下級生が躍動した新人戦 再延長の末、初戦で散る

女子バスケットボール

 3年ぶりの開催となる関東大学女子新人戦が幕を開けた。シード権をもつ早大は、ベスト16からの参戦。現在2部Bに所属している明大との対戦は、大熱戦の末、延長戦へ。しかし、延長5分でも決着はつかず、再延長に突入。ここで粘れなかった早大はファウルトラブルを引き起こし、立て続けにフリースローを許す。最終的には5点差をつけられ敗北し、早大はまさかの初戦敗退となった。

 

ジャンプシュートを打つ佐藤

 F田端夏海(スポ2=三重・津西)のスリーポイントで初得点を奪うも、すぐさま相手にスリーポイントを返され、ここから一進一退の攻防が続く。17-19で第2クオーター(Q)に進むと、次々にミドルシュート、スリーポイントを沈められ、10点差まで開く。しかし、早大もF佐藤実花(人1=岩手・盛岡白百合学園)の華麗なドライブやF江頭璃梨(スポ2=宮崎・小林)のバスケットカウントで食い下がる。前半残り2分、相手のチームファウルが溜まる中、F望月綾乃(スポ1=東京・実践学園校)がファウルを奪うと、明大はたまらずタイムアウト。それでも、タイムアウト明けのフリースローをきっちり沈め、4点差まで詰め寄る。続けて、佐藤がスティールからミドルシュートを決め切り2点差に。このまま流れをつかみ、前半を終えたいところだったが、惜しくも明大にブザービーターでスリーポイントを決められ、後半へ進むこととなった。

 第3Q序盤に速攻と連続スリーポイントを許し、明大ペースとなる。望月が「もう少し貢献することができれば良かった」と振り返るように、明大の力強いリバウンドにも苦しみ、点差がこの試合最大の14点に。しかし、F川岸柚(スポ1=群馬・市立太田)が1:1からシュートを奪うと、田端のスリーポイント、佐藤のドライブ、C松崎玲那(社2=愛知・桜花学園)のリバウンドシュートと、それぞれの強みが光るプレーが続く。そんな中、早大の良い流れを断ち切るかのように再び明大のスリーポイントが突き刺さる。流れをつかみ切れないまま6点差で第4Qに入ると、試合は両者一歩も譲らない展開に。残り5分、明大のスリーポイントで11点差。しかし、ここから急激に風向きが変わる。オフェンスでは「絶対に追いついて勝ち切ろう」(田端)と、驚異の7連続得点を挙げ、ディフェンスではオールコートからプレッシャーをかける。 残り3分、ついに逆転を果たすと、試合は最高潮の盛り上がりを見せる。そこから両チーム交互にゴールを奪い、残り30秒、相手のターンオーバーで早大ボール。ここで佐藤が安定感のあるシュートを沈め、74-71。試合は残り8秒に。ラストプレーを守り切りたい早大だったが、またもや明大のスリーポイントが決まり、74-74で延長戦へと突入した。

 

シュートを狙う田端

 激しい興奮に囲まれて、たった5分間の延長戦が始まった。望月のスリーポイントを皮切りに、白熱した攻防が繰り広げられる。残り30秒で相手にフリースローを許すと、これを決められ2点差。残り8秒、点差はそのままに明大ボール。厳しいかと思われたが、チームは諦めない。残り5秒でボールを奪うと、明大が弾いたボールはコートの外に。0.3秒でエンドラインからのセットオフェンス。緊張が走る中、ボールが松崎の手に渡ると、ここで見事なバスケットカウントを奪う。惜しくもフリースローは決まらなかったものの、再び同点に。延長5分で決着がつかなかったため、試合は再延長へと突入した。開始直後、明大のスリーポイントで3点差。その後もファウルが重なり、次々にフリースローを許す。その間、佐藤のドライブで点数を返すも、あと一歩追いつけず。激闘は、89-94で幕を閉じた。

 昨年秋の全日本大学選手権(インカレ)3位、先日の関東女子大学選手権4位という華々しい戦績を誇る早大にとって、今回の敗北は悔しさが残るものとなった。しかし、今試合では多くの1、2年生に出場機会が与えられた。ここから心機一転、チームは新しいバスケットをつくり上げるだろう。早大の真価を見せられるか。チームはこの敗戦を糧に、7月に控える早慶定期戦、そして秋のインカレへと臨む。

(記事 宮島真白、写真 冷水睦実)

第12回関東大学女子新人戦 5月29日(vs明大)
   1Q 2Q 3Q 4Q OT OT 合計

早大

17 16 16 25 10 89
明大 19 19 16 20 10 10 94
F#11佐藤実花(人1=岩手・盛岡白百合学園)
F#25田端夏海(スポ2=三重・津西)
F#32江頭璃梨(スポ2=宮崎・小林)
F#15利川晴菜(スポ2=埼玉・早大本庄)
C#22中野雛菜(スポ2=神奈川・東海大相模)
コメント

田端夏海(スポ2=三重・津西)

――率直な今の思いは

率直に言うと、勝ち切ることができず、悔しい気持ちです。

――試合前、どのような展開になると予想していましたか

まずは、自分たちのやるべきことを徹底して早稲田のバスケットをした上で、相手の得意な3Pを抑え、自分たちの勝利にもっていこうと話をしていました。

――ディフェンスでの反省点は

個人としては、相手の得点源が3Pであったにも関わらず、カバーにいくのか自分のマークマンに戻るのか中途半端になってしまい、うまく修正できなかったところです。

――ご自身のプレーを振り返って、良かったところは

3Pを打つべきタイミングで打てたところと、ドライブからシュートを最後までねじ込みに行けたところです。

――第4Qで追い上げましたが、その時の心境は

とにかく気持ちを切らさず、強い気持ちをもって、絶対に追いついて勝ち切ろうと思っていました。

――今後、チームで頑張りたいことは

今回の反省を次に生かし、やるべきことを追及し続けます。

佐藤実花(人1=岩手・盛岡白百合学園)

――率直な今の気持ちは

とても悔しい気持ちでいっぱいです。なかなか自分たちのバスケができずに、相手のペースに飲まれてしまいました。

――入りのチームの雰囲気は

入りから勢いを持ってやろうという話をしていましたが、自分たちのミスが続くとダメな雰囲気になってしまいました。

――第4Qで勢いづきましたが、チームではどのような話がありましたか

オフェンスのペースを上げていこうという話がありました。

――逆転弾となった第4Qのミドルシュートを振り返って

とにかく点数を取らないといけない、絶対決めようと思ってシュートを打ちました。

――延長戦でなかなか逆転できなかった時の気持ちは

点数がなかなか入らずに焦る気持ちが大きかったです。

望月綾乃(スポ1=東京・実践学園校)

――率直な今の思いは

早稲田らしいバスケットができずに終わってしまったのでとても悔しいです。

――どのようなプレーを求められてコートに立ちましたか

リバウンドに絡むことです。

――実際には、そのプレーはどのくらいできましたか

オフェンスリバウンドを何本か取ることができましたが、ボールに触ったのにマイボールにできなかった場面が何度かありました。ディフェンスリバウンドでももう少し貢献することができれば良かったなと思いました。

――延長に進んだ時、チームではどのような話がありましたか

もう一度集中して強く攻めていくことと、相手の外のシュートをケアすることです。

――今後頑張りたいことは

1on1のディフェンスをもっと強化して、早大のチームディフェンスにつなげていけるように頑張りたいです。