関東大学トーナメント準決勝、早大はフライ級・岩田翔吉(スポ3=東京・日出)が不戦勝となったため2人の選手が決勝進出をかけた戦いに臨んだ。バンタム級・田室慶多(人4=広島・修道)は惜しくも第2ラウンド(R)に2回のダウンを奪われTKO負け。ライトウェルター級・淡海昇太主将(教4=神奈川・浅野)は判定勝ちで決勝へと駒を進めた。これで後楽園ホールでの決勝の舞台に立てるのは2人となった。
田室は大東大の選手と対戦。第1R、田室は相手のジャブをもらうもしっかりと応戦しパンチを当てていく。立ち上がりは田室若干の優勢。しかし、第2Rに入ると「自分の距離ではなかった」(田室)と間合いを詰められ相手のパンチをボディーに受ける場面が増加。過酷な減量を行った影響もあるのか、次第に息が上がる。第2Rも残り30秒を切った時、相手のパンチがボディーに決まりダウンを奪われる。さらにそのわずか10秒後、顔面にパンチが入り2回目のダウン。これで勝負あり。田室は2RTKO負けに終わった。試合後、「みんなには申し訳ない気持ちがあります」(田室)とボクシング部の一員としての責任を感じており、悔しそうな表情が印象的だった。
チームのため懸命に戦った田室
続く淡海主将の相手は立大の選手。「何があっても負けられない」(淡海主将)と強い思いで臨んだ。第1Rは両者一歩も譲らぬ互角の打ち合い。続く第2R、淡海主将のボディーが決まり始める。相手からは有効なパンチをもらうことなく、次第に試合の主導権は淡海主将の手に。そして2分40秒を過ぎた時、淡海主将の細かい連打が相手の顔面をとらえダウンを奪う。だが、「そこで倒しきれないのが自分の課題」(淡海主将)と、思うような攻撃ができずに第2Rを終える。第3Rも変わらず淡海主将のペース。ボディーにも顔面にもパンチが当たる。しかし、決定打を浴びせることができないまま試合は終了。判定の結果、3—0で淡海主将が勝利した。
決勝への切符を手にした淡海主将
次戦はいよいよ聖地・後楽園ホールでの決勝。淡海主将は「絶対に勝つ」と気合十分。準決勝では奪えなかったKO勝利を期待したい。また、準決勝では不戦勝となり試合の間隔が空くことになるが、エース岩田の戦いも楽しみだ。準決勝までに敗退してきた仲間の思いもある。必ずや優勝の栄冠を勝ち取ってくれるだろう。
(記事 金澤豪、写真 新津利征)
結果
▽準決勝
フライ級 ○岩田翔吉 不戦勝
バンタム級 ●田室慶多 TK0(2R2分5秒)
ライトウェルター級 ○淡海昇太 3-0(29-27、29-27、29-27)
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コメント
田室慶多(人4=広島・修道)
――きょうの試合を振り返って
結果として負けてしまって、チームに貢献できなかったので情けないです。
――準決勝からの出場となりましたがその経緯は
僕は控えで、正選手がケガをしたということで出場しました。
――どういった意気込みでこの試合に臨みましたか
就職活動などもあったのですが、関係ないなと思っています。絶対に勝ってやろうと、プライドを懸けて臨みました。
――試合内容としてはいかがでしたか
1ラウンド目は取ったという声もありましたが、力不足だと思います。
――2ラウンドでは相手のパンチを受けてしまう場面が目立ったように見えましたが
おそらく相手のセコンドの指示で、接近戦に持ち込まれて、ボディーが効いてしまいました。自分の距離ではなかったので、そこが敗因だと思います。
――決勝戦に臨む選手たちに何かメッセージはありますか
みんなには申し訳ない気持ちがあります。チームの一員としてやれることをやって、自分の役割を果たしていきたいと思います。
淡海昇太主将(教4=神奈川・浅野)
――きょうの試合にはどのような意気込みで臨んだか
決勝に進出するには勝ちが絶対条件だったので何があっても負けられないという思いで臨みました。
――1か月試合の期間が空いたがその間の調整は
とても厳しいものがありました。4年生は就職活動をやりながらの調整になりましたが、絶対に負けられないという思いがあったので、悩みながら前に進んできた感じです。
――2Rのダウンについて
そこで倒しきれないのが自分の課題だと思います。きょうは倒して勝ちたかったという思いもあったので、そこに関しては反省して次に生かしたいです。
――勝ち残っているのは残り2人となったが
本当は3人で勝ち進んでいきたかったです。田室が頑張って熱い試合をしてくれたので田室の思いも忘れずに決勝に臨みたいと思います。
――決勝に向けて
絶対勝つので応援よろしくお願いします!