受験生にエールを届ける! 3年ぶりの対面オープンキャンパスステージ

応援

 早稲田大学では、8月6日にオープンキャンパスが行われ、応援部はステージを披露した。3年ぶりに来校型でオープンキャンパスが実施され、受験生を迎えた応援部。歴史ある大隈講堂で応援曲を次々と披露し、早稲田を志す受験生を鼓舞した。

 ステージの冒頭、壇上に上った司会のリーダー3年生により、センターリーダー紹介や学注(学生注目)で入れる合いの手を手拍子2回とするように指導が行われた。感染対策を講じながらも伝統のステージを実現するための試みである。ステージは第一応援歌『紺碧の空』で幕を開けた。早稲田を象徴する一曲に、観客もハリセンを叩いて拍子を取る。玉城大基学生誘導対策責任者(基理4=沖縄・昭和薬科大付)は、開幕にふさわしく、はつらつとした声とテクでセンターリーダーを全う。「早稲田へようこそ受験生」の文字切りで受験生を歓迎した。続いて壇上では校旗の掲揚が行われる。今回掲揚されたのは、平成30年に新調された新黎明旗。臙脂(えんじ)に染まった校旗がそびえ立つさまに、初めて校旗を見たであろう受験生も目を奪われた。校旗が降ろされると、今度はチアリーダーズが演技を披露。受験生の合格を願って選曲した『サクラ咲ケ』に合わせて、スタンツやトスを続々と成功させ、客席を沸かせる。お茶の間でなじみのある楽曲に観客も手拍子で応え、リズムを作り出した。

『サクラ咲ケ』でスタンツを続々と成功させるチアリーダーズ

 ステージも中盤に突入すると、『大進撃』『スパークリングマーチ』『コンバットマーチ』による受験生応援メドレーを披露。メドレー中の学注では、西田健太朗新人監督(教4=愛媛・愛光)が自身の受験期を回顧する。浪人時代に挫折しそうになりながらも早稲田合格を勝ち取ったエピソードを語り、「今まで勉強してきたことを、自分を信じてほしい」「みんななら合格することができる!」と率直な言葉で受験生を励ました。学注で激励した後は、早稲田が誇る応援曲メドレーでエールを送る。西田をはじめ、リーダー4年生が次々と中央に立ち、応援曲を披露していった。後列ではリーダー下級生が屛風拍手、吹奏楽団が演奏、チアリーダーズがダンスでステージを盛り立てる。中でも、『コンバットマーチ』でリーダー4年生とチアリーダーズ4年生がそろって見せた突きは圧巻そのもので、観客の目をくぎ付けにした。最後は「栄光つかめ受験生」の文字切りでメドレーを締め、受験生の健闘を願った。

学注で受験生を激励する西田

 ステージの最後には校歌を斉唱。観客に起立、脱帽を促し、指揮の齋藤巽代表委員主将(教4=青森)が中心でテクを振ると、他の応援部員と観客は力強く拳を振り上げる。会場全体で早稲田への愛を深めると、司会のリーダー3年生が受験生の早稲田合格、再会への願いを口にし、オープンキャンパスステージは幕を閉じた。

校歌を振る応援部と観客

 過去2年は動画の事前収録となり、3年ぶりに対面で開催されたオープンキャンパスステージ。ステージで来場者にエールを届けただけでなく、ステージの前後には大隈講堂前で受験生と直接会話をし、交流を深めた。通常時は選手の応援を行う応援部にとって、受験生を応援する貴重な機会となった。一方で、早稲田合格を目指す受験生にとっては受験勉強の大きな励みとなり、忘れられないひとときとなったことは間違いない。このステージを見て気持ちをさらに奮い立たせた受験生が、1人でも多く早稲田に合格することを願うばかりだ。

(記事 横山勝興、写真 安齋健、横松さくら、横山勝興)

コメント

※インタビューは8月10、11日に行われました。

西田健太朗新人監督(教4=愛媛・愛光)

――ステージを終えて率直な感想を教えてください

 受験生に対して応援する機会を対面で設けていただいてうれしかったです。

――3年ぶりの来校型のオープンキャンパス開催ということで、ステージも3年ぶりの開催でしたか

 去年と一昨年はオンラインで事前に収録して当日に流していたので、対面は3年ぶりでした。

――3年ぶりの対面開催となりました

 受験生を直接応援できたことに感謝したいです。ステージを設けていただいているのも応援部だけでしたし、受験生がステージが終わった後に「心打たれました」「ありがとうございました」「受験勉強頑張ります」と言って感謝してくれたのが、応援している我々としても本当にうれしかったです。いつもは野球部などの体育各部の応援に行っていますが、受験生を応援できるのは本当に楽しかったですし、やりがいでした。

――学注(学生注目)ではご自身の受験体験談を語られていましたが、今回は受験生を応援するということでどんな気持ちで挑みましたか

 受験生を応援したいという気持ちが一番でした。僕は浪人を経験して、受験生時代はものすごく成績が伸びずにいろいろな人から影響を受けたり、焦りがあったりしました。受験生の気持ちを一番に考えて、何が響くか、何が受験生にとって一番今日来て良かったと思ってもらえるか受験生の立場に立って考えました。

――ステージの中で特に気持ちを乗せた場面はありましたか

 一番は学生注目の場面です。あのシーンは真ん中で1人でしゃべっていて、みんなが自分のことを聞いてくれているので、影響力がある場面だったと思います。オープンキャンパスでしか伝えられないことがあると思うので、しっかりと気持ちを伝えることを意識して、自身の率直な思いを伝えました。

――受験生から感謝の気持ちを伝えられたとお話ししていましたが、ステージ終了後、受験生にはどのような言葉をかけましたか

 高校3年生に限らず、2年生、1年生もいたので、一番は「努力は実る」ということを伝えさせていただきました。偏差値や志望校判定で数値化されると、それに影響されてしまって落ち込んだり、逆に自信をつけたりすると思いますが、「そんなの気にしないで受験当日まで伸びるから今日から6カ月、毎日絶対頑張れば受かる」「自信をもってドンと構えてほしい」ということを伝えました。

――受験生へメッセージをお願いします

 一番は最後まで諦めないで自信を持ってほしいということです。自分は本当に国語がものすごく苦手で、受験の最後まで国語の偏差値がずっと60に届きませんでした。志望校判定も最高でC判定で、全くA判定やB判定を見たことがありませんでした。単純に見たら偏差値も低い、志望校判定も浪人しても上がらない、そんな感じで結構数字に惑わされていたのですが、1日に十数時間の勉強を毎日繰り返した自信だけはあったので、受験当日まで絶対に諦めずに、偏差値に関係なく自分はまだ伸びると信じて、毎日努力を続けて、受験当日ギリギリまで参考書を読んで受験に挑みました。第一志望の学部には受かりませんでしたが、早稲田に受かることができて、現在の4年間の大学生活を送ることができています。最初に言ったのですが、受験生のみんなには最後まで諦めないで、自信を持って頑張ってほしいと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 応援することは大事なのですが、一番は観客の方々と学生に早稲田を感じてほしいと思っています。去年、一昨年と応援部だけでの活動が多かったので、観客の方と混ざって「早稲田に入ってよかったな」とか「応援ちょっと楽しそうじゃん」とか、早稲田を一体とすることが応援部にはできると考えていますので、4年生としてリードしていきたいと考えています。あとは、1、2、3年生の部員にも「応援部生活楽しかったな」とか、次の学年に上がるまでに「やり切れたな」と言ってもらえるような環境づくりを同時にしていきたいです。内も外も喜ばせて楽しませたいです。

齋藤舞チアリーダーズ主務(創理4=埼玉・早大本庄)

――ステージを終えて率直な感想を教えてください

 来場者の方のアンケートを拝見したのですが、ステージに対しての好意的な感想がものすごく多くて、応援部が大事にしている学校の伝統をしっかりと伝えられたかなと思っています。実際に観客の方々とお話しする機会が多くて、「すごく良かったよ」ということも言っていただきました。久しぶりの対面ステージだったので、開催することができて良かったと思います。

――3年ぶりの対面開催となりました

 自分も3年前のステージには出ていなかったので、対面でのオープンキャンパスのステージに出たのは初めてでした。これまで出ていなかったこともあり、手探りで進めた部分もありましたが、他のステージと比べて実際に観客の方の声を聞くことができるのはオープンキャンパスならではなのではないかと感じました。

――今回のステージにはどのような気持ちで臨みましたか

 早稲田を選んでもらいたいという気持ちと、応援部のステージを見て、受験勉強のモチベーションに変えてもらったり、応援部に入りたいという思いを持ってもらえたりしたらいいなという気持ちで臨みました。

――『サクラ咲ケ』の選曲を振り返っていかがですか

 練習時間を考慮した際に、今までで演奏したことのある曲の中で、一番オープンキャンパスに合った曲が『サクラ咲ケ』でした。この曲は、今の4年生が新人のとき(令和元年度)の東京六大学野球春季リーグ戦の5回時に流れるバンド演奏曲で、その年のオープンキャンパスでも披露しました。3年ぶりにこの曲を使うことができて良かったです。

――受験生にエールを伝えるために演技で工夫した部分や努力した部分はありますか

 演技内で「早稲田にようこそ受験生 最高の青春が待ってるよ みんなの努力にサクラ咲ケ」というコールを入れたことで、受験生へのメッセージを伝えることができたと思っています。あとは、練習時間が少なかったのですが、技に関しても難易度は下げずに挑戦することができたと思います。

――受験生へのメッセージをお願いします

 今回の私たちの姿を見て、勉強に疲れたときに「また頑張ろう」と思ってもらえたらうれしいです。受験勉強は大変だと思いますが、頑張ってください!

――今後の意気込みをお願いします

 8月の後半から9泊10日の夏季合宿がありますので、そちらの運営も頑張りたいと思っていますし、これからの秋季リーグ戦やチアステ(チアリーディングステージ)も悔いのないように最後まで走り抜けたいと思います。