【女子バスケ】逆転に次ぐ逆転の大激闘 1点差で拓大を撃破し準決勝進出!

女子バスケットボール

 

第77回全日本大学選手権 12月12日 東京・大田区総合体育館

 前日の試合では順大に快勝し、全日本大学女子選手権(インカレ)の初戦を飾った早大。ベスト4進出を懸けた準々決勝は関東4位の強敵・拓大と激突した。試合は早大のエース・F西ファトゥマ七南副将(スポ4=千葉・昭和学院)が負傷するアクシデントがあったものの、一進一退の攻防が続く。同点のまま第4Qを迎えると、クラッチタイムの攻防を制した早大が75-74で劇的勝利を収めた。これで早大はベスト4進出。次戦は優勝候補大本命・東京医保大と対戦する。

 第1Qは激しい点の取り合い。拓大の高精度なアウトサイドシュートに苦しむが、早大も好調のオフェンスリバウンドで互角に対抗する。しかしQ残り約2分、エースの西副将が右足首を負傷し、ベンチに退く。この試合で西副将がコートに戻ることはなく、チームには暗雲が立ち込めた。その後はF阿部心愛(スポ1=愛知・桜花学園)が3Pシュートを決めるも、ンドイ・ウム(拓大4年)がバスケットカウントでやり返し、22-22で第1Qを終える。

 第2Qは一転して守り合い。一時は早大がリードを築くが、相手のウムを中心としたオフェンスリバウンドから失点が相次ぐ。それでもP山宮好葉(スポ3=東京成徳大)のリバースレイアップ、F菊地実蘭(スポ3=愛知・桜花学園)のセカンドチャンスポイントでリードを再度奪い、36-33で前半を終えた。

ボールを保持する山宮

 後半はいきなり0-6のランを許したが、ここまで苦しんでいたF衣川璃来(スポ3=埼玉栄)が第3Qに復調。アウトサイドシュートを中心に得点を重ね、チームを引っ張った。しかし拓大のウムを中心としたオフェンスを止めきれず、54-54で第3Qを終える。


 運命の第4Q。早大は最初のプレーでウムの4つ目のファウルを引き出す。早大も衣川がファウルトラブルでベンチに退いたが、代わったG中村真都(教3=長崎西)が連続得点を決める「Xファクター」としての活躍を見せた。しかしその後は相手インサイド陣の活躍を止められず、残り約4分でこの日最大となる5点のビハインド。接戦で勝ちきれなかったリーグ戦がよぎる、厳しい展開となった。

レイアップシュートを放つ中村

 それでも早大の反撃はここからだった。山宮が華麗なフローターシュートで相手の流れを止めると、衣川、山宮の連続3Pシュートで逆転に成功。残り1分を切ったところでまたもや拓大に1点のリードを許したが、菊池が2本のフリースローを沈めて早大がふたたび前に出た。

 その後試合はファウルゲームとなり、山宮がフリースロー2本を獲得。しかしこの2本が外れ、残り9秒、1点差で拓大のラストポゼッションを迎えた。守り切りたい早大は前からプレッシャーをかけ、相手のラインクロスを誘発。これが試合を決定づけ、75ー74で早大が勝利を収めた。最大点差は5点、リードチェンジは驚異の21回。死闘を制し、準決勝へ駒を進めた。

フリースローを放つ菊池

 次戦の相手は今季敵なしの東京医保大。元日本代表HCの恩塚亨HCが圧倒的な戦力を率い、リーグ戦では無敗優勝を成し遂げている。早大にとっては、昨年のインカレで敗れた因縁の相手。関東7位の早大が最強女王を下すジャイアントキリングを起こせるか。

(記事、写真 石澤直幸)

第77回全日本大学女子選手権 12月12日(vs拓大)

 1Q2Q3Q4Q合計
早大2214182175
拓大2211212074

♦早大スターティングメンバー♦

F#1菊地実蘭(スポ3=愛知・桜花学園)

F#7西ファトゥマ七南(スポ4=千葉・昭和学院)

C#8福王伶奈(スポ2=愛知・桜花学園)

P#13山宮好葉(スポ3=東京成徳大)

F#35衣川璃来(スポ3=埼玉栄)

 

コメント

F#1菊地実蘭(スポ3=愛知・桜花学園)

ーー試合全体を振り返って
 今日の試合は昨日に比べて早稲田勢いを持って試合を展開する時間が長かったので、それを最後まで粘り続けられたことがよかったと思います。

ーー本日は40分フル出場、23得点11リバウンドのダブル・ダブルの活躍でした
 序盤からオフェンスは思うように攻めることができたので良かったです。自分だけじゃなくて周りのみんなも熱い思いを出して、みんなで点を取りにいけたのがチームとして良かったなと思います

ーー本日は西選手を途中から欠きましたが、チームとしてはより士気が高まったのでは
 いつもエースとしてコートに立ってくれて、4年生でキャプテンとしてコートに立ってくれている人なので。出れないということが分かってからは不安もあったんですけど、3年生以下も頑張ってきたメンバーなので。そこで心折れずにさらに熱くなれたことが良かったと思います。

ーー市浦花(教4=東京・早実)選手をはじめに、ベンチからの声掛けが盛んです。本日は西副将も必死に声を出していました
 シュートが入って盛り上がってくれるのはやっぱり嬉しいですし、次ももっと頑張ろうと思えるので。すごく力になっています。

ーー拓大相手にはリーグ戦のリベンジとなりましたがこの点は
 リーグ戦は思うような結果が出なくて、ずっと負け続ける悔しい思いをしてきました。ここでリベンジできて、1番最後にこういう良いかたちで勝てたことは頑張ってきて良かったなと思います。

ーー明日の相手は東京医保大ですがどのように戦いたいですか
 自分らの速いオフェンスや、外からも中からも攻めれるところは医療さんも多分嫌なところだと思います。そこを常に狙い続けて、相手の嫌なところを突き続けたいです。