健闘するも春の女王・東京医療保健大に完敗

女子バスケットボール

 早くも折り返しとなった秋のリーグ戦。2勝目が欲しい早大は、春の女王・東京医療保健大と対戦した。前半、長身の外国人選手へのディフェンスがうまくいくようになると、強気なドライブとオフェンスリバウンドで得点を重ねていく。しかし、安定したロングシュートを決めつづける相手に、じりじりと差をつけられ、15点差で後半へ。第3(クオーター)Q、立て続けにスリーポイントを許し、一気に30点差まで点差を広げられた。そのまま追いつくことはできず、64-99で敗北した。早大はリーグの戦績を1勝3敗とし、8チーム中5位に位置づけた。

 第1Q序盤は、流れに乗れず、相手に連続得点を許す。早大は6−0とされたところでタイムアウトを要求した。Gフェスターガードヤヤ(スポ2=宮崎・小林)のスピードのあるドライブインで初得点。ディフェンスでは長身のCジョシュアンフォノボテミトペ(東京医療保険大)を立て続けにダブルチーム、トリプルチームで止め、勢いに乗る。F今井美沙樹(商4=山梨・富士学苑)のスリーポイントシュートで3点差まで詰め寄ると、粘り強いオフェンスリバウンドで攻撃のチャンスを増やした。第1Q終了間際にヤヤがジャンプシュートを沈め、1点差でインターバルに入った。第2Qは「チームで共通理解を持ち、小さく守るようにしていた」(F江頭璃梨、スポ1=宮崎・小林)という早大に対応した、東京医療保健大のスリーポイントが炸裂(さくれつ)する。点を取り返したい早大だが「パスが回らない状態から、単発の攻めになって苦しいシュートが多くなってしまった」(G神山夢来主将、スポ4=埼玉栄)と、相手の堅いディフェンスを前に、いいシュートが打てない。徐々に離され、37-52でハーフタイムを迎えた。

 

外国人選手とのマッチアップで活躍したセンター陣

 ディフェンスで相手を止め、後半は好スタートを切った早大。今井のスリーポイントで10点差まで迫る。その後は、安定してスリーポイントを決め続ける東京医療保健大に対し、早大はガッツあるプレーで食らいついていく展開となる。第3Q残り5分を切ると、再度、苦しいシュートが増え、相手の得点が続いて、点差が一気に開く。流れが変わることはなく、46-78で最終第4Qへ。早大は最後まで意地を見せたが、大きくメンバーを変えた、東京医療保健大との点差を縮めることはできず、むなしく試合終了のブザーが鳴った。

 

スクリーンを使うG江村優有(スポ1=愛知・桜花学園)

 負けてしまったものの、これまでの試合で課題となっていた、外国人選手へのディフェンスはうまく機能していた。中を守る早大のディフェンスにいち早くアジャストし、外からのシュートを狙った東京医療保健大。その相手にさらに対応していかなければならなかったが、できなかった。リーグも後半戦、互いに研究しあい、戦術も分かってくる頃であるはずだ。試合中にアジャストしていく対応力で差がつくのではないだろうか。

(記事 冷水睦実、写真 早稲田大学女子バスケットボール部提供)

第71回関東大学女子バスケットボールリーグ戦 10月9日(vs東京医療保健大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

21 16 18 64
東京医療保健大 22 30 26 21 99

◇早大スターティングメンバー◇
G#11 神山夢来主将(スポ4=埼玉栄)

C#7 大原咲織(スポ4=東京成徳高)

F#34 今井美沙樹(商4=山梨・富士学苑)

G#3 フェスターガードヤヤ(スポ2=宮崎・小林)

G#23 江村優有(スポ1=愛知・桜花学園)

コメント

G神山夢来主将(スポ4=埼玉栄)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

通用したこと、逆に通用しなかったことがはっきりわかりました。試合の入りで、自分が特にだめだったんですが、相手に勢いを与えてしまいました。全員で体を張ってディフェンスしてマイボールにした後の攻撃で、しっかり点に繋げなければ流れは変えられないと痛感しました。

――東京医療保健大は春に優勝した強豪です。この試合までのチームの雰囲気はどんなものでしたか

チャレンジャー精神で、全員で臨みました。チームの雰囲気は悪くなかったです。学年関係なくチームの為に行動したり、発言してくれたりする人が多いので、全員でしっかり戦う準備はしてきました。

――前回の試合と同じように3ピリで大きく離されてしまいました。3ピリの一番良くなかったところはどこだと思いますか

相手に簡単にシュートまで持ってかれたこともそうですし、自分たちのオフェンスで動きが止まってしまいました。ウィングでパス受けなきゃいけない、ウィング陣がディフェンスを振り切れず、パスが回らない状態から、単発の攻めになって苦しいシュートが多くなってしまったことが良くなかった点だと思います。

――負けてしまったものの、前半はとてもいい流れを作ることができていたと思います。前半の良かったところを教えてください

交代で入った(江頭)璃梨とかが特に、ディフェンスでもオフェンスでも体を張ってチームを勢いづけるプレーをしてくれたからだと思います。全員でゴールにアタックして、ディフェンスの時は、連動して守れていた時間帯が多かったことが良かったと思います。

――次戦への意気込みを教えてください

反省点はしっかり修正して、体も気持ちも万全の状態に持っていきたいです。リーグ戦も折り返しているので、残りの試合を、悔いを残す事なく、今できる全てを出し切りたいです。ずっとポジティブな、背中を押してくれる声掛けをしてくれる仲間、チームの為に体を張ってる仲間、ゴールにアタックし続けて勢いを与えてくれる仲間がいます。結果として負けが続いてはいるけど、誰一人として諦めていないし、必ずチームの成長に繋がっていると思うし、そうであると信じています。相手がどこであっても、早稲田のバスケをして全員で勝ちに繋げたいです。

 

F江頭璃梨(スポ1=宮崎・小林)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

今日の相手は優勝候補である東京医療保健大だったので、自分らはチャレンジマッチだと思って、失うものや恐れるものは何もないと考え、強い気持ちでゲームに入りました。前半はチームの約束事を守りながら、オフェンスもディフェンスも勢いを持ってプレーできていたと思うのですが、後半は集中力や我慢する力が欠けていたと思うし、自分たちは相手にアジャストされたけれど、逆に相手のアジャストをできずに、相手のやりたいことをやられてしまったという印象でした。この1週間で修正して、来週からまたいい気持ちでゲームに臨めるように、心も体も整えていきたいです。

――以前から課題となっていた外国人選手への対応ですが、上手く機能していたように見えました。どんなところが上手くいった要因だと思いますか

逆サイドの三線ポジションの時に、留学生の死角から激しくダブルチームに行くことで、外にゆるいパスを出させるように意識してディフェンスしたことが、成功の要因だと思います。

――特に3ピリの中盤で、相手のスリーポイントに苦しめられました。それに対してどんな指示がありましたか

元々は中の確実な2点より、確率の下がるスリーポイントを打たせようという風にチームで共通理解を持ち、小さく守るようにしていたのですが、予想以上に相手のスリーポイントの確率が高かったし、クローズアウトが遅れて気持ちよく打たれてしまっていた点が反省点だと思います。

――相手に通用したところや武器になると思ったところを教えてください

相手に通用した点は、持ち味であるスピードのあるドライブです。いいミートから一瞬で判断することで相手を抜くことができたと思います。しかし、試合を重ねるにつれて、相手チームにもアジャストされてくると思うので、ジャンプシュートやスリーポイントの確率も上げていき、どこからでも点が取れるようなプレイヤーになっていきたいと考えています。

――次戦への意気込みを教えてください

今日はもちろん相手にも負けたのですが、それよりも自分達に負けたような試合だったと思います。ワセダらしいバスケットとは何なのか一人一人がもう一度見つめ直して、見ている人達をワクワクさせられるような、バスケットをできるように切り替えて頑張ります。応援のほどよろしくお願いします!