早大の上位リーグ進出がかかった一戦。現在4連敗中の早大は昨年リーグ戦3位(早大は4位)の拓大と対戦した。一対一を中心に攻める早大に対しインサイドを軸に攻める拓大。前半は一進一退の攻防で、同点でハーフタイムに入った。第3クオーター(Q)、拓大のアウトサイドシュートが決まり6点ビハインドで最終Qへ。中山桂(スポ3=愛知・桜花学園)のスリーポイントなどで拓大の背中を捉えると残り30秒で再び中山がスリーポイントを沈め、92-88で白星を手に入れた。
勝負強さを発揮しスリーポイント成功率45%を記録した中山
試合はG江村優有(スポ2=愛知・桜花学園)のバスケットカウントから始まった。F江頭璃梨(スポ2=宮崎・小林)が拓大の留学生選手相手に善戦するも、「相手の方がリバウンドを取りきっていて圧倒的に数が違っていた」(中山)とセカンドチャンスの部分で差がつき、点差を作ることができない。互いに譲らないまま、46-46で試合を折り返した。
均衡が崩れたのは第3Q開始直後。拓大がアウトサイドシュートを連続で決め、6点差まで離される。Gフェスターガードヤヤ(スポ3=宮崎・小林】の速攻、江村のスリーで1点差まで詰め寄るも、拓大も終了間際にスリーポイントを決め返し、6点ビハインドで第4Qに突入した。第4Q序盤は得点が決まらず良くない空気が漂う。しかし、中山の2本のスリーポイントで2点差の逆転圏内に入ると、江村を中心に得点し、ヤヤのドライブインでついに逆転。オフェンスファールも獲得し流れを手繰り寄せた。しかし、残り1分2点リードで相手にフリースローを与えてしまい、そのリバウンドを取られて決められ87-88。早大のタイムアウト後、「あいたら打つと決めていた」という中山が江村からのパスを受け、残り30秒で逆転のスリーポイントを沈めた。勢いに乗る早大は執念のディフェンスで拓大の攻撃を止め、その後の攻撃で江村がフリースローを獲得し92-88で試合終了の笛がなった。
39得点を記録し圧倒的な得点力を見せた江村
「勝つというよりも自分たちのプレーを思いきり表現して、試合で勝ったあとの自分たちの姿をイメージして」(中山)挑んだという早大。上位リーグ進出のために絶対に負けられない一戦に勝負強さで打ち勝った。苦労して取った2点を相手に簡単に決め返されてしまう場面が多かった早大。他大に比べ選手層の薄い早大にとって、いいディフェンスから自らのオフェンスにつなげ、ボールを回していかに簡単に点を取るかが上位リーグを勝ち抜く鍵となるだろう。
(記事 冷水睦実、写真 戸祭華子)
関東大学女子リーグ戦 10月15日(vs拓大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
20 | 26 | 19 | 27 | 92 |
拓大 | 20 | 26 | 25 | 17 | 88 |
◇早大スターティングメンバー◇
G#3 フェスターガードヤヤ(スポ3=宮崎・小林)
F#11 佐藤実花(人1=岩手・盛岡白百合学園) G#21 中山桂(スポ3=愛知・桜花学園) G#23 江村優有(スポ2=愛知・桜花学園) |
コメント
G中山桂(スポ3=愛知・桜花学園)
――まずは勝利おめでとうございます。最後の逆転スリーを振り返ってください
最後のスリーは空いたら打つと決めていて、それが逆に良かったのかなと思います。
――試合全体を通して、今日のシュートタッチはいかがでしたか
すこぶる良いという訳ではなかったのですが、エム(G江村優有、スポ2=愛知・桜花学園)、ヤヤ(Gフェスターガードヤヤ、スポ3=宮崎・小林)といったガードの2人が良いパスをくれたので、入らなくても打ち切るイメージでいました。
――どのような気持ちでこの試合に挑まれたのですか
もしこの試合に負けてしまったら、下位リーグになってしまう可能性があったので、絶対に勝つんだという気持ちでいました。ですが、大西さん(大西真由監督、平20卒)から、絶対勝たなきゃという結果を求めてしまうと過程が崩れてしまうので、まずは勝つというよりも自分たちのプレーを思いきり表現して、試合で勝ったあとの自分たちの姿をイメージして臨もうという話があったので、まず自分たちのプレーを楽しんでやってきた結果が、勝ちにつながったと思います。
――なかなか点差がつかない試合展開でした。ハーフタイムではどのようなことを話し合いましたか
自分たちよりも相手の方がオフェンスディフェンスともにしっかりリバウンドを取りきっていて圧倒的に数が違っていたので、しっかりボックスアウトしてディフェンスリバウンドを取りきろうという話をしました。
――大事な一戦で勝利しました。今後への意気込みをお願いします。
上位リーグで3位にならなければインカレ(全日本大学選手権)のシードはもらえないので、しっかり3位以内に食い込めるように上位を倒していきたいと思います。