関東大学トーナメントは最終日を迎え、聖地・後楽園ホールで決勝が行われた。エースのフライ級・岩田翔吉(スポ3=東京・日出)は前の試合に引き続き決勝でも相手が棄権したため不戦勝となり優勝。したがって、ライトウェルター級・淡海昇太主将(教4=神奈川・浅野)一人が決勝の戦いに臨むこととなった。チームの期待を背負った主将はしっかりと結果を残し、2ラウンド(R)TKO勝ちで見事、優勝を飾った。
淡海主将の決勝の相手は大東大の選手。1年生の時から戦ってきた後楽園ホールでの最後の試合となるため、特別な思いで臨んだ。「ガチガチに緊張していた」(淡海主将)という第1Rは静かな立ち上がり。互いに思うような攻撃ができない。続く第2R、落ち着きを取り戻した淡海主将は次第に試合のペースを握る。しかし、なかなか有効なパンチを与えられない。そんな中、1分40秒を迎えた時だった。淡海主将の左フックが決まり、相手をマットに沈める。まさに文句なしのダウン。この一発でTKO勝利を奪い、優勝を手にした。
淡海主将(右)の左フックが相手選手の顎を捉えた瞬間
試合終了のゴングが鳴り響くと淡海主将の顔からは自然と笑みがこぼれた。「今まで相手を倒してのKOっていうのがなかった」(淡海主将)。その笑顔からは会心の一撃で勝利をつかみ取った喜びが伝わってきた。リングサイドでは共に戦ってきた仲間が主将を迎え祝福する。早大ボクシング部の一体感をそこに感じた。
優勝を決め、笑顔を見せる淡海主将
今季、チームとしての結果は振るわず2部昇格を逃した。しかし、淡海主将が「4年生の熱い姿っていうのは後輩たちに見せられた大会だった」と語るように、次につながる戦いとなったことは間違いない。来季こそは後輩たちが2部リーグへの切符を手にしてくれるだろう。
(記事 金澤豪、写真 新津利征、本田理奈)
結果
▽決勝
フライ級 ◯岩田翔吉 不戦勝
ライトウェルター級 ◯淡海昇太 TKO(2R1分49秒)
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コメント
淡海昇太主将(教4=神奈川・浅野)
――試合を振り返ってみて
これが最後の後楽園ホールになるということで最初はガチガチに緊張してしまって、1ラウンド目は思うような動きができなかったのですが、2ラウンド目はしっかり落ち着いた試合運びができたのでこのままいっても勝てるなという風には思っていました。
――ダウンを奪った時の気持ち
本当に練習してきた通りのフックで倒せたっていうのがすごく嬉しかったです。今まで相手を倒してのKO勝ちっていうのがなかったので最後の後楽園ホールでKO勝利を収めることができたということがすごく嬉しいです。
――後楽園ホールに対する特別な思いはあるか
やはり1年生から2部リーグでやっていた時、ずっと後楽園で戦ってきて、悔しい思いを何度もこの後楽園ホールで味わってきたので、最後の後楽園ホールで絶対勝ちたいなという思いで戦いました。
――キャプテンとしてシーズンを通じての感想
チームとしてはすごく悔しい結果になってしまったのですが、今の4年生の熱い姿っていうのは後輩たちに見せられたリーグ戦だったと思うので、この思いを後輩たちがしっかり受け取って来季以降に生かしてくれればいいなと思います。
――今後の個人戦への意気込み
今までの最高が国体のベスト16なので絶対それ以上になってランキングに入るっていうのが目標なので、あわよくば優勝も狙っていきたいと思います。