長丁場となった関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)も終わりに差し掛かっている。6戦目となる早大が迎え撃ったのは春の関東大学女子選手権では勝利を収めた日体大。今季2回目の対戦に、勝ちを譲らぬ両者は、序盤から激しくディフェンスをして、得点を許さない。しかし、相手の留学生選手の高さを前に、ディフェンスリバウンドを取りきれず、少しずつ点差は開き、22−35で試合を折り返す。第3クオーター(Q)、相手の高さに対応し、リバウンドを取れるようになると、試合の流れをつかみ一時6点差まで詰める。しかし、終盤にかけて日体大がディフェンスの強度を上げると、早大はペイントアタックができず、外角のシュートも決めきれず突き放された。最終スコア41−56で破れ、今大会の戦績を2勝4敗とした。
試合はGフェスターガードヤヤ(スポ2=宮崎・小林)の得点で幕を開けた。序盤は両者とも堅いディフェンスを見せ、シュートが決まらないロースコアな展開となった。しかし上背のある相手の留学生選手にリバウンドを制され、セカンドチャンスからの得点を許す。早大もG江村優有(スポ1=愛知・桜花学園)を中心に攻めるが、「決めるべきシュートを決めきれておらず確率が良くなかった」(江村)と、外角のシュートが入らず、10点ビハインドと追いかける展開で第2Qへ。ここから早大のファウルでフリースローを献上し、14点差まで開く。しかしF今井美沙樹(商4=山梨・富士学苑)のミドルシュートやフェスターガードのループシュートで食い下がり、流れは渡さないまま22−35で試合を折り返した。
シュートを狙う今井
後半戦、開始早々から相手に24秒バイオレーションをさせるなど、早大がディフェンスで足を動かす。さらに前半では取られていたリバウンドにも対応し、簡単に点を取らせない。オフェンスでは、「各々が思いきってゴールに向かい、勢いをつけられた」と今井。ガード陣を中心にドライブやバスケットカウントなど、積極的な姿勢を見せ、一時6点差まで詰めよった。良い流れのまま第4Qに入った早大だが、ここで日体大の強度の上がったディフェンスに苦戦した。「ペイントアタックができておらず、ディフェンスを中に収縮させないまま」だったと江村が話すように、ドライブができず、シュートチャンスをつくれない。C大原沙織(スポ4=東京成徳高)のリバウンドで粘りを見せたが、流れには乗れないまま試合が終了。今季2度目の対決は敗戦に喫した。
積極的にドライブを仕掛けた江頭璃梨(スポ1=宮崎・小林)
相手の堅いディフェンスに対して、中に切り込むことができず、試合を通じてオフェンスの流れを生み出せなか ったことが敗因として挙げられる。しかし第3Qでは、早大のディフェンスの強さから、追い上げる場面も見られた。「ディフェンスやリバウンド、オフェンスともに早稲田の強みと現時点での課題が明確になった」。4年生としてチームを牽引(けんいん)する今井は、試合後そのように振り返った。長いリーグ戦を戦う中で、チームや個人として良い収穫もあったはずだ。気持ちを切り替え、リーグ最終戦で勝利をつかむ。
(記事 落合俊、写真 冷水睦実)
第71回関東大学女子バスケットボールリーグ戦 10月23日(vs日体大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
13 | 9 | 13 | 6 | 41 |
日体大 | 23 | 12 | 11 | 10 | 56 |
◇早大スターティングメンバー◇
G#11 神山夢来主将(スポ4=埼玉栄)
C#7 大原咲織(スポ4=東京成徳高) F#34 今井美沙樹(商4=山梨・富士学苑) G#3 フェスターガードヤヤ(スポ2=宮崎・小林) G#23 江村優有(スポ1=愛知・桜花学園) |
コメント
F今井美沙樹(商4=山梨・富士学苑)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
ディフェンスやリバウンド、オフェンスともに早大の強みと現時点での課題の部分が明確になった試合でした。前半から主導権を握れなかったことがとても悔しいです。
――前半流れを引きよせることができませんでした。その原因はなんだと考えますか
オフェンスでの動きが止まってしまったり、リバウンドボールを取りきれなかったりと、日頃の練習でできていることが、コート上で表現できなかったことが原因だと思います。
――後半点差を詰めるために、どんなことをチームで話しあいましたか。また、後半うまくいった点を教えてください
もう一度全員でディフェンスやリバウンドなどの徹底することを確認した上で、目の前のバスケットを楽しもうと選手でも声をかけあいました。また、後半はそれぞれが思いきってゴールに向かい、勢いをつけられたところはとてもよかったと思います。
――今井選手ご自身はシュートがよく入っていた印象でした。今日のプレーを振り返っていかがでしたか
試投数が少なかったので、もっと積極的に外角からとシュートを狙っていくべきだったと思っています。
――最終戦への意気込みを教えてください
「早稲田のバスケット」を40分間コートの中で表現し続けられるように、そして全員で楽しむことを忘れずに戦っていきます。
G江村優有(スポ1=愛知・桜花学園)
――試合を振り返って、感想をお願いします
オフェンスではロースコアで、シュートを打つ本数が少なかったこと、決めきるべきシュートを決めきれておらず、確率が良くなかったことです。ディフェンスではスクリーン対応、ヘルプ・ローテーションでのコミュニケーションがとれていなかったり、遅かったりしたことです。ボックスアウトが徹底できていなくて、リバウンドをとられていたことなど改善するべき点が多い試合でした。
――試合を通じてスリーポイントを決めきれなかった印象です。原因はありますか
ペイントアタックができておらず、ディフェンスを中に収縮させないまま外にずっとボールがある状態だったため、3Pのシュートチャンスが少なくなっていたと思います。 個人としては、どのような状況であったとしてもシュートを沈められるように、精度にこだわって練習していきたいと思います。
――相手のディフェンスで攻めづらかったところはありましたか
パッシングから攻めるようにと監督から指示があったけれど、相手がディナイを張っていてミートができていなかったり、遅れたりしていました。
――第3Qでは追い上げを見せ、バスケットカウントなども決められていましたが、その時の心境を教えてください。また追い上げることができた要因はどこにあると思いますか
3Q始め、まだ追いつける点差だと思っていたので、ディフェンスから流れを掴んで積極的に攻めていくことを心がけていました。
――最終戦に向けて、意気込みをお願いします
最終戦はもっとシュート精度を上げ得点をとりにいき、ディフェンスから流れを掴んでチームの勝利に貢献できるよう、頑張りたいと思います。