インカレ準々決勝、序盤からペースを握られ東京医療保健大に完敗

女子バスケットボール

  全日本大学選手権(インカレ)準々決勝、早大はベスト4進出をかけ5連覇中の東京医療保健大と対戦した。第1クオーター(Q)、中外バランスの良い相手の攻撃を止めることができず13点ビハインド。第2Qも相手から流れを奪えず前半だけで20点差をつけられた。後半、3連続でバスケットカウントを奪い勢いに乗るも東京医療保健大の背中は遠く、71-101で敗戦した。

シュートを狙うヤヤ

 試合開始早々、東京医療保健大のCジョシュアンフォノボテミトぺを止めることができず連続得点を許す。0-8と全くリズムをつかめない早大は、第1Q残り7分で早速1つ目のタイムアウトで流れを切る。G江村優有(スポ2=愛知・桜花学園)の1対1や、Gフェスターガードヤヤ(スポ3=宮崎・小林)の速い展開の攻撃でなんとか追いすがろうとする早大。しかし相手の固いディフェンスを崩すことができず、いいシュートが打てない。第1Q終了間際にこの試合5本のスリーポイントを決めたF林真帆にダメ押しのスリーポイントを沈められ、11-24と大幅にリードを許した。第2Qもディフェンスの手を緩めない東京医療保健大。早大はパスを回すことができずドリブル一辺倒になって潰されてしまい、なかなかネットを揺らすことができない。ディフェンスでもテミトペのインサイドを警戒すれば外に飛ばされアウトサイドシュートを決められる。23-54で前半を終えた。

 後半に入ってもペースをにぎられ勝負は決まったかに思われた。しかし中盤、「走ることが突破口になった」(G中山桂、スポ3=愛知・桜花学園)と、G西ファトゥマ七南(スポ1=千葉・昭和学院)のアシストでヤヤが速攻を決めると、C川岸柚(スポ1=群馬・市太田)、ヤヤ、F江頭璃梨(スポ2=宮崎・小林)が3連続で速い展開からバスケットカウントを獲得し、主導権を握る。しかし残り4分で相手に速攻を許し流れを奪われ、48-80で最終Qに突入した。最終Qもコート内外で声を出し戦い続ける早大。残り1分で二人の4年生、F桂蘭主将(スポ4=愛知・桜花学園)、G境美潮(スポ4=神奈川・座間)が最後のコートに立った。桂主将はオフェンスリバウンドをとったC中野雛菜(スポ2=神奈川・東海大相模)からパスを受け、レイアップを決めた。

ドライブする桂主将

 早大は71-101で敗戦し、インカレ準々決勝敗退が決まった。東京医療保健大の固いディフェンスをかき乱すプレーをすることができず、ディフェンスでは中外のバランスの良いプレーにほんろうされた。早大の今シーズンの挑戦は終わった。下級生主体のチームで戦ってきたため、来シーズンは「プレー面では出ているメンバーはあまり変わらない」(中山)。さらに成長した姿を見せてくれることだろう。

(記事 冷水睦実、写真 濵嶋彩加)

全日本大学選手権 12月9日(vs東京医療保健大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

11 12 25 23 71
東京医療保健大 24 30 26 21 101

◇早大スターティングメンバー◇
G#3 フェスターガードヤヤ(スポ3=宮崎・小林)

G#21 中山桂(スポ3=愛知・桜花学園)

G#23 江村優有(スポ2=愛知・桜花学園)

F#32 江頭璃梨(スポ2=宮崎・小林)
F#88 川岸柚(スポ1=群馬・市太田)

コメント

中山桂(スポ3=愛知・桜花学園)

――どのような話をして試合に臨みましたか

 今年何回もやっている相手なので、そろそろ王座から引きずり下ろすという意味で、勝ってしまおう、いつも通りの自分たちの良い雰囲気でやっちゃおうぜ、という感じで入りました。

――前半1番の反省点を教えてください

 相手の22番の林(真帆)さんにスリーポイントを高確率で決められてしまったところです。いつもより仕掛けという部分が遅くなってしまって簡単にノーマークで打たせてしまったので、そこで点差が開いてしまったなと思います。

――ハーフタイムにはどのようなことを話しましたか

 1回、1つの糸口を見つけたらそこを徹底的に攻めることでまだまだ勝負できるから、一歩ずつ点数を詰めていこうと話しました。

――良かったところを挙げるとすれば、どのような点ですか

 3ピリの場面でしっかり走って得点できたところです。それが早稲田のリズムだったと思うし、走ることが突破口になったと思います。あとはベンチからの声掛けが一回も静まることなくて、ずっとベンチの子たちが声をかけ続けてくれたので、コート内のメンバーは最後まで諦めることなくプレーし続けることが出来たと思います。

――最後に来季に向けて意気込みをお願いします

 4年生が抜けた分、メンタル的な部分はまだまだ自分たちは構築できていないと思いますが、プレー面では出ているメンバーはあまり変わらないので、経験値は来シーズンにも生かしていきたいと思います。けれど、そのままだったら絶対に勝てないし、逆にデータが揃っている分相手チームにアジャストされやすいという点が挙げられるので、しっかり出ているメンバーも変化し続けられるように来シーズンに向けてまた頑張りたいと思います。

 

境美潮(スポ4=神奈川・座間

――コートに立った時の気持ちを教えてください

本当に感謝しかないです。あの場面で出してくれるフィンさん(大西真由監督)にもヤヤとか後輩にも。ヒマ(桂主将)と同じコートに立てたのは1年生の時以来で、本当にうれしかったです。

――インカレまでを振り返って

長いようで短かったかな。4年間楽な瞬間はなかったけど、本当に苦しかったけど、やり続けてよかったって思ったし、バスケ部に入ってよかったって思ったし、本当に周りの人たちいろんな先輩も後輩も同期も全員会えてよかったなって思います。

――試合が終わったときの気持ちを教えてください

引退するときにコートに立ててなかったら自分の努力不足だっていうのは、ずっと前から決めていて。ああいう形だったけど、出させてもらったことで、自分がやってきたことは間違ってなかった、そこに対しては胸を張ることができたのかなって思います。

――最後に後輩にメッセージをお願いします

(来年は)いい意味でも悪いでもあんまり(今年と)変わらないから、来年も自信を持って、自分たちがやってきたことをやり続けてほしいです。この1年本当に大変だったと思うけど、そのやり切ったことに自信を持って、必ず日本一を取れるように頑張ってほしいです。