【連載】稲穂祭・早慶戦直前特集『Viva! Waseda』【第1回】清水泰貴副将×加藤雄基代表委員主務×泉川創太リーダー主務×小野興連盟常任委員×比田井啓リーダー庶務

応援

 テクで応援席をまとめ、指揮台から選手へ気合を届ける応援部リーダーパート4年生。リーダーの1学年としては珍しい10名という人数の多さを武器にした、迫力のあるステージや応援が魅力だ。対談第1回では、清水泰貴副将、加藤雄基代表委員主務、泉川創太リーダー主務、小野興連盟常任委員、比田井啓リーダー庶務に、互いへの思いや早慶戦への意気込みについて伺った。

※この取材は10月11日に行われたものです。

小野は潤滑油、比田井は正統派、清水は勢い、泉川は面白さ、加藤は体力

メガネを外してはにかむ泉川(写真右)とポーズを決める清水(写真左)

――お互いの応援スタイルとチャームポイントを教えてください

加藤 一番派手な動き、見ていて面白い動きをするのが小野かな。彼がいないと同期がちょっと荒れるときがある、潤滑油というか、小野がいてくれるからみんなケンカせずに仲良くやっているなというのはあります。

小野 あら。ありがとうございます。

清水 あれこれ(対談のメンバー)場内(場内応援)弱めじゃね?

一同 (笑)。

小野 比田井君のチャームポイント…。同期で一番真面目ですね。実直真面目。応援スタイルは良くも悪くも正統派。テンポ乱さないしきれいなテク振るし。あと、彼すごくスーザホンっていう楽器が上手で。スーザホンの3年生からも「吹いてください」って直接頼まれるくらい。多種多様な応援スタイルっていうとこが彼の魅力ですね。多種多様かつ正統派という、早稲田のダイバーシティを体現するような応援スタイルです。

比田井 清水ですか…。もともと場内応援といって、お客さんの目の前に行って「声出してください」とか言うのが一番上手い、リーダーの中では最も上手いと皆思っていて、爆発力、声も一番出るし、しゃべり出したら止まらない一番勢いがあるタイプ。勢いで全部巻き込んでしゃべりまくって、自分の領域に入れちゃう、巻き込むタイプ。正統派の中でも飛び抜けている、基本的なことをやっているのだけれどそれをとことん極めている。チャームポイントは一番笑う。とにかく笑う。応援中指揮台でも笑ってるもんね。笑う人ですね。

清水 あはは(笑)。はい行きます。泉川のチャームポイントね。応援スタイルは、彼は曲げないなというところで、独自の世界を押しつけるわけではなく披露している。それで笑かす。彼の全力さというか必死さがみんな見てて伝わるかなというところで、それで皆さん寄ってくる。彼的には別にあまりコミュニケーションとってないですけど、見てて面白いから皆さん応援に寄ってくるかなと思います。チャームポイントは、自分が「これをやる」というものに対して100点を出してくるところ。なので、泉川にこれを任せて、彼の好きな領域で何かしら任せておけば、絶対結果を出してくるので、そういう安心感のようなものは同期の10人の中で飛び抜けている。泉川はそういう人間とわかっているので、この領域ならできるという、いいキャラしてるなと思います。チャームポイント、眼鏡。眼鏡取ったらイケメン。眼鏡だと真面目な感じだけど、眼鏡取ったらイケメン。

泉川 加藤の応援スタイルは、体力があるなと思います。リーダー練習責任者という役職としては求められるというか自然とついてくるとは思うのですが。体力があって、たとえば9回で『紺碧の空』をエンドレスでやるという場面でも任されることもあると思いますし、そういうときもバテずに何周もふってすごいなと思います。チャームポイントですか・・・注目の時に最近スケッチブックを使います。スケッチブックに文字を書いたりして、笑いをとる方法を学生注目で最近彼が使っています。

――好きな応援歌を教えてください

加藤 僕みんなに言ってないけど『早稲田の翼』好きなんですよ。理由は、おしゃれだなと思うんですよ、テクとかも含めて。

小野  僕は応援だと『Blue Sky WASEDA』。これは去年3年生のときに早慶戦の式台で振って、それがすごく思い出になったので、応援歌は『Blue Sky WASEDA』で、応援曲というかコールなんですけど、『Blue Skyコール』というコールが僕は好きです。これは球場で見ていただければ、球場に来た際は私の『Blue Skyコール』をぜひとも見てください。

比田井  僕は『ひかる青雲』っていう曲がいちばん好きで、第2応援歌という立ち位置で、『紺碧の空』の次に重視される曲で、(曲の)立ち位置のことも好きですし、1、2、4番というのをやって、1番普通に歌います、2番口笛でやります、4番爆上げという曲の構成も好きなので、僕の持ち曲とさせていただいてます。稲穂祭でも僕が!

清水 僕が好きなのも『早稲田の翼』で、箱根駅伝の応援で初めて振った、3年生のいちばん最初に振らせてもらった応援歌が『早稲田の翼』で、神宮でも春の立教戦の2回戦でも。自分は普段7回校歌をやらせてもらっているので、それ以外の応援歌は振らないんですけど、立教戦の2回戦で振ったのが『早稲田の翼』で、思い出があって好きです。それと最近好きなのが『幸せの歌』で、あれいいなと思っていました。今までぜんぜん思い出もないし、歌うのも難しいしって思ってたんですけど、前回たまたま応援振らせてもらって、学注でも「幸せなら手をたたこう」を好き勝手やらせてもらって、思い出ができたというところです。

泉川 『永遠なるみどり』でお願いします。昔から好きだったというわけではないんですけど、8月に小野君と福島県の古関裕而先生にお会いしまして、『永遠なるみどり』は古関先生の作曲した曲なので、理由はそれですね。『紺碧の空』や『光る青雲』も古関先生が作曲した曲なんですけど。下級生時代からいわゆるレアな応援曲が好きだったんですけど、古関先生が作曲されたからです。

――他大学でやってみたい応援はありますか

泉川 『燃えよ闘魂』駒沢大学の応援歌。好きなんです。大学として好きというわけではないですが、第一応援歌が『燃えよ闘魂』でして、どこの大学でも1回と9回は第一応援歌、得点入ったら歌う。六大学、今シーズンどの試合も得点が低い、投手戦が多いと思うのですが、と思うと比較的点が入るので、4年になってからですけど、もう何回も歌って、大好きですね、振りたいですね。テクも最近覚えました。

清水 他の大学のテク振りたいなというのは全然なくて、自分の応援モチベは場内で観客と一緒に楽しむ、盛り上げて、自分も盛り上げさせてもらって、ていうのが好きなので。最近結構いろいろなスポーツの応援に行ってて、阪神タイガースの応援に観客として行って、全然興味は無かったんですけど、ああいうのもいいなと。雰囲気として、応援席にいる一人一人が自由に声援を送るという雰囲気なので、そういうところに立って、そういう人たち相手に自分も盛り上げみたいな感じに関わらせてもらうのはやってみたいなと思いました。全然阪神ファンではないんですけど、いろいろな早慶戦みたいな行事に行きたいなと思って、阪神対巨人に行ったり、サッカーのフロンターレ対鹿島に行ったり、高校野球とか、いろいろ観に行ってるんですけど、阪神はそう思いました。

比田井 僕は実際パナソニックの応援をやってみたいですね。六大学野球とかって、指揮台に登る人たちは決められたことをやるというか、どちらかというと暴れないで、テク振る人なら堂々と顔しかめっつらしてテクを振るみたいな感じなんですけど、パナソニックは式台に登っているリーダーが、得点圏に入ったらもう左右にぶわーっと旗持って歩いたりとか、スティックバルーンを全力でたたいて歩くとかして、式台上にいる人が暴れまわってお客さんを熱で巻き込んでいく、そういう全員で大きなエネルギーを出してくというのがすごいいいなと思って。学生野球とかだとできないことだなと思ったので、やりたいです。

小野 慶應だと『朱雀』、明治だと『神風』、法政だと『熱き心』、立教だと『行け立教健児』、東大だと『不死鳥の如く』が振りたいというか、やってみたいなと思います。たまたま(応援での振り付けが)回す系にはなったんだけど、盛り上がる曲で式台で振れたらすごいかっこいいだろうなという自己顕示欲ですね。

加藤 振りたいのないんですよね…。入ろうと思ったのが、校歌見て、この主将になりたいと思って入ったので、各校の校歌に値するものは好きで、塾歌(慶応義塾塾歌)とかそういうの結構好きなんですけど、振りたいかといわれたら、別に振りたい訳ではないです。

「応援部じゃなかったら全員友達になってない」(清水)

同期の発言に笑う小野(写真左)と比田井(写真右)

――高校時代のエピソードを教えてください

清水 僕部活で、中高野球やってて、野球やってなかったら絶対応援部入ってないなというのがあって。最後の夏の大会がくじ運がよくて、全然強いチームじゃないですけど開幕戦引いて、神宮球場でプレーして、その試合は9回の表1アウトまで9ー2で負けてて、そこから煽りあいというか、応援で逆転していった、というのがあった。それでその日勝って、次の試合も勝って、3試合目で相手は関東一高だったんですけど、もう一回神宮に戻ってプレーして。相手全然強くて、歯も立たなかったですけど、そこの中で神宮の球場でプレーして、後悔が残ったというところがあって、でもう一回戻ってきたいなというのが刻み込まれた。自分はもう腰の骨が折れちゃってて、ピッチャーだったんですけど、プレーできなかったのでずっと助監督としてあの場にいたんですけど、また違う形で携われればいいなというエピソードです。

小野 応援委員会で語るエピソードがないのでプライベートの話で。高2のときに夏のコミックマーケットに行って、そしたら、待ち時間中に熱中症で僕の友達一人倒れたんですけど、それを全く意に介せず買い物してたことですかね。そんなに実りある高校生活を送ってないので…。応援委員会という風紀委員会とか整備委員会みたいなノリのものは僕中高一貫校だったので、やってたはやってたんですけど、いちおう委員長を。部活に昇格させようと思って、顧問の先生にどうにかしたいんですけどって言って、外部の団体を招きましょうって言ったんですけど、それを顧問の先生に握り潰されて、そしたら卒業してから3年か4年くらい経ったあとにその応援委員会潰れてたんですよ。

泉川 昔からなんですけど、夏休みの宿題を全くやってなかった、居残りになるんですよ。9月、10月くらいずっと部活行けなかった。読書感想文とかだったと思うんですけど、大嫌いなんです。担任の先生に、教室に残されて、10月中旬くらいまで、『永遠の0』をずっと読んでて、その時に読んで勉強になった。今思えばあの時『永遠の0』読んでよかったなと。陸上部だったんですけど、部活いけなくて自主練していたんですよ。自主練してたら、近くの駅を通ったときに担任の先生に会いました。

一同  (笑)。

泉川 あともう一ついいですか。高校の時から、応援部って校旗とか大切にすると思うんですけど、好きというか、自分の中で大切なものだと思っていて、そういう文化を重視していたので、その校旗の掲揚の仕方がひどいということを私が生徒総会で質問をしたんですよ。そのときの論戦が非常に印象に残ってます。楽しかったです。事前の原稿を書いたんですけど、頑張りました。楽しかったです。生活委員長しっかりしてくださいという。

比田井 バスケ部にいて、バスケ部で県ベスト4になったのはありますけど、特になにも思わなくて、当たり前だろって思っていて。練習したから、俺がいるから当たり前だろって舞い上がってました。ベスト4でいいかなと思ってて、その通りになったので、まあそうだな、と。特になにも考えずにやった、だけど変に自信はあった、という感じですね。あとは、意外とスポーツ以外も文化的な面も持っておりまして、俳句が好きなんですよ。俳句作るのが好きで、自分のおばあちゃんが地区ですごい優秀賞とかばりばり取ってるような人なので、そのおばあちゃんに影響されて高校からやりはじめて、自分も同じように投稿とかして、結構良い賞とか、地方でですけどもらってて、それを活かして就活で受けた企業でエントリーシートの趣味の欄に俳句ですってひとこと書いておいたら、それを面接官が拾ってくれて、「じゃあ君グループ面接の最後に俳句考えといて」と言われて、で詠んだら、受かったんですけど、後日聞いたらそこで詠んだから君受かったんだよっていう。まさかのそこで生かされる。

加藤 僕は良くも悪くも目立ちたがり屋でして、高校は早稲田実業なんですけど、小中高一貫なんです。それで高校から入ったので結構友達もいなくて、高校1年生で高校デビューしようと企んで、運動会で調子乗って騒ぐとか、そしたら1年生の中で加藤クラス長やれよみたいな感じになったので、2、3年でクラス長をやったりとか、文化祭実行委員をやったりとか、いろいろアクティブに悪く目立ってました。

――応援部に入ったきっかけと、もし入っていなかったらどのような学生生活を送っていたと思いますか

加藤 そうですね、僕は2016(平28)年の主将が校歌を振る姿に憧れたのがきっかけですね。もし入っていなかったらサッカーサークルとかに入って留学をして、という感じで、普通の大学生として過ごしていたと思います。

小野 僕は中3から高1くらいまで東大か早稲田の応援部に入りたくて、最初は勉強ができないという理由で早稲田にしたんですけど、オープンキャンパスステージや応援部の動画を観ているうちに自分には早稲田の応援部が向いているなと思いました。もし応援部入ってなかったら僕は早稲田に入っていなかったと思うし、一応現役の時は駒沢大学に合格をもらっていたので、そちらでゲームサークルかアニメサークルか漫画サークルに入ってたと思いますね。 少なくともこんなに運動したり皆と話したりとかはしていないと思います。絶対に、人と話さない生活をしていました。

一同 (笑)。

比田井 バスケだったらバスケばっかりとか一つのことを追求するタイプだったので、大学では何でもできるところに行こうと決めていたんですけど、大学に入ってバスケサークルを覗いてみた時に、緩すぎて幻滅しました。やっぱり堅くいけるところに行こうと思ってそこから応援部に入りましたね。入ってなかったら、ギタークラブに入っていたと思います。ツイッターでも(ギタークラブに)DMとか送ってました。春に応援部がつらくてやめてもいいように行ける場所いくつか作っておいて、という感じでしたね。

清水 絶対知り合わもんな。応援部じゃなかったら全員友達になってない(笑)。最初はいるつもり全然なくて。僕は腰折れてたんですけど野球やってて。業務やってるだけで成果発表会という印象があって面白みを感じませんでした。野球はもういいかなという思いで。応援部みてみたら、応援のためにもっともっとという雰囲気があって、ここなら4年間腐らないでやれるなと感じて入りました。入っていなかったらチャリティマラソン開催してみたり、ビジネスコンテストに応募してみたり、大学生っぽい余計なことをやってたと思いますね。あと早稲田で真面目にやってる放送研究会とかのサークルに入っていたと思います。

泉川 応援歌が好きだったというのと、何かしら運動がしたかったという二つかな。応援部入っていなかったら山にこもっていました。

加藤 なにすんの、山こもって。

一同 (笑)。

加藤 交わらないよなあ(笑)。

「卒業したら何着るか考えないといけませんね、はい。スーツでいいですかね」(泉川)

思い思いに下級生時代を振り返る

――4年間で一番辛かった瞬間を教えてください

小野 2年の時1年間はずっと辛かったですね。何をしても怒られた、応援をしても怒られたし、感覚的には歩いているだけで怒られているくらいの感覚で、いろんなイベントがありすぎて具体的にあげるのが難しいですね。結構グダグダな1年間を過ごしていました。

加藤 結構2年の時きつかったな、俺も。新人はわけもわからず前のこと頑張ればいいんですけど、2年は新人の育成とか3年にワーワー言われて挟まれたんですよ。その時の4年生が結構厳しい人たちだったので、なにやっても怒られてるというような、何をしたくて応援部入ったんだろうと思うような2年生を過ごしてましたね。

小野 本当にそう。

比田井 うーん。僕はどっちかって言うと2年の時はそんなにつらくなくて。新人の時は何もわからずひたすら走り続けるって感じで、2年になったら次々と新しくやらせてもらえることが増えていくんですね。自分が責任もって新しいことを出来るのが楽しかったんですけど、3年になった時に、より専門的な役職についてやっていく中で自分の見せ方というのに悩んで、そこで深く落ち込んだという感じですね。3年になった直後が一番つらかったですね。

清水 自分個人の話だとなんでも楽しもうとするタイプで、気持ちの持ちようで楽しめたんですけど、3年生は辛かったですね。下級生との関わり方で、自分はいろんなことに手をのばすタイプなのですが、1、2年生も巻き込むときにどのように彼らのモチベーションを上げるかというのが上手くできなくて、モチベーション高めながらいろんなやれることを回していくというのが難しかったし自分が一番失敗しながら下級生を苦しめながらというか、業務を振りかけるだけでやってしまっていたので、そこに関しては悩んでいましたね。

泉川 まあ、正直に言って、酒席宴席が下級生時代から一番嫌いで。特に下級生時代は逃げようがないというか。一番嫌でしたね。アルコールを強要されることは応援部では決してないんですが、場の雰囲気が。納会の雰囲気とかが。

加藤 場内よりも納会か、すごいな。絶対練習の方がきついだろ。

――では、そういう経験を乗り越えて4年間で身に付けた最大のことはなんですか

加藤 下級生の時に押さえつけられていたからこそ、自分はそういうことはしないようにしようと決めていて。今リーダー練習責任者をしているんですけど、下がどういう動機付けで動いてくれるかというのはいつも考えながら行動しています。

小野 今加藤が言ったのと似てるんですが、自分も下級生に掛ける言葉は気を付けようと決めていますね。怒鳴ればいいんだなというわけではないと学んだので。

比田井 僕は性格的に仕事を全部自分でやってしまおうというタイプなので、3年生になって仕事の質が上がってきたためにそれでパンクしてしまったので、いい意味で捨てるところは捨てるというのを気を付けていますね。今も模索しています。

清水 企画を個人で進めていくものとみんなで進めていくものに二分していくことを学びましたね。皆でやるというときに、出来る限り一緒にやる人のキャラを上手く使うということで、具体的に言うと煽る。その人のいいところを煽りまくるという。「お前こんなことできるんだからいいやん」という接し方をしようとしてます。

泉川 一つ上級生からもさんざん言われたのですが、「誠実でいること」ですね。

――2019年ベスト学生注目を教えてください

加藤 他人の覚えていないので自分ので言うと、月曜日に神宮球場で『ひかる青雲』にかけて「おかしも」の学注をしたのですね。月曜なのでお客さんよりも部員向けにやりました。『ひかる青雲』は2番が口笛なので、それを煽るような学注をしてくれたら皆が(テンションを)上げてくれて、2番は本当は歌詞があるのでそれを歌うというようなものをやりました。リーダーが上がったので良かったです。

小野 僕は1番というか、小宮君が春(東京六大学春季リーグ戦)にやったウーバーイーツの「奪いつくすぞ!」っていう学注ですね。僕が覚えてる中でも一番沸いたなという。もう一つは、雲見がこの間やってたやつで、「卒論をやってる」と言ってパソコンを投げ捨てたのと、今瀬(憲新人監督、政経4=県岐阜)とやった『ザ・タッチ』の幽体離脱の学注が僕の常識を塗り替えるというか、それが僕の中でベストの3つですね。

加藤 あれ面白かったよね。

比田井 僕はこの間の1回戦の9回で、下田(隆博代表委員主将、政経4=東京・早大学院)が、立って、「こんな怒るんだ」という。「おい馬鹿野郎!」って。あれ聞いた瞬間に、「ごめんなさい俺ら変えられなくて」というのと、あと仏頂面している彼でもあんなに燃えるんだというのが印象的でしたね。

加藤 あの時超キレてたよね。「声足りねえよ!」って(笑)。

清水 春の早慶戦の外野応援席。加藤の学注で、攻撃中の9回なんですけど、自分は外野でサイン出しして、小宮は内野でサイン出しをしていたんですけど、お互い『紺碧の空』の何番をやるかがわからなくて、外野は内野と同じサインを出して内野外野合同でやろうというのを皆で言っていたんですね。その時外野は加藤が学注をしていたんですけど、外野の学注を少し長くすれば内野のサインが見つつすぐに切り替えられるということで加藤に「少し長くやってくれ』と頼んだんですよ。そしたら加藤がスケッチブックを使いながら長めに やって、「切ってくれ」って言ったらすぐに切ってくれました。内容もきちんと9回に合うものだったので、本当によくやってくれたなという感じでしたね。

小野 (加藤に向かって)君すごいね。見直した。

比田井 いいエピソードですよそれは。

――オフの日はなにをされていますか

加藤 最近はずっと宅建の資格試験の勉強してますね。取らなきゃいけなくて。結構(参考書が)分厚いんですよ。

小野 僕は中野とか秋葉原行って、中古の同人誌漁ってますね。秋葉のまんだらけとか行ったりして銭湯とかいったりするとすごい、文化的な気持ちになりますね。

比田井 趣味が俳句と御朱印なので、自然があるところとか御朱印もらいに行ったりしてますね。

清水 場所だけ決めて行ってますね。場所だけ決めてその日しか出来ないことをやろうという風にして遊んでます。前はパンフェスティバル行ったんですけど。

小野 1人で行くんだね。

清水 1人で。…まあ、2人かもしれないです(笑)。

比田井 これ掘り下げなくて大丈夫ですか?

清水 まあ一番仲がいい人と行きます。

小野 深い仲にいる人かな?

加藤 つまりは?

清水 いつもこういういじりをしてくるんです(笑)。だから自分部内では一切プライベートを言ってなくて(笑)。何かと情報が入ってくるとワーワー言ってくるので。

小野 それはもう応援部4年間で染み付きましたね。プライベートは話してはいけないという。僕は結構赤裸々に語ってますけど。

一同 (笑)。

比田井 3人くらい口軽い奴がいるんですよ(笑)。

泉川 どこかしらの応援部、応援団のイベントに行ってますね。

加藤 泉川私服持ってないよね。

小野 新歓期にスーツで着て、「私服持ってないの?」って話を当時の上級生からすごい聞かれてましたね。

泉川 卒業したら何着るか考えないといけませんね、はい。スーツでいいですかね。

比田井 いいよ、大丈夫だよ。

――最近泣いたエピソードを教えてください

加藤 明治戦のやっと点取った時かな。

小野 あー、そうかも。あれはぐっときたよね。三試合無得点で、それから待望の得点が入って…指揮台の上で、泣いてはないですけど、こみ上げるものがありました。あとは下級生に彼女が出来た時ですかね(笑)。俺より先に、って。怒りで泣きそうでした(笑)。

比田井 あんまり泣かないんですよね…。そんな感情豊かじゃないんですよ(笑)。うーん、感動したといったら、この間、リーダー8人でキャンプに行ったんですよ。僕、地元が長野で、キャンプも長野に行ったんですね。それで、キャンプに行ったみんなが「長野いいね」って言ってくれたのに感動しました(笑)。

一同 (笑)。

比田井 僕、めちゃめちゃ地元が好きで。なので、長野の良さをみんなに感じてもらえて嬉しかったんですよね。

小野 夏休みに2人以外全員で長野のキャンプ場に行って、一夜を明かしました(笑)。すごい楽しかったです。

――完全プライベートで行かれたのですか

比田井 完全プライベートです。応援部ゼロです(笑)。みんな私服でね。

泉川 私も長野行ったのですが、ヒッチハイクの車が30分くらいで見つかったのに感動しましたね。運が良かったな、と。感動はしても泣きはしないです。

清水 名古屋であったオール早慶戦に祖父母が来てくれて、すごい良かったと言ってもらえたことです。実は、自分は親や親戚一同からの反対を押し切って入部したという経緯があるんですね。なので、4年生という最後の年に祖父母に自分を見てもらって、「早稲田が好きになった、応援が好きになった」と言われたのがとても嬉しかったです。

「注目してほしいのは、リーダーが出す音」(比田井)

長野愛を語った比田井

――キャンパス内外でお気に入りの場所とワセメシを教えてください

加藤 早稲田アリーナの上にある自習室です。僕は仕事柄、電話をしないといけないので、自習室は使えないんですよ。なので、そこなら電話にも出られるし、結構静かなので好きです。好きなワセメシは麺爺です。最近ジャンクなものにはまっていて(笑)。500円ですし、早稲田アリーナの自習室と近いので、パッっと食べて、勉強できるので。

小野  僕は源兵衛というお店です。そこでアルバイトもしています。源兵衛は第二の家みたいな感じで、そこにいると落ち着くんですよね。

比田井  僕も源兵衛ですかね(笑)。大好きです。居心地がいいし、料理がおいしいんです。なので、ワセメシイコール源兵衛、みたいな感じです(笑)。

泉川  大隈庭園です。気持ちがいいので。謎ルールで下級生時代は行けなかったので、4年になった今、我慢することなく行きまくっています。好きなワセメシはマックです。

一同 (笑)。

泉川 営業時間が長く、長時間滞在しても大丈夫なところと立地の良さが好きです。

清水 好きなワセメシに関して、今マックと聞いて思いついたのが松屋です。

一同 (笑)。

清水 すみません(笑)。でも、本当にそうで、週4くらい松屋に行くんですよ。毎回、練習の前に10分ほど時間があったら松屋に行ってしまいます。好きな場所は広くなってしまいますが、戸山キャンパスですね。戸山キャンパスのせかせかしてない空気が好きです。文構はグループワークが多くて、知り合いが多くできます。そのこともあって、戸山キャンパスにいると誰かが話しかけてくれたりして嬉しいです。

――稲穂祭と早慶戦の見どころ、個人的な注目ポイントを教えてください

加藤 稲穂祭では3年生以下に注目してあげて欲しいです。普段だと日が当たらないところでもあるし、彼らは半年以上練習してきて、だいぶ出来上がっているので、見て欲しいですね。

小野 リーダー4学年全員に注目してほしいです。加藤がしごいてくれたおかげで、3年以下はすごくいいリーダーになってくれたと思いますし、普段はリーダーに日の目が当たることもないと思うので…。ぜひ見てほしいです。

比田井 注目ポイントは、リーダーが出す音ですね。稲穂祭や早慶戦では照明や、いつもとは違った独特な雰囲気に目がいってしまうと思いますが、そういう時こそ、リーダーの拍手の音などに注目してほしいです。個人的には、自分がふる、『ひかる青雲』を見てほしいですね。これを普段、神宮で歌う時は二番の口笛の部分が周りの音にかき消されて目立たないんですね。でも、ステージでやるとなるとよりこの曲の魅力が伝わると思うので、注目してほしいです。

清水 自分は早慶戦の外野応援席で、初めて早慶戦に来る人も楽しめるような応援をしたいです。秋の客層からして、春ほどは客数が見込めないので、応援部がうまく雰囲気を作ることが大切になってくると思います。なので、今の時期から外野の4年生を中心に『どんな応援をしようか』と話をしています。内野はスタンダードな応援で、外野は内野よりもフリーな感じで、お客さんを盛り上げていきたい。そういったことに注目してほしいですね。

泉川 注目してほしいのは4年生ですかね。早稲田には団祭(応援部において3部でやる祭り)がないので、リーダーに関しては稲穂祭と早慶戦が実質引退になります。なので、その分4年生はこれらが最後、という気持ちで全力でやるので、そこを見てほしいです。 

――全国の応援部のファンへ、一言お願いします

清水 まずは全力で自分たちがやり切って、その自信をもって「ありがとうございました」と言いたいです。そのためにできることはすべてやりたいです。

泉川 生で観るのは違った魅力があると思うので、ぜひ神宮に来てください。

加藤 僕は、稲穂祭も早慶戦も4年間の最後だと思ってやるのでその覚悟をもってやり切りたいです。あとは下の学年が『頑張ってるんだぞ』というのも伝えたいですね。

小野 令和元年度のリーダーが人数だけの集団ではなくて、人数も質もすべての面で日本一の応援団員だということをお見せできるのが稲穂祭と早慶戦です。4年間の集大成をそこでお見せしたいと思っているのでぜひいらしてください。

比田井 僕は、リーダーとしてお客さんが何を望んでいるのかを考えすぎないで、自分がやりたい、見せたい、と思うことをとにかく全力でやりたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 倉持七海、佐藤桃子、馬塲貴子)

  

真面目な表情はさすがの迫力です!

 

 

◆清水泰貴(しみず・たいき)(※写真1番左)

1998(平10)4月1日生まれ。東京・海城高出身。文化構想学部4年。役職は副将。

マイブームはリマインダーにやりたいことや行きたい場所を書き留めて実行すること。観客と肩を組んで歌ったり、ふと思いついて逆立ちをしたりするなど、応援席でも自由人な清水さん。アクティブで開放的な性格と、エンターテイナーな一面が際立ちます。『拡声器』と評される大声や多彩な表情に注目です!

 

◆加藤雄基(かとう・ゆうき)(※写真左から2番目)

1997(平9)年4月13日生まれ。東京・早稲田実業出身。政治経済学部4年。役職は代表委員主務、リーダー練習責任者。

マイブームはyoutubeでラグビーのスーパープレイを観ること。球場では鬼の練習責任者として緊張感を漂わせる加藤さんですが、リーダー同期との会話では、和やかな表情が多く見られました。最近は試験勉強で忙しいという早稲田の『鬼』、立ちのぼる闘志で慶応をなぎ倒します!

 

◆小野興(おの・こう)(※写真1番右)

1996(平8)年5月20日生まれ。東京・世田谷学園高出身。政治経済学部4年。役職は連盟常任委員。

マイブームは邦ロック。伝統的なリーダー像を体現し、OB人気は1番だという小野さん。同期リーダーの間ではいじられることが多いですが、学生注目では無表情のいじりでよく笑いを取っています。クールな表情と熱い言葉のギャップに、指揮台上の小野さんから目が離せません!

 

◆泉川創太(いずみかわ・そうた)(※写真中央)

1997(平9)年10月12日生まれ。東京・清瀬高出身。政治経済学部4年。役職はリーダー主務、記録編集責任者。

マイブームはyoutubeで国会中継を見ること。

取材中でも思わず口ずさむほど、応援歌、応援曲への愛が深い泉川さん。毎日欠かさず新聞を読む知識欲の一方で、身支度が面倒くさいと話すユニークな性格の持ち主でもあります。早慶戦にも大好きな六大学ハチマキとメガネで登場です!

◆比田井啓(ひだい・さとし)(※写真右から2番目)

1997(平9)年3月29日生まれ。長野・野沢北高出身。スポーツ科学部4年。役職はリーダー庶務。

マイブームは早稲田川柳に投稿しまくること。習字や俳句が得意で、ステージではロンダード(※1)も軽々こなす多才な比田井さん。球場では、パッと目を引くスマートな存在感があります。そんな比田井さんの『泥くささ』、球場で乞うご期待!

(※1 体操競技の技。ひねりを加えた側転倒立)