった時に、観客と一緒に応援することは僕たちしか知らないので、それを下級生に引き継ぐのが難しいとみんな思っているみたいです。

髙橋 いろいろな部分での継承は難しかったところかもしれないですね。

西田 陸トレもコロナになってから全然できなかったんですよ。陸トレも昔は週に1回、多い時は週に何度もやったりしていたんですけど、それができなくて。練習のスタイルも変わってきたと思いますね。

江渕 われわれの当たり前と、1個下、2個下が思っている当たり前は結構離れているかなと思っていて、それのすり合わせは大変なのかなと思います。

小林 モチベーション(を保つこと)も大変なのかなって思っていて、1個下、2個下はただ練習をしているだけで応援がない時期もあったりしたので、やめずについてきてくれてありがたかったですし、去年くらいから実際の応援の実感を伝えられて良かったですね。やってきた意義というのが伝えられましたね。

西田・江渕・髙橋 いい話。

小林 (笑)。よし。

西田 入鹿山どう?

入鹿山 いい話求めてないって。

小林 いやいやいや。

入鹿山 コロナの時のこと覚えてなくない?

西田 2年生の6月頃から練習ができるようになったんですよ。みんなの顔を見て「久しぶりだな」って思いましたね。

小林 あれ楽しくなかった? 西田の家の近く行ってさ。自分と西田の家が近くて、近くの公園で一緒にランニングしたんですよ。

西田 久しぶりに会った同期とは「おー!」ってなりましたね。

髙橋 1年生時代毎日同期と会っていたからこそ、2年生になって同期と会う機会は貴重でしたし、同期の大切さっていうのがね。

西田 真面目(笑)。

髙橋 あるでしょ!

入鹿山 ないないない!

髙橋 俺めちゃめちゃうれしかったよ。

西田 結構印象に残っているのが、髙橋も付随して2年生の9月頃になって1年生の勧誘をしていて、初めて1年生とZOOMで対面したときですね。1人シンガポールから来たやつがいて。海外から来た人は応援部で初めてだったので、1個上と話し合ったりもしましたね。

江渕 オンラインでの指導も多くて、伝えるのも大変でしたね。

髙橋 大変だったね。割と考えたしね。

西田 応援する意味とかリーダー練習も考えさせられて。「こんな話意味あるのか?」って思うこともありましたけど、上になってから分かることもありましたね。

入鹿山 新人時代は長かったね。

髙橋・小林 長かった。

西田 早く上に上がりたかった。

入鹿山 コロナで(新人が)入ってこなかったから。9月とか10月とか。

西田 新人時代が1年6カ月くらいあったね。

江渕 (2年生の)最後に(秋季リーグ戦で)優勝できたね。

西田 最後優勝できたのは良かった。

江渕 うれしかったよ。最後宮川さん(隼氏、令3人卒=千葉・稲毛)が「コロナの代じゃなくて俺たちを優勝の代にしてくれた」って言ってて、「良かったぁ」って思った。

西田 入鹿山楽しんでた?

入鹿山 (笑)。

西田 入鹿山が優勝を楽しんでたのが一番の驚きです。これは記事にしてください。

――数々の行事の復活についてどのように感じていますか

西田 一番は今年、合宿が復活したので、それはほとんど江渕がやってくれたので江渕にお願いします。

小林 今日は西田よく話すなぁ(笑)。

江渕 合宿が復活できたのはだいぶ大きかったかなと思います。そこでみんなで宿泊してみんな同じ団体に所属しているのだなという意識が強まったと思いますね。

髙橋 それはそうね。

小林 合宿の総括がそれなの? 別にいいけど(笑)。

江渕 あとは『六旗』(『六旗の下に』)やデモストも復活して、直接反応がもらえるので純粋に嬉しいね。

髙橋 自分が前に立ってセンターリーダーをやれるしね。応援部のリーダーに入部したきっかけって自分が目立ちたいだとか、自分が前に立って観客を沸かしたいとか、そういうことって多いんですよね。そういうところが、僕自身もそうだったんですけど、実際に学生の皆さんの前に立てて、本当にうれしかったなというのはあったと思いますね。

西田 春の早慶デモストがあったのですが、その時に本当にたくさんの人がいて、その時に初めてコロナが収束しかけていることの実感がありましたね。

髙橋 西田かっこいいからね。

小林 デモストに関しては正直、自分たちが新人の頃はあんなにお客さんが全然いなかったというか、状況は元に戻ったと言われるかもしれないですけれど、自分たちから見たら断然状況が違っていて。本当に来てくださる方とか興味を持ってくださる方にすごく感謝していますね。

髙橋 観客が目の前にいるというのは本当にうれしいよね。

西田 この前の髙橋の学注本当に面白かったんですよ。この前の秋の東大のデモンストレーションで。

髙橋 全然面白くないよ、別に。普通のことしか言ってないよ。いつも球場で「氣合入れていくぞ」しか言ってないからね。

西田 それは髙橋のキャラ的なものだからね、仕方ないのですがね。

入鹿山 仕方ないわけではないでしょ。

小林 こだわりだよね、それは(笑)。

西田 あと今年は各種応援も、今までは数人しか派遣できなかったことが多かったんですけど、早慶バレー(第86回早慶バレーボール定期戦)とかも観客の中で一体となってやるとかできて応援も変わってきて。新歓期も変わったなと思っていて、今まではビラ配りがダメだったところが今年は大丈夫になったとか。あとは入鹿山の「角帽復活プロジェクト」もあるしね(笑)。

一同 (笑)。

小林 コロナ関係ない(笑)。

入鹿山 関係ないでしょ(笑)。

西田 練習は陸トレもできるようになったよね。

髙橋 それはうれしいね。

入鹿山 陸トレは他大学に行くやつ良かったよね。

西田 新人の時にやってたやつ?

入鹿山 そう。行きたいね。

髙橋 慶應行くか。

――今年度の全体の年間目標が『原点』ですが、それぞれにとっての「原点」とはどんなものですか

西田 難しいね。

西田 「原点」は応援で、応援というのは観客の声を引き出して、それを一緒に選手に届けるというのが応援のそもそものスタイルだと思うので、そこに戻りつつあるのかなと思います。

髙橋 僕の「原点」は割と、かっこいいリーダーになりたいなみたいなことは下級生時代からずっと思い続けてきて、そのために人としてどうあるべきなのかなみたいなことを考えてきて。かっこいいリーダーというのを2年、3年からずっと追い求めてきたみたいなところはありますね。

西田 かっこいいリーダーはやっぱり新人の時とかにこの人かっこいいとか思うことはあるんでね。

下級生への期待

下級生について語る西田(右)と髙橋

――下級生への応援への取り組みはどのように感じていますか

西田 一つ思うのは、最初はみんな観客の目を見ることも苦手でしたし、観客と話すということすら今までの応援になかったので、そういうのが段々と着実できてきているのかなと思っています。僕たちが新人の頃によく言われていたのが、試合前にはハリセンを観客一人一人と話せということで、「とにかくリーダーは観客とコミュニケーションを取って応援を引き出せ」みたいなことをずっと言われていたので、それが段々とできてきたのかなと思います。これはリーダーだけの話なんですけど、3パートみんなができるようになったらもっとより良い応援になるのかなと思います。

入鹿山 少し真面目なことを言うと、3年生は特に個性が出てきましたね。練習中もそうだし、応援中を見ていてもそうだけど、なんとなく自分の中で芯があって、そこを譲らずやってくれていることが素直に喜ばしいですね。

西田 3年生で練習を仕切る役割があるんですけど、それを見ていてもやっぱり人それぞれ練習の雰囲気も全く違いますし、1年生、2年生も雰囲気が違って個性が出てきたのは面白いなと思いますね。

髙橋 前回練習できなかったこととか、今まで言われていたことが直ってきて、自分たちで考えてこうしているんだなとすごく分かるようになったので、そういう時に下級生の頑張りを感じますね。応援の時も、下級生が今までとは違うことをして、観客どうやって巻き込むか、部員をどうやってまとめていくかを工夫してやっているなとはすごく感じます。でもまだまだですね。

江渕 3年は個性が強いけどまとめること、発信することは苦手な代なのかなと思っていたんですけど、最近はだいぶ上手くなってきてまとめてくれているのでいいかなと思います。2年もいろいろと大変な時期にいると思うんですけど、頑張っていて個性が強くなってきたので来年が楽しみかなと思います。

西田 野球応援とかで一緒に2年生とやっていると面白いんですよね。一緒に拍手とかしていてもめちゃくちゃ盛り上げてくれるので、4年生とか3年生が働きかけなくても、2年生も盛り上げてくれるので単純に楽しいです。

江渕 2年は良い感じで上級生を舐め始めてきたというか。あまりに協調していると個性が出てこないので。

西田 練習はしっかりやってほしいけれど、応援は一緒にやるんでね。

江渕 いい感じに舐めて欲しいのですが、それが2年はできてきましたね。2年生はよく頑張っています。

西田 新人については、ぶっちゃけ言うと、何も覚えられないしどうしようもないやつなんですけど、めちゃくちゃ頑張る姿勢はピカイチなんですよ。他パートにも負けてないですし、どの2、3年生にも負けてないんです。できないやつではあるんですけど、頑張る姿勢は誰よりもかっこいいですし、「時々こいつ何やっているんだ」って思うことはあるんですけど、それでもめげずに頑張っています。1年生は今1人しかいなくて、2年生は8人いて、どう考えても1人は辛いんですよ。その環境でひたむきに頑張ってくれているのは本当にうれしいですし、本当にかわいいやつですね。

髙橋 頑張っているよね。

西田 できないやつなのですが本当に努力家なので、僕たちはあと2、3ヶ月で引退ですが、それ以降には今までの辛さが生きてくるのではないかと思います。練習中に4年生みんなが1年生のことを見ているんですよ。普段、1年生は4年生に見られることは少ないですけど、全員がちゃんと見てくれているので、この代は新人に対して良い代だなと思います。

小林 自分は良かった時はけっこう褒めているタイプなので、正直まだまだかなと思います。自分たちがいなくなったら大丈夫なのかなと思っています。各種応援とかで見ても、まだ向こうの競技のルールを分かっていないで応援に来てしまって、正直失礼だと思いますし、そういうところとかも含めて本当にまだまだ応援には楽しさがあってもっともっと出来ると思うので、キャパシティが今はオーバーしていてなかなか一つ一つに取り組めていないと思うのですが、もう少し慣れてくれば出来ると思うので頑張ってほしいですね。

――下級生に何か期待したいことはありますか

入鹿山 笑わせてほしいですね。

髙橋 それはそう。

小林 早慶戦ではね。

髙橋 練習がみんなめちゃめちゃ真面目で、もっと好きなことしていいし、もっとふざけていいし、好きなことしてバーンみたいな感じが欲しいんですけど、みんなめちゃめちゃ真面目なんですよね。そうじゃなくて路線を逸脱するような人が欲しいですね。

西田 神宮でももっと、特に新人には暴れてほしいですね。責任とかは4年生が取るので。

髙橋 何でもしていいからな。

西田 何でもしていいんですよ。

入鹿山 そういうので怒りたい。

西田 4年とか3年がはっちゃけても皆からするとハッてなっちゃうので、新人と2年は何をしてもいいんです。犯罪以外ならなんでも。

小林 せっかく自分たちが4年生で、どちらかというと(下級生は)はっちゃけられると思うんですよね。だからもったいないなと。やってみてもうちょっと「やめなさい」って言われた方が面白いし。自分たちはそっち側だったから。

西田 真面目にやっているのは分かるんですけど、もっとはっちゃけて、本当に入鹿山が言っていたことに尽きるんですけど笑わせてほしいなと。それは真面目に頑張るのが前提なのですが、笑わせてほしいですね。

髙橋 「俺たちは何でもしていいんだぞ」という熱気を持って、そのぐらいの思いを持ってきてくれるといいなと思います。真面目だからね、みんな。いい子なんですよ。「それ正解だよね」みたいなことはめちゃくちゃしてくれるんですけど、もっと逸脱して「お前それはやっちゃいかんだろ」、みたいなことをやって欲しいですね。

西田 怒りたいんよ、それで。

髙橋 怒りたいわけじゃないよ。

西田 いやいやそれ何してるんだ、って言いたいんでしょ。

小林 いやそういう話じゃないでしょ。

西田 でも言いたくない?

入鹿山 それだったら新人もやりたくないよ。

西田 「ほどほどにしとけよ」みたいなのあるじゃん。

入鹿山 「コラコラ」ってね。

髙橋 「コラコラ」が言いたいんだよね。

西田 そうそう。他パートからは怒られたけどリーダーはオーケーみたいな。

最後の秋を見つめて

秋季リーグ戦応援への思いを語る小林

――東京六大学野球秋季リーグ戦(秋リーグ)にはどのような思いで臨んでいますか

髙橋 正直下級生頑張れみたいな。下級生の頑張りがわれわれの養分って言ったらあれですけど、下級生の活力で「われわれもやんなきゃな」っていうのがすごい生まれてくるっていうのはありますね。下級生の頑張りだよな。

小林 真面目になっちゃうなぁ。

髙橋 真面目になっちゃうけどね、下級生の頑張りがね。

全員 (笑)。

髙橋 試合に勝っても負けてもやっぱり下級生がいかに頑張ったかみたいな。「こいつらよくやってんな」みたいなのがやっぱりね、一番なんだよね。でもこれ下級生に聞かせたくないね。

西田 でも一緒に太鼓とか拍手を全力でやって、それで点数を取ったって思えるような応援にしたいなっていうのはあります。ただただ野球部任せじゃなくて、自分たちの拍手とか声とかで点数を取れたって言えるくらい頑張ってほしいなっていう環境作りをけっこうしています。

西田 入鹿山はなんかないの? 

入鹿山 えー。やっぱ優勝したい思いはあるんじゃない? 

髙橋 優勝したいもんね、実際。

西田 あるよあるよあるよ。入鹿山熱いなぁ。

入鹿山 オープン戦でも野球部が調子良くて、いよいよ優勝かと。

西田 そんなに優勝こだわってるんだっけ? 

髙橋 かわいいなぁお前。

小林 去年の前期の応援企画補佐だからね。

入鹿山 というのもありつつ、内野に移ったことにより、学注(学生注目)が大勢の目にさらされるというのは一つ。

髙橋 あるね。それは一つあるわ。

西田 入鹿山ほんといいこと言うないつも。

入鹿山 西田がいつも試合前に言ってることだよ。

西田 いやそんなこと言ったことないだろ試合前に(笑)。次は江渕ちゃんじゃない?

江渕 入鹿山がもう全部言いたいこと言ってくれたような。

西田 すごいな入鹿山やっぱり。

髙橋 優勝したいよねやっぱりね。

江渕 あんまりそんな特段意識はしていなくて、勝つためにどうやって応援をしたらいいんだろうってことは(考えています)。

西田 かっこいいなぁ。

髙橋 かっこいいよなぁ。かっこいいのよ。

西田 じゃあ小林ちゃん? 

小林 いやー真面目になっちゃうなあ。

西田 いや、いいんじゃない。

小林 本当秋リーグに関しては自分が優勝したいとか、けっこうOBの方で4年生で優勝したかったと残される方もいるんですけどそういうふうに思ってるわけじゃなくて。昨年後期に応援企画補佐っていうのをやらせてもらって、井上(皓介副将兼旗手、法4=東京・早大学院)と木部と一緒にやってたんですけど、そこで優勝できなくて本当に悔しくて、その時は全部員泣いてたと思うんですけど、そういう思いは下級生にさせたくない思いはありますね。

髙橋 そりゃそうね。勝ちたいなって思いはあるよね。

小林 そう、一生懸命やっているのは分かってますし…。

入鹿山 そうだねぇ。

小林 (笑)。その思いは優勝ってかたちで下級生に戻ってくれたらいいのかなっていうふうに思っています。

髙橋 下級生がやっぱ一番、ね。

西田 下級生主体なので、応援部は。それはそう思います。

――実際の秋季リーグ戦を振り返っていかがですか

西田 反省点ではないですけど、よく出ているのが、学年ごとにバラバラになっちゃってるっていうのはけっこう挙がっています。あとリーダー練習でやったことが生きていないというのは、髙橋とかを中心に反省で共有していて。そうやって練習と乖離(かいり)しているっていうのと学年ごとに乖離(かいり)しちゃっているというのが悩みで、それは今度練習があるんですけど、そこで直して早慶戦に挑めればなというのは髙橋も思っているんじゃないですかね。

入鹿山 すぐじゃなかった?

小林・西田 あっという間だったね。

入鹿山 春よりもあっという間な気がしない? 

西田 だけどけっこう反省点が浮き彫りになってるよね。

髙橋 やっぱり応援部を動かしているのは4年のようで3年が実際には動かしているところも多いし、気持ちの部分も3年が動かしているところが多いかなと思うので、3年生がやっぱりどう引っ張って「俺たちがこうしたいんだ、俺たちが絶対に勝ちたいんだ」っていう思いを持って練習や応援に臨んで、実際に3年生の力でどうにかしてくれるっていうのは、「これが一番うれしいんじゃないか?」と思うんですけれども。

西田 応援とか3年生が要項とか流れとかを決めているので、4年生はそれに従っているだけじゃないですけど、動いているだけなので。

髙橋 4年生だから一番強い思いを持って応援に臨むってことなんだけどね。

江渕 春からずっといろいろ課題は上がっていた中で、さっき言っていたのと重複しちゃうんですけど、立教戦の応援っていうのはすごい良かったかなと。

髙橋 そうね、良かったね。

江渕 もちろん課題はあるんですけど、その中でも3年も2年も全員頑張っていて、一個結果が出たというところで、下級生には自信を持ってもらいたいなと思います。

――先ほどから上がっている課題というのはどういったものですか

江渕 課題はすごく話すと細かくなっていってしまうんですけど、3年生の全体としてのまとまりがないだとか、実際の試合展開に即して盛り上がりがつくれないとかっていうところで、いろいろあります。そこは一個一個ちゃんと丁寧に向き合っていってくれていた結果なのかなと思います。

小林 リーダー自体はもうちょっと上がってきてほしいよな。これは自分が常に秋リーグで言っている課題なので、他パートはもっと頑張ってると思っていますし…。

髙橋 リーダーも頑張ってるよ。

小林 頑張ってるかもしれんけど、昨年から比較しちゃうとやっぱり全然まだまだです。もっと行けるよ、リーダーは。

――稲穂祭への意気込みをお願いします

西田 これはやっぱりね、後期稲穂祭実行委員の入鹿山さんからお願いしたいねこれはね。

入鹿山 お前もだろ。

西田 俺もそうだよ。

髙橋 人とはやっぱり懸ける思いが違うからねぇ。

入鹿山 対面開催なのと、野球部は実際来ていただけるので、それこそ今まではステージっていう色が強かったと思うんですけど、ちゃんと野球部を応援する場にもなるのかなと。そこは頑張るポイントかなと思います。

西田 江渕言っとく?

江渕 入鹿山が言ってくれたことが全部その通りで。

西田 すごいな入鹿山。

小林 お前自身はないんか。

江渕 対面開催っていうところで応援部が本来持っている力強さとか、人を応援して勇気づけられるところとかっていう本来持っているものを少しでも伝えられたらなと思っています。

西田 僕もかっこいいテクを振りたいですね。

――では最後に、早慶戦への意気込みをお願いします

西田 一人ずつちゃんと言っていこう、これ最後だから。本当に僕は全力の拍手と連打だと思っています。

髙橋 われわれが頑張るっていうのももちろんなんですけど、やっぱり今まで頑張ってきたリーダー下級生がもっと「俺たちが決めるんだ」「俺たちが勝たせるんだ」っていう思いを持って早慶戦に臨んでくれるっていうのが本当に一番なんじゃないんですかね。

入鹿山 リーダーとしては早慶戦で一区切りになるので、ここで全学年次のステップに行くことになるので、次のステップに行く上で、悔いなく終われればいいかなと思います。

江渕 とにかく優勝っていう結果を求めてやっていきたいかなと思います。

入鹿山 本質じゃないよね。

西田 本質なんじゃないの? 

髙橋 結果が大事? やっぱ。

小林 大事は大事よ。最後は誰よりもやるってだけですね。リーダーって誰よりもやるっていうパートだと思ってますし、新人の時一番なのはミスとかそういうことじゃなくて誰よりもやるっていうところなので、それはもう最後でも同じで。下級生の課題がどうとか下級生がどうとか、試合展開がどうとかじゃなくて、とにかく勝ちにこだわって全力で応援したいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 荒井結月、横山勝興、濵嶋彩加)

稲穂祭、早慶戦に向けた目標を書いていただきました! 戦いの舞台はもう間もなくです!

◆江渕太朗(えぶち・たろう)

1999(平11)年4月16日生まれ。東京・海城高出身。文学部4年。役職は代表委員主務。好きな応援歌は『吼えろ早稲田の獅子』だそうです!

◆西田健太朗(にしだ・けんたろう)

2000(平12)年2月21日生まれ。愛媛・愛光高出身。教育学部4年。役職は新人監督。好きな歌は早稲田大学校歌3番だそうです!

◆小林昭雄(こばやし・あきお)

2001(平13)年1月16日生まれ。東京・早実高出身。社会科学部4年。役職はリーダー会計責任者。マイブームはファミレスで課題をやることで、好きな歌は学生歌『フロンティアの詩』だそうです!

◆入鹿山航也(いるかやま・こうや)

2000(平12)年8月2日生まれ。東京・早実高出身。国際教養学部4年。役職は広報責任者。マイブームはカレーで、好きな応援歌は『大地を踏みて』だそうです!

◆髙橋幸太(たかはし・こうた)

2001(平13)年3月25日生まれ。茨城・竜ヶ崎一高出身。教育学部4年。役職はリーダー練習責任者。マイブームは半袖ポロシャツを着ることで、好きな歌は応援歌『天に二つの日あるなし』と応援曲『魁』だそうです!