【連載】部門特集【第三回】学生誘導対策部門 大久保友博×井口優海×大渕夏柚子

応援

部門特集の第三弾、今回は応援席を作り上げる、お客さんに対してアプローチする、学生誘導対策部門、通称「学対」。今年は直接動けなかったこの部門であったが、そんなピンチをチャンスに変えて、今年しか生み出せないものを生み出した。そんな責任者3人の熱い思いを伺った。

※この取材は12月10日に行われたものです。

神宮に、人を呼ぶ。

賑やかに話す3人

――学生誘導対策部門のお仕事を教えて下さい

大久保 神宮に人を呼んで、応援の魅力を伝えることです。

一同 (笑)。

大久保 終わっちゃったよ(笑)。

大渕 でもそれは今年やっていたことで、実際は来てくださったお客さんを席まで誘導する、っていうところが主の仕事で、今年はそれができなかったけど例年は列さばいて、ここに誰が座って、みたいな仕事をやってたね。

大久保 そう、人を呼んで、それを誘導してという感じなんだけど今年は「人呼んで、」のところしかできてないね。

井口 いかに短時間でお客さんに席についてもらえるか、みたいなところを例年は頑張ってたよね。

――例年との違いで大きかったところは

大久保 やっぱり、とにかくオンラインで企画展開して、ってところじゃない?

大渕 お客さんに会えない、っていうのが。

井口 本当にね、一回も会ってない。

大久保 常連さん元気かな、ってみんなで話してたよね。

井口 常連さん会いたいね。

大渕 お客さんと関わる、っていうのが学対の主の部分だったから、それが0になったのは、ね。

井口 でもだからこそモザイクアート作って、お客さんと野球部をつなげる、みたいなこともできたのが今年は大きかったかな。

大久保 今年しかできないものは作れたよね。

――学対の仕事の中でやりがいを感じるのはどんな時ですか

大渕 私がやりがいを感じるのは、お客さんが球場の外に来て、ワクワクした姿を見た時に、集客してよかったな、来てもらえて嬉しいな、って思うのと、学対の仕事って最後にお見送りするところもあって。来た時少し不安そうな方が帰り際すごいやり切った感じで、ハリセンがボロボロになって出てきたりすると、応援部の良さとか、野球応援の楽しさが伝わったかな、って感じられるのが、いつもやりがいを感じる瞬間です

井口 私は、いつも球場でお客さんが来てくれた時に、話しかけてくださって、顔も覚えていてくれたりするのがすごい嬉しくて。あと応援中も外から応援席を見れるのがすごく好きで、新人の時から学生誘導対策係になったら、誘導するポジションに配置されるんですけど、そこからだと外から応援部の応援が見れて、観客の人たちが応援しているのを見れるのがすごくいつも楽しみだったんですけれど。あと退場の時に「来週もくるよ」って常連さんが声をかけてくれるのも、すごく楽しい瞬間です。

大久保 そうだね。俺はね、仕事のやりがいとかじゃなくて俺は単純に雲見さん(=恭光氏・令2スポ卒)と飲むのが好きだった(笑)。

一同 (笑)。

大久保 全部終わった後に、雲見さんと酒飲むのが好きだった(笑)。二人が言ってくれたことももちろんあるんだけど、雲見さんとねー飲む酒が美味すぎて。それが一番強い。

大渕 ははははは(笑)。

井口 やりがいなの?それは(笑)。

大久保 なんかもうね、仕事を飛び越えちゃってるよねそれは。うん、学対のやりがいかはわからないんだけど、それはね。

井口 雲見魂。

大久保 継いでるね。酒部門だから。

大渕 いやそれは多分ここ(雲見−大久保)だけだから(笑)。

井口 私結構えんじT(シャツ)数えたりするの好きだったんだけど。単純な作業が。

大渕 確かに。ハリセン折ったりとか。クリアファイルに入れたり。

井口 ひたすら数かぞえ部門だった3年生時代は(笑)。

大久保 観客がどうやったら楽しんでくれるかな、っていうところで、地味なところもやるから、それが形になると嬉しいよね。やっててよかったな、って。

大渕 フェイスシール売ったり、楽しかったね。

井口 懐かしいね。楽しかった。

――部門としてのいいところはどんなところですか

大渕 ワイワイしてるっていうのが一番いいところじゃないかな、と思っていて。応援部って上下関係厳しかったり上の人に恐縮したりしちゃいがちな組織だと思うんですけど、でもその中で上下関係ある中で、思ったことバンバン言って楽しく盛り上がって、全員が熱い思い持って何かを作りあげられるっていうのが他の部門と違って楽しくていいところかな、と思います。

井口 それが全てだね(笑)。

大久保 うんそれが全てだよね。挑戦ができますねこの部門は。

大渕 止められないよね。

大久保 コロナ禍でも止まらない部門だったね。本来は集客とか誘導も何もできないはずだったのに、自分で言うのもあれだけど一番熱いことをやっていたと思う。

井口 毎年、リーダーの責任者が誰になるかによってだいぶカラーが変わるかも。

大久保 あーそうだね。

井口 今年はね(笑)。大久保が熱すぎて、その影響をみんな受けまくって、みたいな。

大久保 グルディス(グループディスカッション)やった時にさ、みんな俺みたいになってたよね。

大渕 分かるわ。

井口 凄かったねあれは。ワイワイしてるよね。

大久保 ワイワイしてる。

井口 大久保が、どんどん色んなことをやってくれるんですけど、まあ(こちらは)冷静に(笑)。

大久保 そう!多分俺だけだと変な方向行ってたと思う。(笑)。

井口 なんか、すごい誤字が多いんですよ(笑)。私は結構そういうのを直す係みたいな。

大久保 誤字が…(笑)。

井口 下級生に下ろす文とかでも間違えまくるから、勢いはすごいいいんだけど、ちょっと待って、みたいな。

大久保 下級生に一回、

大渕 なんだっけ「失礼します」を「失恋します」だっけ。

大久保 「失礼します」のここを直せって言ったら「失恋します」って(笑)。お前が直せっていうね。

井口 「返信不要」ってあるから下級生なんも言えないんだよ(笑)。

大久保 失恋しますはやばいよね(笑)。

井口 流石にひどいよって言ったよね。

大久保 マジで怒られたねあの時。

井口 こんな感じで、バランスが取れてるんじゃないかな、って思います。

大久保 多分今年この中の誰一人として欠けてはいけなかったよね。

とにかくzoomしたね。

熱い思いを語る大久保

――責任者に決まった時のお互いの印象は

大久保 ぶっちゃけ誰がなると思ってた?

井口 私は大久保だと思ってた。

大渕 本当は前期と後期の補佐が両方責任者に入ることが多いんですけど、私たちは全員3年生の後期に補佐をやっていてそのままつなぎで来たので、驚きはなかったですね。またこの人たちとできるのかーっていう。

大久保 延長戦、みたいなね。

井口 大久保が去年の秋の早慶戦で、バス企画を一人で決行して(笑)。

大渕 一人でね(笑)。

井口 バスを走らせて、早稲田祭のお客さんを入れて神宮に連れてくるみたいなのを、やったんですけど。それを見て行動力があるのと、これは当たる!と思ったら絶対やり遂げるから、そこは向いてるんだろうなって。集客の点では。

大久保 うんうん。

井口 佐川(太一、スポ4=栃木・大田原)が去年は実際の誘導をテキパキやっていたので、全然タイプの違う二人のどっちがなるんだろうな、って感じで思ってた。

大久保 コロナになったから結果的に俺の方でよかったよね。

井口 チアは本当に大渕で嬉しかった。

大渕 はははやったー!

大久保 大渕かな、とは思ってた。

井口 ぽいよね。

大久保 英語のビラ作ってもらって、去年留学生呼ぼうってなって英語のビラ作って、うまっ!てなった。

井口 そういうクリエイター的なところあるね。

大渕 何かを形にしたかった。

大久保 かっこいいね。

井口 私は常連さんと喋ってるだけだから(笑)。

大渕 (笑)。でも井口もずっとなりたかったでしょ。

井口 そう、すごい好きだった。

大渕 みんなよかったね。

井口 嬉しかったね。

井口・大渕 (笑)。

大久保 正直この二人だと思ってたから、はい来たー!みたいな感じ。

――1年間を振り返っていかがですか

大久保 とにかくzoomしたね。

井口 めっちゃzoomしたね、朝8時とか。

大久保 やっぱり文面だけだと伝えられないことってあるんで、zoomしよう、ってなってて、下級生とも。多分zoom一番使いこなしたのはこの部門(笑)。

大渕 案がポンポン出てくるの面白かった。大久保が司会して、指名して一言、みたいな感じでいつもやってたんですけど、私たちも3年生、4年生、3年生の順番で当てられたりして。上下関係なくね。

大久保 途中から俺もコントロールするのが楽しくなっちゃって、アイデアを言わなくなった(笑)。

井口 3年生が言った意見に対して、すぐそれはこうなってて、みたいに話が深められてまとまる、のがすごく手っ取り早かった。

大久保 単純に家でできるしな。会議のハードルが下がった。質問なんだっけ?(笑)。

大久保 お互いのことでいうと印象変わったってことはないな。

井口 大久保がめっちゃ思った通り、

大渕 動いてた。

井口 ひとりで暴走して。

大渕 (笑)。

大久保 俺が暴走して、この二人が大久保こっち!って。

井口 後リマインドとかも、これどうなってたっけみたいな。

大久保 俺忘れちゃうからすぐ。この二人じゃなかったら、俺死んでたと思う。多分。

井口 まあ総じて楽しかった。

大渕 はははははは(笑)。

大久保 楽しくない時期はなかった。

井口 一番LINEが動いてたと思う。くだらないことでも。(笑)。秋に神宮で応援できるってなってチアがユニフォームセット(衣装)やっと秋にデビューってなって、嬉しすぎて盛り上がった(笑)。

大久保 大渕の背番号追いかけようみたいな。

大渕 他愛のないことでもね。

井口 Twitterみたいになってた(笑)。

大久保 この3人ならでは、って感じ。とにかく仲が良い。とにかく…まあ良いわ(笑)。

井口 真顔でいうと冷めるわ(笑)。

一同 (笑)。

――春季リーグで応援ができないことが決まった時、どのように思われましたか

大渕 ちょうど就活で学対の話をすごくしていて、話すからこそ自分のモチベーションは上がっていって、野球やりたいな、誘導したいな、って思いが高まっていて。だからこそできないと決まった時は結構寂しくて。学対責任者になって頑張ろうと思っていたことがなくなったっていうのが寂しくて。

大久保 あーそうだね。

大渕 私はチアでパフォーマンスしているよりも誘導する方が楽しみだったっていう。

井口 えー!まじ?

大渕 結構珍しい人で。寂しかった。

井口 私は、薄々感じてはいたので、この時期にできることをやろうって意外と落ち着いてました。

大久保 それでいうと俺も同じだな。正念場やな、って感じ。ここで動かなかったら俺ら終わりやなって。けど夏は正直失敗したな、っていう気持ちの方が強くて。

井口 あーそうだね。

大久保 3年生がまだその気になってなかった。

大渕 私たちもどうすれば良いか分からなかったよね。

――秋季リーグ戦の期間は多くのことに取り組まれていました

大久保 9個ぐらい企画があって、できなさそうなのからどんどん切っていって、最後に残ったやつを一気にやろうっていう。モザイクアートから言うと、観客との繋がりを作りたいっていうところで3年生の渡辺(来夢、文構3=埼玉・春日部)が頑張ってくれて、写真集める時とかは会議も繰り返して、アドバイスもしっかりして、俺も個人で結構集めて。神宮に来たいって観客の方に思ってもらえるような企画を、って言う思いが強かったです。

井口 企画何個かあって、それぞれに補佐が担当でついて、ってやってたね。

大渕 「with WASEDA企画」もやってたね。

井口 あれもよかったよねー。

大久保 観客とのつながりを作れる企画っていうのをたくさん動かしてたかな、って感じ。部内でいうととにかく下級生とのグループディスカッションをやってた。

大渕 二年生と話したね。

大久保 二年生にビラ作らせたりしてよね。

井口 あれ一番よかったかも。

大久保 外から見るとモザイクアートが一番大きかったかなとは思うけど、部内だとグループディスカッションが一番楽しかったかも。

井口 普段、あまり吹奏楽団の下級生って学対部門に関わる機会がないので、そのビラ作りで関わって、その子がプレゼンしてたりすると「ああ、考えてくれたんだ」みたいな。そういう考える機会が出来たのはすごいよかったな、と思います。

大渕 リーグ戦を知らせるためにこんなたくさんの方法があるんだな、って知った瞬間でもありましたね。例えば野球部にフォーカスするビラがあったり、応援にフォーカスしたり、はたまたオンラインで見れるってことにフォーカスしているものもあって、二年生ってこんな発想豊かなんだなって知れたのがとても良い機会だったかな。

大久保 主体性について考えさせられたな。今までは一緒にやってくれっていうだけだったけど、みんなやってくれなかった時に、なんでだろうって考えて、やっぱり自分で作ってないからだろうな、って思って。ビラの場合は自分で作っているからか、これOBの方に聞いたんですけど、二年生の子がインスタに「自分が作ったビラだよ!」みたいに宣伝していたらしくて、なるほど、と。人を巻き込むには責任ある仕事を任せないと本当の意味での主体性は引き出せないんだな、って思いました。

――リーグ戦を終えてみて、手応えはいかがですか

大渕 モザイクアートできました、ってTwitterとかLINEとかで発表した時に、常連の方とかいろんなコメントをもらって、ちゃんと伝わったんだな、客席は遠いけど伝わったなって思って嬉しかった。

井口 野球部が持ってきてくれた時じゃない?

大渕 あーそれな。それは一番嬉しかったかも。

大久保 あーそうだね。

大渕 あれはよかったよね。

大久保 実感としては、ここまでできたって誇っている自分と、ここまでしかできなかったっていう自分の二つあって。今はどっちかというとここまでしかできなかった、っていう自分の方が強いです。それで今も動いてるし。

井口 お客さんすごい入ってるのを…

大久保 あーそうそうそうそう!

井口 それを見て、現役のうちにもう一回この景色見れてよかったな、って。

大渕 分かるわ。

井口 校歌のときとかみんな腕降ってくれて。

大渕 絶対忘れない。あれは。

井口 優勝の瞬間よりも、エール交換で観客の方々が振ってるの見て泣いた。

大久保 そう、それすごい嬉しかった。

大渕 慶應の校歌こっち(三塁・慶大側)向いて終わって、早稲田になってこっち(一塁・早大側)向いた瞬間にばぁーって人いっぱいいて、

大久保 嘘でしょ、って。

大渕 そう!嘘でしょって思った。

井口 下級生も忘れないで欲しい。あの景色。

大久保 そうだね、それは伝えたい。

井口 コロナ前の生活に戻ったらそのお客さんたちを誘導するのも自分たちってなるからもっとやりがいとかあると思う。

大久保 観客の方々一人ひとりに対する思い入れっていうのも絶対に出てくると思う。

覚えてる?俺が号泣してたの(大久保)

早慶戦エール交換の際の、応援席から見た内野席の様子

――そもそも学対部門を選んだ理由はなんですか

大久保 井口さ、田路さん(=新太郎氏・平30商卒)にお前上手いな、って言われて…

井口 恥ずかしい(笑)。私楽器初心者で入ったので、応援が最初全然楽しめなくて、吹けないし音出ないし。それで自分の得意なことが見つかったのが学対かな、と個人的には思っていて。新人の一番最初のリーグ戦でハリセンを配る役を命じられてめっちゃ元気に配っていたら、学生誘導対策責任者の田路さんに「お前名前なんて言うんや」って聞かれて。めっちゃ怖くて(笑)、やばいなんかしちゃったかなって思って。「井口です」って言ったら、「お前上手いな!向いとるわそれ!」って言われて。そういうのってすごい記憶に残るから、自分も上級生になった時に一人ひとりをなるべく見たいな、っていうのは思っていて。それが最初の学対への印象です。

大久保 この話が一番好き(笑)。その新人時代にそう思った子が今責任者やってるって。素敵だな、って。

大渕 素敵。

井口 応援席外から見るのも好きだったし、だから、って感じかな。

大渕 私もそうかな、さっきも言ったように踊ることより誘導してる方が好きだったっていうのが最初の入口で。それに関われるのなんだろうな、って思った時に学対部門だったので、選びました。

大久保 とにかく神宮が好きだったので、人に伝えたいっていう気持ちが強くて。それができるのって学対だな、って思っていたので。自分の場合は2年の時から雲見さんとご飯行った時からバンバン聞いてた。雲見さんも答えてくれて。3年になったら絶対やろうって言う気持ちはあったな。

――補佐時代の思い出を教えてください

井口 後期の学対補佐は仲良しというかバチバチしていなくて、みんなで頑張ろ〜みたいなみたいな感じで雰囲気はよかったんですよ。でもなんかうっかりミスみたいなのがあったかな。レプリカユニフォーム(えんじ)の積み忘れっていうのが私は一番覚えてる(笑)。

大久保 あったね。

井口 球場の前日にマックで学対補佐で集まって、「あれ積んだっけ?」「え、積んだ?」「積んだ?」って(笑)。

大久保 「え、知らない」「知らない」って(笑)。「まずそれを知らない」って言って(笑)。

井口 やばい積んでないわこれって(笑)。やらかしエピソードですね。

大久保 多かったね。

大渕 あとデモスト前?

大久保 なんかデモストの時に企画で持ってきたカードを神宮に持ってきたら1ポイントプレゼンと見たいなのをやって。そのデモストの担当が僕だったんですよ、で誰にも仕事振ってなくて前日に振ったら誰もやってなくて、カードどこ?ってなって。

井口 カードないっていうね。

大久保 あれは雲見さんに怒られたのすごい覚えてるな。

井口 結構やらかし多かったよね。

大渕 でも「頑張ろう〜」みたいな。責める感じは全然なくて。

井口 「あやっちゃったね」みたいな。ちょっと今になったら申し訳ないけど(笑)。

大渕 乗り越えてたね。

井口 あ!あと楽しいやつが。早慶戦でトランシーバーを当日使うんですけど、それを前日にテストしようってなって雲見さんが今からみんな散らばれ!って言って聞こえた人から帰って来い。全員帰って来たらテスト成功な。みたいな、半分遊びみたいなのをやったんだけど、ナチュラルに飯田(あやの、文4=東京・共立女子)が忘れられてた(笑)。

大渕 すっかり忘れられて帰って来ない(笑)。

井口 よし、これで全員揃ったな、終わり!みたいに言ったら、「あ、飯田呼ばれてません」って。

大久保 あれ面白かったな。

井口 雲見さんだったから本当に楽しかったなって。

大久保 雲見さんの存在が一番デカかったよね。

大渕 部門会議(部会)が楽しかったっていうのが下級生時代大きかった。部会って結構重めな雰囲気で普通行われるんですけど、責任者の方がお菓子とか飲み物とか色々持って来てくださって、その10個ぐらいあるうちの2個ぐらいがネタで。

大久保 牛乳1Lとかバナナとか。

大渕 ちくわ入ってたよね(笑)。

大久保 ハイハイ俺が食べれば良いのね、って思ってたら、

大渕 そうそこで井口が、ちくわ食べてて(笑)。

井口 ひとりずつ取って回って来たんですけどね。

大渕 可愛いオレンジジュース、とか紅茶とかあったのに絶対リーダーが選ぶちくわを、井口が食べてた(笑)。

井口 ちくわ食べたかったんだもん。

大久保 本当に当時の責任者の人たちが、いい空気を作ってくれた、のは本当にデカかったと思います。リーダーでいるより学対でいる方が楽しかった、自分でいれたというか。あとえんじTシャツ?

大渕 あー、限定の?

大久保 そう本来は観客の方々しか着れない限定のえんじTシャツを責任者の方々が僕らの分も作ってくれて、すごい嬉しかったな。

井口 うん、懐かしい。

大久保 で早慶戦終わった後に写真撮ったんですよみんなで。正直写真撮るのなんてくだらねぇ、って思ってたんですよ。けど写真撮り終わった瞬間涙ボロボロ出て来ちゃって。

大渕 はははは(笑)。

大久保 覚えてる?俺が号泣してたの。

井口 覚えてない(即答)。

大久保 おいおいおいおい(笑)。

大渕 全然知らない(笑)。

大久保 人目につかないとこで泣いてたかも。早慶戦ってテント設置されるんですけどそのテントの下でボロボロに泣いてた。みんなに見られないようにしてた……

井口 はい。(笑)。

――先輩から受け継いだ魂で、特に大切にしていたことは

大久保 常に何かに挑戦するってところ。もう一つは笑顔でやる。楽しいことをするから楽しくなるんじゃなくて、楽しくやってるから楽しいことができる、っていうのは一番雲見さんに学んだところかなって思ってるので。そこだけは絶対に、コロナだろうがなんでろうが、受け継ごうって気持ちは強かったですね。

大渕 ガチガチしないで、喋りやすい雰囲気を作ろうっていうのはあったね。

大久保 みんなが動きやすい空気を作っていこうっていうのは、すごいあった。やっぱみんな巻き込みやすい部分かな、って。井口なんかある?

井口 もう、その通りで(笑)。

仲間、だよね(大渕)

踊ることより学対が好き、と語る大渕

――3年生の補佐の方々を見て、いかがですか

井口 割とぶっ飛んでて、面白いな(笑)。

大渕 私たちが浮かばない案を結構出してくれる。

井口 大久保が急に振ったことでも、面白い回答が返ってくるから、おーってなる(笑)。

大渕 楽しんでやってんだなーっていうのが伝わるから良いよね。

大久保 自分でやりたくてやってるっていうのがすごい伝わってくるかな。

井口 補佐は人数が多いので、各企画で担当で分かれちゃうのが、全員で一個のことをやったってならないのが、少し心配。Zoomでしかやりとりしてないのが、例年とは違うな、とは思うよね。

大久保 嶋ノ内(源、人3=東京・石神井)の存在は本当に大きかったなと思う(笑)。

井口 マスコットだよね。

大久保 マスコットだった、本当にあいつの存在が、学対の空気っていうのを和ませてくれたというか。みんな熱くなりがちな時に嶋ノ内がトンチンカンなことを言ってくれたりすると、うぇいー!みたいな(笑)。

井口 絶対寝起き、みたいな感じでzoom来るし(笑)。

大渕 今起きたよね?って(笑)。

大久保 お前今起きたでしょって言ったら、「はい3分前に」とか言ってて(笑)。

大渕 バカ正直に答えるからね(笑)。

井口 今日なにしてたの?って聞くと「本日は就寝しておりました」って(笑)。

大渕 でもね、毎回どの企画にもね、参加してくれてたよね。

大久保 そうね、参加してくれてたね。

大渕 意欲めっちゃあって良いと思う。

井口 可愛いです補佐は。

大渕 (笑)。「補佐かわいい」。

大久保 井口の口癖だったよね、「補佐かわいい」。

井口 写真とかに写ってるとおーって言って見てた(笑)。

大久保 名前の上では補佐だけど、あいつらメインなので、嶋ノ内だけじゃないけど、うん。みんなが本当よくやったくれたな。

大渕 仲間、って感じ。

大久保 あーそう!下級生とか補佐とか後輩とかじゃなくて。

大渕 友達?仲間?なんか同僚?

大久保 そうそう対等な目線でね。情熱とか意見に上下関係はないから。そういうのが軸の関係だったね。仲間だと思う。

――来年の学対部門に期待することはなんですか

大渕 今年できたことは生かして欲しいな、って思っていて。人が入るか入らないかはわからないけど、今年面白いことが色々できたと思うので、それを生かして欲しいな、って。昔の状態に戻るだけじゃなくって、今年あったことを生かして、パワーアップして欲しいな、って思います。

大久保 うん。間違いない。

井口 いやもう、楽しんでください、って感じ。

大渕 それもめっちゃあるわ。

井口 吹奏楽団の後任はおそらくいろんな役職と兼任すると思うんですけど、この部門が居場所、になってくれたら良いな、って思います。

大久保 何かに挑戦し続けて欲しい。それだけです、僕は。

――応援以外での活動が多くなる学対部門ですがどのようなモチベーションを持って臨まれていましたか

井口 去年は、大久保が何人応援席に来たかの人数を全部員に発信していて、人数が減ってるとか増えてるっていうのを知れたし、「来週は学生増やすぞ」みたいになったので、それは結構、次頑張ろうっていう指標になってた気がする。

大久保 人に伝えたい!っていう。とにかく神宮好きなんで僕。生まれ変わったらもう一回リーダーやってると思うんですけど。本当神宮好きな人なんで、その神宮好きっていうのを誰かに伝えたい、それで一緒に来て好きになって欲しい、って気持ちでやってましたね。

大渕 学対部門って入口、看板的な人だな、って思っていて。神宮のチケットをもぎった後最初に会う人ってハリセン配ったりしてる学対部門の人なので、そういうところの印象は明るく元気にしたいっていうのがあって。それが応援につながると良いな、っていうところ。

大久保 ディズニーのキャストさんみたいな。

大渕 なんかわかるかもそれ(笑)。

井口 確かに、わかんないことあったらみんな学対っぽい人に聞きに来るもんね。

最後までやり切るんで!(大久保)

早くお客さんの顔が見たい、と話す井口

――新人や2年生に向けて学対部門のアピールポイントはありますか

井口 それ今日やるよね。本日19時から(笑)。

大久保 グループディスカッションね。

井口 そこで、学対を知らないだろうから、結構詳しく色んなことを説明して、知ってもらう予定なんだよね。

大渕 応援部って観客いないと、というか誰かに支えられてるんだな、って気づいて欲しくて。人それぞれ考えはあるかな、って思うけど私は観客に支えられてるな、って思ってるので、そういう触れ合う機会が多い部門だからこそ、そこに気づければ良いかな、って思います。

大久保 学対はやりたいことが形になる部門。何かに挑戦できる環境がそろってると思う。で責任者の人たちは、みんな何かに挑戦して失敗して成功して、っていう経験持ってるから、真っ向から否定したりしないだろうし。そういうやりたいことが形になるし、何かに挑戦できるから、逆にそういう人を求めてるかな、って思いますね。

井口 それだわ(笑)。

――学対だからこそ見えた景色はありますか

井口 去年の秋の早慶戦で、エール交換中は出入り禁止なので柵をやらないといけないんですけど、一個上の方々の神宮引退の最後の応援の時に、すごい端っこのところに大渕と二人でいたんですけど、そこでサヨナラで終わって。それ見た時に、応援席の全部が見えたから、

大久保 あー確かに。

大渕 普通吹いたり踊ったりしてるもんね。

井口 360度お客さん、っていう一体感のある応援席を見れた去年の景色が本当に、鮮明。学対のエール前のあそこにいたからこそ見れたって思います。

大渕 私も結構去年の早慶戦は印象的で、私はずっと会場の外にいる係だったので忙しくて球場の中入れなくて4回とか5回に初めて中入れて。球場の外は結構バタバタして殺伐としてたんですけど、中に入った瞬間お客さんがすごい楽しそうに歌ってて、私はそれでこんなに楽しんでる人がいるんだ!って涙でて。あれは忘れられないです。

井口 去年は外野のお客さんも全員内野に入れてぎゅうぎゅうだったから。より、ね。

大渕 うわ!えんじ!って感じで。

大久保 そうだね密度が。

大渕 うん密だった(笑)。

大久保 さっき井口が言ってくれてたけど、バス企画、の時に土曜日惨敗したんだけど日曜勝って、すごいみんな楽しんでくれてて、その企画で呼んだ100人ぐらいがエールしてるの見て、この100人には神宮の魅力伝わったかなと思って、それはすごいやりがい感じました。

井口 直接俺が呼んだ、って感じだよね。

大久保 その一人ひとりが、自分で直接手渡しでビラ渡した人だったので、最初「え?知らないよ」って顔してた人が一緒に腕振ってくれてるのみると、あ伝わったわ、っていうのはありますね。

大渕 どれもいい光景だわ。

大久保 今年、内野席が満員になって腕振ってるのを見て、その視点で感動できるのって俺らだけなんじゃないかな、って。

大渕 そうね。

大久保 みんな別のことで感動してたもんねあの時(笑)。「勝った!」とかじゃなくて「お客さんがいる!」って。

大渕 腕振ってる!みたいな(笑)。

大久保 そんなちょっと違うけど、これも応援だよね、っていう。そういう景色を見れるのもこの部門ならではかなって思いますね。

――早慶戦が終わった後は

大久保 引退ギリギリまでは、まだまだだよね。未来の神宮を満員にしようっていうのでコロナ禍も動いてたし、それでいうとまだ達成できていないことだから、やり残したこともあるんで。野球以外でもできることがあるんじゃないか、って突き詰めることはできるんじゃないかって思ってるので、それは最後までやりたいなって思いますね。

大渕 野球だけじゃないもんね。

井口 そういう感じ(笑)。

――最後に一言お願いします!

井口 早く常連に会いたい。

大渕 来年楽しみだね。

井口 早くお客さんの顔を見れる日が来ることを願っております。

大久保 いいね。大渕同じ?

大渕 そうだね、同じだわ。

大久保 新人のみんなはグループディスカッション参加してくれてありがとう、って感じだし、上級生って怖いかも知れないけど少なくとも学対はみんなの情熱と意見を求めてるからこれからもよろしく。2年生も一緒にやってくれて本当にありがとう。3年の補佐もありがとう、って思うし、これから応援とか神宮の魅力が伝わるかっていうのはみんなの肩にかかってるから、これからも何かに挑戦し続けて欲しい。最後に先輩方、前任者の御三方、ちゃんとやりきるんで、美味いもん御馳走してください!お待ちしてます!(笑)。

井口 焼肉がいいな。

大久保 焼肉がいいねー。ここ一番大事ね(笑)、太字で色付きの文字で頼むわ!(笑)。焼肉と寿司だったらどっちがいい?

井口・大渕 焼肉。

一同 (笑)。

――ありがとうございました!

(取材・編集 市原健、鬼頭遥南)

学対魂!

◆大久保友博(おおくぼ・ともひろ)

1997(平9)年6月17日生まれ。千葉南高出身。政治経済学部4年。好きなワセメシは一時期週9で通った『武道家』。他の二人からの印象も『武道家』。

◆井口優海(いぐち・ゆうみ)

1998(平10)年4月23日生まれ。栃木女子高出身。文化構想学部4年。好きなワセメシは『図星』のパクチートッピング。二人からの印象は、ホワホワしてるけどめっちゃ軸がある(大渕)。例えづらいけど、芯があってブレない。(大久保)。

◆大渕夏柚子(おおぶち・なつこ)

1997(平9)年6月22日生まれ。東京・早実高出身。国際教養学部4年。好きなワセメシは『キッチンブン』。二人からの印象は、姉御(大久保)。安心感(井口)。