【女子バスケ】日本一を懸けた今季最後の戦い リーグ戦下位からの下克上なるか/インカレ展望

女子バスケットボール

 12月11日からの4日間、4年生にとって学生最後の舞台である全日本学生女子選手権(インカレ)が開催される。関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)は7位に低迷した早大だが、目指すは2014年以来の優勝。日本一に向け、秋からの逆襲を誓う。本記事では今大会の展望を早大の注目選手を中心にお届けする。

 早大の柱はF西ファトゥマ七南副将(スポ4=千葉・昭和学院)とF菊地実蘭(スポ3=愛知・桜花学園)の大学日本代表スコアラーコンビだ。

 西副将はフィジカル、ハンドリング、シュートと全てに隙がないオールラウンダー。得点ランキング4位の1試合平均18.4得点を記録しているほか、リバウンド本数もリーグ7位とインサイドでの貢献も見せている。

 菊池は3Pシュートを得意とするスコアラー。昨年のリーグ戦では3P王、今年の関東大学女子選手権(スプリングトーナメント)では得点王を獲得した。「点を取るのが自分の仕事」と語る菊池。当たり始めたら止まらないシュートの精度は勝敗を左右するだろう。

 オールラウンダーの西

 司令塔を務めるのはP山宮好葉(スポ3=東京成徳大)。高いゲームメイク能力を誇り、今年のスプリングトーナメントではアシスト王に輝いた。ディフェンス力も高く、リバウンドは身長163センチながらリーグ8位の平均6.8リバウンドを記録。攻守の両面でチームの要となる存在だ。

 また、F衣川璃来(スポ3=埼玉栄)もハンドラーを務める。今季はリーグ10位の平均14.5得点を記録したスコアラー寄りの選手だが、高いハンドリング能力を生かしガードとしても活躍中。山宮がベンチに下がる時間は衣川がオフェンスをつくっている。

 加えて、リーグ戦ではケガに苦しんだG中村真都(教3=長崎西)はインカレでの復帰が見込まれる。強度の高いディフェンスから流れを生む中村の存在は早大にとって大きなプラス要素だろう。

早稲田のアシスト王山宮

 インサイドの要はC福王伶奈(スポ2=愛知・桜花学園)とF阿部心愛(スポ1=愛知・桜花学園)だ。

 身長193センチの福王はチーム1のリバウンダー。留学生に対するディフェンスでもチームに欠かせない存在だ。オフェンスではフックシュートを初めとしたシュート能力が精度を増しており、福王のセカンドチャンスポイントには期待がかかる。

 阿部は今季怪我に苦しむ期間が多かったが、リーグ戦では随所に類まれなる才能を披露した。持ち味はドライブ、シュート、そしてリバウンドへの嗅覚。「大学に入ってからリバウンドの意識が高まった」と語る阿部だが、チーム状況には完璧に適応している。昨年は東京医保大の絈野夏海(2年)が1年生で鮮烈なインカレデビューを果たしたように、阿部も世代トッププレーヤーとしての活躍を見せたいところだ。

スーパールーキー阿部

油断ならない強敵ぞろい

  初戦の相手は関東2部Aブロックに所属する順大だ。今大会はブロック予選から勝ち抜き、本日の試合では2年前にベスト4の日本経済大を撃破。エースの関口もえ(4年)は22得点10アシストのダブル・ダブルを記録するなど、高い仕上がりを見せている。ここまで3試合を戦っている順大に対して、早大は明日の試合が初戦。大会の入りに対する難しさとの戦いにもなりそうだ。

 準々決勝は大体大と拓大の勝者が対戦相手となるだろう。大体大と早大は昨年のインカレで対戦。3Pシュートの不調とファウルトラブルにより苦しい試合となったが、最終的には早大が14点差で勝利をつかみ取った。

 拓大は今季早大と3度対戦し、拓大の2勝1敗。スプリングトーナメントでは早大が延長戦の末に勝利を収めたが、リーグ戦は拓大の2連勝に終わった。注目選手は日本人エースの佐藤恋々(4年)とリーグ戦リバウンドランキング2位のンドイ・ウム(2年)。激戦が予想されるが、粘り強い戦いで勝利をもぎ取りたい。

 そして準決勝での対戦が予想されるのが、因縁の東京医保大だ。昨年のインカレで早大は東京医保大に第4Qで逆転負け。今年はリベンジを果たしたいところだ。しかし東京医保大は昨年からの進化を遂げており、ここまで全勝でスプリングトーナメント、リーグ戦の二冠を達成。今大会優勝大本命の絶対女王だ。注目選手はリーグ戦MVPの大脇晴(4年)と、スキルフルな留学生のロー・ジョバ(1年)。苦しい戦いが予想されるが、粘り強い戦いでリベンジを果たしたい。

 今季は怪我人が続出した早大。リーグ戦ではあと一歩での敗戦が相次ぐ苦しい時期が続いた。「インカレはあと一歩をつかんで、最後良かった1年だったなと思って終われるように」とF望月綾乃主将(スポ4=東京・実践学園)。自分たちの力を信じ抜き、全国の舞台で下克上を巻き起こす。

(記事 石澤直幸)