課題を残しつつも、早慶戦34連覇達成!

女子バスケットボール

 今年で79回目となる早慶バスケットボール定期戦。昨年は新型コロナウイルス流行により、異例の12月開催で4年生の引退試合となった。例年通りの6月に行われた今大会。早大は無観客での伝統の一戦に挑んだ。試合開始直後、ミスから先制点を奪われた早大はリズムを崩す。その後もなかなか流れをつくれず、ミスを連発した。しかし第2クオーターでは、着実に点差を広げ52ー32で試合を折り返す。後半に入ると普段の早大を取り戻した。早いパス回しからの1対1で得点を量産し、チームディフェンスで相手にいいシュートを打たせない。早大の地力を見せつけ、97ー56で勝利し、早慶戦34連覇を達成した。

 試合開始早々、パスミスから速攻を決められる。そこから流れは慶大へ傾いた。シュートをなかなか決められない焦りからパスミスを繰り返す早大に対し、F,C武藤怜(4年)のスリーポイントを中心に得点を重ねる慶大。ペースを立て直すことはできないものの、開始7分のGフェスターガードヤヤ(スポ2=宮崎・小林)のスリーポイントから点差を広げ、一時は10点差に。しかし、終了間際に慶大のG,F眞尾瞳(4年)にブザービートを決められ20ー15で第1Qを終えた。インターバル明け、ブザービートで勢いに乗りスリーポイントを多用してくる慶大。それに対し、高さで勝る早大はC松﨑玲那(社1=愛知・桜花学園)のポストプレーなど、インサイドを中心に攻める。ディフェンスでは相手の隙を突いたスティールが増え、ジリジリと点差をつけた。なかなか流れはつくれないものの、コンスタントに点を取り、52ー32で試合を折り返した。

 

 

パス回しで得点を演出するヤヤ

 「自分たちのバスケを貫かなくてはいけない」(大原)という思いを共有し、迎えた第3Q。話し合いで出た課題を改善し、安定感のあるチームディフェンス、リバウンドから速攻につなげ、点差を引き離す。たまらず開始6分でタイムアウトを取る慶大。このタイムアウト後が圧巻だった。G中山桂(スポ2=愛知・桜花学園)のドライブ、F桂蘭(スポ3=愛知・桜花学園)の2本のスリーポイントで点差を一気に34点に。流れに乗ったまま第4Qに突入した。途中交代したG利川晴菜(文構1=埼玉・早大本庄)らも躍動し、早大ペースを守る。第4Q終盤には4年生5人が同時にコートに立った。けがをしている選手もいるため完全なかたちではないものの、対談の際に黒井優衣(トレーナー、スポ4=新潟明訓)が語った「もう一度(4年生)5人で試合に出てほしい」という願いにこたえた。最終スコアは97ー56。決して完璧な勝利ではなかったが、最後は笑顔で終えることができた。

 

ゴール下で活躍したC中野雛菜(スポ1=神奈川・東海大相模)

 今プレーできる全員がコートに立ったこの試合。それぞれに反省点はありつつも、伝統の早慶戦で勝利を収めた。これから、秋のリーグ戦やインカレに向けた夏の練習が始まる。「リーグ戦で絶対に1番をとる」(ヤヤ)という意気込みを胸に、今ある課題を一つ一つ解決していく。日本一を目指す早大から今後も目が離せない。

(記事 冷水睦実、写真 宮島真白)

第79回早慶定期戦 6月27日
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

20 32 24 21 97
慶大 15 17 10 14 56
◇早大スターティングメンバー◇
G#11 神山夢来主将(スポ4=埼玉栄)

F#34 今井美沙樹(商4=山梨・富士学苑)

G#3 フェスターガードヤヤ(スポ2=宮崎・小林)

C#22 中野雛菜(スポ1=神奈川・東海大相模)

G#23 江村優有(スポ1=愛知・桜花学園)

コメント

G#3 フェスターガードヤヤ(スポ2=宮崎・小林)

――まず、今日の試合を振り返っていかがですか

 楽しかったし、全員が出れたことがすごくうれしいことだなと思います。最後には4年生が出てとても盛り上がりました! けれど、自分たちのベストではなかったので、これから直すところや課題も見つかりました。

――けが復帰後でしたが、調子はいかがですか

 まだ自分の感覚は戻っていないのですが、とりあえず走ろうということで走りました。今の自分の中では結構いいプレーができたかなと思います。

――ポストプレーが多く見られましたが、チームの中で練習などをしていたのですか

 相手が自分たちよりも低かったので、そこの強みを活かせるように意識していました。

――ボールを持っている時はどのようなことを考えていましたか

 誰が空いているんだろうと思ってました。

――前半はオフェンスでのミスが目立ったかと思いますが、タイムアウトやインターバルではどのような話がありましたか

 相手のペースに合わせるのではなく、自分たちのバスケットをやればまた流れが戻ってくるという話をされました。

――伝統ある早慶戦でしたが、どのような思いでしたか

 今このコロナ禍の中で、この早慶戦をできるということがまず本当にうれしかったです!

――試合を振り返って、まだベストではなく、課題が見つかったというように仰っていましたが、具体的にはどのような課題が見つかりましたか

 速攻で点につながらなかったり、ディフェンスで何度も同じ人にやられたり、リバウンドはボックスアウトを徹底しようという話だったのにそこを取られたりしてしまいました。

――最後に、この夏の目標を教えてください

 リーグ戦で絶対に1番をとるために、今ある課題を1日1日つぶしていくことかなと思います。

 

C#7 大原咲織(スポ4=東京成徳高)

――今日の試合を振り返っていかがでしたか

 結果として勝てたことは良かったのですが、最初の入りで先制点を取られてしまったり、チームディフェンスがあまりできず自分たちのやりたいことができなかったりしました。例えば、1対1の時にドライブに行ききれなかったり、 リバウンドを取りきれていなかったりと、自分たちが今までに徹底してきたことがきちんとできていなかったので、ベンチも暗くなってしまいました。点数を取られすぎたかなと感じています。相手に合わせてプレーをするのではなく、入りから自分たちの流れでやって自分たちのバスケを貫かなくてはいけなかったなと思います。

――3ピリオドなど、いいプレーが増えてきましたが、チームの中でどのような意識の変化がありましたか

 タイムアウトなどで集まる時に、キャプテンをはじめとして、みんながこういう試合をしようときちんと言えていました。また、3ピリオドというのは遅いのですが、個人個人でやばいと自覚しはじめた時間帯であったのかなと思います。

――今シーズン初めての試合だったと思いますが、この夏このようにしていきたいというのはありますか

 今日に関しては、入りが最悪でした。しょうがないかなと思ってもらえてるかもしれないですが、4年生としてこのようなプレーをしてしまったことは情けないことだと思います。最後の年でもあるので、きちんと責任を持ったプレーを一つ一つやっていけたらいいかなと思います。

――伝統のある早慶戦ということで、何か思いはあるのでしょうか

 今年はオンラインというかたちですが、いろいろな人に見ていただける場でもあります。なので、早慶戦という特別な場で勝つということは、チームとしてただ勝つという以上のものがあります。そんな早慶戦に勝てたというのは一つ大きなことだと思いますし、よろこばしいです。自分としては最後の早慶戦で、初めは出れない予定だったのですが、なんとかぎりぎり間に合いました。また、けが人はいたものの4年生の5人全員で出れたことは大きな一歩というか、とても良かったことだなと思います。

 

C#22 中野雛菜(スポ1=神奈川・東海大相模)

――今日の試合を振り返って、いかがでしたか

全員で出場できたことが、まずうれしかったです。 私自身もけがをして、練習に参加できない時もあったのですが、治療をして、チーム全員で出場できたことが良かったです。

―― 春の大会よりもポストプレイが増えたように思いますが、どのようなことを意識しましたか

今までは重心が上がってしまい、上半身だけで面を取る事が多かったのですが、腰を下げて足を広くして面を取ることを意識しました。また、相手の動きや、自分たちのパス回しを見て、タイミング良く面を取れるように意識しました。

――前半オフェンスでのミスが目立ったように思いますが、タイムアウトやインターバルでどんな話がありましたか

先程言ったように、重心が上がってしまっているため、ボールが逃げてしまうということや、自分から攻めるよりも周りを探してしまうというミスが多かったので、それに関するアドバイスを貰いました。また、先輩にも応援の声をかけてもらいました。

――伝統のある早慶戦でした。思いを聞かせてください

高校時代は無名で伝統などは無かったのですが、今回伝統のある早慶戦に出れたことや、あまりなかったセンターコートで試合をすることができたので、楽しかったです。

――この夏の課題や目標をおしえてください

基本的な事がまだできていないので、初期トレをして、フィジカルを強くしていきたいです。また、ターンシュートにしても、シンプルなプレーが多くなってしまっているので、フェイクを入れたり、タイミングをずらしたりという事などもできるようにしていきたいと思います。