第2回オープン戦が行われ、ワセダからは藤田裕崇(社3=愛知・清林館)が出場した。藤田はライトウエルター級から階級を一つ上げ、ウエルター級で試合に臨んだ。自分より階級が上の相手との練習を重ね、慣れない階級へ万全な対策を講じて挑んだ。だからこそ勝利を飾り、勢いをつけたいところであった。しかし最後まで粘りを見せたものの、判定負けとなりあと一歩及ばなかった。
力強いボクシングを見せた
「パワーに自信があった」(藤田)と語る通り、力強いパンチで第1ラウンド(R)から積極的な攻めを見せた。持ち前のフットワークを武器に相手に有効打を与えようとする。だが、ボディーを狙い低姿勢で攻めるが、相手のガードは堅く、思うようにパンチを決められない。続く第2Rは相手の猛攻を受ける。しかし攻めの姿勢は崩さず、間合いを詰められた際もボディーへの連打で応戦する。そして両者一歩も譲らぬ中、迎えた3R。激しい打ち合いになり、両陣営の応援もヒートアップしていく。し烈な打ち合いで重みを増すパンチによって響く音からは勝利への執念が伝わってきた。相手の顔面を狙い、逃すまいと終始目の前の相手に食らいつく藤田。しかし徐々にガードが下がり、ついに相手のペースを崩すことはできず判定にもつれ込み、初の敗北を喫した。
敗戦を糧にさらなる成長を期待したい
「気持ちが足りなかった」と自身の敗因を振り返る藤田。無敗であっただけに今回の試合は悔しさが残るものとなった。しかし「もう負けたくない」(藤田)と語るその目には勝利への強い意志が宿っていた。今回得た課題を踏まえ、どのような姿を見せてくれるだろうか。来る早慶戦に向け、部の士気も高まってきている。昨年に続く白星を挙げるためにも藤田の成長に期待したい。
(記事 茂呂紗英香、写真 佐藤慎太郎)
コメント
藤田裕崇(社3=愛知・清林館)
――今回はどのような意気込みで試合に臨まれましたか
階級を一個上げて挑戦という意味もあり、パワーに自信があったので倒してやろうかなくらいの気持ちで試合前はいました。
――きょうに向けてどのように調整されましたか
基本的にミドル級の選手とか自分より階級が上の選手と練習をして、どういうパンチが当たるのかなというのをいろいろ研究しました。基本的に小さい選手とは一度も練習しなかったです。
――今回の試合を振り返っていかがでしょうか
情けないですね。自分自身ではもっとできると信じていたので。本番で相手の選手の気持ちが強かったので自分はそこで気持ちが足りなかったと凄く実感しています。
――打ち合いや接近戦が多かったですが
あれは自分でも完全に相手のペースに飲まれていた感じはします。
――初めての敗戦になりますが課題は見つかりましたか
本番に対して自分が今まで練習してきたことをどれだけ出せるか、という本番に対する考え方というのを今から改めていこうと思います。練習でしていることとかは全部自分の中で発揮できたら相当なことがない限り試合で負けないと思っていて、そこは自分で本番への気持ちの持っていき方とか実力の出し方みたいなのを自分の中で考えて研究して次から一回も負けないようにしていきたいです。
――技術面においてどのようにレベルアップしていきたいとお考えでしょうか
今回もやはり左のパンチが少なかったので自分にとって前の手への練習もそうですし、打つときにガードが下がってしまうというのはパンチの正確性とか、プロは倒せばいいですがアマチュアはちゃんと相手に当てなければいけないので当てられるパンチを形作るという技術の練習をしたいですね。
――早慶戦に向けて部の雰囲気はいかがでしょうか
全然悪くないですね。人数が少ないのですがそれぞれがそれぞれの階級でどういう風に練習していくかこれからどんどんつくっていくと思うので、早慶戦の前に何個か試合がある中でそれぞれ部員が調整して本番に備えられるといいなと思います。今、慶大が凄く強くなっていてこのままでは負けてしまうかなというのが本音なので、そこで個人の課題を見つけてどんどん試合をしていきたいです。実践に対する練習をしていきたいと思います。
――ご自身の今後の目標をお願いします
もう負けたくないです(笑)。それだけです。