東京都オープン戦 2月23日 駿台学園高等学校
2月23日、2024年度東京都オープン戦が駿台学園高等学校で開催された。シーズン初戦となった今大会。早大からは戦歴5戦未満の男女シニアAの部に2名、戦歴5戦以上の男女シニアBの部に3名の計5名が出場した。男女シニアAの部バンタム級に出場した一丸陽将(学部2=東京・早稲田)が3R、RSC勝ち。男女シニアBの部ライト級に出場した上田敦士 (先理2=神奈川・浅野)、同じく男女シニアBの部ウェルター級に出場した鍜治将大(社3=大阪・明星)がポイント勝ちを収めた。一方、男女シニアAの部のヘビー級に出場したBiederman Nathaniel(院2=アシュランド大)、男女シニアBの部フライ級に出場した後藤誉雄(法1=東京・早大学院)はポイント負けを喫した。
最初に登場したのは一丸。試合開始直後から手数の多さで相手を圧倒し、試合を優位に進める。続く第2ラウンドでもその勢いは衰えず、1度目のダウンを奪う。最終第3ラウンド、左ボディで2度目のダウンを奪い、見事RSC勝ちを収めた。続いて登場したのはBiederman。第1ラウンド、序盤から果敢に攻めるも、相手の重いパンチが顔面に直撃する。続く第2ラウンド、積極的に前に出続けたものの、終始相手のペースで試合は続いた。第3ラウンド開始直後から相手の猛攻を防ぐことが出来ず、2度のダウンでRSC負けとなった。
続いてリングにあがったのはフライ級の後藤。第1ラウンドは右のジャブでうまく距離をとりながら冷静に左ストレートを打ち込んでいく。続く第2ラウンドは激しいパンチの応酬。均衡が破れたのは第2ラウンド終盤。相手のワンツーに対して左ストレートのカウンターでこの試合初のダウンを奪う。最終第3ラウンド、最後まで激しい打ち合いは続いたが、終始リング中央をとりながら主導権を握ったのは相手らか。結果は1ー2で惜しくも後藤のポイント負けとなった。
早大の4人目は昨年の早慶戦で白星をもたらした上田。第1ラウンドは相手の動きを見ながら、要所要所でパンチを決め、冷静に試合を進める。第2ラウンドも同様の展開が続き、勝負は最終第3ラウンドへ。体力を激しく消耗し、手数が少なくなるも身体を動かし続けた。試合終盤、バッティングのアクシデントもあったが攻め続け、結果は3ー0で上田のポイント勝ち。
最後に登場したのはウェルター級の鍜治。「昨年、最後の試合(早慶戦)で気持ちだけ前にでて負けてしまったので、今回は自分のやるべきことを冷静に遂行することを心がけた。特にジャブで試合を支配しようと思った」と語った。その言葉通り、リング中央に位置どり、冷静に相手の動きを見ながらジャブを打ち込んで試合を進めた。相手が長身で身長差・リーチ差のある難しい試合となったが、積極的に距離をつめて相手の距離を潰すことで試合を支配した。しかし見合う時間も多く、決定的な一打はないまま判定へ。結果は3ー0で鍜治のポイント勝ち。今年初めての試合で勝利を収めた。
今大会では、早大から5人の出場者のうち3人が勝利を収めた。しかし勝者にも手数の少なさなど、次戦に向けて修正すべき点が浮き彫りになった。今後の関東大学トーナメントや早慶定期戦での白星に向けて早大ボクシング部の新たな1年がスタートした。
(記事 西塚奏琉)
結果
シニアA
▽バンタム級
〇一丸陽将 RSC(3R)
▽ヘビー級
●Biederman Nathaniel RSC(3R)
シニアB
▽フライ級
●後藤誉雄 1ー2
▽ライト級
〇上田敦士 3ー0
▽ウェルター級
〇鍜治将大 3ー0
コメント
鍜治将大(社3=大阪・明星)
ーー今年初の試合でしたがどのような気持ちで試合に臨まれましたか
昨年、最後の試合(早慶戦)で負けてしまったので、今年最初の試合は必ず勝つ気でいました。また、後輩たちに情けない部分を見せれないと感じていて、余計勝たないとと思ってました(笑)
ーー身長差のある試合でしたが難しさは感じましたか
対戦相手をリサーチするために、同じ学年で仲の良い東大ボクシング部員(中原くん)に対戦相手についてヒアリングしました。「身長195cmか190cmどっちか。でも190cm以上」という返事がきて…(笑)正直初めての身長差・リーチ差での試合だったので、距離感の難しさはありました。
ーー試合全体を振り返って、良かった点と悪かった点を教えてください
良かった点は冷静に戦えたことです。試合の中で徐々に距離感を掴み、ジャブがあたりだした時に身長差・リーチ差に関係なく戦うことができるなと感じました。悪かった点は岩崎監督と田中コーチから指摘された手数の少なさです。冷静になるがあまり、相手と見合う時間も多々ありました。
ーー今後の課題を教えてください
課題は手数です。今後は冷静に戦いつつも、岩崎監督と田中コーチに指摘された手数で圧倒する試合ができるよう日々の練習の強度を上げていきたいです。
ーー今年の目標をお願いいたします
目標は高く、全試合全勝です。コサカジムでお世話になっている磯辺さんが「強くなって試合にも勝って話題を作ってくれ」と言ってくださったので、今年は試合に勝って話題も作れればと思います(笑)。
上田敦士 (先理2=神奈川・浅野)
ーー本日のコンディションはいかがでしたか
試合に出ることが決まった時に、少し体重が増えすぎてしまっていて、実はリミットまでに8キロくらい減量しないといけなくて。すごく辛かったですね。コンディション的にはあまり良くはなかったです。
ーー今年最初の試合ということで、どのような意気込みを持って臨まれましたか
3カ月後に自分が今一番目標としているリーグ戦があるので、そこにつながるような試合をしたかったなと思っていました。
ーー実際の試合を振り返ってみていかがでしたか
実際は全然ダメでしたね。体力がまず持たなかったということもありますし、もっと自分の足を使ってやる、アウトボクシングというのが全くできていなかったので、そこは本当に反省しています。
ーー試合プランなどはありましたか
まずはジャブをついて、それで相手が来たところに返しのカウンターを入れて、そして当たったら突っ込みすぎないように気をつけながらすぐラッシュに行けるように、ということを意識していました。実際は自分も出ずに、当たった後も空振りまくってしまって、良くはなかったです。
ーー今回の試合での収穫と課題を教えてください
コンディションが自分の中では本当に悪かったので、そのコンディションの状態である程度の、最低限のパフォーマンスができたというのは収穫ではあります。ただ、リーグ戦で勝つために、となると、もっとしっかり自分の左右ができるような練習をしなきゃいけないので、そこはやはり課題かなと思います。
ーー試合終盤にバッティングがあったと思いますが、その影響は特になかったのでしょうか
最後の30秒だったので、そこまで大きな影響はなかったです。
ーー最近の練習で意識されていることは何ですか
今まではシャドーで少し手を抜いてしまっている部分があったので、そこを少しずつ、きちんとシャドーも意識して、相手がいる想定でやるということを意識しています。
ーー最後に今シーズンの目標を教えてください
まずはリーグ戦です。1人、絶対的に強い選手がいるので、その人にどれだけ食い下がれるかということをまず自分で試したいです。それと3年生になるので、少し大きな大会にも出てみたいなと思っています。