全日本大学選手権(インカレ)準々決勝で『強い早稲田』を体現した。前半、シュートが決まらず、リードされる時間が続く。一時は9点差まで点差を広げられるが、ディフェンスで粘り続け、流れをつかんだ第3クオーター(Q)に連続得点で逆転。そこからは早大の独壇場となった。66-57で大阪体育大を下し、早大は5年ぶりとなる準決勝への切符を手にした。
「絶対勝つという気持ちがアップから雰囲気で作れていた」(G神山夢来主将、スポ4=埼玉栄)という早大はベスト4入りをかけた対戦に挑んだ。第1Qはシュートが決まらず我慢の時間帯となる。早大のスコアが止まる中、大阪体育大のスリーポイントが当たり、じりじりと差をつけられた。しかし「ディフェンスでやるべきことを徹底できた」(神山)と、粘り強いディフェンスを見せて、シュートが入らないながらも食らいつき、14-23で第2Qへ。開始早々神山が相手のボールをカットして速攻を決めると、好調のヤヤのジャンプシュート、バスケットカウントで次々に得点。C大原咲織(スポ4=東京成徳高)のブロックも炸裂し、ディフェンスから早大が流れをつかむかと思われた。しかし、まだ外のシュートが当たらず流れをつかみきれない。そのまま3点ビハインドで前半を終えた。
21得点を記録したヤヤ
何かを解き放つかのように、前半から「信じて打ち続けた」(ヤヤ)シュートがついに当たった。G江村優有(スポ1=愛知・桜花学園)が同点スリーポイントを決めて流れを作ると、神山、大原、ヤヤが続き一気に8点差をつける。たまらず大阪体育大がタイムアウトを取るも、早大は止まらなかった。ヤヤや江村のトリッキーなプレーで会場を沸かせ、60-44で最終Qへ。最後までリバウンドやルーズボールに食らいつき、第3Qにつけた点差を守り抜いた。最終スコアを66-57とし、悲願の準決勝進出を決めた。
攻守で活躍した大原
コートとベンチ、全員が一体となって戦う姿は、まさに『強い早稲田』だった。準決勝の相手は女王・東京医療保健大。関東大学女子リーグ戦では負けている相手だ。しかし、神山は「チャレンジャーだけど自信持って早稲田のバスケをして、なによりもこのチームで試合ができることを楽しみたい」と意気込んだ。インカレ準決勝で彼女たちの笑顔がはじけることを期待したい。
(記事 冷水睦実、写真 落合俊)
第73回全日本大学選手権 12月9日 (vs大阪体育大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
14 | 20 | 26 | 6 | 66 |
大阪体育大 | 23 | 14 | 7 | 13 | 57 |
◇早大スターティングメンバー◇
G#11 神山夢来主将(スポ4=埼玉栄)
C#7 大原咲織(スポ4=東京成徳高) F#34 今井美沙樹(商4=山梨・富士学苑) G#3 フェスターガードヤヤ(スポ2=宮崎・小林) G#23 江村優有(スポ1=愛知・桜花学園) |
コメント
G神山夢来主将(スポ4=埼玉栄)
――今日の試合を振り返って
まず、しっかり勝ち切れてよかったです。
――試合前のチームの雰囲気はいかがでしたか
すごくよかったです。体大のアジャストも全員で行って、各々が自分の役割を全うしてくれました。絶対勝つという気持ちがアップから雰囲気で作れていました。
――前半のシュートが入らない時間帯に我慢できた要因はなんですか
ディフェンスでやるべきことを徹底できたことだと思います。チームで決めていたことをやり続けられました。
――後半に逆転できた理由を教えてください
リバウンドやルーズボールで相手より気持ちを全面に出せたことだと思います。一つ一つのプレイを最後まで諦めないで全員で繋げたことが、逆転に繋がったと思います。
――明日の意気込みをお願いします
リーグで負けているので、チャレンジマッチです。ですが、自分たちもリーグからインカレまでの期間でやるべきことをやってきたので、チャレンジャーだけど自信持って早稲田のバスケをして、なによりもこのチームで試合ができることを楽しみたいです。明日コートの中、ベンチ全員が繋がって戦います!!
Gフェスターガードヤヤ(スポ2=宮崎・小林)
――今日の試合を振り返って
入りで少し相手のリズムになってしまったのが反省になったんですけど、ずっと我慢して自分たちのペースに持っていけたのは大きな成長だと感じた試合でした。
――チームの雰囲気はいかがでしたか
最初から最後までずっと声出し続けてみんなのために頑張ろう、みんなと頑張ろうって思えるような、絶対に負けない雰囲気がありました。
――前半のシュートが決まらない時間帯のタイムアウトはどんな話をしましたか
コーチの方々も信じて打ち続けろと言ってくれたので入らなくてもポジティブなマインドになれました。
――自分の一押しのプレーは
ずっと練習してきたジャンプシュートを自信もって決めたこと。
――反省点を挙げるとすれば
大事なときの2つのミスはゲームを一気に相手の流れに渡すようなミスだったので、そこが反省です。
――次戦への意気込みをお願いします
楽しみ続ける、戦い続ける、信じ続ける、です!!
G江村優有(スポ1=愛知・桜花学園)
――試合を振り返って
チームとしては、前半負けていたけれどディフェンスから徹底し、オフェンスに繋げていけていたところや、トーナメント・リーグ以上にコミュニケーションを取り合ってプレーをできていたところは良かったと思います。 個人としては、シュートの精度が悪かったり、判断が良くなかったりと反省点が多い試合でした。
――今日のチームの雰囲気
チームの雰囲気は今日に限らず、コート内もコート外もコミュニケーションを取り合い、すごく良いと思います。
――前半みんなのシュートが入らない中で、どうやって攻めようと思いましたか
シュートが入らないことを気にするのではなく、ディフェンスから徹底して流れを掴みオフェンスに繋げていくことと、シュートは打ち続けようと思いました。
――相手のチームの嫌だったところは
オフェンスでの飛び込みリバウンドです。
――今日の自分の一押しプレーは
3Qの始めに3点差で負けている場面で同点の3Pを決めたところです。
――明日の意気込みをお願いします
今日の反省点を明日の試合ではしっかりと修正して、頑張りたいと思います。