【連載】華の早慶戦前特集『最後の一戦に向けて』 【第1回】中谷篤人代表委員主将

応援

 春季、頂点に立ち感動に包まれたスタンドで応援をリードした中谷篤人代表委員主将(創理4=静岡・掛川西)。部員170名を束ね、また同期、後輩からもその信頼は厚い。これまでのリーグ戦を振り返り、早慶戦への意気込みを伺った。

※この取材は10月16日に行われたものです。

「自分らしく頑張る」

校歌を指揮する中谷

――応援部に入られた理由は

中谷 高校のときから応援部で、秋の早慶戦を高校時代に見てそれがきっかけで憧れました。

――人数が多いリーダー幹部はどういう気分ですか

中谷 逆に人数が多い方がそれぞれの個性を活かしやすいです。それぞれが得意分野で自分の力を発揮できていると思います。

――中谷主将にとって栗田莉七チアリーダーズ責任者(教4=東京・豊島岡女)と野島洋一朗吹奏楽団責任者(創理4=東京・学習院)の印象は

中谷 応援部は独特な伝統や風習がある中で、自分たちがやるべきことを見失いがちな時があるのですが、野島に関しては自分の真をしっかり持っていて。これはやるべき、これはおかしい、という判断ができていているなと思います。栗田は、いい意味ですごく明るい。歴代のチアリーダーズ責任者というのは結構真面目で、シャキッとしているのですが栗田はいい意味でそうではないです。明るいので周りが重い空気になった時でもその場を和ませてくれる。そういった意味で応援部には欠かせない存在です。

――下級生時代の思い出で印象に残っていることは

中谷  思い出はいっぱいありますね。下級生時代で一番自分を変えたなと思うのは1年の夏合宿です。当時の主将をやっていた方と初めて喋る機会があって。1年生ときに主将と喋ったのはそれが最初で最後でした。「お前らしく頑張って4年まで続けろ」、その言葉をもらったときはすごく感動して。こういう主将になりたいとそのときに思いましたね。

――1年の春に優勝を経験していますがその時の印象は

中谷 自分の中では1年の春は勝つのが当たり前という感じでした。負けるのはありえないというか。逆に、優勝パレードですとかイベントの準備に追われてすごく大変だったなというイメージですね。優勝したこと自体はすごく嬉しかったですし、パレードも楽しかったですけど。
結構辛かったことも多かったなという感じです。

――ことしの夏合宿はいかがでしたか

中谷 夏の合宿は入ってきたばかりの新人にとって初めての合宿で、新人の成長に重点をおいています。そういった意味では新人3パートとも全員すごく頑張ってくれました。ことしの新人すごく元気で例年にもましていい新人が入ってきてくれたと思います。彼らが頑張ってくれたのでそこは部全体の成長にもつながったかと思います。

――合宿中の下級生は忙しいですか

中谷 下級生がほとんどですね。練習は3パートでそれぞれ練習に取り組むのは当たり前なのですが、食事ですとかは上の人に対する接待の仕方ですとかを学んだりします。礼儀ですとかは下級生時代から身に付けます。

――リーダーの新人は

中谷 すごく個性の強い6人ですね。とにかく自分たちの新人時代を見ているような感じです。すごく頑張ってくれているという感じです。

――学年を超えてリーダーで接する機会はありますか

中谷 ことしは春の早慶戦後にリーダーだけで納会をしました。それ以外はあまりないですね。人によりますし、下級生と飲みたい人もいれば普段から誘うこともあります。

「全責任を背負う」

――ここまでリーグ戦応援されてきてどのように感じていますか

中谷 春は野球部がすごく調子良くて応援していて結果も出たので楽しかったという思いでした。秋はなかなか厳しいところもあって。でもその分野球部が苦しい展開にどういう応援をしたらいいかなど考える機会が増えました。負けているときの応援を考えるという意味ではいい応援が作れていると思います。

――守備中の応援が充実しているという印象なのですが

中谷 春の時点から、きょねんと比べて守備中の応援は充実させているのですが。結構春は守備、ピンチになった時に守備応援を始めて、すぐピンチを切り抜けることが多かったです。秋はピンチが続く時間が長くて、これまでの応援ですと観客は暗い雰囲気になってしまうので、最近はそこをどうにかしようと思っていました。守備中に明るい応援を取り入れたりですとか、チアリーダーズが指揮台に乗って雰囲気を払拭してもらおうといったことはやっています。

――ワセダの応援の特徴は

中谷 人数が多いので他大学よりは華やかな応援になっていると思いますし、観客のノリが良いので。皆が楽しんでいるという応援ができていますね。

――ケイオーの存在は

中谷 他の5大学の中でも絶対にケイオーにだけは応援で負けたくないです。他の5大学見ていてもケイオーの応援が一番いいと思いますし。だからこそケイオーを超えないとワセダではないという感じです。野球部もケイオーに負けたくないですし応援部も一緒です。

――ケイオーとの仲は良いですか

中谷 仲は良いです。飲みに行ったりもします。新人の頃から会う機会が多いです。早慶戦前には三田まで走りにいく練習があったりとか、仲良くなるきっかけは多いです。普段から早慶戦のこととか一緒に考えています。

――早慶戦の準備は大変だとお聞きしますが

中谷 忙しいですね。1、2年の頃は機材の準備もあって体力的にも、何もわからない状態であれこれやるのは辛いですし。眠れなかった時もあります。3年生は早慶戦を中心に動かしていく、何をやるか頭を使って考えるのでプレッシャーもあります。4年は全体の統括、何ができてなくて何を進めていくべきなのかを常に気を張って見ていなくてはいけないですし。全責任もありますので、4年生は責任感というのもあります。

――今までの早慶戦の思い出は

中谷 ことしの春は優勝が目の前で。そのイメージが強すぎて。逆にきょねんの早慶戦は優勝が掛かってて春も秋も負けたのですごく悔しかったですね。とくに秋は3年生、下級生の代表として応援を作っていたのでそれで優勝逃した瞬間は印象的ですね。

――早慶戦への意気込み

中谷 ラストイヤーで、早慶戦は全早大生が勝ちたいと思う気持ちが強いと思いますし。最後は勝って終わりたいです、それに尽きます。

――ありがとうございました!

(取材・編集 難波亮誠、吉澤奈生)

早慶戦ではどのような応援がしたいか書いていただきました

◆中谷篤人代表委員主将

1992(平4)年4月11日生まれ。静岡・掛川西高出身。創造理工学部4年。趣味は最近もらったギターに触れることだそうです!高校から続けている応援も集大成の年。早慶戦への意気込みを熱く語ってくださいました!